悲報 スライムに転生するつもりがゴブリンに転生しました

ぽこぺん

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第136話 晩餐会5

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「「すみませんでしたぁぁ~!!」」

わたしたちの謝罪が静かなホールに木霊する
貴族に化けて王宮に潜伏してきた魔族をいち早く気付いて討伐したと思っていたら
普通に晩餐会に参加されていた上位貴族様だった件
これは・・・今までで一番のやらかしではないだろうかゴブ

「ゴ、ゴブ・・・」(ゆ、勇者様が切りかかったからつい・・・)

「そ、そうですね、勇者様の号令で戦闘の火ぶたが切られたような気がしますわね」

「ゴブゴブ」(それに勇者の奴があとは聖女に任せるとかいって振ってくるから)

勇者の奴はまだ気を失ったままだ・・・
こいつめ~中途半端に弱っちい方だけ攻撃して戦闘から外れやがって、巻き込んでおいて自分だけお寝んねとはいい身分だゴブ
とりあえずここは勇者に全責任を負ってもらってなんとかやり過ごさなければ

「クックク、儂が命の危険を感じるほどの攻撃は久しぶりじゃ・・・表面は取り繕ったが完全回復するまでは20年はかかるかのぅ、全く・・・不老不死の体は丈夫じゃが新陳代謝が悪くて自然回復が遅いのが難点じゃ」

ベルウッド辺境伯様が立ち上がり乱れた身なりを整えている
見た目はほぼ無傷じゃん・・・本当に潜入していた敵対魔族だったらヤバかったゴブ
そして渋めのお爺さんだった姿から高校生みたいな若者になっている
顔色の悪さと尖った耳などはそのままだけど

「おっとと、闇の衣まで剥がされちゃったか~聖女の肩書きはダテじゃないねぇ、こりゃ久しぶりに乙女の生き血をたっぷりと啜らないとまずいかなぁ~」

心なしか口調もフランクな感じになってちらりとこちらを見てウインクしてきた

「ひっ、やっぱり吸血鬼ですぅ~ここはいつの間にか若く美しくなったカタリナさんが適任ですぅ、一番最初に殴りにいった責任をとってもらいますぅ」

「ちょ、ちょっと!マリー!若くなったとはいえまだあなたの方が実年齢は若いでしょう!それに私は乙女ではありませんから!この姿に戻ってすぐにお館様にお手付きされてますから!」

マリーとカタリナさんが不毛な言い争いを始めたゴブ
アイラお嬢様の方を見ると青い顔で震えていらっしゃる

「わ、私はまだ成人しておりませんし、聖女の生き血は刺激が強くて閣下のお口には合わないと思うのです、ねぇそうでしょ?ミセッティ」

「ゴブゴブ」(聖女として生きていく方向で決めたゴブか?)

わたしは・・・清らかな乙女(♀)ではあるがゴブリンだから生き血はマズいと思われるので辞退させていただくゴブ

「お嬢様を生贄にする訳にはいきませんからここはマリーで手打ちですね、恐れ多くも辺境伯様に雑巾の絞った水を頭から浴びせるなど許されることではありません」

「ゴブゴブ~」(そ~だそ~だ、信じられないゴブ~責任とれゴブ~)

「・・・あなたはその頭を蹴りまくって勝ち誇っていたような気もしますが」

お嬢様が何か言っているが無視だゴブ、ここはマリーで決定だゴブ

「あなた達!いい加減にしなさ~い!ベルウッド様、お久しゅうございます、コスタリアのサイネリアでございます、公の場でお顔を拝見するのは珍しいですね、この度は知らぬとはいえ失礼いたしました、私の教育不足です、申し訳ありません」

奥方様はさすがに土下座まではしないが深々と頭を下げて謝罪した
隣りには勇者君を庇護しているという貴族のおっさんが顔面蒼白で汗をだらだらかいて頭を下げている

「あはは、乙女の生き血は冗談だから気にしなくていいよ、昔は興味があって飲んだこともあったけど別に無くてもワインの方がおいしいしね、それに僕のことはなるべく秘密にしてくれってお願いしてあるし、逆に知らない人が多くて安心したよ」

「は、はい、閣下がそうおっしゃるならこちらとしては助かります」

なんだ乙女の生き血を差し出せってのは冗談だったのか
ヴァンパイアジョークはちょっと高等すぎて冗談に気付けなかったゴブ

「今回はうちの若いのが迷惑をかけていた謝罪と久しぶりに『黒髪』さんたちが珍しい食べ物や娯楽を提供し始めたと聞いて出向いてきたんだけど聖女もいたとはね」

そしてアイラお嬢様の方を向いて別の言語で話しかけ始めた

『君は黒髪じゃないけど聖女なのかい?転移者にしては珍しいね、それとも転生?転生者たちはまだ生まれたての赤子のはずだけど、魔王討伐とかじゃないよね?』

うっわ、これは日本語ですわ、やっぱりこの高校生男子風ヴァンパイアは日本人だ
鑑定でもされたら厄介だゴブ、わたしはそーっとお嬢様のスカートの中に忍び込んだ

「はぁ・・・テンイシャ、テンセーとは?私は生まれてずっとこの髪色ですが」

『あれ?日本語が通じているのに意味が伝わっていない?こんなに強力な聖魔法の使い手なのに現地人なのかな、まさか本当に聖女だったりする?』

「えっと、聖女と呼ぶ人もおられるのは事実なのですが聖魔法で奇跡を起こしているのは実は私ではなくて、ぶひゃひゃひゃ、こらミセッティくすぐったいですわ!」

せっかくお嬢様のスカートの中に隠れていたのにポイっと放り出されてしまった
お嬢様の太ももをわたしの髪の毛でさわさわとくすぐってしまっていたようだ

『んんー?さっきからちょろちょろと目に入っていたけど王宮にゴブリンがいるなんて本当はおかしいよね、もしかしてこっちが本命かな』

じーっと見られている、これは転生特典の簡易鑑定されているな
わたしも負けずに簡易鑑定してやるゴブ

名前 サンシャイン・フォン・ベルウッド(鈴木 陽光)
種族 エルダーヴァンパイア
職業 辺境伯

HP ***
MP ***
  ・
  ・
  ・
スキル
*魔法 レベル*
*魔法 レベル*
*****
****

称号
超越者
魔王
世界の管理者 会員No035

『へぇ~やっぱりそっちのゴブリンさんが聖魔法の使い手か~僕と同じこと考え付いた人がいたんだね、それにしてもゴブリンって、また思い切ったことしたねぇ』

「ゴブ~」(好きでなった訳ではないゴブ~そっちこそなんだサンシャインって)

ヴァンパイアのくせにサンシャインってふざけているのか?
それよりも鈴(ベル)と木(ウッド)だからベルウッドだったのか、そっちもふざけているゴブ
そして格が違いすぎるのかほとんどの数値的なものが***になって見えない

『まぁ名前はねぇ、こっちには着の身着のまま体一つで連れてこられたからせめて親からもらった名前だけは大事にしようって4人で決めたのさ、もう太田君には会ってきたんでしょ、今回はおもしろい子がいるってことは聞いていたけどさ』

「ゴブ」(自分の意思で来た訳ではなかったゴブか・・・)

せめて名前だけは大事にしようって話は少し泣かせるゴブ
だからオタさんも本名を名乗っていたしや西方真理教会とかで名前を残したんだな
待てよ?ってことは建国の勇者の初代国王は何て名前だったんだゴブ?

確か魔王を倒して数ある小国をまとめあげてこのセントラル王国を樹立した英雄王
そして歴代の王の名前はデン・セントラル・・・
正方形が4つ並んだ国旗・・・まるで漢字の田みたいだな~と感じた違和感

「ゴブー!」(デン・セントラルって田(デン)中(セントラル)だゴブー!)

『そうそう、田中君の興した国だからデン・セントラル王国って訳さ』

ぐはぁ、死ぬほどダッサいネーミングセンスだゴブ・・・
この事実は知らなかったフリをして墓まで持って行った方がよさそうゴブな
これから王様が出てきてデン・セントラルの名乗りをあげる度に吹きだしてしまう
五百年前に魔王を討伐したという偉大な英雄王も元々はただの高校生のガキンチョだったから仕方がないか

んん?ちょっと待てよ?今さっき称号で魔王とか見た気がするぞ

「ゴブブ」(なんで英雄王パーティに魔王がいるんだゴブ)

『あちゃ~、そこにやっぱり気付いちゃいますか、だからあまり転生者の前には出たくないんだよな~まぁその辺は歴史の闇ってことで他言無用で頼むよ』

おいおい、勇者と魔王が同じパーティで魔王討伐の英雄王になったとか洒落にならない大スクープじゃねーか・・・マッチポンプここに極まれりってことだゴブ


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