悪役に好かれていますがどうやって逃げれますか!?

菟圃(うさぎはたけ)

文字の大きさ
66 / 173
3*

13

しおりを挟む
「うぬ~」

目を覚ましたらラグザンドの腕の中にまだ収まっていた。
僕を抱きしめているラグザンド本人はしっかりと目を覚ましている。

「おはようネヴィ」

「おはようラグ」

奇妙な間が空いたけど、ラグザンドが僕を抱いたまま起き上がり、ベッドから降りると僕を近くのソファに下ろしてくれた。
立ちあがろうとすると、くらっとしてソファに逆戻りした。

「あれ?」

「どうしたのネヴィレント?」

僕の側にラグザンドが駆け寄ってきた。

「その、立ちくらみがして…」

「無理はしないで。辛いなら僕が身の回りの世話をするから」

「ありがとう…」

「先に私の準備をするから、終わったらネヴィの準備をするね」

僕の髪を一房とってそこにキスを落としてから、ラグザンドは自身の身支度を始めた。
髪の毛のキスって…

意味を知ってるからこそ恥ずかしくて、ラグザンドにバレない様にするのに必死だった。

「ネヴィ準備できたよ」

落ち着いた頃に声を掛けてくれた。

「学校に着て行く服は何処に収納しているの?」

「白いのクローゼットの中に入れてる。服は殆ど同じだからなんでもいいよ」

「ありがとう」

クローゼットから服を持ってきてくれたけど、普段着ている服ではなくてお母様が買ってきたレースがふんだんに使われる真っ白なシャツと、それに合わせられた黒色の生地に金の刺繍が施されたウエストコート。
真っ黒なハーフパンツと、これまた真っ黒の靴下にレッグガーターが選ばれていた。

普段は淡い色彩がメインの服を着ているから、ここまで黒ばかりの服は片手で収まる程度しか着たことがない。
基本的に暗い色は似合わなから着ないようにしていた。

「着替えようか」

足を持たれ片足ずつ靴下を履かせてもらう。
履かせてもらった後レッグガーターで靴下をずり落ちないようにしてもらった。

ナイトシャツは自分で脱ぐと主張したけど、許してくれなくてしっかりと剥かれた。
シャツを前から着せてもらい、後ろのボタンを閉めていってもらう。

自分で脱ぐことができない服。
今日から1人での生活が再開されるのに、どうしてこの服を選んだのかわからない。

ウエストコートを着せてもらい、最後に靴をと思ったけど一向に靴を履かせてもらう様子がない。

「ラグ…その、靴は?」

ラグザンドが答えずににこりと笑っている。

「えっと、靴を…」

「ネヴィに無理をさせたくないから今日は私が一日中ネヴィの足になるね」

有無を言わせない発言に頷くしかなかった。
ラグザンドに抱き上げられて、お父様の執務室に向う事になった。

侍従たちに凄い見られて恥ずかしいけど、靴を履かせてもらえないからこうするしかないの!
って大きな声で言いたいけど、恥ずかしいからそんな事を言えない。

執務室に行くまで侍従から生暖かい視線を向けられ続けて凄い恥ずかしかった。
ようやく執務室に辿り着いた時には僕のメンタルはゴリゴリに削り切られてた。

正直いうと執務室に入った後の方がメンタルが削れた。
お父様からの視線は圧倒的に生暖かいし、大公殿下からの視線も刺さる。
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

貧乏Ωが御曹司αの将来のために逃げた話。

ミカン
BL
オメガバース

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした

BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。 実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。 オメガバースでオメガの立場が低い世界 こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです 強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です 主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です 倫理観もちょっと薄いです というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります ※この主人公は受けです

【本編完結】断罪される度に強くなる男は、いい加減転生を仕舞いたい

雷尾
BL
目の前には金髪碧眼の美形王太子と、隣には桃色の髪に水色の目を持つ美少年が生まれたてのバンビのように震えている。 延々と繰り返される婚約破棄。主人公は何回ループさせられたら気が済むのだろうか。一応完結ですが気が向いたら番外編追加予定です。

虚ろな檻と翡翠の魔石

篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」 不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。 待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。 しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。 「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」 記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。

番に見つからない街で、子供を育てている

はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。 異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。 現世の記憶は失われているが、 この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。 街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、 ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。 だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。 再会は望まない。 今はただ、この子との生活を守りたい。 これは、番から逃げたオメガが、 選び直すまでの物語。 *本編完結しました

手切れ金

のらねことすていぬ
BL
貧乏貴族の息子、ジゼルはある日恋人であるアルバートに振られてしまう。手切れ金を渡されて完全に捨てられたと思っていたが、なぜかアルバートは彼のもとを再び訪れてきて……。 貴族×貧乏貴族

氷の婚約者様に破談を申し出たら号泣された

楽矢
BL
目が覚めると、レースの牢獄のような天蓋付きベッドの上だった。 何も覚えていない出来損ない下級貴族ミラ。無能だクズだと冷酷な罵詈雑言を浴びせてくる氷の騎士セティアス。 記憶喪失から始まる、2人のファンタジー貴族ラブコメディ。 ---------- ※注) かっこいい攻はいません。 タイトル通りそのうち号泣しますのでご注意! 貴族描写は緩い目で雰囲気だけお読みいただけると幸いです。 ハッピーエンドです。 激重感情をこじらせた攻→受な関係がお好きな同志の方、どうぞよろしくお願いします! 全16話 完結済み/現在毎日更新予定 他サイトにも同作品を投稿しています。 様子を見ながらそのうち統合するかもしれません。 初めての一次創作でまだよく分かっておらず、何かおかしなことをしでかしていたら申し訳ないです!

処理中です...