悪役に好かれていますがどうやって逃げれますか!?

菟圃(うさぎはたけ)

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教皇に連れてこられた場所は、質素ないか個室の部屋だった。
僕はベッドに下ろされて、その目の前に二脚椅子が用意された。

教皇はその椅子にラグを座らせて、自身もラグの隣に腰を下ろした。

「ラグザンド殿私の嘘に付き合って頂きありがとうございます」

「次あんなことをさせたら私は承知しない」

二人の話がいまいち理解ができない。
僕がいない時なんてなかったし、それに何かをするような物を渡す時間はなかった達思うんだけど…

「ネヴィレント殿も困惑しているでしょうが、お二人をここに連れ出す必要がございましたので、今回のような事をさせて頂きました。今ネヴィレント殿手の甲に出ている宝石は精霊の力を結晶化させた物で、番が分かるという代物ではありません」

痛みを伴って出てきたこの宝石はただ精霊の力が宿った物だとわかった途端、何故かその事実にほっとした。

「お二人にだけお告げしたい事ですが、魔王のお告げは存在しない物でした」

愛の予言は嘘だった。
その嘘一つでどれだけの人員が動いて、どれだけの人が危険な目にあったのだろうか。

「私自身もそのお告げがあったという時に祈祷の為に遠出をしておりまして、帰還した時にそのお告げの話をお聞きしました」

「教皇様には専属の部隊がいらっしゃるのではないのでしょうか?その者達が様子を探ることができなかったのでしょうか?」

「お恥ずかしながらその時自身の命も狙われておりまして、殆どの者を私の護衛につけておりました。それ故情報収集に穴が出てしまい重要な情報が入ってこなかったのです」

暗殺に情報収集。
精霊に確認して貰っていた人数を考えれば確かに情報に穴が空いてしまうのは仕方がないかもしれない。

大神官達も教皇に意図的に情報を隠して行動していただろうから、少しでも抜け穴があるとその抜け穴を突かれてしまう。
単純な人手不足と大神官側についている人が多すぎた事が原因だろう。

「知らなかったは今だからこそ言える発言だ。ネヴィはこうして生きているが何度も死にかけている。それを知らなかったの一言で片付けるのは許さない」

「知らないを免罪符にするつもりはありません」

教皇が立ち上がり天使の絵が描かれた場所の壁まで歩いて行った。
手がかざされると白い線が小さな四角を描いていった。

それは小さな扉だったようで教皇はその扉を開けると小さな箱を取り出した。
飾り気のないその箱を持ちながら、僕たちの元に戻ってきた。

「こちらの箱の中身は使用者の寿命を伸ばす薬が入っております」

聞いたこともない薬だ。
錬金術にハマって色んな薬を調べていた時期があったけど、そんな夢のような薬を聞いた事がない。

「ネヴィレント殿はハーフエルフで、ラグザンド殿は純血の吸血鬼であるとお聞きしております。寿命が二人を分つ事が明白ですので、私からのお詫びとしてこちらの薬をと思いました」

寿命が伸びるのは確かに嬉しいことだ。
だって僕はラグの半分も満たない寿命で死ぬのがわかっていたから。

この薬を使用すれば僕はラグと一緒に長い時間を過ごすことができる。
そんな美味しい話が真実であれば喉から手が出る程欲しい。
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