悪役に好かれていますがどうやって逃げれますか!?

菟圃(うさぎはたけ)

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愛のお迎えがなかった日から一週間過ぎた。
この一週間は我が国では怒涛の一週間だった。

本当の聖女が隣の帝国に出現したとなっていたが、本物の聖女である事が教会から発表された。
聖女の名前はタカダミサト。

名前的に愛と同じ世界から来たのだろう。
どうやら愛の名前を話していたとも風の噂で聞いたから、本当に同じ世界から来て尚且つ友人だったんだろう。

この一週間の間に愛の回収もされて、今は平穏な生活を送れている。
学院は本物の聖女が現れた事によって現在休学状態になっている。

大々的に聖女の発表が終われば学院の再開がされるだろう。
今はラグと一緒にゆったりとした時間を過ごす事を第一に考えている。

「ネヴィ今日はいつもより楽しそうだね」

「分かる?だって漸く愛をこの手で断罪できる日が来たんだから」

そう、学院が始まる前に僕と愛の訣別を付ける日がやってきたのだ。

「そうだったね。本当は聖女と会わせたくもなかったが、一気に終わらせたいという教会側からの打診で会わせてしまう事になったから私は心配だよ」

「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。僕には僕を愛してくれるラグがいるんだから、これ以上に心強い存在はいないでしょ?」

「そうだな。私より心強い存在は、ツェーリア伯爵夫妻を除けばいないだろうね」

ラグは僕に頬をすりすりしながら僕を抱き上げる。
最近僕の定位置は完全にラグの腕の中になっていた。

動かなくなって事が増えたことで筋力がかなり落ちたけど、筋力が減った分ラグの負担が減ったのだと思って受け入れている。
学院が再開したらかなり苦労しそうだろうね。

「ネヴィレント様、ラグザンド様出立のお時間になりました」

侍従が僕の部屋に入ってきて恭しく礼をして、教会に向かう時間になった事を伝えにきてくれた。

「ネヴィゆっくりする時間はまた馬車の中でね」

「うん」

ラグに抱っこされたまま馬車の所まで歩いて貰った。
玄関まで行くと玄関前にはお父様とお母様が着飾った姿で僕たちを待っていた。

「お父様、お母様!」

「ネヴィ今日も可愛いわね」

「遅かったね。少し時間が押しているから、馬車の中で詳細を話そうね」

お父様とお母様に促されて馬車の列の中にある一番豪華な馬車に乗り込んだ。
ラグにソファの様な椅子の上に下ろして貰って、その隣にラグ、目の前にはお母様、お母様の隣にお父様が座った。

お父様が侍従に何か話掛けて扉が閉まると、馬車がゆっくりと動き始めた。

「ネヴィとこうしてお出かけするのは6歳の時ぶりだね。楽しい内容ではないけど、こうして一緒に出かけられるのは嬉しいよ」

お父様からその話を振られて確かに僕はお父様とお母様と一緒に出かけるのは九年振りだという事を思い出した。
ここ最近は色々あり過ぎて誰かと出かけるなんてことがなかった。

王城でのパーティですらお父様が忙しくて先に、お父様とお母様が王城に向かっていたから、僕は一人でパーティ会場にまで向かっていた。

「それじゃあ今回の聖女の罰について話し合おうか」

お父様がニコリと黒い笑顔を浮かべながら今日の本題を切り出した。
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