クールな王子は可憐な姫♂の愛に堕ちる♡

粗々木くうね

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ヒメに喰われたオウジサマ

03 愛されるって、思ってたんと違う! ※R18

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 どうやってここまで来たのか……正直、あまりよく覚えていない。

 気づけば、そこはラブホテルの密室。ふたり、シャワーを浴びたあとの火照った素肌にバスローブだけを羽織って、天蓋付きのベッドに沈んでいた。

「……みつ、お口開けて?」
「……んっ、ふ……っ」
 
 ちゅ、と啄むような軽いキスのあと、楓が囁く。その甘やかな命令に、反射的に唇を開いてしまったのが敗因だった。
 
 ぬるり、と熱を帯びた肉厚な舌が、遠慮なく口腔へと滑り込んでくる。甘い顔立ちからは想像もできない、男の舌。それが俺の口内を、自分の領土だと主張するように蹂躙し、逃げようとする俺の舌にねっとりと絡みついた。
 
 酸素が奪われ、視界がチカチカと白く明滅する。その隙間に、現実離れした光景が広がる。
 
 ラブホテルなんて、所詮はヤるためだけの場所。そう思っていた。今まで利用したことがあるところも、実用重視の簡素な部屋ばかりだったし。
 
 けれど、ここはまるでおとぎ話の世界だ。

 淡いピンクの壁紙には、白いレースのような繊細な装飾があしらわれている。頭上では小ぶりなシャンデリアが煌めき、その光がベッドを覆う天蓋のレースに反射して、星屑みたいに揺れていた。猫足のソファに、繊細な彫刻が施されたドレッサー。

 まるで、小さい頃に絵本で見たお姫様の部屋そのもので。あまりに甘やかな空間も相まって、酔いしれてしまいそうだった。

(こいつ、こんなにキス上手いのかよ……)

 早鐘を打つ心臓の音が、うるさいくらいに体内で鳴り響く。目の前の楓にも聞こえてしまうんじゃないか。そう不安になるほど、鼓動が暴れていた。与えられる刺激が強すぎて、受け止めきれない。俺はその快感を指先から逃がしたくて、縋るようにシーツをぎゅっと握りしめていた。

「んっ……」

 雨のようなキスは次第に、唇から顎、そして首筋へと滑り落ちていく。熱い吐息がくすぐるように肌を這い、その刺激に背中を反らせた拍子に、はだけていたバスローブが肩からふわりと滑り落ちた。露わになった上半身が、ホテルの湿った空気に晒される。

「……ねぇ。みつって、おっぱい感じる?」
「はっ?……え、わ、かんね……っ」

 不意打ちの問いかけ。胸の辺りに顔を寄せた楓が、長い睫毛の隙間から、上目遣いでじっと俺を見上げていた。
 
 そのあざといほどかわいい視線とは裏腹に、囁く声は熱っぽい。至近距離で息を吹きかけられた場所が、じんわりと熱を持ち、皮膚の奥がムズムズする。視線と吐息のダブルパンチ。とっさに答えた声は、自分でもわかるほど情けなく上擦ってしまった。あまりの恥ずかしさに、顔から火が出そうだ。

「ふぅん。……じゃあ、試してみよっか」
 
 楽しげにそう呟くと、楓は俺の平らな胸に、甘えるようにスリスリと頭を擦り付けてきた。そして、小さな突起を唇で食む。
 
 はむ、はむ、と一心不乱に味わうその姿は、まるで赤ん坊だ。

「んぅ……っ、あはっ、くすぐってぇ……っ!」

 正直、気持ちいいというより、むず痒くて仕方がない。快感の手前にある背筋がゾワゾワするようなくすぐったさに、思わず笑い声が漏れてしまった。

(……これなら、余裕……かも?)

 そんな油断が、頭をよぎった。

「くすぐったいの? それなら……これは?」
「……っ、あ!」

 遊びは終わりだ、とでも言うように楓は、急に舌先をべったりと押し付け、皮膚の薄い乳輪の輪郭をねっとりとなぞり上げた。
 
 目の前には、楓の綺麗な顔。 肌には、濡れた舌のざらりとした感触と、口腔のむわりとした熱気。視覚と触覚、その刺激がダイレクトに伝わって、背筋がびくりと大きく跳ねた。
 
 さっきまで赤子のように甘えていたはずの楓が、不意に男の顔を覗かせる。その鮮やかな変化に、ぞくり、と期待と恐怖が混ざり合ったような、甘く痺れる予感が身体を駆け巡った。

(これ、やばいかも……っ)

「……っ、あ!……楓っ……そんな、舐めん、な……!」

 思わず、情けない声が漏れる。楓は大きな目を三日月みたいに細めて笑うだけで、その間にも舌の動きは止まらない。狙いは、真ん中で小刻みに震えている乳首だ。

 まだ、触れていない。なのに、濡れた舌先がそこへ向かってくるのがわかって、想像するだけで息が荒くなる。勝手に追い詰められ、勝手に感じて、頭が真っ白になりそうだ。

 そんな俺をあざ笑うように、ゆっくりと顔が近づいてきて──。

「ひっ……ああっ……!」

 ねっとりと熱い舌が絡みつき、ちゅぽっ、と卑猥な音を立てて吸い上げられる。あまりの快感に、自分が発したとは思えない情けない喘ぎ声をあげてしまった。

 もっと欲しいとか、そんなつもりはないのに。身体をのけぞらせた拍子に、まるで楓にねだるように自ら胸を突き出してしまう。腰の奥がズクン、と疼き、下半身がどうしようもなく熱を持った。

「かわいい。みつ、気持ちいいんだ?」
「あ……ちが、っ」
「嘘だぁ♡……違わないでしょ?」

 素直になれない俺を諭すように、今度は左側にも口づけた。左右交互に、唇と舌で散々愛され、胸元は唾液でテラテラといやらしく濡れそぼっている。

「はぁ、ん……っは……」

 全身が蕩けるように力が抜け、気づけば俺は、楓によって真っ白なシーツに押し倒されていた。

「おっぱいだけでこんなぐずぐずになっちゃって……。みつ、すごく才能あるよ♡ 本当にはじめて?」

(……どんな才能だよ)

 無神経な態度に悪態をつきたかったけれど、荒く呼吸するしかできない。潤んだ目で、楓を睨みつけるのが精一杯だった。

(なんか、すげー疲れた)

 キスされて、胸を好き勝手嬲られて。ただそれだけなのに、刺激が強すぎて、もうキャパオーバーだ。

 俺が夢見てた「愛される」って、もっとお姫様みたいに、ふわふわ甘やかされるやつだったのに。こんなに恥ずかしくて、全部を晒け出さないといけないわけ? 女の子って、こんなに大変だったんだな……。

 というか、もう寝たい。頼むから、寝かせてくれないかな。

 そう、思ったのに。

「あれ、大変! みつのここ、泣いてるよ……」
「は、え? ちょ……っ、あ!」

 楓の人差し指が、胸への刺激で張り詰めていた熱い昂りを、スリ、と撫であげた。先走りがねとぉ……と糸を引き、白く細い指に絡みつく。その光景があまりに卑猥で、頭が沸騰しそうだ。

「あらら、泣き止まないね? よし♡ よし♡ してあげなきゃ……」

 気づけば楓は、俺の足の間に身体を滑り込ませ、膝を割り開いていた。熱を帯びた吐息が、敏感な中心に降りかかる。まるで、小さな子どもに話しかけるような甘い口ぶり。それが余計に、俺の羞恥心を煽り立てる。

「あ、楓っ、ちょっと待……っ!」

 制止の言葉は、最後まで紡がせてもらえない。言い終える前に、熱く濡れた粘膜が先端をじゅるり、と包み込んだ。

「っひ……!」

 震えるほどの快感に、必死で口元を手で塞いだけれど、無駄だった。舌先が鈴口を割り、執拗に転がされるたびに、甘い痺れが腰の奥に蓄積されていく。

(え、俺……コイツにフェラされてんの……?)

 数時間前までは、ただの友達だったのに。今はそいつに、フェラされている。この異常な状況に、理解が追いつかない。
 
「……んっ、ふ……っ、ぅ……!」

(だめ、こんなの……ちんこ、溶ける……っ!)

 こういうことは過去に何度か、彼女にしてもらったことはある。だけど、生理的な涙が滲むほど強烈なのは、生まれて初めてだった。同じ男同士、身体の構造を知り尽くしているからこそ。悔しいけれど、気持ちいいところを的確に、容赦なく攻めてくる。
 
 楓は唇を離さず、舌で形を確かめるみたいにくびれを這い、裏筋を下から上に、アイスキャンディを食べるみたいに卑猥な音を立ててゆっくりと舐め上げる。

「なぁ、楓っ……も、出る、出ちまうから、離せよ……っ」

 息も絶え絶えに訴えると、楓は一度口を離し、目を合わせた。

「ん? いいよ、このまま出して」
「はっ……?」
「僕の口に、ぜんぶ。……ね?」

 上目遣いで、あまりにあっけらかんと、花が咲くような笑顔でとんでもないことを言われ、俺の思考は完全に停止した。いくらなんでも、友達の口の中にぶちまけるなんて、恥ずかしすぎて死ぬ。そんなことをしたら、俺たちの関係は今日で全部終わってしまう……!

「だめ、楓、離せっ……!」

 なんとか腰を引いて抵抗を試みたけれど、無駄だった。楓により深く咥えられ、喉奥を使って扱かれる。

「あ、ぁあ”っ……!」

 熱い口腔、絡みつく舌。俺の脳はバグを起こし、身体はあろうことか楓の口を「女性器」だと錯覚し始める。一度そう認識してしまえば、もう射精すること以外、何も考えられない。

 逃げ場のない快感の大波が押し寄せ、俺は縋るように、楓の綿菓子みたいにふわふわした髪を鷲掴みにした。乱暴に指を沈めても、楓は一向に口を離してはくれない。それどころか、喉の筋肉を波打たせ、容赦なく俺の理性を削り取っていく。

「やだ、楓っ、喉で搾るの、やばいから……っ! お願い、やめて……っ」
「……ん、いーよ、だひて」

 じゅるっ……じゅぽっ、じゅるるっ♡♡

 含んだまま発せられた、くぐもった甘い声。直後、内臓まで引き抜かれるような錯覚を覚えるほどの圧で、真空状に吸い上げられた。

「……んっ、あ、ああっ!」

 脳内が真っ白に弾け、視界がちかちかと明滅する。抵抗も虚しく、俺は楓の口腔内へ、せき止めていたすべてをあっけなく吐き出してしまった。

「あ……はう……っ」

 ドクドクと放たれるものを、楓はひとしずくも逃さず、喉を鳴らして受け止める。当の俺はというと、大きな快感の波に打ち上げられた魚みたいに、情けなくぴくぴくと身体を震わせることしかできない。

 すべてを絞り取られ、身体に甘やかな痺れを残したまま、俺は糸が切れたように、力なくベッドに倒れ込んだ。

 ゼェゼェと荒い呼吸を繰り返していると、ふと視界の端で楓が動く。綺麗な喉仏が、ごくり、と上下した。

「は、え……? お前……飲んだの……?」

 息も整わないまま問いかけると、楓はまるで極上の甘味でも味わったかのように、にっこりと笑った。

「うん。結構濃かったね。出したの、久しぶりだった?」
「は、っ……!? おまっ……最低っ! デリカシーなさすぎ!」

 羞恥が一気に駆け上がり、力の入らない拳をどうにか振り上げて抗議する。けれど楓は涼しい顔のまま、俺の手首を片手で簡単に押さえ込み、覆いかぶさるように形の良い唇を重ねてきた。

「……んっ、ふ……っ、あ!まっず!」

 反射的に口を開けてしまった俺が悪い。ねっとりと楓の舌が絡んで、さっき自分が出した味が口いっぱいに広がる。青臭くて、苦い。とても人の飲める味じゃないぞ、これ。

「あは。みつの味なのに♡」

 天使みたいな顔で、余裕綽々に笑う楓。

(……むかつく!!)

 めちゃくちゃ変態っぽいことをされているのに、その笑顔をかわいいと思ってしまった自分が悔しい。

「さてと。今度は、僕も一緒に気持ちよくなりたいな♡」
「えっ……」
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