146 / 173
3*
93
しおりを挟む
愛のお迎えがなかった日から一週間過ぎた。
この一週間は我が国では怒涛の一週間だった。
本当の聖女が隣の帝国に出現したとなっていたが、本物の聖女である事が教会から発表された。
聖女の名前はタカダミサト。
名前的に愛と同じ世界から来たのだろう。
どうやら愛の名前を話していたとも風の噂で聞いたから、本当に同じ世界から来て尚且つ友人だったんだろう。
この一週間の間に愛の回収もされて、今は平穏な生活を送れている。
学院は本物の聖女が現れた事によって現在休学状態になっている。
大々的に聖女の発表が終われば学院の再開がされるだろう。
今はラグと一緒にゆったりとした時間を過ごす事を第一に考えている。
「ネヴィ今日はいつもより楽しそうだね」
「分かる?だって漸く愛をこの手で断罪できる日が来たんだから」
そう、学院が始まる前に僕と愛の訣別を付ける日がやってきたのだ。
「そうだったね。本当は聖女と会わせたくもなかったが、一気に終わらせたいという教会側からの打診で会わせてしまう事になったから私は心配だよ」
「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。僕には僕を愛してくれるラグがいるんだから、これ以上に心強い存在はいないでしょ?」
「そうだな。私より心強い存在は、ツェーリア伯爵夫妻を除けばいないだろうね」
ラグは僕に頬をすりすりしながら僕を抱き上げる。
最近僕の定位置は完全にラグの腕の中になっていた。
動かなくなって事が増えたことで筋力がかなり落ちたけど、筋力が減った分ラグの負担が減ったのだと思って受け入れている。
学院が再開したらかなり苦労しそうだろうね。
「ネヴィレント様、ラグザンド様出立のお時間になりました」
侍従が僕の部屋に入ってきて恭しく礼をして、教会に向かう時間になった事を伝えにきてくれた。
「ネヴィゆっくりする時間はまた馬車の中でね」
「うん」
ラグに抱っこされたまま馬車の所まで歩いて貰った。
玄関まで行くと玄関前にはお父様とお母様が着飾った姿で僕たちを待っていた。
「お父様、お母様!」
「ネヴィ今日も可愛いわね」
「遅かったね。少し時間が押しているから、馬車の中で詳細を話そうね」
お父様とお母様に促されて馬車の列の中にある一番豪華な馬車に乗り込んだ。
ラグにソファの様な椅子の上に下ろして貰って、その隣にラグ、目の前にはお母様、お母様の隣にお父様が座った。
お父様が侍従に何か話掛けて扉が閉まると、馬車がゆっくりと動き始めた。
「ネヴィとこうしてお出かけするのは6歳の時ぶりだね。楽しい内容ではないけど、こうして一緒に出かけられるのは嬉しいよ」
お父様からその話を振られて確かに僕はお父様とお母様と一緒に出かけるのは九年振りだという事を思い出した。
ここ最近は色々あり過ぎて誰かと出かけるなんてことがなかった。
王城でのパーティですらお父様が忙しくて先に、お父様とお母様が王城に向かっていたから、僕は一人でパーティ会場にまで向かっていた。
「それじゃあ今回の聖女の罰について話し合おうか」
お父様がニコリと黒い笑顔を浮かべながら今日の本題を切り出した。
この一週間は我が国では怒涛の一週間だった。
本当の聖女が隣の帝国に出現したとなっていたが、本物の聖女である事が教会から発表された。
聖女の名前はタカダミサト。
名前的に愛と同じ世界から来たのだろう。
どうやら愛の名前を話していたとも風の噂で聞いたから、本当に同じ世界から来て尚且つ友人だったんだろう。
この一週間の間に愛の回収もされて、今は平穏な生活を送れている。
学院は本物の聖女が現れた事によって現在休学状態になっている。
大々的に聖女の発表が終われば学院の再開がされるだろう。
今はラグと一緒にゆったりとした時間を過ごす事を第一に考えている。
「ネヴィ今日はいつもより楽しそうだね」
「分かる?だって漸く愛をこの手で断罪できる日が来たんだから」
そう、学院が始まる前に僕と愛の訣別を付ける日がやってきたのだ。
「そうだったね。本当は聖女と会わせたくもなかったが、一気に終わらせたいという教会側からの打診で会わせてしまう事になったから私は心配だよ」
「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。僕には僕を愛してくれるラグがいるんだから、これ以上に心強い存在はいないでしょ?」
「そうだな。私より心強い存在は、ツェーリア伯爵夫妻を除けばいないだろうね」
ラグは僕に頬をすりすりしながら僕を抱き上げる。
最近僕の定位置は完全にラグの腕の中になっていた。
動かなくなって事が増えたことで筋力がかなり落ちたけど、筋力が減った分ラグの負担が減ったのだと思って受け入れている。
学院が再開したらかなり苦労しそうだろうね。
「ネヴィレント様、ラグザンド様出立のお時間になりました」
侍従が僕の部屋に入ってきて恭しく礼をして、教会に向かう時間になった事を伝えにきてくれた。
「ネヴィゆっくりする時間はまた馬車の中でね」
「うん」
ラグに抱っこされたまま馬車の所まで歩いて貰った。
玄関まで行くと玄関前にはお父様とお母様が着飾った姿で僕たちを待っていた。
「お父様、お母様!」
「ネヴィ今日も可愛いわね」
「遅かったね。少し時間が押しているから、馬車の中で詳細を話そうね」
お父様とお母様に促されて馬車の列の中にある一番豪華な馬車に乗り込んだ。
ラグにソファの様な椅子の上に下ろして貰って、その隣にラグ、目の前にはお母様、お母様の隣にお父様が座った。
お父様が侍従に何か話掛けて扉が閉まると、馬車がゆっくりと動き始めた。
「ネヴィとこうしてお出かけするのは6歳の時ぶりだね。楽しい内容ではないけど、こうして一緒に出かけられるのは嬉しいよ」
お父様からその話を振られて確かに僕はお父様とお母様と一緒に出かけるのは九年振りだという事を思い出した。
ここ最近は色々あり過ぎて誰かと出かけるなんてことがなかった。
王城でのパーティですらお父様が忙しくて先に、お父様とお母様が王城に向かっていたから、僕は一人でパーティ会場にまで向かっていた。
「それじゃあ今回の聖女の罰について話し合おうか」
お父様がニコリと黒い笑顔を浮かべながら今日の本題を切り出した。
843
あなたにおすすめの小説
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした
紫
BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。
実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。
オメガバースでオメガの立場が低い世界
こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです
強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です
主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です
倫理観もちょっと薄いです
というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります
※この主人公は受けです
【本編完結】断罪される度に強くなる男は、いい加減転生を仕舞いたい
雷尾
BL
目の前には金髪碧眼の美形王太子と、隣には桃色の髪に水色の目を持つ美少年が生まれたてのバンビのように震えている。
延々と繰り返される婚約破棄。主人公は何回ループさせられたら気が済むのだろうか。一応完結ですが気が向いたら番外編追加予定です。
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*本編完結しました
手切れ金
のらねことすていぬ
BL
貧乏貴族の息子、ジゼルはある日恋人であるアルバートに振られてしまう。手切れ金を渡されて完全に捨てられたと思っていたが、なぜかアルバートは彼のもとを再び訪れてきて……。
貴族×貧乏貴族
氷の婚約者様に破談を申し出たら号泣された
楽矢
BL
目が覚めると、レースの牢獄のような天蓋付きベッドの上だった。
何も覚えていない出来損ない下級貴族ミラ。無能だクズだと冷酷な罵詈雑言を浴びせてくる氷の騎士セティアス。
記憶喪失から始まる、2人のファンタジー貴族ラブコメディ。
----------
※注)
かっこいい攻はいません。
タイトル通りそのうち号泣しますのでご注意!
貴族描写は緩い目で雰囲気だけお読みいただけると幸いです。
ハッピーエンドです。
激重感情をこじらせた攻→受な関係がお好きな同志の方、どうぞよろしくお願いします!
全16話 完結済み/現在毎日更新予定
他サイトにも同作品を投稿しています。
様子を見ながらそのうち統合するかもしれません。
初めての一次創作でまだよく分かっておらず、何かおかしなことをしでかしていたら申し訳ないです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる