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第一章 秘密の始まり
11.甘い闇 ★
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現実の感覚が、遠のいていく。
(い、いつの間に……ここまで……? は、早すぎる……!)
「……やっ……」
思わず首を振ると、ゼファーは、どこか楽しそうに微笑んだ。
「自分で、開いてごらん」
「はぅ?」
我ながら情けない声が出た。
(今、何て……?)
「無理強いはしない」
これは、彼の優しさなんかじゃない。
むしろ、意地が悪い。
(無理です、なんて言ったら……この人、絶対に拗ねる)
そんなこと、分かっているのに。
(……もう、やだ)
閉じた膝を少しずつ、開いていく。
それでも内腿に力が入ってしまう。
「も、もぉ、これ以上は……ゼファー様」
(恥ずかしい……死にたい)
泣きそうな声で訴えると、彼は膝裏を掬うようにして、軽々と持ち上げた。
急に大きく開かされると、恥ずかしさで頭が真っ白になる。
腿の内側まで伝う濡れた感触。
「や……ゼファー様。見ないで……」
開かされた膝の間。蜜を滴らせ、彼を待ち構えている場所を、蒼銀の瞳がじっと見据えている。
「なぜ隠す……こんなに愛らしいのに」
吐息が、ルネの最も敏感な場所に触れる。
それだけの刺激で、自分の中から、どく、どくっと止めどなく溢れ出るものがあった。
「あ、ぁあっ……!」
ルネは机の上で背中を反らせ、敷かれた彼の官服を爪で引っ掻く。
高価な絹が引きつれる音すら、今の彼女には快感の合図でしかなかった。
「もう、こんなに濡れている」
低く囁かれる。
「まだ、触れてもいないのに」
開かれた膝の、その中心に、指先が触れる。
繊細な場所を、長い指が探るように動く。
「やっ、あぁ……あっ!」
鼻にかかった声を抑えようとしても我慢ができなかった。
意地悪な言い方と与えられる感覚は、抗いがたいほど甘い。
身体の中心が、きゅっと熱く疼く。
「ゼ……ゼファーさ、まぁ!」
(……やだ、やだやだやだ……)
理性だけが、遅れて悲鳴を上げる。
自分の身体なのに、自分じゃないみたい。
恥ずかしくて、全身が熱くなる。
(こんなの……まるで……まるで)
「……や……ゼファー様……嫌わ、ないで……」
「君はやはり、バカだ。私がルネを嫌うなどあり得ない」
深い艶めいた声で、ゼファー言った。
肌と肌が重なり、温もりが伝わってきて、ようやく息ができた。
「だって、私……こんな……」
「私も同じだ」
ゼファーは、静かにルネを見つめた。
「ルネが、欲しい」
その一言に、胸が跳ねる。
指が深く沈み込むのを感じても、怖くはなかった。
――ゼファー様が抱きしめてくれるから。
身体の中に入ったゼファーの指が、淫らな蜜を掻きだすように動く。
「はぁんっ!」
ルネは、ほとんど無意識のうちに腰を浮かせていた。
彼からの、さらなる責めをねだる。
やがて、ゼファーの両手がルネの腰を掴み、身体ごと持ち上げられる。
濡れそぼったそこに、熱を帯びた存在が触れた。
「ゼファー様……」
彼が入ってくる。
指とは全然違う、大きな質量が。
まだ慣れない自分を気遣うように、ゆっくりと、慎重に――
全身が震えるほどの圧迫感が、奥まで貫く。
声を抑えることができない。
「あぁ……っ!」
(ゼファー様に気を使わせてしまう……どうして、いつまでも慣れることができないの)
「ルネ……大丈夫か」
問いかける声に、余裕はない。
ルネを抱く腕が微かに震えている。
それでも、気遣ってくれるのが、はっきり分かる。
(……それなのに)
「だ、大丈夫です……だから、もっと」
言葉を探し、ようやく絞り出す。
「……もっと強く、ぎゅって……」
その願いに応えるように、ゼファーは、何も言わずにルネを抱きしめた。
肌と肌が、吸いつくように密着する。
しばらく、そうしてから、ゼファーはそっと口づけを落とした。
その優しさが、嬉しくてルネは泣きたくなるほど、幸せな気持ちになる。
(このまま、ずっと――ゼファー様の愛情に溺れていたい)
ゆっくりと揺すられる。
最初は、ただ痛くて熱くて、苦しかったのに。
でも、奥まで深く突き上げられるたびに。
夜毎、ゼファーを迎え入れるたびに。
痛みが溶けていく。
悦びに変わっていく。
ゼファーの吐息が、体温が、ルネの中に染み込んでくる。
「んぁっ、あぁっ」
思わず、漏れた自分の声さえ、遠く感じる。
串刺しにされる感覚に、酔いしれてしまう。
「ルネ。私のものだ。その魂ごと……誰にも渡さない」
その宣言と共に、熱い質量がルネの身体を割り込み、奥深くまで侵入してくる。
肺の空気がすべて押し出されるような圧迫感。
けれど、それ以上に『彼に満たされている』という圧倒的な充足感に、ルネは涙をこぼした。
――もう、戻れない。
強く抱きしめられ、身体も心も、同じ熱に溶かされていく。
生きていることも、触れ合っていることも、すべてが一つになって、境目を失っていく。
「……ゼファー、さま……」
何も考えられない。彼のことだけしか。
やがて、身体の奥で、彼の気配が満ちて……。
世界が、ゆっくりと、遠のいていく。
(……ゼファー様……)
幸せで。
満たされて。
でも、最後の理性が、小さく抗議する。
(……明日、まともに歩けるかな。というか、仕事は? 禁書庫の整理が……)
そんな現実的なことを考えながら——ルネの意識は、甘い闇に沈んでいった。
(い、いつの間に……ここまで……? は、早すぎる……!)
「……やっ……」
思わず首を振ると、ゼファーは、どこか楽しそうに微笑んだ。
「自分で、開いてごらん」
「はぅ?」
我ながら情けない声が出た。
(今、何て……?)
「無理強いはしない」
これは、彼の優しさなんかじゃない。
むしろ、意地が悪い。
(無理です、なんて言ったら……この人、絶対に拗ねる)
そんなこと、分かっているのに。
(……もう、やだ)
閉じた膝を少しずつ、開いていく。
それでも内腿に力が入ってしまう。
「も、もぉ、これ以上は……ゼファー様」
(恥ずかしい……死にたい)
泣きそうな声で訴えると、彼は膝裏を掬うようにして、軽々と持ち上げた。
急に大きく開かされると、恥ずかしさで頭が真っ白になる。
腿の内側まで伝う濡れた感触。
「や……ゼファー様。見ないで……」
開かされた膝の間。蜜を滴らせ、彼を待ち構えている場所を、蒼銀の瞳がじっと見据えている。
「なぜ隠す……こんなに愛らしいのに」
吐息が、ルネの最も敏感な場所に触れる。
それだけの刺激で、自分の中から、どく、どくっと止めどなく溢れ出るものがあった。
「あ、ぁあっ……!」
ルネは机の上で背中を反らせ、敷かれた彼の官服を爪で引っ掻く。
高価な絹が引きつれる音すら、今の彼女には快感の合図でしかなかった。
「もう、こんなに濡れている」
低く囁かれる。
「まだ、触れてもいないのに」
開かれた膝の、その中心に、指先が触れる。
繊細な場所を、長い指が探るように動く。
「やっ、あぁ……あっ!」
鼻にかかった声を抑えようとしても我慢ができなかった。
意地悪な言い方と与えられる感覚は、抗いがたいほど甘い。
身体の中心が、きゅっと熱く疼く。
「ゼ……ゼファーさ、まぁ!」
(……やだ、やだやだやだ……)
理性だけが、遅れて悲鳴を上げる。
自分の身体なのに、自分じゃないみたい。
恥ずかしくて、全身が熱くなる。
(こんなの……まるで……まるで)
「……や……ゼファー様……嫌わ、ないで……」
「君はやはり、バカだ。私がルネを嫌うなどあり得ない」
深い艶めいた声で、ゼファー言った。
肌と肌が重なり、温もりが伝わってきて、ようやく息ができた。
「だって、私……こんな……」
「私も同じだ」
ゼファーは、静かにルネを見つめた。
「ルネが、欲しい」
その一言に、胸が跳ねる。
指が深く沈み込むのを感じても、怖くはなかった。
――ゼファー様が抱きしめてくれるから。
身体の中に入ったゼファーの指が、淫らな蜜を掻きだすように動く。
「はぁんっ!」
ルネは、ほとんど無意識のうちに腰を浮かせていた。
彼からの、さらなる責めをねだる。
やがて、ゼファーの両手がルネの腰を掴み、身体ごと持ち上げられる。
濡れそぼったそこに、熱を帯びた存在が触れた。
「ゼファー様……」
彼が入ってくる。
指とは全然違う、大きな質量が。
まだ慣れない自分を気遣うように、ゆっくりと、慎重に――
全身が震えるほどの圧迫感が、奥まで貫く。
声を抑えることができない。
「あぁ……っ!」
(ゼファー様に気を使わせてしまう……どうして、いつまでも慣れることができないの)
「ルネ……大丈夫か」
問いかける声に、余裕はない。
ルネを抱く腕が微かに震えている。
それでも、気遣ってくれるのが、はっきり分かる。
(……それなのに)
「だ、大丈夫です……だから、もっと」
言葉を探し、ようやく絞り出す。
「……もっと強く、ぎゅって……」
その願いに応えるように、ゼファーは、何も言わずにルネを抱きしめた。
肌と肌が、吸いつくように密着する。
しばらく、そうしてから、ゼファーはそっと口づけを落とした。
その優しさが、嬉しくてルネは泣きたくなるほど、幸せな気持ちになる。
(このまま、ずっと――ゼファー様の愛情に溺れていたい)
ゆっくりと揺すられる。
最初は、ただ痛くて熱くて、苦しかったのに。
でも、奥まで深く突き上げられるたびに。
夜毎、ゼファーを迎え入れるたびに。
痛みが溶けていく。
悦びに変わっていく。
ゼファーの吐息が、体温が、ルネの中に染み込んでくる。
「んぁっ、あぁっ」
思わず、漏れた自分の声さえ、遠く感じる。
串刺しにされる感覚に、酔いしれてしまう。
「ルネ。私のものだ。その魂ごと……誰にも渡さない」
その宣言と共に、熱い質量がルネの身体を割り込み、奥深くまで侵入してくる。
肺の空気がすべて押し出されるような圧迫感。
けれど、それ以上に『彼に満たされている』という圧倒的な充足感に、ルネは涙をこぼした。
――もう、戻れない。
強く抱きしめられ、身体も心も、同じ熱に溶かされていく。
生きていることも、触れ合っていることも、すべてが一つになって、境目を失っていく。
「……ゼファー、さま……」
何も考えられない。彼のことだけしか。
やがて、身体の奥で、彼の気配が満ちて……。
世界が、ゆっくりと、遠のいていく。
(……ゼファー様……)
幸せで。
満たされて。
でも、最後の理性が、小さく抗議する。
(……明日、まともに歩けるかな。というか、仕事は? 禁書庫の整理が……)
そんな現実的なことを考えながら——ルネの意識は、甘い闇に沈んでいった。
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