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旅の始まり
黒いクリスタル
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「本当、信じられないよ」
もっと信じられないのは、自分がプールに落ちちゃったこと。
あの子に驚かされるまで気づかなかったなんて。
「あーあ、ついてない。」
シャワーを浴びて、新しい服に着替えた。
「ランドリーにでも、出さなきゃな」
そういえば、和彦兄さん、いつのまにか起きたんだ。
静かだから、気づかなかった(笑)
そのころ樹と、武司も合流していた。
「なんかあったの?」
「あー、武司と、樹。」
「あの、二人も、お知り合いですか?」
イナンさんは、二人に近づき、
「初めまして、イナンと言います。」
「俺は、武司、で、こいつは樹」
そう紹介して、
「あっ」
と、小さくイナンさんが叫び、武司の手を取る。
「あの?」
イナンさんは、呟いた。
「ごめんなさい。あなたのほうが、レンに似てる。」
「(笑)誰?レンって。」
戸惑ってるのは、樹。
「レンはわたしの・・・・わたしたちの幼なじみなの。でもいま、行方不明で。そういえば、あなたたちはどこの国からきたの?見かけない顔ですね。」
「それ、今さらいう?」
「見かけないって、日本語通じてるのに・・・・。あと、俺たち有名人とかでもないけど。」
「日本?」
「あっ、俺たち日本人です。あなたは日本人じゃないの?」
「もしかして、地球人なの?そんな、まさか」
「えっ?何をいってるの?」
「いえっ。あなたたちの目的は?」
「んー?船旅?イベントの船旅だからね。全員葉書で、当てたって言う。これこそキセキ!」って言う和彦のガッツポーズは無視され・・・
「えっ?この船は、わたしたちの国に戻る船よ?」
「えっ?戻る?」
「まさか、地球人が乗り込むなんてどうやって」
「イナンさん?」
彼女は、混乱している。
そういう俺たちも、混乱している。
着替えた僕は、兄さんたちのもとに戻るのはなんだか気が引けた。
あんなに怒ることはなかったのかな。
「あの、イナン様。」
執事らしい人が、イナンに近づき、耳打ちをする。
「・・・・・・」
「そう、そうなの。」
「ん?なに?」
「どうやらさきほどの嵐のせいで、あなたたちの乗ってた船とぶつかったかたちになってしまったみたい。」
「えっ?ぶつかる?船は、こわれてないんですか?」
「そうね。不思議なことに壊れてなくて、あなたたちだけ、この船に乗り込む形になったみたい。」
「うわ~、なんかそれってタイムスリップしたみたい。まるで異世界だも」
「地球の世界ではそういうみたいね。」
「ひとつ質問です。どうして君と僕たちは、言葉が通じてるんですか?もし、異世界にきてしまったのなら、まずは言葉が通じないはずじゃ?」
樹が、イナンさんに質問する。
そんな質問が出てくること自体すごい。
「それが、不思議なのよね。きっとわたしたちが、地球人に近いからかも。」
「さすが、樹。ゲームの世界観好きだもんな」
「さっきの、彼は?」
「あー、健斗のこと?」
「着替え終わったし、嵐もやんだから、冒険の旅に再びでてるんじゃないかな。あいつ、あぁ見えてデザイナーの卵なんだけど、好奇心旺盛だからさ。」
「冒険が、好きなんでしょうか?」
「じっとしていられないだけだと思うけど?」
「彼には、悪いことをしてしまいました。あの、いまから食事の会があります。よかったらいらっしゃいませんか?」
「いいんですか?あっ、あとでちゃんとみんなを紹介しますから!」
反応したのは、なぜだか上の二人
「ぜひ、みなさんできてください。」
そうやって、みんながなごんでいた頃、
彼らの言う通り部屋から飛び出した僕は、
「暗くなってきちゃったなー」
海を眺めながら、一人呟いていた。
そして、その後ろには、
「彼は、265番のようですが。」
「彼にしてみる?」
女と、もう一人男がいた。
「お任せを」
やっぱり、帰ろっと。
コロンって、音がした。
「ん?なんだろ、これ」
それは、クリスタルだった。
樹が見たらきっとテンション上げてるだろうな・・・。あいつ、こういうの好きだもんな。
ぼくはそれを拾うと、
「なんか、黒い?」
普通は、澄んで綺麗な透明なはずのクリスタルのことは、こんな僕でも知っている。
「なんか、嫌な色してる。」
そのクリスタルは、だんだん黒くなっていく気がした。
そして、次の瞬間、消えた。
「あれ?消えた?」
そう、そのクリスタルは僕の体のなかに入ってしまったんだ。
「えっ?なに?僕の体に・・・・?」
そのクリスタルが起こす事件に僕は巻き込まれたことは、誰も気づいてはいなかった。
そのころ樹と武司は、一旦部屋にもどっていた。
「もう、こんな時間だね。なんか、静かだよね」
「俺は、静かな方が好きだけどな。」
比較的静かな二人が、同じ部屋にいた。
和彦は完全に目が覚め、
「よぉーし!俺も、探検だあ~!」
和彦は健斗と同じ部屋だった。
何かと騒がしい二人に見えるが、仕事に夢中になると集中するため、なぜか静かになるふたりだった。
そして、上の二人はと言うと、
「なんか、おなかすいたね。」
「あいつ、戻ってきたらみんなで、レストランに、いこう。あいつには、メールしておこう。どうせ、シャワー浴びて、さっぱりしたら、また冒険出てるだろうからさ。」
「そうだよね。」
僕の行動はお見通しの2人だった。
誰も、気づいていなかった。
誰も気づくはずもなかった。
もっと信じられないのは、自分がプールに落ちちゃったこと。
あの子に驚かされるまで気づかなかったなんて。
「あーあ、ついてない。」
シャワーを浴びて、新しい服に着替えた。
「ランドリーにでも、出さなきゃな」
そういえば、和彦兄さん、いつのまにか起きたんだ。
静かだから、気づかなかった(笑)
そのころ樹と、武司も合流していた。
「なんかあったの?」
「あー、武司と、樹。」
「あの、二人も、お知り合いですか?」
イナンさんは、二人に近づき、
「初めまして、イナンと言います。」
「俺は、武司、で、こいつは樹」
そう紹介して、
「あっ」
と、小さくイナンさんが叫び、武司の手を取る。
「あの?」
イナンさんは、呟いた。
「ごめんなさい。あなたのほうが、レンに似てる。」
「(笑)誰?レンって。」
戸惑ってるのは、樹。
「レンはわたしの・・・・わたしたちの幼なじみなの。でもいま、行方不明で。そういえば、あなたたちはどこの国からきたの?見かけない顔ですね。」
「それ、今さらいう?」
「見かけないって、日本語通じてるのに・・・・。あと、俺たち有名人とかでもないけど。」
「日本?」
「あっ、俺たち日本人です。あなたは日本人じゃないの?」
「もしかして、地球人なの?そんな、まさか」
「えっ?何をいってるの?」
「いえっ。あなたたちの目的は?」
「んー?船旅?イベントの船旅だからね。全員葉書で、当てたって言う。これこそキセキ!」って言う和彦のガッツポーズは無視され・・・
「えっ?この船は、わたしたちの国に戻る船よ?」
「えっ?戻る?」
「まさか、地球人が乗り込むなんてどうやって」
「イナンさん?」
彼女は、混乱している。
そういう俺たちも、混乱している。
着替えた僕は、兄さんたちのもとに戻るのはなんだか気が引けた。
あんなに怒ることはなかったのかな。
「あの、イナン様。」
執事らしい人が、イナンに近づき、耳打ちをする。
「・・・・・・」
「そう、そうなの。」
「ん?なに?」
「どうやらさきほどの嵐のせいで、あなたたちの乗ってた船とぶつかったかたちになってしまったみたい。」
「えっ?ぶつかる?船は、こわれてないんですか?」
「そうね。不思議なことに壊れてなくて、あなたたちだけ、この船に乗り込む形になったみたい。」
「うわ~、なんかそれってタイムスリップしたみたい。まるで異世界だも」
「地球の世界ではそういうみたいね。」
「ひとつ質問です。どうして君と僕たちは、言葉が通じてるんですか?もし、異世界にきてしまったのなら、まずは言葉が通じないはずじゃ?」
樹が、イナンさんに質問する。
そんな質問が出てくること自体すごい。
「それが、不思議なのよね。きっとわたしたちが、地球人に近いからかも。」
「さすが、樹。ゲームの世界観好きだもんな」
「さっきの、彼は?」
「あー、健斗のこと?」
「着替え終わったし、嵐もやんだから、冒険の旅に再びでてるんじゃないかな。あいつ、あぁ見えてデザイナーの卵なんだけど、好奇心旺盛だからさ。」
「冒険が、好きなんでしょうか?」
「じっとしていられないだけだと思うけど?」
「彼には、悪いことをしてしまいました。あの、いまから食事の会があります。よかったらいらっしゃいませんか?」
「いいんですか?あっ、あとでちゃんとみんなを紹介しますから!」
反応したのは、なぜだか上の二人
「ぜひ、みなさんできてください。」
そうやって、みんながなごんでいた頃、
彼らの言う通り部屋から飛び出した僕は、
「暗くなってきちゃったなー」
海を眺めながら、一人呟いていた。
そして、その後ろには、
「彼は、265番のようですが。」
「彼にしてみる?」
女と、もう一人男がいた。
「お任せを」
やっぱり、帰ろっと。
コロンって、音がした。
「ん?なんだろ、これ」
それは、クリスタルだった。
樹が見たらきっとテンション上げてるだろうな・・・。あいつ、こういうの好きだもんな。
ぼくはそれを拾うと、
「なんか、黒い?」
普通は、澄んで綺麗な透明なはずのクリスタルのことは、こんな僕でも知っている。
「なんか、嫌な色してる。」
そのクリスタルは、だんだん黒くなっていく気がした。
そして、次の瞬間、消えた。
「あれ?消えた?」
そう、そのクリスタルは僕の体のなかに入ってしまったんだ。
「えっ?なに?僕の体に・・・・?」
そのクリスタルが起こす事件に僕は巻き込まれたことは、誰も気づいてはいなかった。
そのころ樹と武司は、一旦部屋にもどっていた。
「もう、こんな時間だね。なんか、静かだよね」
「俺は、静かな方が好きだけどな。」
比較的静かな二人が、同じ部屋にいた。
和彦は完全に目が覚め、
「よぉーし!俺も、探検だあ~!」
和彦は健斗と同じ部屋だった。
何かと騒がしい二人に見えるが、仕事に夢中になると集中するため、なぜか静かになるふたりだった。
そして、上の二人はと言うと、
「なんか、おなかすいたね。」
「あいつ、戻ってきたらみんなで、レストランに、いこう。あいつには、メールしておこう。どうせ、シャワー浴びて、さっぱりしたら、また冒険出てるだろうからさ。」
「そうだよね。」
僕の行動はお見通しの2人だった。
誰も、気づいていなかった。
誰も気づくはずもなかった。
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