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【プロローグ】これが例の悪夢スポットです(測定値がヤバい)
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「うわぁ……これが例の悪夢スポットか」
ヴァルターが手にした時間粒子検出器の画面を見て、心底うんざりしたような声を出した。
液晶がピコピコと点滅して、まるで具合の悪いゲーム機みたいだ。というか、数値が完全にイカれている。針が振り切れて「DANGER」の文字が点滅しているのを見ていると、だんだん頭が痛くなってくる。
彼は19歳程度の見た目のわりにこういうことには、抵抗があるようだった。
「お疲れ様、お兄様」
隣でストレッチをしていたイヴリンが、猫みたいにしなやかに体を伸ばしながら声をかけた。暗闇の中でも、彼女の動きはやたらと優雅である。
彼女は17歳らしいしなやかな動きである。しかし二人とも実際過ごした年月は、はるかに違うものだった。
「でも今回は結構深刻よ? デイズバリーのお医者さんが困り果ててるんですもの」
「あー、例の患者さんたちの話か」
ヴァルターは検出器を腰のベルトに引っ掛けて、目の前の建物を見上げた。
マンチェスター郊外の古い時計台。十九世紀に建てられた、本来なら由緒正しい歴史的建造物のはずなのに——今夜はまるで悪役のアジトのように不気味な赤い光を放っていた。
「この一週間で三十人の患者さん、みーんな同じ夢を見てるんですって」
イヴリンは背伸びをしながら説明を続ける。獲物を狙う豹というより、どちらかといえば可愛らしい子猫が準備運動をしているような感じだった。でも、その瞳だけは真剣そのものである。
「時計台に誘われる夢でしょ? んで、夢の中で何かに生気を吸い取られる感覚があって、目が覚めてもぐったり疲れてるっていう」
「そうそう! よく覚えてるじゃない」
と、その時だった。
ゴォォォォォン——————
突然、時計台から聞いたこともないような不協和音が響いた。
まるで巨大な鉄パイプを素手で殴ったような、耳がキーンとする音だ。思わず両手で耳を塞ぎたくなる。
「うげっ、きたきた」
ヴァルターが顔をしかめた瞬間、霧の中から黒い影がニョロニョロと立ち上がった。
一応、女性の姿——のはずなのだが、輪郭がぐにゃぐにゃと歪んでいる。まるで水に映った月みたいに、ゆらゆらと揺れ続けている。深いフードの奥から覗く紫の瞳だけが、ぎらぎらと悪意に満ちて光っていた。
夢食らいの魔女——悪夢の種蒔き人。
なんとも物騒な二つ名である。
「あらあら~、噂の『永遠の旅人』たちじゃない」
魔女の声は蜂蜜みたいに甘い。でも、なぜか背筋がぞくっとする。まるで毒蛇が子守歌を歌っているような、そんな不気味さがあった。
「あなたたちの夢も、きっと美味しいのでしょうね~。永遠の時を生きる者の絶望って、いったいどんなお味なのかしら?」
ぞわぞわする。この魔女、明らかに普通じゃない。
魔女が細い指をひらひらと振ると、霧がぐるぐる回り始めた。その中に、ぼんやりとした人影がたくさん浮かび上がる。目を閉じたまま、まるでゾンビみたいにふらふらと時計台に向かって歩いている。
「うわー! 巻き込まれちゃってる人たちがいるじゃない!」
イヴリンが飛び跳ねた。
「放っておけないわ!」
一歩で三メートルは進む超人的な跳躍力で、イヴリンは霧の中を稲妻のように駆け抜ける。操られた人たちを次々と安全な場所へ運んでいく。
その身体能力、どう考えても人間じゃない。
「ふむ、仕事が早いな」
ヴァルターは腰のポーチに手を伸ばした。時の魔女からもらった三つの宝物が入っている。
クロノス・パルス(古い懐中時計)、アストラル・プリズム(きれいな水晶)、エコー・オブ・クラリティ(銀の鈴)。
どれもこれも、見た目は普通のアンティークなのだが、実際は恐ろしく強力な魔術道具である。
『使いなさい』
時の魔女の声がヴァルターの頭の中に響いた。遠くで身動きが取れない彼女の意思が、宝物を通して伝わってくる。
『東の魔女の手下を野放しにするわけにはいかないわ』
ヴァルターがクロノス・パルスを開くと、世界がスローモーション映画みたいになった。魔女の動きがのろのろと減速する。
その隙に、イヴリンが一般人を救出する。
ところが——
「あははは! 時間操作なんて、子供の遊びじゃない~」
夢食らいの魔女は、けらけらと笑った。
「私の領域は夢よ~。時間なんて関係ないの~」
ヤバい。この魔女、明らかに格が違う。
【プロローグ-2】夢の中では物理法則なんて意味がない件について
魔女が両手をパーッと広げると、現実の時計台の後ろに巨大な幻の時計台がぼわーんと現れた。
その針は狂ったようにぐるぐる回っている。見ているだけで目が回りそうだ。
「さあ時計台~、彼らの現実を侵食なさ~い」
幻影から亀裂がバキバキと走り、現実の空間を歪ませ始める。草花が枯れ、街灯の光がひゅーっと薄れていく。まるで巨大な掃除機で生命力を吸い取られているみたいだった。
でも、ヴァルターとイヴリンには時の魔女の防護結界がかかっている。だから、とりあえず即死することはない。
『反撃よ!』
時の魔女の声に従い、ヴァルターがアストラル・プリズムを砕いた。
パリーン!
水晶の破片が光の矢になって魔女に向かって飛ぶ。しかし魔女は霧と一体化して、ひょいっと攻撃をかわしてしまう。
「お兄様、下がって! 正面突破よ!」
イヴリンが地面を思いっきり蹴って、十五メートル以上ジャンプした。空中で三回転しながら、隕石みたいな勢いで急降下攻撃。
その光景は、まるでアクション映画のワンシーンのようだった。
でも——
「甘い甘い~」
魔女は霧の渦でイヴリンの軌道を逸らした。イヴリンは地面にドカーンと激突して、コンクリートにクレーターを作ってしまう。
「痛っ……!」
「甘いのね~。夢の中では、物理法則なんて意味がないのよ~」
魔女が指をパチンと鳴らすと、イヴリンの周りに悪夢の映像が展開された。
燃える森、絶望する人々、そして泣いている小さなイヴリンの幻影。
「これ……昔の記憶?」
イヴリンが動きを止めた隙に、魔女の霧がじわじわと巻き付く。生命エネルギーが吸い取られ始める。
まずい。このままだとイヴリンが——
「イヴリン!」
ヴァルターがエコー・オブ・クラリティを振った。
チーン……
澄んだ鈴の音が響くと、悪夢の幻影が煙みたいに消えた。
『まだ力が足りないわ』
時の魔女の声に焦りが混じっている。
『もっと近くにいれば……この封印が……』
戦いは膠着状態だった。相手は霧と夢の力で攻撃をひらりひらりとかわし続ける。二人の攻撃は決定打にならない。
でも、ヴァルターとイヴリンは密かに地面に封印の図を描き続けていた。
「イヴリン、古代図式を使うぞ」
「え? それって奥の手でしょ?」
「そのタイミングらしい。他に手がない」
「……わかったわ」
二人は地面に複雑な幾何学模様を描き始めた。ヴァルターが外周を、イヴリンが内部の紋様を流れるように描いていく。
まるでコンパスと定規で数学の図形を描いているみたいだった。
「あなたたち! まさか古代の術を知ってるの?」
魔女が警戒して連撃を繰り出した。
「だてに長生きしてないんだよ」
ヴァルターが攻撃をかわしながら地面の図式をなぞる。文字が光って、まるで数学の方程式みたいに輝く。
「古代の封印術よ~」
イヴリンも数式をなぞりながら挑発的に微笑む。
でも相手も魔女だ。当然、この術のことを知っていた。
「魔女を異界に送り返す儀式ね~。でも、私がその円の中に入ってくれないと発動しない~。そんな子供だましの罠に引っかかるほど愚かじゃ……ないわ……?」
封印陣の文字が赤く光り、陣の外側に純白の光が立ち上り始める。
ブゥゥゥン……
低い振動音が響く。
「この光……時間の純粋なエネルギー? まさか、あなたたちの永遠の時を燃料にして陣を拡張してるの?」
魔女の声に、初めて動揺が混じった。
「そうだ」
ヴァルターが静かに答える。
「俺たちの時間の一部を代償に、お前を封印する」
魔女の紫の瞳に、初めて恐怖の色が浮かんだ。
「これ『理の言霊』? 時の魔女の魔法じゃない? ちょっと待って、私はただの駒よ! 本当の脅威は彼方にいるの! 東の魔女が……」
封印陣の光が最大になった。魔女は光の竜巻にずるずると吸い寄せられていく。
「くそっ! 時の魔女に伝えなさい! 東の魔女が目覚めた時、この世界は永遠の退屈に包まれるって!」
魔女が最後の力を振り絞って叫んだ。
「彼女は時間そのものを支配して、すべての感情を……」
パァーッと光が爆発して、夢食らいの魔女は光の粒子になって夜空に散っていく。
霧が晴れて、時計台は元の静かな姿に戻った。
『よくやったわ』
時の魔女の声がヴァルターの心に響く。
『でも、これは始まりに過ぎない。東の魔女の本拠地を見つけなさい。私は彼女の封印の矢に縛られて、あなたたちを支援することしかできないの』
「東の魔女……」
ヴァルターが荒い息をつきながら呟く。
「やっぱり名前が出たね」
イヴリンが汗を拭きながら答える。
「今まで戦ってきた魔女たち、みーんなあいつの配下だったのか」
二人は時計台を見上げた。
戦いは終わったけど、もっと大きな脅威の存在が明らかになった。
夜明けが近づいて、マンチェスターの街に静寂が戻った。でも、ヴァルターとイヴリンの心には、新たな戦いへの予感がドキドキと脈打っていた。
ヴァルターが手にした時間粒子検出器の画面を見て、心底うんざりしたような声を出した。
液晶がピコピコと点滅して、まるで具合の悪いゲーム機みたいだ。というか、数値が完全にイカれている。針が振り切れて「DANGER」の文字が点滅しているのを見ていると、だんだん頭が痛くなってくる。
彼は19歳程度の見た目のわりにこういうことには、抵抗があるようだった。
「お疲れ様、お兄様」
隣でストレッチをしていたイヴリンが、猫みたいにしなやかに体を伸ばしながら声をかけた。暗闇の中でも、彼女の動きはやたらと優雅である。
彼女は17歳らしいしなやかな動きである。しかし二人とも実際過ごした年月は、はるかに違うものだった。
「でも今回は結構深刻よ? デイズバリーのお医者さんが困り果ててるんですもの」
「あー、例の患者さんたちの話か」
ヴァルターは検出器を腰のベルトに引っ掛けて、目の前の建物を見上げた。
マンチェスター郊外の古い時計台。十九世紀に建てられた、本来なら由緒正しい歴史的建造物のはずなのに——今夜はまるで悪役のアジトのように不気味な赤い光を放っていた。
「この一週間で三十人の患者さん、みーんな同じ夢を見てるんですって」
イヴリンは背伸びをしながら説明を続ける。獲物を狙う豹というより、どちらかといえば可愛らしい子猫が準備運動をしているような感じだった。でも、その瞳だけは真剣そのものである。
「時計台に誘われる夢でしょ? んで、夢の中で何かに生気を吸い取られる感覚があって、目が覚めてもぐったり疲れてるっていう」
「そうそう! よく覚えてるじゃない」
と、その時だった。
ゴォォォォォン——————
突然、時計台から聞いたこともないような不協和音が響いた。
まるで巨大な鉄パイプを素手で殴ったような、耳がキーンとする音だ。思わず両手で耳を塞ぎたくなる。
「うげっ、きたきた」
ヴァルターが顔をしかめた瞬間、霧の中から黒い影がニョロニョロと立ち上がった。
一応、女性の姿——のはずなのだが、輪郭がぐにゃぐにゃと歪んでいる。まるで水に映った月みたいに、ゆらゆらと揺れ続けている。深いフードの奥から覗く紫の瞳だけが、ぎらぎらと悪意に満ちて光っていた。
夢食らいの魔女——悪夢の種蒔き人。
なんとも物騒な二つ名である。
「あらあら~、噂の『永遠の旅人』たちじゃない」
魔女の声は蜂蜜みたいに甘い。でも、なぜか背筋がぞくっとする。まるで毒蛇が子守歌を歌っているような、そんな不気味さがあった。
「あなたたちの夢も、きっと美味しいのでしょうね~。永遠の時を生きる者の絶望って、いったいどんなお味なのかしら?」
ぞわぞわする。この魔女、明らかに普通じゃない。
魔女が細い指をひらひらと振ると、霧がぐるぐる回り始めた。その中に、ぼんやりとした人影がたくさん浮かび上がる。目を閉じたまま、まるでゾンビみたいにふらふらと時計台に向かって歩いている。
「うわー! 巻き込まれちゃってる人たちがいるじゃない!」
イヴリンが飛び跳ねた。
「放っておけないわ!」
一歩で三メートルは進む超人的な跳躍力で、イヴリンは霧の中を稲妻のように駆け抜ける。操られた人たちを次々と安全な場所へ運んでいく。
その身体能力、どう考えても人間じゃない。
「ふむ、仕事が早いな」
ヴァルターは腰のポーチに手を伸ばした。時の魔女からもらった三つの宝物が入っている。
クロノス・パルス(古い懐中時計)、アストラル・プリズム(きれいな水晶)、エコー・オブ・クラリティ(銀の鈴)。
どれもこれも、見た目は普通のアンティークなのだが、実際は恐ろしく強力な魔術道具である。
『使いなさい』
時の魔女の声がヴァルターの頭の中に響いた。遠くで身動きが取れない彼女の意思が、宝物を通して伝わってくる。
『東の魔女の手下を野放しにするわけにはいかないわ』
ヴァルターがクロノス・パルスを開くと、世界がスローモーション映画みたいになった。魔女の動きがのろのろと減速する。
その隙に、イヴリンが一般人を救出する。
ところが——
「あははは! 時間操作なんて、子供の遊びじゃない~」
夢食らいの魔女は、けらけらと笑った。
「私の領域は夢よ~。時間なんて関係ないの~」
ヤバい。この魔女、明らかに格が違う。
【プロローグ-2】夢の中では物理法則なんて意味がない件について
魔女が両手をパーッと広げると、現実の時計台の後ろに巨大な幻の時計台がぼわーんと現れた。
その針は狂ったようにぐるぐる回っている。見ているだけで目が回りそうだ。
「さあ時計台~、彼らの現実を侵食なさ~い」
幻影から亀裂がバキバキと走り、現実の空間を歪ませ始める。草花が枯れ、街灯の光がひゅーっと薄れていく。まるで巨大な掃除機で生命力を吸い取られているみたいだった。
でも、ヴァルターとイヴリンには時の魔女の防護結界がかかっている。だから、とりあえず即死することはない。
『反撃よ!』
時の魔女の声に従い、ヴァルターがアストラル・プリズムを砕いた。
パリーン!
水晶の破片が光の矢になって魔女に向かって飛ぶ。しかし魔女は霧と一体化して、ひょいっと攻撃をかわしてしまう。
「お兄様、下がって! 正面突破よ!」
イヴリンが地面を思いっきり蹴って、十五メートル以上ジャンプした。空中で三回転しながら、隕石みたいな勢いで急降下攻撃。
その光景は、まるでアクション映画のワンシーンのようだった。
でも——
「甘い甘い~」
魔女は霧の渦でイヴリンの軌道を逸らした。イヴリンは地面にドカーンと激突して、コンクリートにクレーターを作ってしまう。
「痛っ……!」
「甘いのね~。夢の中では、物理法則なんて意味がないのよ~」
魔女が指をパチンと鳴らすと、イヴリンの周りに悪夢の映像が展開された。
燃える森、絶望する人々、そして泣いている小さなイヴリンの幻影。
「これ……昔の記憶?」
イヴリンが動きを止めた隙に、魔女の霧がじわじわと巻き付く。生命エネルギーが吸い取られ始める。
まずい。このままだとイヴリンが——
「イヴリン!」
ヴァルターがエコー・オブ・クラリティを振った。
チーン……
澄んだ鈴の音が響くと、悪夢の幻影が煙みたいに消えた。
『まだ力が足りないわ』
時の魔女の声に焦りが混じっている。
『もっと近くにいれば……この封印が……』
戦いは膠着状態だった。相手は霧と夢の力で攻撃をひらりひらりとかわし続ける。二人の攻撃は決定打にならない。
でも、ヴァルターとイヴリンは密かに地面に封印の図を描き続けていた。
「イヴリン、古代図式を使うぞ」
「え? それって奥の手でしょ?」
「そのタイミングらしい。他に手がない」
「……わかったわ」
二人は地面に複雑な幾何学模様を描き始めた。ヴァルターが外周を、イヴリンが内部の紋様を流れるように描いていく。
まるでコンパスと定規で数学の図形を描いているみたいだった。
「あなたたち! まさか古代の術を知ってるの?」
魔女が警戒して連撃を繰り出した。
「だてに長生きしてないんだよ」
ヴァルターが攻撃をかわしながら地面の図式をなぞる。文字が光って、まるで数学の方程式みたいに輝く。
「古代の封印術よ~」
イヴリンも数式をなぞりながら挑発的に微笑む。
でも相手も魔女だ。当然、この術のことを知っていた。
「魔女を異界に送り返す儀式ね~。でも、私がその円の中に入ってくれないと発動しない~。そんな子供だましの罠に引っかかるほど愚かじゃ……ないわ……?」
封印陣の文字が赤く光り、陣の外側に純白の光が立ち上り始める。
ブゥゥゥン……
低い振動音が響く。
「この光……時間の純粋なエネルギー? まさか、あなたたちの永遠の時を燃料にして陣を拡張してるの?」
魔女の声に、初めて動揺が混じった。
「そうだ」
ヴァルターが静かに答える。
「俺たちの時間の一部を代償に、お前を封印する」
魔女の紫の瞳に、初めて恐怖の色が浮かんだ。
「これ『理の言霊』? 時の魔女の魔法じゃない? ちょっと待って、私はただの駒よ! 本当の脅威は彼方にいるの! 東の魔女が……」
封印陣の光が最大になった。魔女は光の竜巻にずるずると吸い寄せられていく。
「くそっ! 時の魔女に伝えなさい! 東の魔女が目覚めた時、この世界は永遠の退屈に包まれるって!」
魔女が最後の力を振り絞って叫んだ。
「彼女は時間そのものを支配して、すべての感情を……」
パァーッと光が爆発して、夢食らいの魔女は光の粒子になって夜空に散っていく。
霧が晴れて、時計台は元の静かな姿に戻った。
『よくやったわ』
時の魔女の声がヴァルターの心に響く。
『でも、これは始まりに過ぎない。東の魔女の本拠地を見つけなさい。私は彼女の封印の矢に縛られて、あなたたちを支援することしかできないの』
「東の魔女……」
ヴァルターが荒い息をつきながら呟く。
「やっぱり名前が出たね」
イヴリンが汗を拭きながら答える。
「今まで戦ってきた魔女たち、みーんなあいつの配下だったのか」
二人は時計台を見上げた。
戦いは終わったけど、もっと大きな脅威の存在が明らかになった。
夜明けが近づいて、マンチェスターの街に静寂が戻った。でも、ヴァルターとイヴリンの心には、新たな戦いへの予感がドキドキと脈打っていた。
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