悪役に好かれていますがどうやって逃げれますか!?

菟圃(うさぎはたけ)

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お腹に顔を埋められ、髪の毛が触れてこそばゆい。

「ひゃっ!?」

急にお腹を舐められて変な声を出してしまった。
ずっと舐め続けられて、こそばゆいのと何か変な感じがする。

逃げるために抵抗したけど、びくともしない。
知らない感覚に次第に涙が出てきた。

「やだ、やだやだやだっ…やめてっ、ラグやめ、ひ、う…お願い、やめてっ、ください」

舐められるのが止まって、ラグザンドが顔を上げて僕の方を見た。
瞳孔が猫の様に細まっていた。

「なら、言う事があるでしょう?」

怪しく笑うラグザンドにひっと喉がなった。
昨日の朝に見たあの笑顔と重なった。

何をされるか分からない状態で、僕には一つのしかなかった。

「僕の、血を…吸って、ください…」

「いい子だね」

お腹から顔が離れてズボンのポケットから取り出したハンカチーフでお腹を拭いてくれた。
シャツを下ろしてから、両手の拘束が解かれた。

精霊を使って逃げようとしたけど、簡単に精霊が散らされた。
不適な笑みに吃逆が出そうになった。

「私から逃げるつもりで言ったんだね」

起きあがる事すら出来ず、またベッドに縫い付けられてしまった。
蹴ってどけようとしたけど、威力が足りなかったのかラグザンドはびくともしない。

「ネヴィは本当に弱いね」

一番の悪役と渡り合えるほどのスペックがあるわけないじゃん!
鍛えたのにびくともしないのが悔しい。

逃げたくても逃げれない。
ぐっと唇を噛み締めてラグザンと顔を合わせない様にした。

「私を見て?」

ラグザンドに声をかけられていたけど、頑なに僕はラグザンドの方を見ないようにした。
少し間が空いてベッドがギシリと音がなった。

「ネヴィが悪いからね?」

その言葉と共に首元に痛みが走った。
あつい、痛い!

ラグザンドを剥がそうと必死になるけど、段々力が入らなくなっていく。
最後には手に力が入らなくなって、ぱたっと手がベッドの上に落ちてしまった。

血が吸われていく感覚がおかしくなっていく。
段々背中がゾワゾワとしてきて、体が熱くなっていく。

「ラグ、ラグ…体、暑い…おかし…」

言葉もうまく紡げなくなって、ラグザンドに声をかける事ができない。
お腹までずくずくしてきて、もう分からない感覚に翻弄されるしかなかった。

「…ふ、ぁ、あ…」

思考が溶け落ちる前にラグザンドが僕の首元から離れた。

「ははっ…ネヴィ蕩けててかわいい」

少し見えたラグザンドの唇は僕の血で汚れているのに、どこか艶かしく見える。
ふわふわする頭でまともな判断ができない。

口元から溢れた涎を指で拭われ、そのままラグザンドが涎を拭った指を舐めた。
おかしな行動すら、艶かしく見える僕がおかしくなったのかな。

頬を撫でられると、体がびくついてしまう。
熱っぽい感じは全然冷めてくれなくて視界が滲んでいく。

「これが吸血の副作用…、まだネヴィの成長が完全じゃないのに…」

興奮した視線を向けられて、ぞくっとした。
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