悪役に好かれていますがどうやって逃げれますか!?

菟圃(うさぎはたけ)

文字の大きさ
67 / 173
3*

14

しおりを挟む
お父様と大公殿下の視線を感じつつ、ラグザンドの膝の上で大人しくしている。
2人の会話を聞きつつ、ラグザンドがイタズラで僕の手を使って遊んでいる。

2人の仕事の話が終わるまで、ラグザンドの遊びを享受し続けてた。

「2人ともお待たせ」

お父様に声を掛けられてやっとラグザンドの手遊びが終わった。

「ネヴィレント昨夜は問題なかったか?」

「ぐっすり眠れました」

質問の意図がよく分からなかったけど、何事もなく眠れているから返事はこれで間違いないと思う。

「父上何をおっしゃりたいのか分からないのですが?」

「枷を解いたとはいえ、ネヴィレントに無体を働いていないか本人に確認を行ったまでだ。だが、なぜネヴィレントをずっと抱き続けているのだ?」

「昨日の疲れのせいかネヴィに目眩が出てしまっただけです。私が起こした事ですので、本日はネヴィの足の代わりになる事にしております」

確かに立ちくらみはしたけど、目眩までの大事にはなってない筈!
ただ抱っこの楽さを知ってしまったのは少し後悔する部分ではある。

普段の倍の速さで進むし、高いところから見える風景も今まで見ていた所なのに新鮮に感じてた。

「そうか。今回も何かやましい事をしていればネヴィレントから引き離していたが、今もネヴィレントに害を与えている訳ではないからもう少し様子見をする事にしよう」

大公殿下って昨日の事を見聞きしているのに、ここまで対応が甘いのはなんでだろう。
礼儀作法はしっかりと仕込まれているし、レギストス大公夫人にも何やら教え込まれているみたいだからって事?

それとも血の番というのが原因なの?
吸血鬼特有のものらしいけど、それを僕が理解できるものではない。

僕だってエルフ特有の能力が備わっているし、それもハイエルフ達が執着を見せるものを理解してくれというのも酷だと理解している。
本人から話されない限りは血の番についての詳細は聞かない事にしている。

種族の能力の詳細だったり、その種族特有の加護は機密事項に当たる事も多いからってのもあるんだけどね。

「さて、今日2人に此処に来てもらったのは、今後のザインハルト殿の対応についてだよ」

たった一日に色々とありすぎて、一番の問題のハルトの対策を考えるのをすっかり忘れていた。
愛によって引き起こされたと言っても過言ではない出来事ではあったけど、ハルトも僕に話を聞かずに一方の話で決めつけてしまったのが今回の原因である。

「ネヴィに縋り付いてくる可能性が大いに考えられるけど、ネヴィはどう対処する予定?」

どうやって対処するか…
同じ穴の狢になる気はサラサラないけど、簡単に対処とかできる気はしない。

「そこまで考えがありませんでした。相手の家格が上なので僕1人で動いてしまうと、場合によっては下克上になってしまう可能性があるので僕1人動かない方がいいと思います」

簡単にいうと完全に投げやり。

「それなら私が盾になるのは如何でしょうか?家格は我が家は王族を除けば最高の家格と言えるでしょう」

「盾とは具体的にどのような事を指すのだ?」

「盾と申しましても、授業以外の日常毎を全て私と行動を共にするというものです。何があっても私の手で対処をする事も可能ですが如何でしょか?」

対処の言葉の意味が若干違うように聞こえたけど、気にしない事にしよう。

「レムナント侯爵家から非難を受けるのは我がツェーリア家である事は理解しているのかい?」

お父様の言葉は至極真っ当だ。
実際に行動するのはラグザンドでも、実際に非難の言葉が届くのは僕達ツェーリア家だ。

その対処一つがかなり重たくのしかかってくる。
その対処をラグザンドが負えるのかと。

「ザインハルトの矛先を全て私に向けます。影に確認をさせました所、ネヴィレントにはまだ気があるようで私が一度教室に送り届けた日の夜に、かなりの恨みつらみを私に向けてノートに書いていたと報告を受けております。ですので、私自身に矛先が向くのは確実ですが、もしツェーリア家に矛先が向いた場合は私一人で対処致しましょう」

ラグザンドの言葉は確かに重みがある発言だ。
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

貧乏Ωが御曹司αの将来のために逃げた話。

ミカン
BL
オメガバース

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした

BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。 実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。 オメガバースでオメガの立場が低い世界 こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです 強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です 主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です 倫理観もちょっと薄いです というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります ※この主人公は受けです

【本編完結】断罪される度に強くなる男は、いい加減転生を仕舞いたい

雷尾
BL
目の前には金髪碧眼の美形王太子と、隣には桃色の髪に水色の目を持つ美少年が生まれたてのバンビのように震えている。 延々と繰り返される婚約破棄。主人公は何回ループさせられたら気が済むのだろうか。一応完結ですが気が向いたら番外編追加予定です。

虚ろな檻と翡翠の魔石

篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」 不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。 待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。 しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。 「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」 記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。

番に見つからない街で、子供を育てている

はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。 異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。 現世の記憶は失われているが、 この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。 街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、 ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。 だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。 再会は望まない。 今はただ、この子との生活を守りたい。 これは、番から逃げたオメガが、 選び直すまでの物語。 *本編完結しました

手切れ金

のらねことすていぬ
BL
貧乏貴族の息子、ジゼルはある日恋人であるアルバートに振られてしまう。手切れ金を渡されて完全に捨てられたと思っていたが、なぜかアルバートは彼のもとを再び訪れてきて……。 貴族×貧乏貴族

氷の婚約者様に破談を申し出たら号泣された

楽矢
BL
目が覚めると、レースの牢獄のような天蓋付きベッドの上だった。 何も覚えていない出来損ない下級貴族ミラ。無能だクズだと冷酷な罵詈雑言を浴びせてくる氷の騎士セティアス。 記憶喪失から始まる、2人のファンタジー貴族ラブコメディ。 ---------- ※注) かっこいい攻はいません。 タイトル通りそのうち号泣しますのでご注意! 貴族描写は緩い目で雰囲気だけお読みいただけると幸いです。 ハッピーエンドです。 激重感情をこじらせた攻→受な関係がお好きな同志の方、どうぞよろしくお願いします! 全16話 完結済み/現在毎日更新予定 他サイトにも同作品を投稿しています。 様子を見ながらそのうち統合するかもしれません。 初めての一次創作でまだよく分かっておらず、何かおかしなことをしでかしていたら申し訳ないです!

処理中です...