灰色の冒険者

水室二人

文字の大きさ
71 / 102
第6章 憎悪の大陸

世界がずれた結果・・・

しおりを挟む
「これは、宇宙船ですか?」

 謎の物体に、到着しました。

 上からの映像ですと、ビルみたいでしたが、したから見ると、未来的な宇宙船みたいです。

「違う。これはミサイル・・・」

 私の言葉を、奄美が否定します。

「見たことがあるのですか?」

「ある。私達の地球に来ていた宇宙人が、同じものを使っていた」

 その声には、怒りが宿っています。

「これのせいで、多くの人が死んだ」

「それほど、危険なミサイルなのですか?」

「電子機器を破壊するミサイル。これが、最初に爆発したとき、機械制御の発電所が暴走して、大陸一つ消えた」

「・・・」

 奄美の言っていることは、間違っていないでしょう。でも、それだとこの星の状況が説明できません。

「もしかして、この星の人間は、機械の生命体だったのですか?」

 可能性の一つとして、考えて見ます。

 宇宙は広いです。異世界もありましたが、実は同じ世界の別の星と言う可能性もあります。

 そこには、機械生命体がいても、不思議ではありません。

「違うと思います。少なくとも、私は普通の人間でした」

 頭の上に乗っているさんが、そういいます。そう言えば、彼女はこの世界の人間でした。

「今は、猫人ですけどね」

 頭の上から降りて、猫の姿あら猫人へと変化します。

「これ、解析してもらってもいいですか?」

「そうですね。何か解るかもしれません」

 解析機で、ミサイルを調べます。少し時間がかかるみたいなので、奄美に今まで疑問に感じていた事を聞いてみました。




「奄美の世界は、宇宙人が侵略していたのですよね?」

「はい。銀河最強艦隊と名乗る宇宙人でした。技術の差がありすぎて、あっという間に占領されました」

「日本は、そのままと聞きましたが?」

「はい。日本という島を見て、何か考えていました。侵略された国々は、近代化され、食事が豊かになり、争いが消えました」

「・・・」

「ただ、侵略者は何かに怯えていました。それと対抗するために、私達に武器を持たせました」

「それで、反撃に出たのですか?」

「はい。地球人の意地を見せるといって、反逆した人たちがいます。それで、地球人同士の戦争が始まりました」

「宇宙人はどうしたのですか?」

「彼等は、最初傍観していました。彼等は、武器を与えた地球人が、どう戦うのかが、知りたかったみたいです」

「どう戦うのかですか・・・」

「はい。兵器の運用方法も、彼等の想定した方法とは違うものが幾つかあり、それらをすぐに取り入れていました」

「奄美のいた世界は、戦争多かったのですか?」

「十色さんから聞いた話ですと、大差は無いと思います。発想に関して、長い時間で固まった観念を、変える出来事が多くあったといっていました」

「奄美は、地球側にいたのですよね?」

「私がいたのは、日本連合です。宇宙人と手を組んでいました」

「こんな子供まで、戦わなければいけなかったのですね」

「それは違います。私はサイボーグ、人造人間に近いです。最初から、戦うために産まれてきました」

「・・・」

「ですが、異世界に召喚され、目的がなくなってしまいました」

「目的ですか?」

「はい。宇宙人が恐れていた存在。それを調べて、駆逐する事です」

「何故?」

「それが、私が作られた意味だからです」

「なるほど・・・」

 この子も、色々と複雑な事情があったみたいです。彼女を、戦力として問いいれた以上、この望みも出来るだけ叶えてあげたいと、思ってしまうは駄目でしょうか。

「解析、終りました」

 丁度いいタイミングで、さんが声を掛けてくれます。

「何か解りましたか?」

「これは、簡単に言うと中性子爆弾みたいな物でした」

「見たいなもの?」

 中性子爆弾といえば、生き物だけを殺すという兵器だったと思います。核兵器のようなものだったかもしれません。

「上手くたとえられませんが、生き物だけを殺す爆弾です」

「そんな事は、可能ですか?」

「不可能です。結果として、中性子爆弾みたいなものになったみたいです」

 さんが解析した結果を、説明してくれました。




 このミサイルは、奄美の言ったとおり、電子機器を破壊する目的の強力な電磁波を出すミサイルでした。

 ただ、そのとき放出したエネルギーは、この世界では化学反応を起こし、猛毒へと変化するものでした。

 侵略先の、文明を退化させるために打ち込んだミサイル。

 その結果、星の生命がほとんど消えてしまったのです。




「となると、何故あの大陸だけ無事なんだ?」

「それは、調査中です」

 メトロ・ギアと通信を繋ぎ、今までの事を整理します。

「この大陸と、あの大陸、空気の成分からもう一度、調べてくれ」

「了解です」

「あと、このミサイル以外に、この世界ずれている建物が無いか、調査してくれ」

「ずれている?」

「この星の建物、SFっぽいビルから、中世っぽいもの、現代風のと色々とありますよね?」

「はい」

「それを見て、周りから浮いているものが無いか、確認してください。海の中とか、アマテラスで見えない場所でも、怪しい場所、何かが落下した可能性・・・」

 自分で言っていてなんですが、一つの可能性に気づきました。灯台下暗しです。

「メトロ・ギアの横にある湖、無人機で調査してください」

「無人機でいいのかにゃ?」

「ここから戻り次第、自分で調べたいです」

「強欲にゃ。全部自分でやらないで、私達も頼るにゃ」

「・・・」

「頼るにゃ」

「解りました。無理はしないでください。調査は、お願いします」

 何かが落下して出来た湖。恐らく、そこにこのミサイルを発射した存在があるはずです。

「機神の組織の目的が、解ればいいのですが・・・」

 結果的に、この星のほとんどが滅んでいます。これは、許せる行為ではありません。

「ですが、すべては過去の出来事です」

 多くの人が、この場所でなくなっています。それは事実ですが、今生きている私達に出来ることを考えなくてはいけません。

 少なくとも、このミサイルが再び来た時、悲劇を繰りかさない様にしなければいけません。

「アマテラスの監視対象を、宇宙にする事は可能ですか?」

「範囲が広すぎて、効率は低いです」

 アマテラスの運用は、三姉妹が専属です。

「外から来るものに対して、監視できる何かを、考えて欲しい」

「了解しました」

 この子達、元々この世界の住人だった割りに、色々とCATを使いこなしています。

 猫人になった影響でしょうか?

「見つけたにゃ」

「どうしたした?」

「この大陸には、謎の電波があるにゃ」

「電波ですか?」

「人の思考を、読み取る磁場みたいなものが、この大陸を包んでいるにゃ」

「人体に、悪影響は?」

「にゃい」

「断言できるのですか?」

「守護石に、登録されてたにゃ。これは、サイコフィールドと言うにゃ」

「人の意思を読み取るというのは?」

「簡単に言えば。魔法を使うときのイメージを読み取るにゃ」

「このフィールドがあるから、魔法が使えると?」

「うにゃ」

「こちらの大陸でも、ニャウは動いていますし、魔導砲は稼動していますよ?」

「それは、CATの力にゃ。エネルギーは、プラズマエンジンからの供給にゃ」

「そう言えば、そうでした」

「このフィールドの中にいれば、人は魔法を使えるにゃ」

「それは、人工的に作られたものですか?」

「そうだにゃ。他の大陸からのエネルギーを供給され、今も稼動しているにゃ」

「ミサイルが無ければ、この星の人たちは、あの大陸で魔法使いになれたのですね・・・」

「そうです。あの大陸は遊び場」

「管理者ですか?」

「サイコフィールドに気づくとは、思いませんでした」

「まずいのですか?」

「あれを通じて、貴方たちのことを解析していましたからね。対策を練られると、困ります」

「私に害が無ければ、そのままにしますけど?」

「それは、助かります。お礼に、質問に答えましょう」

「一つ、聞きます。貴方は、私達の敵ですか?」

「敵でした。僕はこの星を管理する存在。あいつらに、星を渡したくない。その可能性が、貴方たちにはある。だから、敵にはならない」

「味方とは、言わないのですか?」

「僕たちの中でも、色々な派閥がある。味方といった後で、裏切り者と思われたくない」

「その言葉を、信じましょう。せっかくなので、色々と教えてもらえますか?」

「そのつもりです。長くなるかもしれないけど、良いですか?」

「お願いします」

「では、話しましょう。このずれた世界で起きた、大崩壊を・・・」




---------------------------------
 小説家になろうでも投稿中。
 3日に1度ぐらいのペースで更新予定です。


 
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発

ハーフのクロエ
ファンタジー
 アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活

シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!

処理中です...