悪役に好かれていますがどうやって逃げれますか!?

菟圃(うさぎはたけ)

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高位神官に案内された場所は、下手な貴族の応接室よりも豪華な場所だった。

「お呼びするまでこの部屋でお寛ぎ下さい」

高位神官がそういうと、扉が大きな音を立ててしまった。
これが教会流のもてなしかたってことね。

しっかりと覚えさせて貰ったよ。

「酷い態度でしたわね。今までの教会はここまで露骨な態度は見せてこなかったですわ」

お母様がソファに座り扇子を開いて文句を言っていた。
僕も文句を言いたい所ではあるけど、部屋に何が仕掛けられているか分からないから発言は控えるようにする。

ラグにゆっくりと床に下ろして貰ってお母様の反対に設置しているソファに座った。
お母様にじっと視線を合わせて僕はゆっくりと笑った。

普段しない貴族の笑顔で察しの良いお母様は気がついてくれたみたいで扇子を締めた。

「ネヴィ帰ったら美味しいお菓子を一緒に食べましょうね」

「そうだねお母様。僕今日はマドレーヌを食べたい気分だなぁ」

普段しないような会話。
愛を今日断罪しようとしているとは思えない和やかな会話だ。

精霊達にしか聞き取れないように、魔法具がないか調べて欲しい旨を伝える。
魔道具を見つけて全てを破壊するまでは安心できない。

謝罪して出向くべき側が出向かず、挙句の果てにこの様な対応を取る上だから少しは痛い目に遭ってもらわない達気がすまない。
さてどう調理してやろうかな。

久々に悪い僕が役に立つ時がきた。
精霊が魔法具を見つけたと続々報告が入ってくる。

その間も僕はお母様と、そして事を理解したお父様、ラグとの四人で会話を楽しんでいる振りをした。
精霊達には魔道具を見つけ次第壊して貰っている。

壊して貰っている魔道具の中には僕たちの声を外部に届ける魔法がかかった魔道具もあったようだ。
ここで対策をした場合教会側に筒抜けになるようにしたんだろうけど、流石に敵地で作戦会議をする訳がない。

馬車の中で話た内容以上に僕は本当に最低な事を考えている。
最後の一個の魔道具が精霊によって壊されると、今作っているこの茶番劇のような状況は不要になったから僕は普段の表情に戻した。

「あら、もういいの?」

「はい、もう演技は要らなくなりました。魔道具壊してくれてありがとうねみんな」

誰にも被害がでない程度に魔力を拡散すると、精霊達が酔っ払ったように床に沈んでいった。
これで精霊達の報酬は問題ない。

「どうやら魔道具で盗聴されていたようです。教会は僕たちと事を構えたいそうです」

精霊達壊した魔道具の元に行って、見た目は正常だけど中身は完全にお陀仏した代物だ。
机の上に壊れた盗聴用の魔道具を置いた。

お父様は戦争中にこういう類の魔道具を山ほど見たことあるから、見ただけですぐにこれがどういう代物でどれだけ価値がある物かと理解したみたいだ。

「旧式ですらないね。この魔道具最新式の物だね」

まさかの最新式なんだ。
それを知らずに精霊達に全部壊して貰ったけど、もったいなかったかな。
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