158 / 173
3*
105
しおりを挟む
「まずは迷惑をかけてしまった事を謝罪しましょう。そして愛の暴挙については教会を挙げて全てを露呈させるつもりです」
愛を擁護する気はないと教皇がキッパリと申し上げてくれた。
それだけでも愛をどうにかする手立ては多くなったと言えるだろう。
本当は愛が生きているそれだけで、また僕に何かするのではないかと考えている。
何せイベントをクリアするその為ならば人を殺す事を厭わない存在になってしまったからだ。
この世界の人間が全員生きている事を理解していない。
そんな考えの人が居てしまうと、人殺しが大量に発生してしまう。
だからその自体をまず防がないといけない。
「私達も愛の暴挙にはかなり手こずっておりました。教育を何度施してもそれをなかった事にしてしまう精神力。まともな考えを持たないあの思考力はどう教育しても治されるものではありませんでした」
教会ではてっきり甘やかされていると思っていたけど、教皇の苦笑い様を見ればどうやら教育等々はしっかりとなされていたんだと分かる。
「その教育というのはどのようなものを施されていたのでしょうか?」
「教育と申し上げましても、私たち教会がとる罰と言った方がよろしいかもしれません。愛に受けさせた教育は主に聖書の必読、書き写し、そしてスラム街への視察と奉公です。スラム街の視察と奉公については聖女の資格を奪える可能性を伝えつつ、奪われた後の行き先だと告げていたのですがちゃんとした意図は真面に伝わっていなかったようです」
「体罰的な物は行われなかったのですね」
「体罰も行いましたがあの聖女は都合良く変換してしまったようで意味を成しませんでした。私も長年生きておりましたがあの様な者は初めて見ました」
ああいう人は僕も前の世界とこの世界を通して見たことがないよ。
身勝手で横暴で人を人と思わないあんな人がいるなんて考えたこともなかった。
「ただ僥倖だった点は代わりの…いえ、本物の聖女が現れたということでしょうか」
「そうでした。その本物の聖女様は今どちらにいらっしゃるのでしょうか」
「召喚された後、帝国にてどうやら恋仲の者ができた様です。お二方をお離しするのは憚れますので今は帝国で幸せに暮らしていただいております」
本物の聖女は好きな人と一緒に暮らしてるんだ。
「聖女の本来の役割も彼一人で終わらせてしまいましたので、聖女としてというより異邦人として過ごして頂く様に手配をしております。愛は裁判の判決次第では教会の修道女として徹底的に指導する予定でございます。聖女として過ごした以上に厳しい環境になりますのと、逃亡は一切行えないように逃亡防止の魔道具と、魔封じの魔道具この二つの魔道具も必ず着用させます」
愛が死刑にならなかった場合の対処もすでに教皇は考えていてくれた。
なんで見ず知らずの者の為にここまで行動してくれるんだろうか。
「何故ここまで教皇様自らが手配をしてくださるのでしょうか?」
「そうですね。私の我儘を一つ叶えてもらう為でしょうか」
教皇の視線が何故か僕に向いた。
「ネヴィレント・ツェーリア伯爵令息の夫君になりたいと思っております」
愛を擁護する気はないと教皇がキッパリと申し上げてくれた。
それだけでも愛をどうにかする手立ては多くなったと言えるだろう。
本当は愛が生きているそれだけで、また僕に何かするのではないかと考えている。
何せイベントをクリアするその為ならば人を殺す事を厭わない存在になってしまったからだ。
この世界の人間が全員生きている事を理解していない。
そんな考えの人が居てしまうと、人殺しが大量に発生してしまう。
だからその自体をまず防がないといけない。
「私達も愛の暴挙にはかなり手こずっておりました。教育を何度施してもそれをなかった事にしてしまう精神力。まともな考えを持たないあの思考力はどう教育しても治されるものではありませんでした」
教会ではてっきり甘やかされていると思っていたけど、教皇の苦笑い様を見ればどうやら教育等々はしっかりとなされていたんだと分かる。
「その教育というのはどのようなものを施されていたのでしょうか?」
「教育と申し上げましても、私たち教会がとる罰と言った方がよろしいかもしれません。愛に受けさせた教育は主に聖書の必読、書き写し、そしてスラム街への視察と奉公です。スラム街の視察と奉公については聖女の資格を奪える可能性を伝えつつ、奪われた後の行き先だと告げていたのですがちゃんとした意図は真面に伝わっていなかったようです」
「体罰的な物は行われなかったのですね」
「体罰も行いましたがあの聖女は都合良く変換してしまったようで意味を成しませんでした。私も長年生きておりましたがあの様な者は初めて見ました」
ああいう人は僕も前の世界とこの世界を通して見たことがないよ。
身勝手で横暴で人を人と思わないあんな人がいるなんて考えたこともなかった。
「ただ僥倖だった点は代わりの…いえ、本物の聖女が現れたということでしょうか」
「そうでした。その本物の聖女様は今どちらにいらっしゃるのでしょうか」
「召喚された後、帝国にてどうやら恋仲の者ができた様です。お二方をお離しするのは憚れますので今は帝国で幸せに暮らしていただいております」
本物の聖女は好きな人と一緒に暮らしてるんだ。
「聖女の本来の役割も彼一人で終わらせてしまいましたので、聖女としてというより異邦人として過ごして頂く様に手配をしております。愛は裁判の判決次第では教会の修道女として徹底的に指導する予定でございます。聖女として過ごした以上に厳しい環境になりますのと、逃亡は一切行えないように逃亡防止の魔道具と、魔封じの魔道具この二つの魔道具も必ず着用させます」
愛が死刑にならなかった場合の対処もすでに教皇は考えていてくれた。
なんで見ず知らずの者の為にここまで行動してくれるんだろうか。
「何故ここまで教皇様自らが手配をしてくださるのでしょうか?」
「そうですね。私の我儘を一つ叶えてもらう為でしょうか」
教皇の視線が何故か僕に向いた。
「ネヴィレント・ツェーリア伯爵令息の夫君になりたいと思っております」
822
あなたにおすすめの小説
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした
紫
BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。
実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。
オメガバースでオメガの立場が低い世界
こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです
強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です
主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です
倫理観もちょっと薄いです
というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります
※この主人公は受けです
【本編完結】断罪される度に強くなる男は、いい加減転生を仕舞いたい
雷尾
BL
目の前には金髪碧眼の美形王太子と、隣には桃色の髪に水色の目を持つ美少年が生まれたてのバンビのように震えている。
延々と繰り返される婚約破棄。主人公は何回ループさせられたら気が済むのだろうか。一応完結ですが気が向いたら番外編追加予定です。
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*本編完結しました
手切れ金
のらねことすていぬ
BL
貧乏貴族の息子、ジゼルはある日恋人であるアルバートに振られてしまう。手切れ金を渡されて完全に捨てられたと思っていたが、なぜかアルバートは彼のもとを再び訪れてきて……。
貴族×貧乏貴族
氷の婚約者様に破談を申し出たら号泣された
楽矢
BL
目が覚めると、レースの牢獄のような天蓋付きベッドの上だった。
何も覚えていない出来損ない下級貴族ミラ。無能だクズだと冷酷な罵詈雑言を浴びせてくる氷の騎士セティアス。
記憶喪失から始まる、2人のファンタジー貴族ラブコメディ。
----------
※注)
かっこいい攻はいません。
タイトル通りそのうち号泣しますのでご注意!
貴族描写は緩い目で雰囲気だけお読みいただけると幸いです。
ハッピーエンドです。
激重感情をこじらせた攻→受な関係がお好きな同志の方、どうぞよろしくお願いします!
全16話 完結済み/現在毎日更新予定
他サイトにも同作品を投稿しています。
様子を見ながらそのうち統合するかもしれません。
初めての一次創作でまだよく分かっておらず、何かおかしなことをしでかしていたら申し訳ないです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる