悪役に好かれていますがどうやって逃げれますか!?

菟圃(うさぎはたけ)

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「まずは迷惑をかけてしまった事を謝罪しましょう。そして愛の暴挙については教会を挙げて全てを露呈させるつもりです」

愛を擁護する気はないと教皇がキッパリと申し上げてくれた。
それだけでも愛をどうにかする手立ては多くなったと言えるだろう。

本当は愛が生きているそれだけで、また僕に何かするのではないかと考えている。
何せイベントをクリアするその為ならば人を殺す事を厭わない存在になってしまったからだ。

この世界の人間が全員生きている事を理解していない。
そんな考えの人が居てしまうと、人殺しが大量に発生してしまう。

だからその自体をまず防がないといけない。

「私達も愛の暴挙にはかなり手こずっておりました。教育を何度施してもそれをなかった事にしてしまう精神力。まともな考えを持たないあの思考力はどう教育しても治されるものではありませんでした」

教会ではてっきり甘やかされていると思っていたけど、教皇の苦笑い様を見ればどうやら教育等々はしっかりとなされていたんだと分かる。

「その教育というのはどのようなものを施されていたのでしょうか?」

「教育と申し上げましても、私たち教会がとる罰と言った方がよろしいかもしれません。愛に受けさせた教育は主に聖書の必読、書き写し、そしてスラム街への視察と奉公です。スラム街の視察と奉公については聖女の資格を奪える可能性を伝えつつ、奪われた後の行き先だと告げていたのですがちゃんとした意図は真面に伝わっていなかったようです」

「体罰的な物は行われなかったのですね」

「体罰も行いましたがあの聖女は都合良く変換してしまったようで意味を成しませんでした。私も長年生きておりましたがあの様な者は初めて見ました」

ああいう人は僕も前の世界とこの世界を通して見たことがないよ。
身勝手で横暴で人を人と思わないあんな人がいるなんて考えたこともなかった。

「ただ僥倖だった点は代わりの…いえ、本物の聖女が現れたということでしょうか」

「そうでした。その本物の聖女様は今どちらにいらっしゃるのでしょうか」

「召喚された後、帝国にてどうやら恋仲の者ができた様です。お二方をお離しするのは憚れますので今は帝国で幸せに暮らしていただいております」

本物の聖女は好きな人と一緒に暮らしてるんだ。

「聖女の本来の役割も彼一人で終わらせてしまいましたので、聖女としてというより異邦人として過ごして頂く様に手配をしております。愛は裁判の判決次第では教会の修道女として徹底的に指導する予定でございます。聖女として過ごした以上に厳しい環境になりますのと、逃亡は一切行えないように逃亡防止の魔道具と、魔封じの魔道具この二つの魔道具も必ず着用させます」

愛が死刑にならなかった場合の対処もすでに教皇は考えていてくれた。
なんで見ず知らずの者の為にここまで行動してくれるんだろうか。

「何故ここまで教皇様自らが手配をしてくださるのでしょうか?」

「そうですね。私の我儘を一つ叶えてもらう為でしょうか」

教皇の視線が何故か僕に向いた。

「ネヴィレント・ツェーリア伯爵令息の夫君になりたいと思っております」
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