BELIEVE~夢の先へ~

藤原葉月

文字の大きさ
2 / 13

しおりを挟む
「宏人さん、なっちゃん!お帰り!」
「・・・みんな、ただいま」
僕が作った、《ひまわり会》のみんなが、出迎えてくれた。
「宏人さんたちが、大学に入学したら、授業の間、僕らはどこにいればいいですか?」
「みんな、.安心して?小屋を立ててもらおうと思うんだ。そこで、みんなは練習していてくれればいいよ」
「でも、宏人・・・小屋を立てるなんてお金掛かるわよ?」
「大丈夫。もう手配済みだし。そのことは、聞かれると思ってた」

僕にはもう、時間がない。
だからさっき、ある人にお願いをしておいたんだ。
僕の夢・・・・・。
これだけは、叶えたいんだ。
「宏人?」
なっちゃんに感づかれただろうか?
「えっ?なに?」
「宏人は、本当に段取りが早いわね。羨ましいわ」
「ほんとですね」
「そうかな?そうでもないよ?」
「でも、ひとつだけ遅いことあるかもね」
正也さん・・・・
彼は、春日部正也って言うんだけど・・・・
彼は、僕となっちゃんの肩に手を置いて・・・・
「二人は、付き合ってるんですよね?結婚とかしないんですか?もしかして、大学卒業してからとか?」
「・・たぶん、そうなるね」
「えぇ、まだ未成年だし。まだ、考えてないわよ・・・。お互い。」
「いいよな!若いって!」
「二人が、結婚するなら、手作りがいいですね」
そんな手話を話すのは、榊裕平さん。
「僕たちで、手作りの結婚式を挙げます!
と言っても・・・僕は、なにもできないかもしれませんが・・・」
「そんなことないよ。君にはウェディングマーチを弾いてもらうかもね。」
「はい!ぜひ!」
今、話してくれたのは、東大地さん。
3人は、僕の大事なひまわり会仲間だ。
「みんな、ありがとう。」
「みんな、気が早いわよ?気持ちは、とてもうれしいけど。私たち、まだ、付き合って1年も経たないのよ?」
「だって、お似合いだもん!二人には、幸せになってもらいたい。結婚するときは、言ってくださいね!僕たち、最高のおもてなしをしますから!」
そうニコニコと言ってくれたのは、斎藤一樹さん。
彼も大事な仲間。
この4人と、なっちゃんに囲まれて僕は、この毎日を過ごしてきた。
こんな日々がいつかなくなってしまうなんて・・・・。
今は、考えちゃダメだよね?

「・・・宏人?」
「あっ、ごめん、ごめん。ちょっと考え事してた。
受験も、終わったことだし、やっと練習に専念できる!」
「宏人ってば、さっき医者に言われたんでしょ?疲れやすいから休むことも必要だって。体力落ちたんだから、休んだら?」
「大丈夫!いま、すごく調子がいいから!」
そして僕は、ふと思った。
どうしても、友達になりたい人がいたんだった。

同じ高校だった人・・・。

今日の朝、噂をされてた彼・・・。
《西田君》が、その人ににていたこと。
確か、名字も一緒だった。
とてもよく似ていた。
あのときは、ちゃんと見ていなかったけれど・・・・。

彼は、途中から、高校にこなくなったこと。
でも、どうやってセンター試験を受けたんだろう?
夜間の学校にでも通っていたのだろうか?

僕は、その彼に会いたいと思ってた。
「僕の夢・・・・。」
そう呟いてしまっていた。
「えっ?なに?」
「ううん。なんでもないよ?さぁ、練習練習!」
まさか本当にあの彼が、西田君だと気づかなかったんだ。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...