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友達をつくります
王女様のお誘い
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今日はエミリア様に会う日だ。
あの後、家に王宮から手紙が届いて、今度は二人きりで会って話したいとのことだった。
私は今、パールと一緒に馬車の中にいる。
「エミリア様ってどんな人でした?仲良くなれましたか?」
「まだよ、パール。今から仲良くなるの。エミリア様は……とても可愛かったわ!」
「わぁ、それをお嬢様が言っちゃいますか?」
「自分で言うのはなんだけど、私が可愛いのは知ってるわ。別のタイプの可愛さよ」
「早く会ってみたいですね」
「今から会えるわよ」
王宮に着いて馬車を降りると、王族の居住区に通された。
「待ってたわ。庭園でお茶会したかったのだけど、この間のことがあったから、出してもらえなくて」
そこはエミリア様の自室だった。美少女の部屋!王女様の部屋!えぇ、わ、私……死ぬのかしら……?
「いえ、それは全然構いませんわ。むしろお部屋にまで呼んでいただきありがとうございます」
あぁ、パールのことも紹介しなくちゃ。
「彼女は侍女のパール。身の回りの世話をしてもらっているの」
「私の後ろにいるのは乳母のシアン。私の体のことをよく分かっていて、この間のようにはならないと思うから安心して」
「はい、エミリア様」
他にもたくさんのメイドや護衛がいるけど、気にしなくていいということだろう。
「……ねぇ、エミリアって呼んでくださらない?学園に入ったら身分なんて関係なくなるし、あなたは賢いと聞いているから、きっと同じクラスになるわ」
学園内では身分が平等のものとして扱われると聞いている。どうせ形だけのものだろうと思っていたけれど、エミリア様は本気で言っているようだ。
学園のクラスは学力と魔力で分けられる。魔力が極端に多かったり、なかったりしなければ、確かに私たちは同じクラスになるだろう。
でもエミリア様を呼び捨てなんてっ……!
「そ、そんなこと、できませんわ」
呼び捨てなんて大それたことしたらファンに睨まれて疎まれるわ!え、王族だからファンとかいるわよね……?
えぇ、なんでそんな悲しそうな目で見てるの!?私はエミリア様と対等な関係を望んでいる訳ではない。主従とか、神と信者とか、アイドルとファンぐらいの間柄で充分なのに。妄想と現実は違うのよ?口調を崩すのも畏れ多いのに、呼び捨てよ?呼び捨て!無理よね?無理だわ!
「私とお友達に、なってもらえませんか……?」
お友達?お友達だと!?この王女様と?ほぇ……現実味が無さすぎて、気が遠くなりそうですわ……
「身分関係なく、対等にお付き合いできるお友達が欲しかったのです……無理にとは、言いませんわ……」
寂しそうに呟くエミリア様。はっ。そうだ、彼女はアイドルではなかった。彼女も私と同じく、この歳までお友達なんて作らせてもらえなかった箱入り娘なのだ。可愛い子に本気でお願いされて、私が断れるとでも?
「無理じゃありませんわ!私が悪かったです、お友達になりましょう!」
「本当ですの……?」
「もちろんですわ!エミリア様に言われて断れることなどありませんわ!」
「あの……エミリアって……」
そうだった!呼び捨て問題忘れてた!私の馬鹿!
「えええっと、え、エミリア……様」
「私がアメリアって呼んだら、呼び捨てしてくださる……?」
はぁっ!エミリア様に、名前を、呼び捨て……!
……もう様付けは逆に失礼よね。
「分かったわ、エミリア」
エミリア。あぁ、なんて可愛い名前なの。
エミリア……は、ぽっと顔を赤らめて嬉しそうに笑った。
一生見てられる。美少女の笑顔……幸せ……
あの後、家に王宮から手紙が届いて、今度は二人きりで会って話したいとのことだった。
私は今、パールと一緒に馬車の中にいる。
「エミリア様ってどんな人でした?仲良くなれましたか?」
「まだよ、パール。今から仲良くなるの。エミリア様は……とても可愛かったわ!」
「わぁ、それをお嬢様が言っちゃいますか?」
「自分で言うのはなんだけど、私が可愛いのは知ってるわ。別のタイプの可愛さよ」
「早く会ってみたいですね」
「今から会えるわよ」
王宮に着いて馬車を降りると、王族の居住区に通された。
「待ってたわ。庭園でお茶会したかったのだけど、この間のことがあったから、出してもらえなくて」
そこはエミリア様の自室だった。美少女の部屋!王女様の部屋!えぇ、わ、私……死ぬのかしら……?
「いえ、それは全然構いませんわ。むしろお部屋にまで呼んでいただきありがとうございます」
あぁ、パールのことも紹介しなくちゃ。
「彼女は侍女のパール。身の回りの世話をしてもらっているの」
「私の後ろにいるのは乳母のシアン。私の体のことをよく分かっていて、この間のようにはならないと思うから安心して」
「はい、エミリア様」
他にもたくさんのメイドや護衛がいるけど、気にしなくていいということだろう。
「……ねぇ、エミリアって呼んでくださらない?学園に入ったら身分なんて関係なくなるし、あなたは賢いと聞いているから、きっと同じクラスになるわ」
学園内では身分が平等のものとして扱われると聞いている。どうせ形だけのものだろうと思っていたけれど、エミリア様は本気で言っているようだ。
学園のクラスは学力と魔力で分けられる。魔力が極端に多かったり、なかったりしなければ、確かに私たちは同じクラスになるだろう。
でもエミリア様を呼び捨てなんてっ……!
「そ、そんなこと、できませんわ」
呼び捨てなんて大それたことしたらファンに睨まれて疎まれるわ!え、王族だからファンとかいるわよね……?
えぇ、なんでそんな悲しそうな目で見てるの!?私はエミリア様と対等な関係を望んでいる訳ではない。主従とか、神と信者とか、アイドルとファンぐらいの間柄で充分なのに。妄想と現実は違うのよ?口調を崩すのも畏れ多いのに、呼び捨てよ?呼び捨て!無理よね?無理だわ!
「私とお友達に、なってもらえませんか……?」
お友達?お友達だと!?この王女様と?ほぇ……現実味が無さすぎて、気が遠くなりそうですわ……
「身分関係なく、対等にお付き合いできるお友達が欲しかったのです……無理にとは、言いませんわ……」
寂しそうに呟くエミリア様。はっ。そうだ、彼女はアイドルではなかった。彼女も私と同じく、この歳までお友達なんて作らせてもらえなかった箱入り娘なのだ。可愛い子に本気でお願いされて、私が断れるとでも?
「無理じゃありませんわ!私が悪かったです、お友達になりましょう!」
「本当ですの……?」
「もちろんですわ!エミリア様に言われて断れることなどありませんわ!」
「あの……エミリアって……」
そうだった!呼び捨て問題忘れてた!私の馬鹿!
「えええっと、え、エミリア……様」
「私がアメリアって呼んだら、呼び捨てしてくださる……?」
はぁっ!エミリア様に、名前を、呼び捨て……!
……もう様付けは逆に失礼よね。
「分かったわ、エミリア」
エミリア。あぁ、なんて可愛い名前なの。
エミリア……は、ぽっと顔を赤らめて嬉しそうに笑った。
一生見てられる。美少女の笑顔……幸せ……
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