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「お母様、今日は何をする予定なの?」
僕ネヴィレントも遂に5歳になった。
お母様は相変わらず綺麗で、年をとった感じが一切しない。
僕の両手には狼のぬいぐるみが陣取ってる。
最初に貰ったプレゼントで、一番嬉しかった思い出が詰まっているからずっと持ち歩いている。
「今日はネヴィの婚約者に会う予定ですよ」
お母様は少し嬉しそうな声で今日の予定を話した。
婚約者という言葉に驚いた。
僕まだ5歳なんだけど?
5歳に婚約者って普通なの?
せめて可愛い女の子ならいいなと意識を飛ばしながら、お母様の後ろをついて歩いているとお客様が使う部屋についた。
「ネヴィ、今日は何時もよりお利口さんでお願いね?」
「はいっ!」
元気に返事するとお母様は嬉しそうに笑ってくれた。
お母様が扉を開けてくれると、部屋の中にキラキラで目が痛くなる程の金ピカなドレスをきた女の人がいた。
そのすぐ近くに、僕より少し大きな男の子がいた。
そう、男の子がいた。
「お久しぶりね、ツェーリア伯爵夫人。それで、その貧相な子供が貴方の息子なのかしら?」
刺々しい言葉にお母様の表情が曇っているけど、頑張って笑顔を保っている。
金ピカドレスの人はセンスで口元を隠しているけど、目が僕たちを蔑んでいるのがよくわかる。
この人はとっても嫌な人。
だけど、お母様がいい子でいるよう約束したんだもん、僕は文句を頑張って飲み込んだ。
「ええ、そうですわ。レムナント侯爵夫人。レヴィ、ご挨拶なさい」
お母様に促されて、僕は少しだけ前にでた。
ぎゅうっと狼のぬいぐるみを強く抱きしめ、僕は少し躊躇ったけど口を開いた。
「お初お目にかかります。ハンス・ツェーリアとメルト・ツェーリアの第一子、ネヴィレント・ツェーリアでございます。この様な善き日にご挨拶できましたこと恐悦至極に存じます」
最後にペコっと挨拶すると、お母様の後ろに隠れた。
これだけやればお母様に文句一つも言えないでしょ!!
ふんっと心の中でドヤ顔すると、文句を言いたかったであろう金ピカの女性こと、レムナント侯爵夫人はワナワナと震えていた。
お偉いさんの奥さんなのにそんなに表情を出してもいいんだろうか?
レムナント侯爵夫人はパタンとセンスを閉じると、手でクイッと男の子を呼んだ。
男の子がレムナント侯爵夫人の近くに来ると、僕をじっと見つめてきた。
綺麗なエメラルド色の瞳は、僕の若草色とは違って澄んだように綺麗だった。
「初めまして、ネヴィレント殿。僕はザインハルト・レムナントと言います。今後よろしくお願いします」
ローズピンクの髪がふわっと揺らしながら、ぺこりと頭を下げた。
レムナント侯爵夫人とは違い、汚れなき笑顔が可愛かった。
「挨拶もすみましたし、おかけなさい」
レムナント侯爵夫人が座るように促すけど、ここ僕たちの家ですけど?
たとえ家格が下でも家主側が座るように促すのが、礼儀作法なのにそれを知らずにしているの?
ニコッと笑いながら僕とお母様がソファに座った。
かなり気まずい雰囲気の中進む縁談は最悪なものだった。
レムナント侯爵夫人の口から出てくる言葉は、僕たちを批判する言葉かレムナント侯爵を褒め称える言葉しか出てこなかった。
お母様は笑顔を絶やさずにしているけど、手をぎゅっと握りしめてて痛そうだ。
ザインハルト様も居心地悪そうで、ずっとお菓子を食べ続けてる。
レムナント侯爵夫人の行き過ぎた言葉に仕返しをしてやろうと思って、手に持っていたカップをソーサーの上に置いた。
「ザインハルト様、侯爵家では毎日このようなお話ばかりなのですか?」
「レヴィ!?」
ぴたっとレムナント侯爵夫人の言葉は止まった。
ザインハルト様は退屈だったのか、僕の質問に食いついてきた。
「そうなの!毎日毎日悪口ばっかでつまんないの!お父様もお兄様もつまんないって言ってた!」
ザインハルト様は悪気なく言っているけど、レムナント侯爵夫人は顔を真っ赤にして手をプルプルと振るわせている。
日常的に他人の悪口を言っているのは、ザインハルトの話でよくわかった。
他人の悪口を常日頃から言っている人と家族になるなんて嫌だけど、ザインハルト様は悪い影響は受けてないみたいだから大丈夫だと思う!うん!
「ハルト!!いい加減お黙りなさい!」
キーンとした金切り声に両耳を塞いだ。
ザインハルト様言い過ぎた事に気がついたようで、顔を真っ青にしている。
「今日はもう気分が悪いので帰りますわ!」
ザインハルト様の腕を引っ張りながら、レムナント侯爵夫人は部屋から出ていった。
やり返し大成功と心の中でガッツポーズをしていたら、お母様からぎゅうっと抱きしめられた。
「辛いことをさせてごめんね」
お母様の震える声に僕はやってはいけない事だと気がついた。
僕はお母様に心配を掛けてしまったんだ。
「ぼ、僕こそ…ごめんないぃ…。うええええん!!」
僕のせいでごめんなさい。
これからはもっといい子にするからね。
ぎゅっと抱きしめてくれるお母様に向けて、心の中でつぶやいた。
僕ネヴィレントも遂に5歳になった。
お母様は相変わらず綺麗で、年をとった感じが一切しない。
僕の両手には狼のぬいぐるみが陣取ってる。
最初に貰ったプレゼントで、一番嬉しかった思い出が詰まっているからずっと持ち歩いている。
「今日はネヴィの婚約者に会う予定ですよ」
お母様は少し嬉しそうな声で今日の予定を話した。
婚約者という言葉に驚いた。
僕まだ5歳なんだけど?
5歳に婚約者って普通なの?
せめて可愛い女の子ならいいなと意識を飛ばしながら、お母様の後ろをついて歩いているとお客様が使う部屋についた。
「ネヴィ、今日は何時もよりお利口さんでお願いね?」
「はいっ!」
元気に返事するとお母様は嬉しそうに笑ってくれた。
お母様が扉を開けてくれると、部屋の中にキラキラで目が痛くなる程の金ピカなドレスをきた女の人がいた。
そのすぐ近くに、僕より少し大きな男の子がいた。
そう、男の子がいた。
「お久しぶりね、ツェーリア伯爵夫人。それで、その貧相な子供が貴方の息子なのかしら?」
刺々しい言葉にお母様の表情が曇っているけど、頑張って笑顔を保っている。
金ピカドレスの人はセンスで口元を隠しているけど、目が僕たちを蔑んでいるのがよくわかる。
この人はとっても嫌な人。
だけど、お母様がいい子でいるよう約束したんだもん、僕は文句を頑張って飲み込んだ。
「ええ、そうですわ。レムナント侯爵夫人。レヴィ、ご挨拶なさい」
お母様に促されて、僕は少しだけ前にでた。
ぎゅうっと狼のぬいぐるみを強く抱きしめ、僕は少し躊躇ったけど口を開いた。
「お初お目にかかります。ハンス・ツェーリアとメルト・ツェーリアの第一子、ネヴィレント・ツェーリアでございます。この様な善き日にご挨拶できましたこと恐悦至極に存じます」
最後にペコっと挨拶すると、お母様の後ろに隠れた。
これだけやればお母様に文句一つも言えないでしょ!!
ふんっと心の中でドヤ顔すると、文句を言いたかったであろう金ピカの女性こと、レムナント侯爵夫人はワナワナと震えていた。
お偉いさんの奥さんなのにそんなに表情を出してもいいんだろうか?
レムナント侯爵夫人はパタンとセンスを閉じると、手でクイッと男の子を呼んだ。
男の子がレムナント侯爵夫人の近くに来ると、僕をじっと見つめてきた。
綺麗なエメラルド色の瞳は、僕の若草色とは違って澄んだように綺麗だった。
「初めまして、ネヴィレント殿。僕はザインハルト・レムナントと言います。今後よろしくお願いします」
ローズピンクの髪がふわっと揺らしながら、ぺこりと頭を下げた。
レムナント侯爵夫人とは違い、汚れなき笑顔が可愛かった。
「挨拶もすみましたし、おかけなさい」
レムナント侯爵夫人が座るように促すけど、ここ僕たちの家ですけど?
たとえ家格が下でも家主側が座るように促すのが、礼儀作法なのにそれを知らずにしているの?
ニコッと笑いながら僕とお母様がソファに座った。
かなり気まずい雰囲気の中進む縁談は最悪なものだった。
レムナント侯爵夫人の口から出てくる言葉は、僕たちを批判する言葉かレムナント侯爵を褒め称える言葉しか出てこなかった。
お母様は笑顔を絶やさずにしているけど、手をぎゅっと握りしめてて痛そうだ。
ザインハルト様も居心地悪そうで、ずっとお菓子を食べ続けてる。
レムナント侯爵夫人の行き過ぎた言葉に仕返しをしてやろうと思って、手に持っていたカップをソーサーの上に置いた。
「ザインハルト様、侯爵家では毎日このようなお話ばかりなのですか?」
「レヴィ!?」
ぴたっとレムナント侯爵夫人の言葉は止まった。
ザインハルト様は退屈だったのか、僕の質問に食いついてきた。
「そうなの!毎日毎日悪口ばっかでつまんないの!お父様もお兄様もつまんないって言ってた!」
ザインハルト様は悪気なく言っているけど、レムナント侯爵夫人は顔を真っ赤にして手をプルプルと振るわせている。
日常的に他人の悪口を言っているのは、ザインハルトの話でよくわかった。
他人の悪口を常日頃から言っている人と家族になるなんて嫌だけど、ザインハルト様は悪い影響は受けてないみたいだから大丈夫だと思う!うん!
「ハルト!!いい加減お黙りなさい!」
キーンとした金切り声に両耳を塞いだ。
ザインハルト様言い過ぎた事に気がついたようで、顔を真っ青にしている。
「今日はもう気分が悪いので帰りますわ!」
ザインハルト様の腕を引っ張りながら、レムナント侯爵夫人は部屋から出ていった。
やり返し大成功と心の中でガッツポーズをしていたら、お母様からぎゅうっと抱きしめられた。
「辛いことをさせてごめんね」
お母様の震える声に僕はやってはいけない事だと気がついた。
僕はお母様に心配を掛けてしまったんだ。
「ぼ、僕こそ…ごめんないぃ…。うええええん!!」
僕のせいでごめんなさい。
これからはもっといい子にするからね。
ぎゅっと抱きしめてくれるお母様に向けて、心の中でつぶやいた。
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