悪役に好かれていますがどうやって逃げれますか!?

菟圃(うさぎはたけ)

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まさか塔の前で待っていると思っていなかった。
この遭遇に思考が固まった。

「ネヴィ…なんで、こいつと一緒にいるの…?」

ハルトの聞いたことのないしゃがれた声に何があったんだと思った。
髪もボサボサの状態で目の下にクマがある。

全く寝ていない事もわかる。

「どうして答えてくれないの?」

なんでか返答をしたくなくて、僕は口を噤んでしまった。
よくない事とはわかっているけど、返答をしたいと思えない。

ぎゅっとラグくんを抱きしめて会話をする気がないことを態度で示した。

「ネヴィレント!」

血走った目と、急に叫ばれた声に驚いてラグくんに顔を埋めた。

「なぜ私に挨拶をしない」

「ああ…ネヴィを洗脳したんだな」

そんな突拍子のない発言に驚いた。
ラグザンドの言っていた通り、僕にヘイトを向けるのではなくラグザンドに全て敵視を向けている。

「ネヴィ、僕のネヴィレント。助けてあげるからじっとしててね」

「何を言っているんだ?私はなぜ挨拶をしないかと言っているんだ」

僕は全く答えてないけど、ハルトは完全に暴走して会話すらできてない。

「僕のネヴィを洗脳して、奪った奴に挨拶をする必要があると?」

「話が通じないな」

うん、間違いなく話しが通じてないと思うよ。
ラグくんからハルトを覗き見ると、全く見たことのない表情すぎて見るのやめた。

あんなおかしな表情を見たことがない。
小説でのハルトはそんな表情をするとは書いてなかった。

それを僕が原因で起こっていると思うと、ラグザンドに少し申し訳なく思う。

「それで私をどうするつもりだ?私は大公家の子息であるが?」

「そ、それは…」

「今日はネヴィレントに免じて許そう。今後この様な事がないように」

ラグザンドは僕を抱っこしたまま、ハルトの横を通り過ぎた。
隙間から見えたハルトの後ろ姿は何か恐ろしかった。

寮に入り僕の部屋まで連れて行って貰うと、ベッドの上にそっと下ろしてもらった。
ベッドの側に制服とセットになっている靴を近くに置いてもらった。

「その、迷惑かけてごめんね…」

ラグザンドが僕の隣に腰を下ろして、ラグくんを僕とラグザンドの間に置いた。
その後僕の両手を取って優しく両手を包み込んでくれた。

「ネヴィの事は全部私が対処すると言ったでしょう?だから謝らないで」

「ありがとう。僕の代わりに対処してくれてありがとう」

「気にしないで、お礼は…」

とすっとベッドに上半身を押し倒された。

「え?」

なんで押し倒されてるの?

「私にネヴィの血を頂戴?」

血って…え?
だって、昨日食事は少し前にしたって言っていたし、そこまで食べる必要がないとか言っていたのに…

なんで僕の血を貰う事が俺になるの?
え?

「大公殿下から、許可は…お取り、されましたか…?」

「コントロールができる様になったら許可はおりているよ。ネヴィの口から許可をもらえれば私はとても嬉しい」

ゆっくりと唇をなぞられる。
暗に許可を欲しいとの行動なのだろうか。

「ネヴィ?だめ?」

甘えた声で言われる。
ダメだって言わなきゃいけないのに、すぐにダメだって言葉が出てこない。

僕の両手を捕まえられて頭上に一纏めに固定された。

「ラグ?何をして…」

「いいって言ってくれるまで、少しイタズラをしようと思って」

にっこりと笑う表情に喉がひゅっとなった。
ウエストコートのボタンが外され、簡単に脱がされていく。

シャツは後ろにボタンがあるからか、胸元まで上げられお腹が外気に触れてふるっと体が震えた。

「ラグ、やめて…」

ニコリと笑うだけで返事をしてくれない。
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