悪役に好かれていますがどうやって逃げれますか!?

菟圃(うさぎはたけ)

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「紳士?先にその紳士的行動を破ったのはツェーリア伯爵令息だ!」

ハルトの大きな声に体がよけに震えた。
震えている僕に気がついてレザリアに強く抱きしめられる。

「どういう事だ。事情を説明するんだ」

「ツェーリア伯爵令息が精霊を使って愛に執拗な嫌がらせをしていたんだ。この手紙を忘れたと言わせないぞ」

ハルトの胸元から大量の手紙が出てきた。
それをヴェルベルトが拾って中身を読むと顰めた表情になった。

「この文字を見たが、ネヴィレントが書いている文字ではないことが明らかだが?」

「この手紙は大量に愛に届いたんだ。人が書ける量ではないから精霊に書かせて送らせたものだ」

「ネヴィレント本当か?」

「精霊たちは文字を書くことはできないよ。それに精霊にとって楽しくない事は絶対に行わない」

「という事だが、精霊についてよくわかっているわけではないが精霊使い本人がいうのであればそうなのであろう」

ハルトがぎりっと歯を食いしばった。
隣にいる愛は顔を伏せてハルトにしがみついている。

「いい加減僕の婚約者から離れていただけませんか?」

「そ、そんな怖い顔しないでよ!」

泣きそうな声を出しながら、余計にハルトにしがみついて一向に離れない。

「僕の婚約者に対して邪な気持ちを抱いているという事で抗議文を送らせていただきます」

最後に僕がそう伝えると愛がギッと睨んでくる。
睨まれる筋合いもない。

なんで僕がこんな事に巻き込まれているんだよ。
嘘を吹き込まれ続けて長年の付き合いがある僕を信じるのではなく、ぽっと出の主人公である愛を信じた。

それが悔しくて悔しくて堪らない。
ぎゅっとラグくんと握って泣きそうになるのをどうにか堪えている。

「全てお父様とお母様にお聞きしていただいても構いません。僕は現在貴方方がお持ちの手紙の用紙を購入しておりません。僕はそのような紙を使用することが禁止されておりますので」

泣くな。
泣いたら僕が負けを認めているようなものだ。

「全て確認していただいて、それでも僕を犯人だとおっしゃるのであればそれが貴方方の真実であるのでしょう。ですが、嘘を公言なさるのであれば僕、いいえ私は対処させていただきます」

毅然な姿をとって、いまだに擦り寄っている愛に非難の目を向けた。
怯えたようにまたハルトに寄り添って、最早ベッタリしている状態になった。

「はあ、埒があきませんわね。このお二方とネヴィレント様は一度距離を置いた方がよろしいですわね」

レザリアが間に入って僕の会話を止めるような形をとってくれた。

「ザインハルト様はしっかりと確認した上でネヴィレント様とお話して下さいませ。ネヴィレント様は少し落ち着いて空気を吸ってらっしゃいませ。そして、そこの平民の貴方は私と一緒にレラッサ先生の元まで参りましょう?」

「なんでアンタなんかと!」

「アンタ?私この様な事をいうのは嫌いですが、私は貴族で貴方は平民です。立場の違いをしっかりと理解しなさい」

「私は聖女なのよ!」

その発言で全員がぴたっと止まった。

「聖女を語るとは…。教会を敵に回したい様ですわね」

レザリアが持つ扇子からメリメリと音がした。
かなりの力を込めて握っているんだろう。

「教会ですでに聖女判定をもらっているわよ!それを疑う方がおかしいんじゃない?」

そういえば、なんか先に聖女判定を行う描写があったけどこんなのを…、聖女判定する教会も凄いなって思った。
多分黒髪、黒目で高貴なんか色を持っていて、適応属性が聖であるので聖女判定を受けたんだろうか。

「疑われてもしか手がない行動をしているのだからそれは仕方ないのでは?それ相応の行動をお取りなさいな」

レザリアの最もな言葉に噛みついてくる。

「聖女を疑ったとして教会に全部伝えさせてもらうわ!これで貴方のお家も終わりね!」

自身ありげな表情をしているけど、教会に貴族の家を壊す権力など存在しない。
何と間違えて話しているんだろう…。
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