voyager~不思議な船旅~

藤原葉月

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旅の始まり

黒いクリスタルの正体

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僕の体のなかに、入ってしまったと思われるクリスタルは、僕の体のなかでなにかをしようとしていた。
なんだか、意識がもうろうとしてきたぼくは、ボーッとしながら、僕の意思は、ある場所に向かおうとしていた。

だけど、それを、拒んでいる僕もいて

「行ってはダメ!」
「えっ?だれ?」
それは、まるで夢の中のようだった。
彼女の声は、あのイナンと言う子の声ににていた。
でも、その声は掻き消され、
「ふふふっ、うまくいったわ。」
その女は、僕に近づき、
「あなたに、痛め付けてほしい人物がいるの」
「痛め付ける?」
「そう、わたしが一番大嫌いな人の1人。
そいつが一番生意気。」
「君は、誰かを恨んでるの?」
なぜだか、そんな質問をしていた。
「うるさい!地球人の癖に!」
「僕に、なにをしたの?」
「いいから、いきなさい!」
そんなやりとりをしつつ、ぼくは、兄さんたちのもとに戻った。
「健斗のやつ、ほんとどこいったんだ。」
「また、いないのかよっ」
「俺、探してくるわ。みんな、先に食べてていいよ。せっかくの料理冷めちゃうしね。」
博巳は、席を立った。
「いただこうか。」
「あのさー!みんな、俺のこと忘れてない?」
「悪い、和彦、忘れてた」
「通りで静かだと思ったよ~。あれ?なに、この、ご馳走は。それに、この、方々は?」
「話すと長いけど、お前が寝ている間にいろいろあったから。」
「えっ?マジで?それと、きみ、名前は?」
イナンさんの手をとると、顔を近づけた。
「わたしは、イナンと言います。あなたの、仲間の、健斗ってかたに、ご迷惑をかけたので・・・・・」
「こら、和彦、近づきすぎだ。イナンさんが、困ってるだろ?」
「いいなー、健斗。あいつ、あー見えてモテるからなぁー。」
「そう、なんですか?」
「そうなの。女の子には、基本優しいんだけどね。」
「優しいんですね。」
あのときは、そう思わなかったけど。と、イナンはおもった。
「なんで。」
急に声がしたと思ったら、振り向くと健斗がいる。
「あれ?健斗?おまえ、いつ戻ってきたんだよ」
「なんで、おまえが、ここにいるんだ。」
「健斗・・・・さん?」
「健斗?許してやれよ。イナンさん、反省してるから」
「ぼくは、あんたを、許さない」
すごい勢いで、イナンに近づく健斗。
「どうした、健斗。女の子に暴力ふるうなんて、お前らしくないぞ?」
イナンさんを、殴ろうとしたぼくを、とっさに止めたのは、昌也兄さんだった。
「健斗、戻ってきてたのかよ」
「おまえら、僕の邪魔をするのか」
「なっ」
ぼくは、目を光らせた。
「これは!まさか!」
「邪魔を、するものは消す!」
「健斗の声じゃない」
「まるで、だれかに操られてるような?」
「ええ、その通りかもしれません。」
「その通りってなに!!」
「邪魔だ!ぼくは、その女にようがある!」
「イナンさんを、狙ってる?」
「イナン、覚悟しろ!」
「イナンさん、逃げましょう!」昌也さんは、イナンさんの手をとると、
「でも、かれは、あなたたちの。」
「あんなの健斗じゃないですよ。きっと、健斗の偽物」
「でも、体は、彼だわ。きっと、かれを、操っているのは・・・・」

彼女は、祈りを捧げるように手を組むと、
バリアのようなものを作った。
「汚れたクリスタル」
「汚れたクリスタル??」
「きっと、彼の体のなかに、なにかの拍子で入ってしまったのかも。」
「どこだ!どこにいった!でてこい!イナン!」
健斗は、低い声で、俺たちを、探している。

「まさか、地球人のなかに、入れてしまうなんて」
「イナンさん、健斗は、ちゃんともとに、戻りますか?」
「やってみます」
彼女だけ、バリアから、出ると、
「私にようなのでしょ?相手するわよ?健斗くん」
「おまえのちからが、ほしい」
「私の力?あなたに、うばうことなんて、できないわよ」
「何でもいい!おまえを恨んでいる!!」
「あなたを、操っているのは、だれなの?」
「それも、わからないのか。少なくともこの、人間は、お前を信頼してないけどな」
「なに話してるんだろ」
「イナンさんが危ないのに、俺たちなにもできないのか」
「しょうがないだろ!俺たちは、普通の人間だぜ?」
「見守ることしかできないのか」
3人は、健斗に、攻められてるイナンさんが、とても心配だった。
「普通の人間でも、できることってあると思う。ほら、こういうときは、魂に呼び掛けろっていわない?」
「たしかに、ゲームの世界では、操られている人間の魂に何らかの呼び掛けはするけど・・・・・」
「ここは、地球じゃないんだろ?」
「おまえ、なんでそれを。」
「なんとなくそんな気がするだけ」
「なんとなくって」
「一か八かだ!イナンさんを助けなきゃ!」
「健斗も、だろ?」
「そうそう。」
「健斗は、ついでかよ」
バリアをなぜか、解いてしまった彼らは、
「バリアを解いてしまうなんて!危険すぎる!」
「このまま、弟が、操られたまま見てるだけしかできないなんて、俺たちには、できなくてね。」
「博己さん」
「イナンさんも、健斗も、両方を、助けたいって、思ったんです。ただ、それだけです」
「ばかな、人間。ただの人間なにができる。」
健斗は、素早く、和彦の前に来ると、首根っこをつかみ始めた。
「うっ、苦しい・・・・健斗・・・・」
「健斗やめろ!!やめるんだ。」
健斗に、さわろうとした博己にいさんは、バチッと弾かれた。
彼は、完全に、操られてしまっているみたいだ。

「なんだ。まるで、電撃が体の中にはいってるみたいだ。」
「イナン、おまえさえいなければ」
健斗の声は、まるで悪魔のような低い声になっている。
「みなさん、逃げて。彼は、私1人を狙ってます。」
「だけど、」
「きっと、体の中に、汚れたクリスタルを入れられたんだと思います。わたしたちの国ではよくあること」
「よくあるって。」
「普通の人間には、耐えられません。このままじゃ、健斗さんの命も危ないわ。」
「イナン、おとなしくわたせ。おまえの力さえあれば、こいつらに手出しはしないよ」
「あなたは、誰なの?どうしてこんなことを。でてきなさい。彼は、普通の人間よ?」
「こいつは、実験台だ。」
「実験台?」
「ひどい」
「健斗を、実験台にするなんて」
「彼の心に・・・・すこしでも、迷いが生じてくれれば・・・」
「迷い?」
「えぇ、クリスタルは、その人の心によって浄化されたり、汚れたりします。もし、まだ、本当の心が、汚されてなければ、わたしたちの声が届くはずです。あなたたちなら、それが、可能かもしれません。」
「健斗の心に届けばいいんですね?」
「どうやって、そんなことを。簡単な話じゃないですよね?」
「まだ、入れられてからそんなに時間はたってないはずです。彼の心を動かすなにかがあれば・・・・・・・」
「なんだろ?」
「こいつの、心を、読めたらいいけど、そんなミラクルできないし。」
俺たちは、うーん。と悩んだ。
だめだ!思い付かない。
「なぁ、なんか、騒がしくない?」
「ほんとだ。なんで、健斗兄さんがあんな光ってるの?」
そこに、合流したのは、武司と樹だ。
「きてはだめです。」
「健斗」
武司も樹も、ビックリだ。
人間が、あんなに光るなんて。
「何が起こってんの?説明してよ。」
「心に入った、クリスタルが、汚れているのです」
なんだか、ゲームや漫画の世界の話だ。
心にクリスタルが入るって、まさにゲームの、最初の動画にでも出てくるシーンのような・・・・・
「俺たち、普通の人間なのに・・・・。それに、ここは、現実の世界。まさか、こんなこと起こるのかなぁ?」
ゲーム好きの樹は、なぜか、興奮しているように見えるのは、気のせいか?
「彼の心に迷い・・・・彼を操るもの・・・・・」
イナンさんは、それを、ずっとかんがえている。
「イナン!お前の力がほしい」
「・・・・あなたは、どうして、彼を利用してるの?」
「すぐちかくにいたから」
そんな理由で、普通の人間を、利用したと言うの?
「狙うのは私だけで、十分じゃない。彼は、関係ないわ。いますぐ、解放してあげて!彼の命が危ないわ」
「・・・そんなの関係ない。役に立たなければ消すだけだ」
「なんだ。何を言ってるんだ。健斗のやつ。おかしくなったんじゃないか?」
ワケわからずに、いる武司は、
「健斗、何を言ってるんだ」
「・・・・!?」
「力が、弱まった?」
イナンは、感じた。
「なぜ、おまえがここにいるんだ。」
「えっ?俺?」
健斗は、武司の方を向き、
「なぜだ!」
と、問いかけている。
「いや、なぜって言われても」
「もしかして・・・いまなら」
「健斗?」
「武司さん、健斗さんの魂を呼び出すためになにか、呼び掛けてください!!彼を操る力がいまなら、弱まってきています。」
「えっ?え~っと・・・・・」
「健斗!目を覚ませ!!」
他の四人は、呼び掛けた。
「健斗!目を覚ませ!!」
「なぜ?なぜなの?」
健斗が、苦しみ始めた。
「今だわ!ジョー!彼を取り押さえて!」
「かしこまりました!」
ジョーさんが、健斗を、取り押さえた。
彼は抵抗することなく、頭を押さえている。
「なぜだ、おまえは、閉じ込めたはずだ」
そう呟いた言葉が、果たして聞こえていたのだろうか。
イナンさんは、呪文を唱えた。
そのとたん、苦しんでいた健斗の体から、あるものが出てきた。
「これが・・・・・」
そのあるものは、さきほど、健斗の体に入ったと思われるクリスタル。
「黒いな・・・・」
「しかも、バチバチ言ってる」
「触らないで!」
イナンは、叫んだ。
「・・・はい!」
思わず5人は、叫ぶ。
そして、健斗は、弱々しく倒れてしまった。
「健斗!しっかりしろ」
「・・・・・・・」
気を失ってしまった。
「大変だわ。私たちの国の病院に行かなきゃ。彼の体に、こんな力の強い汚れたクリスタルが仕込まれていたんですもの」
(普通の人間なら、すぐに死んでいるよな~)
5人は、そう思った。

    
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