ランプの魔人ニケちゃん

くじぇ

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神決め大会 予選一日目

神 拓真と神島

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「よう、おかえり。まさか生きとったとはな」

 神島だ。目の前に俺を殺した神島がいる。神島は机を前にして座っていた。

「何の用だ」

 冷静に応じる。コイツの強さを知っている以上、下手な行動は出来ない。

「そんなに警戒しなくとも、ワシにはもうお前を殺すことは出来ん」

「!?」

 動揺を隠しながらも、心の奥底で安堵している自分がいた。しかし、それを悟られないように、また心を読まれないように、目をそらしながら、神島を観察する。

「少々事情が変わってな。お前を生かしておくことにした」

 その声に感情はこもっていない。

「そんなことを言いに俺のところに来たのか」

 俺は毅然とした態度で神島に問う。

「なんやと」

 その問いかけを聞き、一瞬、神島の殺気が高まったように思えた。俺の全身に悪寒が走る。

「お前を生かすも殺すも俺の気分次第だということを忘れるな」

 気づくと、神島は俺の胸倉をつかんでいた。離そうとするも、その体に俺は触れることが出来ない。昨日と同様に『ホログラム状態』なのだろう。だが……。俺には『コレ』がある。

「……もう俺は昨日の俺ではないぞ」

 そう言って、俺は『特殊天界桃』をかじった。全身に力がみなぎる。

「はあああああああああああああああああああああ」

 集中し、掴まれている神島の手首を掴もうとした。今度はすり抜けず、掴むことが出来た。天界力を上げた状態だと相手が『ホログラム状態』だとしても実態として触ることが出来るのか!

「……これは驚いたな。キサマ、なんだ、それは」

 本気で驚いているようだ。それに答えずに俺は神島の体を突き飛ばした。が、それをもろともせず、空中を宙返りし、部屋の奥に立った。

「ますます、興味が湧いた。だが、今はまだ……。その力はお前の力ではない」

 そう言うと、俺に手のひらを向けた。と、次の瞬間、俺は吹き飛ばされた。部屋から廊下へ出て、その先の玄関のドアに体がぶつかる。かなり強打したようだ。背中がじんじんと熱い。

「うっ」

「面白いものが見れたな」

 神島は笑っている。コイツは何をしにきたんだ。

「……キサマが知りたいことは俺が全て知っている」

「な……に……」

「勝ち上がってこい。そこで全てを話す」 

 そう言うと、神島は宙に浮き、消えた。そこで、俺の意識は途絶えた。



「……くん! 拓真くん!」

 頬をぺしぺしされている。目を覚ますと、ニケがいた。俺が目を覚ますと、ニケは俺の口に『特殊天界桃』を入れてきた。体の痛みが軽くなる。

「……ニケ。ありがとう」

 体を起こしてニケと向き合う。

「神島が来たんだね」

 ニケは分かっていた。

「ああ。アイツ、むちゃくちゃ強いな」

「そりゃあ、神様だもん」

 ニケが笑う。ああ、かわいいな。

「俺さ、『神決め大会』勝たなきゃいけない。アイツに会って、全てを聞かなきゃ」

 ニケに言っているものの自分にも言い聞かせる。強い決意だった。

「うん」

「そのために、俺には、ニケが必要だ。力を貸してほしい」

 ニケをまっすぐに見つめながら言う。

「貸すよ。拓真くんに勝って欲しい。だから、『大魔人の交渉』を使ったの」

 ニケの目も決意に満ちあふれている。

「……ありがとな」

「今日はもう休もう、ね」

 ニケの笑顔に癒されながら、俺は一日を終えた。

神決め大会 予選終了まで
残り29日



――どこかの倉庫

「コイツをどうしましょうか?」

 ピエロのマスクをかぶった者が目の前にいる『縛りつけられている者』を指さして言った。縛りつけられている者はマスクを被されている。口の部分は露出しているがテープが貼り付けられているため言葉は発せない。

「……お前の好きなように使え。最悪、殺しても構わない」

 どこからか聞こえる声が指示を出す。その指示を聞き、縛りつけられている者は叫んでいる。

「分かりました……」

 一礼をすると、しゃがみ込み、ピエロは縛りつけられている者の荷物と思われる物を漁っている。

「ウーウーウー!!」

「ウーウーウーウー、うるさいよっ!」

 ピエロは縛りつけられている者を蹴りつけた。

「ウッ……」

 痛みで下を向く。その者の髪を掴み、ピエロは無理やり上を向かせた。

「何か言いたいことがあるみたいだね」

 そう言いながら、口に貼り付けていたテープを思いっきり引き剥がした。

「うっ……。こ、この野郎……。ここはどこだ!」

「さあね~」

 ピエロは馬鹿にするように小躍りしている。

「てか、……ちゃんはどこだ!!」

「ふふふ~」

「ちくしょう、話にならねぇ」

 縛りつけられている者は地面に向かって唾を吐いた。それを見てまたピエロは笑う。

「よし! マスク外してあげるよ!」

 マスクの下から出てきたのは顔の整った青年だった。

「じゃあ、これから楽しもうね! た・な・か・くん」
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