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6 旧サジタリアス城の戦い
6-10. 旧サジタリアス城の戦い
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ガルダはエネルギー溜まりを避けて、空間を裂いて飛来する攻撃を躱し、周囲に炎の壁を築く。
相手の攻撃を真似て、背後から炎撃を被弾させるための目くらましだ。
いくつかの制限を外すために、指で空に字を切り、左右の光彩が赤と緑に光る。
対極のエネルギーをぶつけることで威力を持たせる攻撃が、ソゴゥの背後の空間から放出される。
ソゴゥは振り向き様に、斧でこれを上空へと薙ぎ払うが、斧はこの攻撃を受けて溶解し、地に黒い焦げ跡を残して消えた。
追撃とばかりに指を構えたところで、ソゴゥの周囲に黒い光の円が無数に浮かび上がり、そこから鎖が出現して、ソゴゥの四肢、胴体、首に絡みついて拘束した。
百も二百もある鎖は、拘束する側から引きちぎられるが、直ぐに新たな黒い円が出来て、そこから出現する鎖が次々とソゴゥに絡みつく。
「あとは我らに任せよ、神鳥の王」
ヨルは、ガルダ王の横に並び、ソゴゥを見下ろす。
「どうする気だ? あれは殺さないと止まらんぞ」
「神器の所有者に、考えがあるようだ」
目の前で拘束されて藻掻くソゴゥの元に、ニトゥリーがルキを抱えて飛び込んでくる。
ルキは、ニトゥリーの腕からソゴゥめがけて取り付くと、その首に牙を当てた。
ガルダ王は横にいる悪魔を見て、ふとその翼の付け根の色に違和感を覚えた。
「その翼、俺と同じガルーダ族の翼のようだが」
「樹精獣が王の尾羽で造ったからな」
「それに、その尾は悪魔の尾というより、神聖な龍の尾のようだが」
ヨルの龍の鱗に覆われた尻尾を見て、ガルダが首を傾げる。
「イグドラシルの聖骸だけでは、今回の様な神殺しの武器が使われた際に、一瞬で消失してしまう事があるかもしれないと、樹聖獣たちが色々混ぜて、そうはならない身体を用意してくれたのだ」
「俺の許可は?」
「樹精獣に尾羽をやったのは、王であろう? 樹聖獣たちに返せと言えるのであるか?」
ガルダはあの可愛い獣たちに、そんな事が言えるわけもないと「許可しよう」と項垂れた。
眼下では、吸血鬼がソゴゥに取り付いて血を吸っているだけだが、ガルダやヨルが雑談を交わせるほどに、状況は変化を見せていた。
ソゴゥの身体を縛るように巡っていた、黒い蔓はあっという間に消えていき、正常な肌の色だけとなり、背中から噴き出していたどす黒い魔力もすっかりと収まった。
目は白目を取り戻し、その眼光は暗い緑から、黄緑へ、そしていつもの黒へと戻っていった。
ソゴゥは空中を見つめたまま、何度か瞬きをした。
やがて、心配げにこちらを覗き込むニトゥリーと目があった。
「えっと、俺、これ血を吸われてない?」
ニトゥリーはルキごとソゴゥを抱きしめた。
「ようやった!」
ニトゥリーが叫ぶのと同時に、更に何人かが飛びついて来て、ソゴゥは地面に押しつぶされた。
「お兄ちゃん、めっちゃ心配したんだぞ! ゼフィランサス王の援軍が到着するまで、ソゴゥがガルダ王に殺されやしないか、ひやひやして、生きた心地がしなかったんだからな!」
「イセ兄さんよ、俺の耳元でしゃべんなや、はよ除け!」
「酷い! けど、ニッチ、よくやった! こちらのお嬢さんは誰なんだ?」
「うぐぐ、ルキを潰すなノシ、まず、上のそこのキラキラ頭から退くノシ、次は砂色、それから白頭、ニトリンの順で退くニョロ」
ソゴゥは目の前の、自分にそっくりなルキを見て「妹がいたなんて・・・・・・」と嬉しそうな、複雑な顔をした。
「母さん、父さん、いつの間に・・・・・・」
「違うぞソゴゥ、それはセイヴで逃がした吸血鬼や」
「俺の妹、吸血鬼だったのか。母さん、浮気した?」
「あるか、アホ」
目の前に降りてきたヨルとガルダ王に、ソゴゥは「ヨル!」と声を上げる。
「樹精獣たちが、我の体を用意しておったのだ。彼らは、ソゴゥを助けるため、イグドラシルの巫覡を解いて、自分たちの繋がりを断ってでも助けろと我に頼んできたのだ」
「グッ」
ソゴゥは目頭を押さえた。
「俺は普通に、お前を倒して終わらせようと思ったのだがな、そこのエルフの小僧が10日耐えろと無茶を言ってきて正直困っていたんだが、やはりイグドラシルはお前を見捨てなかったか。それで、またあの状態がぶり返すような悪夢はないんだな?」
ガルダ王はルキに尋ねた。
「世界樹伐りの斧は一滴残らず吸いつくしたので、大丈夫ニャン」
ガルダ王は微妙な顔をして「お前たち兄妹多くないか?」とソゴゥに似た、ルキとニトゥリーが追加されたのを見て言った。
「あと二人兄がいます」とソゴゥはガルダ王に言い「本当に、ご迷惑をおかけいたしました」と平謝りする。
「お前には、貸し一つだ」
ガルダ王はニヤリと笑い、ソゴゥは汗が噴き出した。
「さあ、盛大に余を王宮でもてなすよう、ゼフィランサス王に伝えよ! プールとジャグジーはもちろん、一番の部屋に、世界中の花と果物を部屋に用意せよとな!」
イセトゥアンはガルダ王に「仰せのままに」と告げると、丸ッとした水色の手紙鳥と何羽も飛ばした。
ルキは飛んでいく鳥を追って、その背後の青い空を、目を細めいつまでも見上げていた。
相手の攻撃を真似て、背後から炎撃を被弾させるための目くらましだ。
いくつかの制限を外すために、指で空に字を切り、左右の光彩が赤と緑に光る。
対極のエネルギーをぶつけることで威力を持たせる攻撃が、ソゴゥの背後の空間から放出される。
ソゴゥは振り向き様に、斧でこれを上空へと薙ぎ払うが、斧はこの攻撃を受けて溶解し、地に黒い焦げ跡を残して消えた。
追撃とばかりに指を構えたところで、ソゴゥの周囲に黒い光の円が無数に浮かび上がり、そこから鎖が出現して、ソゴゥの四肢、胴体、首に絡みついて拘束した。
百も二百もある鎖は、拘束する側から引きちぎられるが、直ぐに新たな黒い円が出来て、そこから出現する鎖が次々とソゴゥに絡みつく。
「あとは我らに任せよ、神鳥の王」
ヨルは、ガルダ王の横に並び、ソゴゥを見下ろす。
「どうする気だ? あれは殺さないと止まらんぞ」
「神器の所有者に、考えがあるようだ」
目の前で拘束されて藻掻くソゴゥの元に、ニトゥリーがルキを抱えて飛び込んでくる。
ルキは、ニトゥリーの腕からソゴゥめがけて取り付くと、その首に牙を当てた。
ガルダ王は横にいる悪魔を見て、ふとその翼の付け根の色に違和感を覚えた。
「その翼、俺と同じガルーダ族の翼のようだが」
「樹精獣が王の尾羽で造ったからな」
「それに、その尾は悪魔の尾というより、神聖な龍の尾のようだが」
ヨルの龍の鱗に覆われた尻尾を見て、ガルダが首を傾げる。
「イグドラシルの聖骸だけでは、今回の様な神殺しの武器が使われた際に、一瞬で消失してしまう事があるかもしれないと、樹聖獣たちが色々混ぜて、そうはならない身体を用意してくれたのだ」
「俺の許可は?」
「樹精獣に尾羽をやったのは、王であろう? 樹聖獣たちに返せと言えるのであるか?」
ガルダはあの可愛い獣たちに、そんな事が言えるわけもないと「許可しよう」と項垂れた。
眼下では、吸血鬼がソゴゥに取り付いて血を吸っているだけだが、ガルダやヨルが雑談を交わせるほどに、状況は変化を見せていた。
ソゴゥの身体を縛るように巡っていた、黒い蔓はあっという間に消えていき、正常な肌の色だけとなり、背中から噴き出していたどす黒い魔力もすっかりと収まった。
目は白目を取り戻し、その眼光は暗い緑から、黄緑へ、そしていつもの黒へと戻っていった。
ソゴゥは空中を見つめたまま、何度か瞬きをした。
やがて、心配げにこちらを覗き込むニトゥリーと目があった。
「えっと、俺、これ血を吸われてない?」
ニトゥリーはルキごとソゴゥを抱きしめた。
「ようやった!」
ニトゥリーが叫ぶのと同時に、更に何人かが飛びついて来て、ソゴゥは地面に押しつぶされた。
「お兄ちゃん、めっちゃ心配したんだぞ! ゼフィランサス王の援軍が到着するまで、ソゴゥがガルダ王に殺されやしないか、ひやひやして、生きた心地がしなかったんだからな!」
「イセ兄さんよ、俺の耳元でしゃべんなや、はよ除け!」
「酷い! けど、ニッチ、よくやった! こちらのお嬢さんは誰なんだ?」
「うぐぐ、ルキを潰すなノシ、まず、上のそこのキラキラ頭から退くノシ、次は砂色、それから白頭、ニトリンの順で退くニョロ」
ソゴゥは目の前の、自分にそっくりなルキを見て「妹がいたなんて・・・・・・」と嬉しそうな、複雑な顔をした。
「母さん、父さん、いつの間に・・・・・・」
「違うぞソゴゥ、それはセイヴで逃がした吸血鬼や」
「俺の妹、吸血鬼だったのか。母さん、浮気した?」
「あるか、アホ」
目の前に降りてきたヨルとガルダ王に、ソゴゥは「ヨル!」と声を上げる。
「樹精獣たちが、我の体を用意しておったのだ。彼らは、ソゴゥを助けるため、イグドラシルの巫覡を解いて、自分たちの繋がりを断ってでも助けろと我に頼んできたのだ」
「グッ」
ソゴゥは目頭を押さえた。
「俺は普通に、お前を倒して終わらせようと思ったのだがな、そこのエルフの小僧が10日耐えろと無茶を言ってきて正直困っていたんだが、やはりイグドラシルはお前を見捨てなかったか。それで、またあの状態がぶり返すような悪夢はないんだな?」
ガルダ王はルキに尋ねた。
「世界樹伐りの斧は一滴残らず吸いつくしたので、大丈夫ニャン」
ガルダ王は微妙な顔をして「お前たち兄妹多くないか?」とソゴゥに似た、ルキとニトゥリーが追加されたのを見て言った。
「あと二人兄がいます」とソゴゥはガルダ王に言い「本当に、ご迷惑をおかけいたしました」と平謝りする。
「お前には、貸し一つだ」
ガルダ王はニヤリと笑い、ソゴゥは汗が噴き出した。
「さあ、盛大に余を王宮でもてなすよう、ゼフィランサス王に伝えよ! プールとジャグジーはもちろん、一番の部屋に、世界中の花と果物を部屋に用意せよとな!」
イセトゥアンはガルダ王に「仰せのままに」と告げると、丸ッとした水色の手紙鳥と何羽も飛ばした。
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