子悪党令息の息子として生まれました

菟圃(うさぎはたけ)

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「それで私を呼んだ内容はなんだ?」

私に来いと言っていながら、私の質問に答える気配がない。
あれだけ私に被害を与えておきながら、自身の事になると黙る。

「何故答えない」

「なんで、アンタ生きてんのよ」

私の質問に答えるでもなく、私が生きているその事に驚いている。
私が死んだとでも誰かから聞いたのか?

「私が生きていて何か不都合でもあるのか?」

「不都合しかないわよ!アンタが魔王にならなきゃあたしは聖女として覚醒できないのよ!?」

私が一番嫌いな言葉第一は聖女だ。
何故この女から聖女という言葉が出てくるんだ。

そして何故私が魔王になることでこの女が聖女になるんだ。
そもそも聖女は別世界から呼ばれた魂だけが聖女になる事ができるが、しっかりと能力を鍛えなければ不要な聖女として教会の下っぱ送りになる。

「私が魔王になったとてお前が聖女になる事はあり得ない。聖女は別世界から来た存在でしか聖女になる事ができない」

これが私たちの世界の常識だ。

「は?そんな訳ないじゃない!あたしはこのゲームのヒロインなのよ!?ヒロインなんだから聖女になれるに決まっているじゃない!」

そのげぇむというのが何かわからない。
謎の言語を発しているからもしかすると、この女は別世界の存在なんだろうか。

だが、こちらでも調べてみたが目の前にいる女は間違いなく子爵の子供だった。
もしかするとこの令嬢の魂が別世界の物なんだろうか。

その不確定な内容を王宮の者達とはいえ、この二人に聴かせるべきで内容ではない。

「それよりもアンタはなんで魔王になってないのよ。アンタが魔王にならないとあたしが聖女になれないじゃない」

自身が聖女になる為に私を魔王にしたかったのか。
だが私が魔王になっただけでは聖女になれる保証がどこにもない。

その事をこの女はわかっているのだろうか。

「はー、アデライト様もイディ様もなんでこんな可愛いあたしに見向きもしないのよ。アンタにいじめられているのにイディ様はアンタを庇うし、アデライト様も婚約破棄を行おうとしないし。なんでゲームとここまで違うのよ」

騎士達の方に視線を向ければ表情は無表情に近いが、最初に見た時の無表情より明らかい怪訝な表情をしている。
私たちの前で話している女はまるで意思疎通のできない動物のようで、私達人類では手に負えない存在のようだ。

「てか、なんであれだけの大人数で襲わせたのに無事なのよ。さっさと魔王になりなさいよ」

吐き捨てるよう話す目の前の女は最初とは違い明らかに私を煽るような発言をしている。
これに乗る程の子供でもないから、ただ黙って女を眺めている。

反応を示さない私に苛立ちを感じ始めたのか、段々と女の発言がヒートアップしていく。
最後の発言に私は女を魔法で地面に叩きつけた。
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