12 / 39
第7話
しおりを挟む
「一樹さん、ごめん・・・・・
莉佐さんから聞いているのかと・・・」
「なんでですか?西田さん・・・。なんでこんな小さい子が・・・莉佐は知っていたのか?あれが駿くんの最後の楽しみだと・・・最後の願いって・・・」
僕は混乱していた。
2人が話してくれなかったことが悔しかったのもある。
「2人とも全部知っていたのかよ!」
僕は裏切られた気持ちでいっぱいだったんだ。
《斎藤さん?》
「・・・・・・」
そこには、正也や、榊さんも来て・・・・
僕の声に驚いている。
「こんなことなら僕も・・・」
気がついたらそう呟いていた。
そして、僕はある場所に行こうとしていて・・・走ってその場を去った。
「あのバカまさか・・・・」
そして、そんな僕をいの一番に止めたのは紛れもなく莉佐であり・・・
莉佐は、ぼくのうでを強く掴んで離さない。
「離せよ、莉佐・・・!」
「離さない!あなたが逃げていかないように・・・・」
「裏切られたんだ。生きてても仕方ないだろ?」
「違うでしょう?一樹・・・」
「はぁ?違う?何が違うんだよ」
「駿くん言ってくれていたの。私と一樹が幸せになることを願ってるって。2人が幸せになる姿を見れなくて残念。でも、僕の分まで2人には生きていて欲しいって」
「・・・・・・・」
「一樹、あなたも友人に救われてここまで生きてこれたんだよね?だったら生きなくちゃダメなんじゃないの?」
「・・・・わかったよ。手を離してくれないかな?」
腕を掴んだままだ。
「ご、ごめん・・・・」
「いや、お前のおかげで僕の写真のテーマが決まりそうだし・・・・」
「えっ?そうなの?それなら良かった。あっ、でも私のおかげというのは大袈裟よ」
莉佐はホッとした顔になった。
「・・・えっ?」
怒ってないのか?
「撮りたいものが決まるのはカメラマンになる第1歩だもの!凄いわよ」
「・・・・あぁ、ありがとう」
この時、莉佐が初めて僕に笑ってくれた気がした。
しかも褒めてくれたのか?
《心配なかったみたいですね》
「全く人騒がせなやつだ。けど・・・・あいつ・・・・」
「あはは!そうかも」
《・・・・・はい。きっと・・・・》
僕の気持ちの変化にみんなは気づいていたが・・・・、僕自身は全く気づいていなかった。
莉佐がそばに居ることが、当たり前になっていたからだろう。
それとも、莉佐とケンカをするのが当たり前だから?
僕が、【彼女の大切さ】に気づくのはもっと先のこと・・・・
一体いつになるのやら・・・
「《榊さんは?》」
《正也さん、あのラジオいいですね》
「《そうだろ?ぜひ、榊さんには1番のリスナーになってほしくて始めたんだ》」
《そうなんですね。ぜひ、これからも聞きます》
そして、
「【初めまして、僕のハンドルネームは、{ウルトラマン}単純に好きなキャラクターにしてみました】」
パソコンのメールを開いているのは、暁美さん。そして、そのやり取りの相手は、榊さん。
2人はお互い誰かまだ、知らずにいる。
これが2人の【文通】の始まりだった。
莉佐さんから聞いているのかと・・・」
「なんでですか?西田さん・・・。なんでこんな小さい子が・・・莉佐は知っていたのか?あれが駿くんの最後の楽しみだと・・・最後の願いって・・・」
僕は混乱していた。
2人が話してくれなかったことが悔しかったのもある。
「2人とも全部知っていたのかよ!」
僕は裏切られた気持ちでいっぱいだったんだ。
《斎藤さん?》
「・・・・・・」
そこには、正也や、榊さんも来て・・・・
僕の声に驚いている。
「こんなことなら僕も・・・」
気がついたらそう呟いていた。
そして、僕はある場所に行こうとしていて・・・走ってその場を去った。
「あのバカまさか・・・・」
そして、そんな僕をいの一番に止めたのは紛れもなく莉佐であり・・・
莉佐は、ぼくのうでを強く掴んで離さない。
「離せよ、莉佐・・・!」
「離さない!あなたが逃げていかないように・・・・」
「裏切られたんだ。生きてても仕方ないだろ?」
「違うでしょう?一樹・・・」
「はぁ?違う?何が違うんだよ」
「駿くん言ってくれていたの。私と一樹が幸せになることを願ってるって。2人が幸せになる姿を見れなくて残念。でも、僕の分まで2人には生きていて欲しいって」
「・・・・・・・」
「一樹、あなたも友人に救われてここまで生きてこれたんだよね?だったら生きなくちゃダメなんじゃないの?」
「・・・・わかったよ。手を離してくれないかな?」
腕を掴んだままだ。
「ご、ごめん・・・・」
「いや、お前のおかげで僕の写真のテーマが決まりそうだし・・・・」
「えっ?そうなの?それなら良かった。あっ、でも私のおかげというのは大袈裟よ」
莉佐はホッとした顔になった。
「・・・えっ?」
怒ってないのか?
「撮りたいものが決まるのはカメラマンになる第1歩だもの!凄いわよ」
「・・・・あぁ、ありがとう」
この時、莉佐が初めて僕に笑ってくれた気がした。
しかも褒めてくれたのか?
《心配なかったみたいですね》
「全く人騒がせなやつだ。けど・・・・あいつ・・・・」
「あはは!そうかも」
《・・・・・はい。きっと・・・・》
僕の気持ちの変化にみんなは気づいていたが・・・・、僕自身は全く気づいていなかった。
莉佐がそばに居ることが、当たり前になっていたからだろう。
それとも、莉佐とケンカをするのが当たり前だから?
僕が、【彼女の大切さ】に気づくのはもっと先のこと・・・・
一体いつになるのやら・・・
「《榊さんは?》」
《正也さん、あのラジオいいですね》
「《そうだろ?ぜひ、榊さんには1番のリスナーになってほしくて始めたんだ》」
《そうなんですね。ぜひ、これからも聞きます》
そして、
「【初めまして、僕のハンドルネームは、{ウルトラマン}単純に好きなキャラクターにしてみました】」
パソコンのメールを開いているのは、暁美さん。そして、そのやり取りの相手は、榊さん。
2人はお互い誰かまだ、知らずにいる。
これが2人の【文通】の始まりだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる