17 / 24
第1章 冒険者ギルドの契約職員なのです!
冒険者の悩みを聞くのもお仕事なのです―その10
しおりを挟む
アイコさんとモモさんのカップルは、傍目をはばからずいちゃつく……ようなことはしませんでした。
なんていうの、です?
こういうのを「とても初々しいカップル」っていうの、です?
周りから祝福されている感じです。
いーなー。
「ティアさんにもすぐにいい人ができますよ。そう、わたしにだって!」
まりあさんがすっっっっごく、あっけらかんと言ってくれやがりました、なのです。
あと「フラグを立てやがったな」とかここで言わないでください。ね、サチコさん。
わたしのどんよりした空気と対照的に白側のほうは祝福ムードになごんでいる空気でした。
その空気をぱんぱんと、拍手ふたつで締めた人がいます。
百花繚乱のリーダー、ミユキ様なのです。
「はいはーい、みんなー、おしごとですよー。とー言うことでーティアさん。白組はーモモも参加してー。『大漁旗』さんもも白に入るからー」
ミユキ様は赤側のメンバーを見回しました。
「おひさしぶりー、ね。『破戒僧』のセンキューさん。きょうもご一緒できてー、うれしいわー」
「息災でなによりだ『一丈青』。先日の魔獣討伐での破壊ぶり。拙僧の二つ名がかすむほど見事さだった」
「いえいえー魔獣の討伐ではー。まーたーご一緒できたらー、うれしいですー」
おふたりはどうもお知り合いだったようですね。
道すがら『破戒僧』のセンキューさんとお話をしてきたのですが、センキューさんはチームに所属しないソロらしいのです。
いえ、ソロのチームと言うのが正しいのでしょうね。
ちなみにわたしのいる冒険者ギルドでは、依頼は「チーム単位」で受けてもらうということは滅多にありません。
多くの場合は「こういう依頼があります」という告知文を掲示板に貼り付ける、またはギルド職員がギルドに来ている冒険者に声をかけ、依頼を受けてくれる人を集めます。
ですから当然チーム所属どころか技能編成もバラバラで依頼が受諾されるのがざらです。
最近、ヒューマンの世界からわたしたちの世界に来た新人冒険者さんからは「足を引っ張るような新人は、依頼を受けている最中にパーティーから追い出されたりすること、ないの?」と結構深刻に相談を受けるのですが、そういうことは杞憂です。絶対ありえないです。
しかしなんであそこまで深刻に考えちゃうのですかね?
もしかしたら戦闘中にパーティーから追い出されたとか、そんなありえない事例がヒューマンの住む異世界ではあるのでしょうか?
「おーい、契約職員、返事しろー」
またまたわたしは考えにふけっていたようです。
気がつけばノノさんに体を揺すられていました。
ちなみにノノさんはすでにお着替えは済んでおりました。
異世界人が来てからこの世界の概念が変わった、とまで言われるミニスカートを履いてます、ノノさん。
紺地で短めのスカート、それに白のブラウス。
知的なノノさんにぴったりですが……
ふんどしを見せる、という話はみじんも感じさせません。
「契約職員、お前の考えはわかっている。しかしこれでいいのだ。そっちには『セフト』のミサがいる。それに『破戒僧』のセンキューもついたのだろ。ならば白は白にしかできないプレゼンをするだけだ。たとえば日常でふんどしをどう使うのか、とかな」
ノノさんはわたしの前でくるり、と反転し背を向けます。すると……ああああっ。
「とは言え、ドワーフに挑まれた以上、『魅了する分野』でも遅れをとる気はない。『セフト』のミサが得意とする分野でもな。攻めさせてもらうぞ!」
百花繚乱プラスモモさん、ジョータさんの着衣を見たわたしは、『智多星』と呼ばれる人の、本当の恐ろしさを知ることになります。
が、それはまた次回に、なのです。です。
なんていうの、です?
こういうのを「とても初々しいカップル」っていうの、です?
周りから祝福されている感じです。
いーなー。
「ティアさんにもすぐにいい人ができますよ。そう、わたしにだって!」
まりあさんがすっっっっごく、あっけらかんと言ってくれやがりました、なのです。
あと「フラグを立てやがったな」とかここで言わないでください。ね、サチコさん。
わたしのどんよりした空気と対照的に白側のほうは祝福ムードになごんでいる空気でした。
その空気をぱんぱんと、拍手ふたつで締めた人がいます。
百花繚乱のリーダー、ミユキ様なのです。
「はいはーい、みんなー、おしごとですよー。とー言うことでーティアさん。白組はーモモも参加してー。『大漁旗』さんもも白に入るからー」
ミユキ様は赤側のメンバーを見回しました。
「おひさしぶりー、ね。『破戒僧』のセンキューさん。きょうもご一緒できてー、うれしいわー」
「息災でなによりだ『一丈青』。先日の魔獣討伐での破壊ぶり。拙僧の二つ名がかすむほど見事さだった」
「いえいえー魔獣の討伐ではー。まーたーご一緒できたらー、うれしいですー」
おふたりはどうもお知り合いだったようですね。
道すがら『破戒僧』のセンキューさんとお話をしてきたのですが、センキューさんはチームに所属しないソロらしいのです。
いえ、ソロのチームと言うのが正しいのでしょうね。
ちなみにわたしのいる冒険者ギルドでは、依頼は「チーム単位」で受けてもらうということは滅多にありません。
多くの場合は「こういう依頼があります」という告知文を掲示板に貼り付ける、またはギルド職員がギルドに来ている冒険者に声をかけ、依頼を受けてくれる人を集めます。
ですから当然チーム所属どころか技能編成もバラバラで依頼が受諾されるのがざらです。
最近、ヒューマンの世界からわたしたちの世界に来た新人冒険者さんからは「足を引っ張るような新人は、依頼を受けている最中にパーティーから追い出されたりすること、ないの?」と結構深刻に相談を受けるのですが、そういうことは杞憂です。絶対ありえないです。
しかしなんであそこまで深刻に考えちゃうのですかね?
もしかしたら戦闘中にパーティーから追い出されたとか、そんなありえない事例がヒューマンの住む異世界ではあるのでしょうか?
「おーい、契約職員、返事しろー」
またまたわたしは考えにふけっていたようです。
気がつけばノノさんに体を揺すられていました。
ちなみにノノさんはすでにお着替えは済んでおりました。
異世界人が来てからこの世界の概念が変わった、とまで言われるミニスカートを履いてます、ノノさん。
紺地で短めのスカート、それに白のブラウス。
知的なノノさんにぴったりですが……
ふんどしを見せる、という話はみじんも感じさせません。
「契約職員、お前の考えはわかっている。しかしこれでいいのだ。そっちには『セフト』のミサがいる。それに『破戒僧』のセンキューもついたのだろ。ならば白は白にしかできないプレゼンをするだけだ。たとえば日常でふんどしをどう使うのか、とかな」
ノノさんはわたしの前でくるり、と反転し背を向けます。すると……ああああっ。
「とは言え、ドワーフに挑まれた以上、『魅了する分野』でも遅れをとる気はない。『セフト』のミサが得意とする分野でもな。攻めさせてもらうぞ!」
百花繚乱プラスモモさん、ジョータさんの着衣を見たわたしは、『智多星』と呼ばれる人の、本当の恐ろしさを知ることになります。
が、それはまた次回に、なのです。です。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
俺の伯爵家大掃除
satomi
ファンタジー
伯爵夫人が亡くなり、後妻が連れ子を連れて伯爵家に来た。俺、コーは連れ子も可愛い弟として受け入れていた。しかし、伯爵が亡くなると後妻が大きい顔をするようになった。さらに俺も虐げられるようになったし、可愛がっていた連れ子すら大きな顔をするようになった。
弟は本当に俺と血がつながっているのだろうか?など、学園で同学年にいらっしゃる殿下に相談してみると…
というお話です。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる