手違いで勝手に転生させられたので、女神からチート能力を盗んでハーレムを形成してやりました

2u10

文字の大きさ
20 / 42
第一章 始まりは最悪?

第二十話 運命なのか偶然なのか

しおりを挟む
 おはよう、異世界。

 こっちに来てからドタバタしてたけど、三日目の今日にしてようやく落ち着いた朝を迎えられた。
 実は、またアミラと一悶着あったのだが、それ以外は本当に素晴らしい朝、でもないか……。
 パンのようなものを主食とした朝食に、昨夜とは違って様々な宿泊者によって活気溢れる宿のレストランやロビー。
 皆、今日の予定などを楽しそうに話していた。
 そんな良い雰囲気に包まれて、俺も気持ちが良くなるはずだったのだ……。

 ところで、宿泊者を見ると冒険者のような旅人っぽい人はほとんどいなく、商人や下級の貴族のような小金持ちが多く見受けられたのだが、この宿は少し高めなのだろうか。

 まぁ、そんなわけで、朝食を済ませた俺とアミラは昨日決めた予定に従って、アミラの馬車を止めてある車庫まで来ている。

「まずは例の魔道具屋に行くんだよな?」
「……」

 俺の問いに、アミラはそっぽ向いてそそくさと歩いて行く。
 アミラは今朝からずっとこの調子だ。

「裸を見ちゃったことは本当にごめんって。でも、あれは油断しすぎていたアミラも悪いんだからな」
「そんなことわかってるわよ! まさかあんたがあそこまで変態だとは思わなかったの!!」
「おいおいおい。それは酷くないか!? 声をかけただけでアミラの集中力が切れて仕切り代わりのシーツが落ちる、なんて予想できるわけないだろ!」
「何それ!? そのくらい察しなさいよ!!」

(あぁ、めんどくさい)
 正直、そんな声が漏れそうになっていたが、済んでのところで止めた。
 あんたは邪魔だから来んなと言われ、車庫に一人で入って行くアミラを見据えながら、俺は今朝から何回目になるかわからないため息をしていた。

 そう、今朝、俺はアミラの裸を見たのだ。ほんの一瞬だけど。
 と言ったら、まるで俺が見たくて見たように聞こえるが、実際には違う。

 朝、何か水が流れるような音がするなと思って目を開けてみると、その先には宙を浮いているシーツがあったのだ。
 そのシーツが障壁となって水の音の正体がわからなかったので、とりあえず、ベッドにいたはずのアミラがいないことから、彼女の名前を呼んでみたところ、シーツの奥にいたらしいアミラがやけに慌てた声をあげた直後に、仕切りのシーツが落ちて、水浸しになっている全裸のアミラが現れたのである。
 もちろん、俺がアミラの裸を見たのはほんの刹那の間で、俺はすぐに目を逸らしたし、アミラもすぐにシーツをまた宙に浮かせて隠れていた。

 後に聞いてわかったのだが、その時アミラは入浴していたらしい。
 この世界の一般的な宿には風呂というものが付いていなくて、ほとんどの人が布のようなもので体を拭くことでそれを済ませているらしく、魔法を巧みに使えるアミラはそれでは満足できないのでいつも水を宙に浮かせてその摩擦で体を洗っているそうだ。
 てっきり風呂は別室や別の施設にあると思い込んでいた俺は、まさかシーツの向こう側の、ただの部屋の一角でアミラが体を洗ってるなんて想像つかなくても当然のこと。
 それにもう一度裸を見ているどころか胸まで揉んでいるというのに、アミラはずっと不機嫌でいる。
 まぁ、申し訳ないとは思うが、少し面倒になってきたところだ。

「それでその、目的地は……ってこの馬車、どこかで見覚えが……」

 そうこうしていると、アミラが準備を整えて馬車を俺の待っていた表まで出して来た。
 その馬車にどうも既視感を覚えた俺は、思い出そうとこれまでこの世界で見て来た馬車を時系列とは逆順に思い起こそうとして、すぐに思い出す。

「あぁ! 俺の宿の向かいに止まってた馬車だ! 八百屋で魔法使いが乗っていったやつ…………ってもしかしてあの時の魔法使いって!?」

 この馬車は紛れもなく、あの時の馬車で、よくよく思い返してみると、あの時の魔法使いとアミラは似ているかもしれない。というか絶対本人だろう。
 思わぬ過去の出会いに感動していると、アミラが不愉快そうな顔を横窓から出して俺に怒鳴ってくる。

「なに一人で騒いでんのよ! 早く乗りなさい!」

 そんなアミラを無視して、それどころではないと、俺はアミラに真偽を問う。

「アミラ! お前、二日前の朝に八百屋で開店の手伝いしてなかったか? この馬車を八百屋の前に駐車して」
「なんで知ってるの?」

 俺の言葉に、アミラは難しい顔をして考え込んでいた。
 アミラが正解にたどり着くまで待ちきれなかった俺は真実を告げる。

「あの時、向かいから見てたんだよ!」
「ええ!? ……あぁ!!!! あんた、あの時向かいの建物から、遠く離れている私のところまで聞こえるくらいに鼻息を荒げて私を覗き見してた挙句、奇声をあげて興奮してたあの変態!?」
「変態じゃないわ!! ……いや、まぁそうだけども!!」

 偶然とは重なるものなのかもしれない。
 目的が同じ人と出会って、しかもそれが最強の魔法使いだってだけでものすごい偶然だろうに、まさかその人と前にもあっていたなんて――。

 アミラはとても驚いたように俺を見つめ、そして何を思い出したのか顔を青め身震いしていた。
 そんなにあの時の俺は変態的だったのか!?
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

狙って追放された創聖魔法使いは異世界を謳歌する

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーから追放される~異世界転生前の記憶が戻ったのにこのままいいように使われてたまるか!  【第15回ファンタジー小説大賞の爽快バトル賞を受賞しました】 ここは異世界エールドラド。その中の国家の1つ⋯⋯グランドダイン帝国の首都シュバルツバイン。  主人公リックはグランドダイン帝国子爵家の次男であり、回復、支援を主とする補助魔法の使い手で勇者パーティーの一員だった。  そんな中グランドダイン帝国の第二皇子で勇者のハインツに公衆の面前で宣言される。 「リック⋯⋯お前は勇者パーティーから追放する」  その言葉にリックは絶望し地面に膝を着く。 「もう2度と俺達の前に現れるな」  そう言って勇者パーティーはリックの前から去っていった。  それを見ていた周囲の人達もリックに声をかけるわけでもなく、1人2人と消えていく。  そしてこの場に誰もいなくなった時リックは⋯⋯笑っていた。 「記憶が戻った今、あんなワガママ皇子には従っていられない。俺はこれからこの異世界を謳歌するぞ」  そう⋯⋯リックは以前生きていた前世の記憶があり、女神の力で異世界転生した者だった。  これは狙って勇者パーティーから追放され、前世の記憶と女神から貰った力を使って無双するリックのドタバタハーレム物語である。 *他サイトにも掲載しています。

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?

木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。 追放される理由はよく分からなかった。 彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。 結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。 しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。 たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。 ケイトは彼らを失いたくなかった。 勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。 しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。 「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」 これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。

【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】 【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】 ~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~  ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。  学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。  何か実力を隠す特別な理由があるのか。  いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。  そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。  貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。  オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。    世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな! ※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。

『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!

たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。 新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。 ※※※※※ 1億年の試練。 そして、神をもしのぐ力。 それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。 すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。 だが、もはや生きることに飽きていた。 『違う選択肢もあるぞ?』 創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、 その“策略”にまんまと引っかかる。 ――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。 確かに神は嘘をついていない。 けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!! そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、 神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。 記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。 それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。 だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。 くどいようだが、俺の望みはスローライフ。 ……のはずだったのに。 呪いのような“女難の相”が炸裂し、 気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。 どうしてこうなった!?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。 そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。 幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、 “とっておき”のチートで人生を再起動。 剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。 そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。 これは、理想を形にするために動き出した少年の、 少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。 【なろう掲載】

処理中です...