絆物語

大切な人との別れ

第50話

彼女が盲目だったと言う真実に驚いたみんな。

でも、なぜ見えるように？

「私はただ・・・・」

そのユナって子は、ただケンに会いに来ただけに見えるが？

「帰れよ！ここにいたらまた・・・・」

「そんなに冷たくしなくても・・・」

ジュンは、止めようとしていたが？

「行こう？みんな・・」
ケンは無視していこうとして、

「私の目の中に・・・・」

ユナって子はこう言った。
「私の目、キョウカお姉ちゃんのなんだ」

「・・・・えっ？」


「・・・・・（やっぱりな）」

「お姉ちゃんが死ぬ間際に言ったの。ケン兄を支えてあげてって。あたしの目をあげるからって・・・・」


「えっ？」

「ケン兄・・・・」

「うそだ！そんなの信じない！！」

「・・・・ケン」

「僕はまだ、しんじないから！！帰りたければ勝手に帰ればいい！」
そう言って1人で出ていってしまった。

「ケン！！」

「どうしたんだ？アイツらしくない・・・・」

「・・・・・」

「・・・ですよね・・・・」

「ユナさん？」

「やっと皆さんを探し当てました。これ・・・・」


石を渡してきたユナ。
「役に立つかわかりませんが・・・」

「これは・・・」

「キョウカお姉ちゃんが浄化させていたものです。戦いのお守りにケン兄に渡してって頼まれました。
サキさんが渡したものと同じ力を持っているそうですが・・・。より強い力を蓄えてあるそうです」

彼女はそれをマサに預けると・・・、

「私、帰ります」

「もしかして一人で帰るのか？」

「これを渡しに来ただけなので・・・」

「・・・・・・」

「確かに預かりました。」

「どうかご無事で・・・」


「君も、道中気をつけて？」

「はい・・・・」

彼女は、涙を堪えながら笑顔で答えた。

「・・・・・・」

「今はさようなら」

【フフフフ】
不気味な笑い声！
【若い娘の生き血・・・が欲しい】
「まさか」

「ケン！」

ヨシはケンをおいかけ、

「君は僕にいつか言ったよな？失望したと」
「えっ？」

なぜか怒った顔のヨシに少しびくついてるケン。

「それを今だけそのまま返す」

「ちょっと、こんな時に何言うとるんや、ヨシさん」
と、じゅんは庇おうとしたが、

「好きじゃなくても人は人だ！」

「・・・・・・」


「お前の救うべき人は《今、誰だ？》」

「・・・・・」

「守るべき人を守れないでどうやって強くなれと言うんだ！」

ヨシはそう言った。

「なるほど。いいこと言うじゃん、ヨシさん」

「遠回しだけどな」

「彼女を守れるのはお前しかいない。行ってやれよ」


「えっ？」

「そうや、ケン。行ってあげて！！」

「・・・・・-怒ってないかな」

「大丈夫だ」



「！？魔物・・・・・」

【どうした。クリスタルはどこへやった！我にその力を！】


「きゃあ」

ユナは転んでしまった。
「あなた達に絶対渡さない！！」



「これ、ただの石です」
「えっ？嘘・・・・」


「あの子はもしかして自分に刃がむくように・・・・」

「そんな」

「それを敵に勘づかれているかもしれない」


「それで？ユナは？」


「ヨシさんの言う通りだ。あの子を守ってやれ。きっとお前に助けを求めてる」

「・・・・・・」

「また1人死者を出すつもりか？」

「そんなこと・・・・そんなこと絶対させない！！」

「よし、よく言った。ほら、先にいけ！」


「まさか1人で行かせるのか？」

「そんなわけないだろ？俺たちでサポートするんだ」

「あぁ、行くぞ！」







「・・・・・・」

【フフフフ】

「ケン兄助けて！！」

「ユナ？」

声が聞こえた気がする。
「助けて！！」



「ユナ！！」

ユナの姿を発見した！

「ケン兄・・・・」

ユナは気絶している。

「ユナ！！」

【女の生き血だァ】

「よくもユナを！」

ケンは剣を振りかざして切りつけた！

だが・・・

「げっ！増えた！」

化け物は増えたのだ。


キン

「あっ、矢だ・・・・」

これはヨシさん？
「ケン、むやみに斬るなよ。こいつらゾンビだから」

「えっ？ゾンビ？マジで？」

ゴウは、ユナが持っていた石を持つと、

「ユナさん、ちょっとこいつを借りるぜ？」

「えっ？それをどうするの？」

ゴウは、その石を剣に填めた。

「いいか？ケン、俺か指示した時に斬るんだ」

「・・・・うん、わかった。やってみる」

【ひひひひ】

「よっし！いまだ！！」

ゴウは叫んだ！！

ザッシュ

【ぐえー】

見事仕留めた！！




「・・・・・ユナ！」

ケンは直ぐに倒れているユナに駆け寄り、

「・・・・」

「ユナ！ユナ！しっかりして！目を開けて！」

「・・・・・？ケン兄？」

「ユナ、ごめん」

「ケン兄！」
ユナはケンに抱きついた。

ケンはそれを静かに受け入れた。



「2人きりにしておくか」

「そうですね」

と言うヒロとマサ。

「・・・・」
ゴウは何故か苦しそうで、



「・・・？」

「あれ？兄さん？」

どこかに行ってしまおうとしていて。



「ヨシ・・・・」


「レイナ・・・・」


「どうしたの？城まで来てくれるなんて」

なぜか2人で会っているヨシとレイナ。


「・・・いや、ミュウが・・・」

「ミュウ！」
「あら、わたしにあいたかったのか？」
レイナは、ミュウを抱きしめると笑った。


「レイナ・・・・」

不意にヨシはレイナに話しかけたが、

「ん？なに？」

「いや、なんでもない」
「ねぇ？ヨシ・・」

今度はレイナがヨシに話しかけた。

「ん？」
「わたしは女王に見えるか？」

「えっ？」

「普通の女には見えないか？」

「・・・・そりゃあ・・・・」

「そうか・・・・」

「なぜ、そんなことを聞くんだ」
「ごめんね？これから大事な儀式があるからもう行かなきゃ。邪魔をしたわね」

行ってしまった。

「えっ？」

俺がここに来たのに？
いや、邪魔したのは俺だろ？
なぜ、そんな顔をするんだ。


レイナがあんな顔するなんて・・・・。




「レイナ様？」

そこへ現れたのは、アルフだ。

「アルフ？」

「アルフ、迎えに来てくれたの？」

彼女と、アルフが話している。

「良いのですか？こんな時に私がここで婚礼の義を挙げても・・・」

「・・・アルフが婚礼？？」
良くは聞こえないが・・

「こんな私が言うのもおかしいですが貴方様はヨシを愛しておられるのでしょう？」


「えぇ、好きよ・・・」


「・・・・！？」

なぜかところどころしか聞こえないが・・・・

「たとえ結ばれなくてもね」


「・・・・・」


今の言葉でヨシは、走っていってしまった。

最後まで話を聞かずに・・・・。