56 / 173
3*
3
しおりを挟む
「紳士?先にその紳士的行動を破ったのはツェーリア伯爵令息だ!」
ハルトの大きな声に体がよけに震えた。
震えている僕に気がついてレザリアに強く抱きしめられる。
「どういう事だ。事情を説明するんだ」
「ツェーリア伯爵令息が精霊を使って愛に執拗な嫌がらせをしていたんだ。この手紙を忘れたと言わせないぞ」
ハルトの胸元から大量の手紙が出てきた。
それをヴェルベルトが拾って中身を読むと顰めた表情になった。
「この文字を見たが、ネヴィレントが書いている文字ではないことが明らかだが?」
「この手紙は大量に愛に届いたんだ。人が書ける量ではないから精霊に書かせて送らせたものだ」
「ネヴィレント本当か?」
「精霊たちは文字を書くことはできないよ。それに精霊にとって楽しくない事は絶対に行わない」
「という事だが、精霊についてよくわかっているわけではないが精霊使い本人がいうのであればそうなのであろう」
ハルトがぎりっと歯を食いしばった。
隣にいる愛は顔を伏せてハルトにしがみついている。
「いい加減僕の婚約者から離れていただけませんか?」
「そ、そんな怖い顔しないでよ!」
泣きそうな声を出しながら、余計にハルトにしがみついて一向に離れない。
「僕の婚約者に対して邪な気持ちを抱いているという事で抗議文を送らせていただきます」
最後に僕がそう伝えると愛がギッと睨んでくる。
睨まれる筋合いもない。
なんで僕がこんな事に巻き込まれているんだよ。
嘘を吹き込まれ続けて長年の付き合いがある僕を信じるのではなく、ぽっと出の主人公である愛を信じた。
それが悔しくて悔しくて堪らない。
ぎゅっとラグくんと握って泣きそうになるのをどうにか堪えている。
「全てお父様とお母様にお聞きしていただいても構いません。僕は現在貴方方がお持ちの手紙の用紙を購入しておりません。僕はそのような紙を使用することが禁止されておりますので」
泣くな。
泣いたら僕が負けを認めているようなものだ。
「全て確認していただいて、それでも僕を犯人だとおっしゃるのであればそれが貴方方の真実であるのでしょう。ですが、嘘を公言なさるのであれば僕、いいえ私は対処させていただきます」
毅然な姿をとって、いまだに擦り寄っている愛に非難の目を向けた。
怯えたようにまたハルトに寄り添って、最早ベッタリしている状態になった。
「はあ、埒があきませんわね。このお二方とネヴィレント様は一度距離を置いた方がよろしいですわね」
レザリアが間に入って僕の会話を止めるような形をとってくれた。
「ザインハルト様はしっかりと確認した上でネヴィレント様とお話して下さいませ。ネヴィレント様は少し落ち着いて空気を吸ってらっしゃいませ。そして、そこの平民の貴方は私と一緒にレラッサ先生の元まで参りましょう?」
「なんでアンタなんかと!」
「アンタ?私この様な事をいうのは嫌いですが、私は貴族で貴方は平民です。立場の違いをしっかりと理解しなさい」
「私は聖女なのよ!」
その発言で全員がぴたっと止まった。
「聖女を語るとは…。教会を敵に回したい様ですわね」
レザリアが持つ扇子からメリメリと音がした。
かなりの力を込めて握っているんだろう。
「教会ですでに聖女判定をもらっているわよ!それを疑う方がおかしいんじゃない?」
そういえば、なんか先に聖女判定を行う描写があったけどこんなのを…、聖女判定する教会も凄いなって思った。
多分黒髪、黒目で高貴なんか色を持っていて、適応属性が聖であるので聖女判定を受けたんだろうか。
「疑われてもしか手がない行動をしているのだからそれは仕方ないのでは?それ相応の行動をお取りなさいな」
レザリアの最もな言葉に噛みついてくる。
「聖女を疑ったとして教会に全部伝えさせてもらうわ!これで貴方のお家も終わりね!」
自身ありげな表情をしているけど、教会に貴族の家を壊す権力など存在しない。
何と間違えて話しているんだろう…。
ハルトの大きな声に体がよけに震えた。
震えている僕に気がついてレザリアに強く抱きしめられる。
「どういう事だ。事情を説明するんだ」
「ツェーリア伯爵令息が精霊を使って愛に執拗な嫌がらせをしていたんだ。この手紙を忘れたと言わせないぞ」
ハルトの胸元から大量の手紙が出てきた。
それをヴェルベルトが拾って中身を読むと顰めた表情になった。
「この文字を見たが、ネヴィレントが書いている文字ではないことが明らかだが?」
「この手紙は大量に愛に届いたんだ。人が書ける量ではないから精霊に書かせて送らせたものだ」
「ネヴィレント本当か?」
「精霊たちは文字を書くことはできないよ。それに精霊にとって楽しくない事は絶対に行わない」
「という事だが、精霊についてよくわかっているわけではないが精霊使い本人がいうのであればそうなのであろう」
ハルトがぎりっと歯を食いしばった。
隣にいる愛は顔を伏せてハルトにしがみついている。
「いい加減僕の婚約者から離れていただけませんか?」
「そ、そんな怖い顔しないでよ!」
泣きそうな声を出しながら、余計にハルトにしがみついて一向に離れない。
「僕の婚約者に対して邪な気持ちを抱いているという事で抗議文を送らせていただきます」
最後に僕がそう伝えると愛がギッと睨んでくる。
睨まれる筋合いもない。
なんで僕がこんな事に巻き込まれているんだよ。
嘘を吹き込まれ続けて長年の付き合いがある僕を信じるのではなく、ぽっと出の主人公である愛を信じた。
それが悔しくて悔しくて堪らない。
ぎゅっとラグくんと握って泣きそうになるのをどうにか堪えている。
「全てお父様とお母様にお聞きしていただいても構いません。僕は現在貴方方がお持ちの手紙の用紙を購入しておりません。僕はそのような紙を使用することが禁止されておりますので」
泣くな。
泣いたら僕が負けを認めているようなものだ。
「全て確認していただいて、それでも僕を犯人だとおっしゃるのであればそれが貴方方の真実であるのでしょう。ですが、嘘を公言なさるのであれば僕、いいえ私は対処させていただきます」
毅然な姿をとって、いまだに擦り寄っている愛に非難の目を向けた。
怯えたようにまたハルトに寄り添って、最早ベッタリしている状態になった。
「はあ、埒があきませんわね。このお二方とネヴィレント様は一度距離を置いた方がよろしいですわね」
レザリアが間に入って僕の会話を止めるような形をとってくれた。
「ザインハルト様はしっかりと確認した上でネヴィレント様とお話して下さいませ。ネヴィレント様は少し落ち着いて空気を吸ってらっしゃいませ。そして、そこの平民の貴方は私と一緒にレラッサ先生の元まで参りましょう?」
「なんでアンタなんかと!」
「アンタ?私この様な事をいうのは嫌いですが、私は貴族で貴方は平民です。立場の違いをしっかりと理解しなさい」
「私は聖女なのよ!」
その発言で全員がぴたっと止まった。
「聖女を語るとは…。教会を敵に回したい様ですわね」
レザリアが持つ扇子からメリメリと音がした。
かなりの力を込めて握っているんだろう。
「教会ですでに聖女判定をもらっているわよ!それを疑う方がおかしいんじゃない?」
そういえば、なんか先に聖女判定を行う描写があったけどこんなのを…、聖女判定する教会も凄いなって思った。
多分黒髪、黒目で高貴なんか色を持っていて、適応属性が聖であるので聖女判定を受けたんだろうか。
「疑われてもしか手がない行動をしているのだからそれは仕方ないのでは?それ相応の行動をお取りなさいな」
レザリアの最もな言葉に噛みついてくる。
「聖女を疑ったとして教会に全部伝えさせてもらうわ!これで貴方のお家も終わりね!」
自身ありげな表情をしているけど、教会に貴族の家を壊す権力など存在しない。
何と間違えて話しているんだろう…。
241
あなたにおすすめの小説
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした
紫
BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。
実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。
オメガバースでオメガの立場が低い世界
こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです
強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です
主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です
倫理観もちょっと薄いです
というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります
※この主人公は受けです
【本編完結】断罪される度に強くなる男は、いい加減転生を仕舞いたい
雷尾
BL
目の前には金髪碧眼の美形王太子と、隣には桃色の髪に水色の目を持つ美少年が生まれたてのバンビのように震えている。
延々と繰り返される婚約破棄。主人公は何回ループさせられたら気が済むのだろうか。一応完結ですが気が向いたら番外編追加予定です。
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*本編完結しました
手切れ金
のらねことすていぬ
BL
貧乏貴族の息子、ジゼルはある日恋人であるアルバートに振られてしまう。手切れ金を渡されて完全に捨てられたと思っていたが、なぜかアルバートは彼のもとを再び訪れてきて……。
貴族×貧乏貴族
氷の婚約者様に破談を申し出たら号泣された
楽矢
BL
目が覚めると、レースの牢獄のような天蓋付きベッドの上だった。
何も覚えていない出来損ない下級貴族ミラ。無能だクズだと冷酷な罵詈雑言を浴びせてくる氷の騎士セティアス。
記憶喪失から始まる、2人のファンタジー貴族ラブコメディ。
----------
※注)
かっこいい攻はいません。
タイトル通りそのうち号泣しますのでご注意!
貴族描写は緩い目で雰囲気だけお読みいただけると幸いです。
ハッピーエンドです。
激重感情をこじらせた攻→受な関係がお好きな同志の方、どうぞよろしくお願いします!
全16話 完結済み/現在毎日更新予定
他サイトにも同作品を投稿しています。
様子を見ながらそのうち統合するかもしれません。
初めての一次創作でまだよく分かっておらず、何かおかしなことをしでかしていたら申し訳ないです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる