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第9話
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ポツポツ
雨が少しずつ降り始め・・・・
「うわっ!なんだよ!急に降ってきた」
なぜか本降りに・・・・。
僕ってホント、雨男だなぁー
そしてびしょ濡れになってしまった。
これじゃあ外回りなんて出来やしない。
雨宿りが出来そうな店で、濡れたからだを拭いていると・・・・
「大丈夫?濡れなかった?」
「うん、大丈夫。カメラは無事よ」
「・・・・・!?」
聞いたことある声・・・と人物?
その人物は・・・
思わず隠れてしまった。隠れる場所があって助かった。
「・・・・あいつ・・・」
そう、あいつ・・・莉佐は、見合い相手の男と一緒だった。
僕はそこから覗く形で動けずにいた。
「莉佐のやつ、髪を下ろしていた」
見たことがない。
そんなことを思いながらウロウロしてると、
「よぉ!おかえり、一樹。なんだ、直帰するかと思ったのに」
「えっ?あっ、衛・・・しー!聞こえるだろ!」
「そうだけど?ははーん( ̄▽ ̄)ニヤリッまた、莉佐ちゃん・・・」
「違うから」
「違わないだろ?さっき、仲良さそうに帰ってったし?って言うかびしょ濡れじゃん。なに?雨に降られたとか」
「全然大丈夫・・・・」
「あのさぁ、なんか怒ってるのか?」
「怒ってねぇよ!」
「じゃあさ、帰ってきたら言おうと思っていたんだけどー」
「なんだよ」
「資料室のあれ、何とかしてくれないかな?」
「えっ?あれって?」
「神経質のはずのお前が、日付をバラバラにするなんて・・・さては、よっぽど心を乱す何かを見たのかなーって思ってさ」
「ハックシュン・・・
わかったよ。やり直せばいいんだろ?」
と、資料室に行こうとした時
「莉佐ちゃんと居た男って・・・」
「そ、それは関係ないから!」
そう言って走った。
「なんかすげぇわかりやすいんですけど(笑)」
自分でもわからずにいた。
なんでこんなにイラついているんだろうって。
「お前さー、まだまだ気づいてないんだよ」
正也に言われたっけ?
「大切な人の存在、もう一度よく考えてみろよ」
大切な人ね・・・・
それから数日後・・・・
「ゴホゴホ😷」
「斎藤くん?今日はもういいわ。早退しなさいよ」
「いえ、これだけやっておきたいので・・・」
風邪で辛い中、出勤した僕は・・・・なんとか今日の仕事をこなそうとしていた。
「全然ダメ。これじゃあ載せられない」
怜香さんにダメ出しばかりされる。
「よくこんな体で来れたわね」
熱も少しだから大丈夫だと思っていたけれど、さすがにしんどくなってきた。
「すみません。みんなにうつすといけないから、やはり帰ります」
「素直でよろしい。気をつけて帰れよ?なんなら莉佐ちゃん呼ぼうか?」
「あ、あいつは呼ばないでください」
「あら?どうして?」
「僕と違ってあいつはプロだし・・・途中で仕事を投げ出して欲しくないから・・・・」
「・・・・・・」
「それに、私情を挟んだりしてクビにでもなられたら困るし・・・・」
「そう?でもなんか心配だわ。タクシーでも呼びましょうか?」
怜香さんは気を使ってくれているが・・・
「大丈夫です。1人で帰れるから・・・。お疲れ様でした」
そう言って、事務所を出た。
「大丈夫かな?」
怜香さんと、衛は同時に思っていてくれていた。
そう強がりを言ったものの・・・・
「・・・・・・」
しんどくて動けずにいたときに目に飛び込んできたのは莉佐の姿。
「・・・・莉佐・・・ 」
まさか幻?
熱で朦朧としてどうかしてるのかな。
無性にあいつに会いたくなっていたのか・・・
無意識にドアに近づこうとしていたが・・・・彼女の傍には・・・
「・・・・(笑)」
また、あの男がいる。
そうなると近づくのをやめた。
そして、
「莉佐先輩と、悟先輩いいかんじだよねー」
女の子2人がオフィスから出てきて、すぐさま隠れた。
「もしかしたら、来年の春には結婚しちゃうかもねー」
とまで聞こえる会話に動揺した僕は
「えっ?」
フラリとして、
バラバラと荷物を落としてしまった。
「すみません!大丈夫ですか?」
ぶつかった訳でもないのに声を揃えて謝ってくれた彼女たち。
「だ、大丈夫・・・。ケホケホ」
「あっ!あなたはもしかして」
「えっ?」
「莉佐先輩の?」
「あっ、幼なじみです・・・・」
「やっぱり!写真で見た人だー」
「あの、でも・・・顔色悪いですけど大丈夫ですか?」
「あっ、大丈夫。僕は今から帰るところだし・・・(体調悪くて・・・だけど)」
「それじゃあ、失礼します」
彼女たちは、仲がいいのかまた、声を揃えていた。
「・・・・・・」
しばらく動けずにいると・・・・
「一樹?」
いつの間にかオフィスから出てきた莉佐と遭遇してしまう。
「よぉ・・・・」
「何してるの?こんな所で」
「べつに?今から帰るところだから・・・(体調不良で・・・)」
俺は・・・・
「一樹?酷い顔・・・」
莉佐が俺の頬に手を当てようとしたから思わず
「さ、触るな」
といってしまった
゙「あっ、そう・・・・。いいわよ、もういくから・・・」
「あのさぁ、お前さ・・・・」
「なによ」
莉佐が怒った顔で振り向く。
「・・・あのお見合いした悟って人と・・・付き合うの?それとも、もう付き合ってるとか?」
「そんなの一樹には関係ないんでしょう?」
「いいから、応えろよ・・・」
「付き合ってもいいかなとは思ってるわよ」
「・・・・・・」
付き合ってもいい?
そんな・・・
「わたし、忙しいから」
と、言ってしまいそうになり・・・
「やめろよ・・・」
本当は素直になりたいんだ。
俺は、ここに来たのは本当は・・・・
莉佐に会いたくて・・
そう言おうと思った時だった・・・・。
「莉佐・・・・」
俺は、彼女の名前だけ呼んで・・・意識を失った・・・。
ドサッ
「えっ?」
莉佐が振り向くと・・・一樹が倒れていた。
「一樹?ねぇ?どうしたの?」
「・・・・・・」
答えない・・・。
「しっかりして!!」
酷い熱だ。
さっき辛そうにしていたのはそのせい?
「どうしたんだ、莉佐さん」
そこへ悟さんが通り掛かってくれて・・・・
「悟さん、お願い助けて!」
莉佐は叫んだ。
「彼は私の幼なじみなの!!
すごい熱で倒れたの!・・・・」
莉佐が泣きながら、僕を抱き抱え、必死に悟さんにお願いしてるのも知らずにいて・・・
「わかった、落ち着いて?とにかく、医務室に運ぼう。それから、彼のオフィスに連絡を」
「うん・・・・・」
そしてその僕が風邪で寝込んでいる頃・・・・
《みなさん、準備はいいですか?》
「《はーい》」
「《美月、頑張るのよ》」
榊さんと子供たちの・・・・
「じゃあ、優子・・・お願いね」
「うん。じゃあ行ってらっしゃい」
《・・・・・》
「《それじゃあみんな、それぞれ楽器を持ってきてねー》」
「《はーい》」
バイオリン演奏発表会が行われようとしていた。
雨が少しずつ降り始め・・・・
「うわっ!なんだよ!急に降ってきた」
なぜか本降りに・・・・。
僕ってホント、雨男だなぁー
そしてびしょ濡れになってしまった。
これじゃあ外回りなんて出来やしない。
雨宿りが出来そうな店で、濡れたからだを拭いていると・・・・
「大丈夫?濡れなかった?」
「うん、大丈夫。カメラは無事よ」
「・・・・・!?」
聞いたことある声・・・と人物?
その人物は・・・
思わず隠れてしまった。隠れる場所があって助かった。
「・・・・あいつ・・・」
そう、あいつ・・・莉佐は、見合い相手の男と一緒だった。
僕はそこから覗く形で動けずにいた。
「莉佐のやつ、髪を下ろしていた」
見たことがない。
そんなことを思いながらウロウロしてると、
「よぉ!おかえり、一樹。なんだ、直帰するかと思ったのに」
「えっ?あっ、衛・・・しー!聞こえるだろ!」
「そうだけど?ははーん( ̄▽ ̄)ニヤリッまた、莉佐ちゃん・・・」
「違うから」
「違わないだろ?さっき、仲良さそうに帰ってったし?って言うかびしょ濡れじゃん。なに?雨に降られたとか」
「全然大丈夫・・・・」
「あのさぁ、なんか怒ってるのか?」
「怒ってねぇよ!」
「じゃあさ、帰ってきたら言おうと思っていたんだけどー」
「なんだよ」
「資料室のあれ、何とかしてくれないかな?」
「えっ?あれって?」
「神経質のはずのお前が、日付をバラバラにするなんて・・・さては、よっぽど心を乱す何かを見たのかなーって思ってさ」
「ハックシュン・・・
わかったよ。やり直せばいいんだろ?」
と、資料室に行こうとした時
「莉佐ちゃんと居た男って・・・」
「そ、それは関係ないから!」
そう言って走った。
「なんかすげぇわかりやすいんですけど(笑)」
自分でもわからずにいた。
なんでこんなにイラついているんだろうって。
「お前さー、まだまだ気づいてないんだよ」
正也に言われたっけ?
「大切な人の存在、もう一度よく考えてみろよ」
大切な人ね・・・・
それから数日後・・・・
「ゴホゴホ😷」
「斎藤くん?今日はもういいわ。早退しなさいよ」
「いえ、これだけやっておきたいので・・・」
風邪で辛い中、出勤した僕は・・・・なんとか今日の仕事をこなそうとしていた。
「全然ダメ。これじゃあ載せられない」
怜香さんにダメ出しばかりされる。
「よくこんな体で来れたわね」
熱も少しだから大丈夫だと思っていたけれど、さすがにしんどくなってきた。
「すみません。みんなにうつすといけないから、やはり帰ります」
「素直でよろしい。気をつけて帰れよ?なんなら莉佐ちゃん呼ぼうか?」
「あ、あいつは呼ばないでください」
「あら?どうして?」
「僕と違ってあいつはプロだし・・・途中で仕事を投げ出して欲しくないから・・・・」
「・・・・・・」
「それに、私情を挟んだりしてクビにでもなられたら困るし・・・・」
「そう?でもなんか心配だわ。タクシーでも呼びましょうか?」
怜香さんは気を使ってくれているが・・・
「大丈夫です。1人で帰れるから・・・。お疲れ様でした」
そう言って、事務所を出た。
「大丈夫かな?」
怜香さんと、衛は同時に思っていてくれていた。
そう強がりを言ったものの・・・・
「・・・・・・」
しんどくて動けずにいたときに目に飛び込んできたのは莉佐の姿。
「・・・・莉佐・・・ 」
まさか幻?
熱で朦朧としてどうかしてるのかな。
無性にあいつに会いたくなっていたのか・・・
無意識にドアに近づこうとしていたが・・・・彼女の傍には・・・
「・・・・(笑)」
また、あの男がいる。
そうなると近づくのをやめた。
そして、
「莉佐先輩と、悟先輩いいかんじだよねー」
女の子2人がオフィスから出てきて、すぐさま隠れた。
「もしかしたら、来年の春には結婚しちゃうかもねー」
とまで聞こえる会話に動揺した僕は
「えっ?」
フラリとして、
バラバラと荷物を落としてしまった。
「すみません!大丈夫ですか?」
ぶつかった訳でもないのに声を揃えて謝ってくれた彼女たち。
「だ、大丈夫・・・。ケホケホ」
「あっ!あなたはもしかして」
「えっ?」
「莉佐先輩の?」
「あっ、幼なじみです・・・・」
「やっぱり!写真で見た人だー」
「あの、でも・・・顔色悪いですけど大丈夫ですか?」
「あっ、大丈夫。僕は今から帰るところだし・・・(体調悪くて・・・だけど)」
「それじゃあ、失礼します」
彼女たちは、仲がいいのかまた、声を揃えていた。
「・・・・・・」
しばらく動けずにいると・・・・
「一樹?」
いつの間にかオフィスから出てきた莉佐と遭遇してしまう。
「よぉ・・・・」
「何してるの?こんな所で」
「べつに?今から帰るところだから・・・(体調不良で・・・)」
俺は・・・・
「一樹?酷い顔・・・」
莉佐が俺の頬に手を当てようとしたから思わず
「さ、触るな」
といってしまった
゙「あっ、そう・・・・。いいわよ、もういくから・・・」
「あのさぁ、お前さ・・・・」
「なによ」
莉佐が怒った顔で振り向く。
「・・・あのお見合いした悟って人と・・・付き合うの?それとも、もう付き合ってるとか?」
「そんなの一樹には関係ないんでしょう?」
「いいから、応えろよ・・・」
「付き合ってもいいかなとは思ってるわよ」
「・・・・・・」
付き合ってもいい?
そんな・・・
「わたし、忙しいから」
と、言ってしまいそうになり・・・
「やめろよ・・・」
本当は素直になりたいんだ。
俺は、ここに来たのは本当は・・・・
莉佐に会いたくて・・
そう言おうと思った時だった・・・・。
「莉佐・・・・」
俺は、彼女の名前だけ呼んで・・・意識を失った・・・。
ドサッ
「えっ?」
莉佐が振り向くと・・・一樹が倒れていた。
「一樹?ねぇ?どうしたの?」
「・・・・・・」
答えない・・・。
「しっかりして!!」
酷い熱だ。
さっき辛そうにしていたのはそのせい?
「どうしたんだ、莉佐さん」
そこへ悟さんが通り掛かってくれて・・・・
「悟さん、お願い助けて!」
莉佐は叫んだ。
「彼は私の幼なじみなの!!
すごい熱で倒れたの!・・・・」
莉佐が泣きながら、僕を抱き抱え、必死に悟さんにお願いしてるのも知らずにいて・・・
「わかった、落ち着いて?とにかく、医務室に運ぼう。それから、彼のオフィスに連絡を」
「うん・・・・・」
そしてその僕が風邪で寝込んでいる頃・・・・
《みなさん、準備はいいですか?》
「《はーい》」
「《美月、頑張るのよ》」
榊さんと子供たちの・・・・
「じゃあ、優子・・・お願いね」
「うん。じゃあ行ってらっしゃい」
《・・・・・》
「《それじゃあみんな、それぞれ楽器を持ってきてねー》」
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