魔神の心

黒瓜ぬこ助

文字の大きさ
1 / 3

プロローグ

しおりを挟む

荒れ果てた大地。


「答えてよ……なんで…なんでお母さんを殺したの?…なんでッ!!」
血塗れの少女が息絶えた女性を抱え跪いた男にそう問い掛ける。



男はゆっくりと女性を横たわらせ静かに立ち上がり少女に背を向けたまま語る。


「これより私が『魔王』となる、それはその礎よ…許せ 娘よそしてすまないフレアを…いやお前の母を守れなかった父を許せ どうか達者でな。』


男は一度少女に振り返り微笑みそして飛び立って行った。

「待っでッ…待ってよ……お父さん…まってよ…瑠璃を一人にしないで…やだよ 待って おとおさーん…」


少女はただ涙を流しながら掴める筈も無い遠くなって行く男の背を掴もうと手を必死に伸ばす。



荒野に残されたのは、少女と無惨な骸と成り果てた優しい母。


泣きじゃくる少女にふと声のようなものが聞こえてきた。
『辛いか? 悲しいか?悔しいか?憎いか?』



少女はふと我に帰り辺りを見回すしかし人影など姿形も無い。
「誰?…だれかいるの?」
少女は答える。


すると、また無機質な声が響いてきた。

『あぁ 居るともお前の心にな。其れでさっきの質問はどうだ?まぁ言わずもがな私の心はお前でお前の心は私だ分かっているが聞こうお前はどうしたい?』

無機質な声が段々と薄ら笑いを浮かべるような口調で問い掛けてくる。

少女は胸を心臓を掻き毟るように拳を握り奥歯を噛み締めながら声を引き出すようにして。


「瑠璃は……お父さん…いや『魔王』が憎いッ…瑠璃はやつを、『魔王』を殺すッ!…」
そう強く発した。

すると、
少女の胸、否心臓が光りだし。再び声が響いた。

『いいだろう…ならば抜け。お前の望む力お前の願い叶えてやろう対価は…まぁ自ずと分かるだろう…』
無機質な声は嗤い、紅く輝く少女の胸からは剣の柄の様な物が飛び出ている。


少女は迷わず其れを引き抜いた
それは異形の槍、先が王冠の様に鋭く尖った筒の様な形状そしてこの世の絶望を塗り固めた様な深い紅黒い刀身。

それを手に少女は狂った様にただ嗤う嗤う 全ては仇『魔王』を穿つ為に
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

処理中です...