20 / 36
神決め大会 予選一日目
神 拓真と神島
しおりを挟む
「よう、おかえり。まさか生きとったとはな」
神島だ。目の前に俺を殺した神島がいる。神島は机を前にして座っていた。
「何の用だ」
冷静に応じる。コイツの強さを知っている以上、下手な行動は出来ない。
「そんなに警戒しなくとも、ワシにはもうお前を殺すことは出来ん」
「!?」
動揺を隠しながらも、心の奥底で安堵している自分がいた。しかし、それを悟られないように、また心を読まれないように、目をそらしながら、神島を観察する。
「少々事情が変わってな。お前を生かしておくことにした」
その声に感情はこもっていない。
「そんなことを言いに俺のところに来たのか」
俺は毅然とした態度で神島に問う。
「なんやと」
その問いかけを聞き、一瞬、神島の殺気が高まったように思えた。俺の全身に悪寒が走る。
「お前を生かすも殺すも俺の気分次第だということを忘れるな」
気づくと、神島は俺の胸倉をつかんでいた。離そうとするも、その体に俺は触れることが出来ない。昨日と同様に『ホログラム状態』なのだろう。だが……。俺には『コレ』がある。
「……もう俺は昨日の俺ではないぞ」
そう言って、俺は『特殊天界桃』をかじった。全身に力がみなぎる。
「はあああああああああああああああああああああ」
集中し、掴まれている神島の手首を掴もうとした。今度はすり抜けず、掴むことが出来た。天界力を上げた状態だと相手が『ホログラム状態』だとしても実態として触ることが出来るのか!
「……これは驚いたな。キサマ、なんだ、それは」
本気で驚いているようだ。それに答えずに俺は神島の体を突き飛ばした。が、それをもろともせず、空中を宙返りし、部屋の奥に立った。
「ますます、興味が湧いた。だが、今はまだ……。その力はお前の力ではない」
そう言うと、俺に手のひらを向けた。と、次の瞬間、俺は吹き飛ばされた。部屋から廊下へ出て、その先の玄関のドアに体がぶつかる。かなり強打したようだ。背中がじんじんと熱い。
「うっ」
「面白いものが見れたな」
神島は笑っている。コイツは何をしにきたんだ。
「……キサマが知りたいことは俺が全て知っている」
「な……に……」
「勝ち上がってこい。そこで全てを話す」
そう言うと、神島は宙に浮き、消えた。そこで、俺の意識は途絶えた。
「……くん! 拓真くん!」
頬をぺしぺしされている。目を覚ますと、ニケがいた。俺が目を覚ますと、ニケは俺の口に『特殊天界桃』を入れてきた。体の痛みが軽くなる。
「……ニケ。ありがとう」
体を起こしてニケと向き合う。
「神島が来たんだね」
ニケは分かっていた。
「ああ。アイツ、むちゃくちゃ強いな」
「そりゃあ、神様だもん」
ニケが笑う。ああ、かわいいな。
「俺さ、『神決め大会』勝たなきゃいけない。アイツに会って、全てを聞かなきゃ」
ニケに言っているものの自分にも言い聞かせる。強い決意だった。
「うん」
「そのために、俺には、ニケが必要だ。力を貸してほしい」
ニケをまっすぐに見つめながら言う。
「貸すよ。拓真くんに勝って欲しい。だから、『大魔人の交渉』を使ったの」
ニケの目も決意に満ちあふれている。
「……ありがとな」
「今日はもう休もう、ね」
ニケの笑顔に癒されながら、俺は一日を終えた。
神決め大会 予選終了まで
残り29日
――どこかの倉庫
「コイツをどうしましょうか?」
ピエロのマスクをかぶった者が目の前にいる『縛りつけられている者』を指さして言った。縛りつけられている者はマスクを被されている。口の部分は露出しているがテープが貼り付けられているため言葉は発せない。
「……お前の好きなように使え。最悪、殺しても構わない」
どこからか聞こえる声が指示を出す。その指示を聞き、縛りつけられている者は叫んでいる。
「分かりました……」
一礼をすると、しゃがみ込み、ピエロは縛りつけられている者の荷物と思われる物を漁っている。
「ウーウーウー!!」
「ウーウーウーウー、うるさいよっ!」
ピエロは縛りつけられている者を蹴りつけた。
「ウッ……」
痛みで下を向く。その者の髪を掴み、ピエロは無理やり上を向かせた。
「何か言いたいことがあるみたいだね」
そう言いながら、口に貼り付けていたテープを思いっきり引き剥がした。
「うっ……。こ、この野郎……。ここはどこだ!」
「さあね~」
ピエロは馬鹿にするように小躍りしている。
「てか、……ちゃんはどこだ!!」
「ふふふ~」
「ちくしょう、話にならねぇ」
縛りつけられている者は地面に向かって唾を吐いた。それを見てまたピエロは笑う。
「よし! マスク外してあげるよ!」
マスクの下から出てきたのは顔の整った青年だった。
「じゃあ、これから楽しもうね! た・な・か・くん」
神島だ。目の前に俺を殺した神島がいる。神島は机を前にして座っていた。
「何の用だ」
冷静に応じる。コイツの強さを知っている以上、下手な行動は出来ない。
「そんなに警戒しなくとも、ワシにはもうお前を殺すことは出来ん」
「!?」
動揺を隠しながらも、心の奥底で安堵している自分がいた。しかし、それを悟られないように、また心を読まれないように、目をそらしながら、神島を観察する。
「少々事情が変わってな。お前を生かしておくことにした」
その声に感情はこもっていない。
「そんなことを言いに俺のところに来たのか」
俺は毅然とした態度で神島に問う。
「なんやと」
その問いかけを聞き、一瞬、神島の殺気が高まったように思えた。俺の全身に悪寒が走る。
「お前を生かすも殺すも俺の気分次第だということを忘れるな」
気づくと、神島は俺の胸倉をつかんでいた。離そうとするも、その体に俺は触れることが出来ない。昨日と同様に『ホログラム状態』なのだろう。だが……。俺には『コレ』がある。
「……もう俺は昨日の俺ではないぞ」
そう言って、俺は『特殊天界桃』をかじった。全身に力がみなぎる。
「はあああああああああああああああああああああ」
集中し、掴まれている神島の手首を掴もうとした。今度はすり抜けず、掴むことが出来た。天界力を上げた状態だと相手が『ホログラム状態』だとしても実態として触ることが出来るのか!
「……これは驚いたな。キサマ、なんだ、それは」
本気で驚いているようだ。それに答えずに俺は神島の体を突き飛ばした。が、それをもろともせず、空中を宙返りし、部屋の奥に立った。
「ますます、興味が湧いた。だが、今はまだ……。その力はお前の力ではない」
そう言うと、俺に手のひらを向けた。と、次の瞬間、俺は吹き飛ばされた。部屋から廊下へ出て、その先の玄関のドアに体がぶつかる。かなり強打したようだ。背中がじんじんと熱い。
「うっ」
「面白いものが見れたな」
神島は笑っている。コイツは何をしにきたんだ。
「……キサマが知りたいことは俺が全て知っている」
「な……に……」
「勝ち上がってこい。そこで全てを話す」
そう言うと、神島は宙に浮き、消えた。そこで、俺の意識は途絶えた。
「……くん! 拓真くん!」
頬をぺしぺしされている。目を覚ますと、ニケがいた。俺が目を覚ますと、ニケは俺の口に『特殊天界桃』を入れてきた。体の痛みが軽くなる。
「……ニケ。ありがとう」
体を起こしてニケと向き合う。
「神島が来たんだね」
ニケは分かっていた。
「ああ。アイツ、むちゃくちゃ強いな」
「そりゃあ、神様だもん」
ニケが笑う。ああ、かわいいな。
「俺さ、『神決め大会』勝たなきゃいけない。アイツに会って、全てを聞かなきゃ」
ニケに言っているものの自分にも言い聞かせる。強い決意だった。
「うん」
「そのために、俺には、ニケが必要だ。力を貸してほしい」
ニケをまっすぐに見つめながら言う。
「貸すよ。拓真くんに勝って欲しい。だから、『大魔人の交渉』を使ったの」
ニケの目も決意に満ちあふれている。
「……ありがとな」
「今日はもう休もう、ね」
ニケの笑顔に癒されながら、俺は一日を終えた。
神決め大会 予選終了まで
残り29日
――どこかの倉庫
「コイツをどうしましょうか?」
ピエロのマスクをかぶった者が目の前にいる『縛りつけられている者』を指さして言った。縛りつけられている者はマスクを被されている。口の部分は露出しているがテープが貼り付けられているため言葉は発せない。
「……お前の好きなように使え。最悪、殺しても構わない」
どこからか聞こえる声が指示を出す。その指示を聞き、縛りつけられている者は叫んでいる。
「分かりました……」
一礼をすると、しゃがみ込み、ピエロは縛りつけられている者の荷物と思われる物を漁っている。
「ウーウーウー!!」
「ウーウーウーウー、うるさいよっ!」
ピエロは縛りつけられている者を蹴りつけた。
「ウッ……」
痛みで下を向く。その者の髪を掴み、ピエロは無理やり上を向かせた。
「何か言いたいことがあるみたいだね」
そう言いながら、口に貼り付けていたテープを思いっきり引き剥がした。
「うっ……。こ、この野郎……。ここはどこだ!」
「さあね~」
ピエロは馬鹿にするように小躍りしている。
「てか、……ちゃんはどこだ!!」
「ふふふ~」
「ちくしょう、話にならねぇ」
縛りつけられている者は地面に向かって唾を吐いた。それを見てまたピエロは笑う。
「よし! マスク外してあげるよ!」
マスクの下から出てきたのは顔の整った青年だった。
「じゃあ、これから楽しもうね! た・な・か・くん」
0
あなたにおすすめの小説
二重のカーテン (スカートの下の黒い意志)
MisakiNonagase
青春
洗濯物の隙間に隠したのは、母としての祈りと、娘のプライド。
かつて、女子高生という生き物はもっと無防備で、自由だった。
44歳の主婦、愛子が朝のベランダで手にするのは、娘たちが毎日履き替える漆黒のオーバーパンツ、通称「黒パン」。それは、令和を生きる娘たちが自らの尊厳を守るために身に着ける、鉄壁の「鎧」だった。
小学校時代のママ友たちとのランチ会。そこで語られるのは、ブルセラショップに下着を売っていた奔放な50代、無防備なまま凛と歩くしかなかった40代、そして「見せないこと」に命を懸ける10代の、あまりに深い断絶。さらには、階段で石像のように固まる父、生徒の背後に立たないよう神経を削る教師……。
一枚の黒い布を通して浮き彫りになる、現代社会の歪さと、その根底にある不器用なまでの「優しさ」。
ベランダに干された黒いカーテンの向こう側に、あなたは何を見ますか?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
魔力ゼロの英雄の娘と魔族の秘密
藤原遊
ファンタジー
魔法が支配する世界で、魔力を持たない少女アリア・マーウェラ。彼女は、かつて街を守るために命を落とした英雄的冒険者の両親を持ちながら、その体質ゆえに魔法を使えず、魔道具すら扱えない。しかし、彼女は圧倒的な身体能力と戦闘センスを武器に、ギルドでソロ冒険者として活動していた。街の人々やギルド仲間からは「英雄の娘」として大切にされつつも、「魔力を捨てて進化した次世代型脳筋剣士」と妙な評価を受けている。
そんなある日、アリアは山中で倒れていた謎の魔法使いイアンを助ける。彼は並外れた魔法の才能を持ちながら、孤独な影を背負っていた。やがて二人は冒険の中で信頼を深め、街を脅かす魔王復活を阻止するため、「カギ」を探す旅に出る。
しかしイアンには秘密があった。彼は魔族と人間の混血であり、魔王軍四天王の血を引いていたのだ。その事実が明らかになったとき、アリアは「どんな過去があっても、イアンはイアンだよ」と笑顔で受け入れる。
過去に囚われたイアンと、前を向いて進むアリア。二人の絆が、世界を揺るがす冒険の行方を決める――。シリアスとギャグが織り交ざる、剣と魔法の冒険譚!
『ミッドナイトマート 〜異世界コンビニ、ただいま営業中〜』
KAORUwithAI
ファンタジー
深夜0時——街角の小さなコンビニ「ミッドナイトマート」は、異世界と繋がる扉を開く。
日中は普通の客でにぎわう店も、深夜を回ると鎧を着た騎士、魔族の姫、ドラゴンの化身、空飛ぶ商人など、“この世界の住人ではない者たち”が静かにレジへと並び始める。
アルバイト店員・斉藤レンは、バイト先が異世界と繋がっていることに戸惑いながらも、今日もレジに立つ。
「袋いりますか?」「ポイントカードお持ちですか?」——そう、それは異世界相手でも変わらない日常業務。
貯まるのは「ミッドナイトポイントカード(通称ナイポ)」。
集まるのは、どこか訳ありで、ちょっと不器用な異世界の住人たち。
そして、商品一つひとつに込められる、ささやかで温かな物語。
これは、世界の境界を越えて心を繋ぐ、コンビニ接客ファンタジー。
今夜は、どんなお客様が来店されるのでしょう?
※異世界食堂や異世界居酒屋「のぶ」とは
似て非なる物として見て下さい
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる