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旅の終わり~別れ~
思い出話をしよう
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二人きりにしてくれるのは、嬉しいけど・・・・
「・・・・・・」
「健斗ってば、さっきから、黙っちゃって」
「き、きれいな海だねー。相変わらず」
「・・・そうね、とても、澄んでるわ。」
「・・・・」
それから、イナンと、僕は、15分くらい、黙っていた。
「なんか、変なの」
「変って、なんだよ!わるかったな!ぼくは、みんなとちがって、声高いし、子供っぽいし、どうせ、男らしくないし・・・・・」
「健斗?」
「でも、ぼくは、案外この声、気に入ってるし、好きだっていってくれる人は、たくさんいるし・・・・」
「なに、ひとりで、しゃべってるの?変って言ったのは、こうして平気でいられるってことよ?イオンとレンが結婚しちゃって、平気でいられるのは、健斗のおかげなのかなって」
「・・・・えっ?僕の?」
「健斗が、そばにいてくれたから。」
「そりゃあ、良かった。ボディーガード、勤めた甲斐あったよ。」
「・・・きれいな心の持ち主は、この海のように、澄んでいる・・・・この、海のように、透き通って見えるのよって、わたしと、イオンの二人にも、そんな心のきれいなまっすぐな人と幸せになってほしいって、お母様の口癖だったらしいわ。」
「・・・イナンのお母さん・・・・、そういえば、会ってないね」
「母は、私たちを生んですぐ、亡くなったらしいの。いまのは、わたしたちがお腹にいるときの話よ。父様は、男手ひとつで私たちを育ててくれた。もちろん、執事たちのちからは、借りているけれど・・・・、国を守ってくれたし、人々も、王様として守ってくれてる。そんな父様を、わたしは、尊敬してる」
「そっか、そんな事情あったんだ。話してくれて、ありがとう。」
「・・・健斗に、抱き締められたとき・・・、まるで母親に抱き締められてるような気持ちになったの」
「えっ?母親?」
「母親が、いたら、こんな感じなのかなって ・・・・」
「そ、そっか、そうだよね?」
(ぼくは、ドキドキしていたのに?)
「ありがとう、健斗。あなたが、私を救ってくれたの。だから、忘れない。」
「・・・・僕も、忘れないよ。」
イナンは、僕にもたれてきた。
「ど、どうしたの?」
「・・・少しだけ、こうしてて、いい?」
「う、うん。いいよ。」
ぼくは、再びイナンを抱き締めていた。
「・・・いいよな~、健斗は、ラブラブでさぁー」
「・・・昌也兄さん、どうしたの。今度は、ひがんでる?」
「別に」
「・・・・ねぇ、健斗。」
「ん?」
「・・・キスは、どうしてするのかな」
「え?えーっとそれは・・・・・」
まさか、まさか。
「・・・ったく、なにやってんだ、あの二人。」
「いーんじゃない?仲良くなったんだしさ」
博己兄さんと、昌也兄さんは、僕とイナンの様子を、影から見ていた。
そのころ、
「・・・・樹さん・・・・」
イオンさんは、どうしても、樹に渡したいものが、あったようで
「イオンさん・・・・、お世話になりました。」
「アミからの、ラブレター・・・・」
「えっ。ラブレター?」
その、手紙をもらうと、早速読み始める樹。
というか、本当に、異世界とは思えない。
それは、アミさんからの、最初で、最後のラブレター・・・・・
「~樹、ありがとう。一緒にいてくれて。わたしのわがまま、聞いてくれてありがとう~。」
「アミは、あなたといることで、残りの人生を、すごそうと思った。
「~樹と、過ごせて幸せだった~さよなら、わたしの、大好きな人・・・・~」
「あなたが、この国の人じゃないから、本当は、アミの方から、さよならをしようとしたのね」
~本当は、お別れをいいに来た~
アミを冷たく帰したときに、そう呟いていた。
~わたしは、長くないから、ひとつだけ、樹に約束してほしいの。いまの、大切な人たちと、大切なお兄さんたちと・・・・一緒に生き続けて・・・幸せを、たくさんの人に、届けてね。あなたなら、素敵な役者になれるとわたしは、信じてるよ~
・・・・あほやな、俺は。いまになって、気づくなんて・・・・俺の方が、アミに救われていたのに・・・・
アミ、ありがとう。大切な気持ち、気づかせてくれて・・・・
そのころ、
「いーよな、健斗は、イナンちゃんとうまくいっちゃうし。」
博己兄さんと、昌也兄さんのところに、和彦が、合流していた。
「なんだか、しっかり、抱き締めあっちゃってるね。やるじゃん、あいつ。」
と、博己兄さんは、にこにこしてる。
「結局、イオンさんも、結婚しちゃうし、イナンさんは、健斗と、うまくいっちゃうし。」
「・・・結局、和彦は、どっちに、気があったの?」
「・・・・どっちも、狙っていたのに・・・・」
「どっちも、狙っていたのか?」
昌也兄さんと、博己兄さんは、同時に思った。
「でも、まぁ、いい思い出だな」
「ここまで好きになっちゃったら、帰るのせつなくなるよね」
さらに、合流した、武司。
「あっ!昌也兄さん、復活してるじゃん」
「ほんと、いい思い出だなー、よし!写真に納めちゃおう!そして、記事でも書いて・・・・」
「ダメだ!」
「えっ?なんで!いいじゃん!シェアハウスに暮らす6人の不思議な旅!って、題名でさー!売れそうじゃん」
「こんなこと、誰も信じねぇよ」
「そうかなぁ~?うれそうなんだけどなー」
「なに?なんの話?」
いつのまにか、健斗が、話に入ってきている。
「憎いねー、イナンさんと、何話してたんだよ」
「えっ?えーっと」
「健斗、そこは聞き流そうよ」
「何はともあれ、明日が最後だ。」
「・・・そうだね」
「いろいろありすぎて何日たってるかわからないや。」
「本当だ。今日は、何月何日?って、つっこみたくなるね」
「明日は、イオンさんと、レンさん、二人にふさわしい、結婚式にしてあげようよ」
「そうだな。」
僕たち6人と、イナン、イオン、レンさんと過ごす、最後の1日をむかえようとしていた。
結婚式当日
「今日は、いい天気~」
けど、ずっと天気良かったな、そういえば。
「雨男の、和彦兄さんいるのに、雨が降らないなんてな」
「え~。俺のせい?」
「あーあ、今度は、和彦が、うちひしがれてる。」
「ほんまのことやもんな
無口な、樹も納得して答えた。
「そんなことないですよ。あなたたちの、心も澄んでいるから、神様が味方してくれたんですよ」
イナンの優しい言葉に、
「ありがとう、イナンちゃん!俺は、やっぱりイナンちゃんのこと好きだわー」
と、愛の告白・・・・
「・・・・・」
「バーカ!健斗、分かりやすく黙るなよ!」
「えっ?」
(しまった、はめられた)
「?」
「いいんですか?結婚式に、僕たちが参加しちゃって」
「もちろん、大歓迎です。みなさん、ぜひ、最後に参加してください」
もう、二度と会えないことを思うと、なんだかせつなくなる。
ぼくは、イナンに、呼ばれていた。
「ねぇ、イナン、いいの?結婚式の準備とかしなきゃ。なんならさ、ぼく、なにか、デザインするよ?あっ、そんな必要ないか」
「いいの。まだ、時間あるし、ちょっと休憩」
「ははっ、なんだよ、休憩って。自分のお姉さんでしょ?」
「健斗は、なんで、彼らを、お兄さんとして受け入れてるの?」
「うーん、なんでかな。一緒にいると楽しいし、家族といるみたいで楽しいし、あとね、シェアハウスのオーナーさんがね、いたんだけど、僕たちがはいってすぐ、亡くなってしまって。」
「えっ?そうなの?」
「ちゃんと、話してなかったね。その人が、いつも、言ってたから。血が繋がらなくても、家族でいようって。だから、俺たちは、家族でいようって、決めたんだ。」
「そうなんだ。じゃあ、健斗に、プレゼントあげるよ」
「えっ?なんで?なんの、プレゼント?」
「彼らと家族でいられますように....」
そう言って、イナンはペンダントを、僕の首にかけた。
「えっ?これ・・・・」
「そのペンダント、健斗に、あげる。」
「レンさんにもらった、大切なものだろ?もらえるわけないじゃん」
「貰ったなんて嘘よ。イオンと同じものがほしかったの。ただ、それだけ」
それは、レンさんに、イオンさんが、もらっていたから悔しくて・・・・とも、きこえた。
「そのペンダントを見て思い出してよ。私たちと、過ごした数日間を」
「・・・・うん・・・・」
ドキドキして、これ以上は、何も言えなくなる。
「そういえば、昨日の返事、まだ、聞いてないなぁー。健斗ってば、ずっと黙ったままだし。あっ、それと、もうひとつ聞きたいことがあったんだけど」
「えっ?」
「私が、湖で倒れたとき、わたしのこと、どうやって助けたの?」
ドキッ
「どうして、赤くなったりしたの?」
「そ、それいまさら聞く?
(言えないよぉー、言えるわけないじゃん)
「なによ。教えてくれてもいいじゃない」
「か、勘弁してよ、ほんとに」
「ふーん、じゃあわたしの質問には、答えられないって訳だ。」
「えーっと・・・・」
(どんな質問だっけ)
「キスは、どうしてするの?」
「ほら、もう、式始まるよ?急がなきゃ!」
ぼくは、ごまかした。
「ほら、いくよ」
「ほんとに、奥手と言うか、鈍感というか・・・・」
「・・・・・」
「ねぇ、健斗、こっち向いて」
「えっ?」
ぼくは、振り向いた瞬間、唇を奪われていた。
「・・・・え~っと、これは・・・・」
「こういうときは、目をつむるんじゃないの?」
「そ、そうなんだけど、いまのは、不意打ち過ぎて、忘れたというか・・・・なんというか・・・ってか、なんで?」
「・・・さぁ、なんでかな」
「か、からかわないでよ。そういうの、傷つくよ。男でも・・・・」
「それが、答えだよ」
「えっ?意味わかんないんですけど」
「知ってたよ?健斗が、必死に
わたしを、助けようとしてくれたって」
「し、知ってた?あ、あれは、人口呼吸だからね?ご、誤解しないでね」
「へぇー、そうなんだ。残念」
「そ、そうだよ」
あー、どうか、今の会話(&キス)を、誰も聞いてませんように。
「ざーんねんやな。見てしもたわ」
その、独り言が、なぜか聞こえていたかのように、にやりとする樹だった。
きみ、そんなキャラだったっけ?
「見てしもたわ。キスから、ぜんぶ。しかも、2回目ね。ラブラブやな」
ってか、なぜ、また、関西弁?
そして、いよいよ、イオンさんと、レンさんの結婚式が始まった。
地球と、変わらない。
ほんとに、異国なのか?
2次元なのか?
「おめでとう!!」
クラッカーを、ならし、盛り上げる。
「イオン、幸せになるよね?」
「うん、大丈夫だよ、きっと」
「ありがとう、みなさん。」
イオンさんは、にっこりいい笑顔だ。
僕たちは、みんなにお祝いの歌を届けた。
「最後の、プレゼントです。」
「地球で、結婚式によく歌う歌を歌います!こんなお祝いしかできないけど、」
「短い間でしたが、お世話になりました」
「このご縁、絶対わすれません。」
「僕たちから、愛を込めて・・・・・」
歌ってる最中で、涙がでてきた。
そしたら、みんなも泣きながら、歌ってた。
そして、笑ってた。
「ありがとう。いい歌だね」
「心に響く歌でした。」
じつは、武司は、ダンスを踊ったし、樹は、ピアノを弾いていたし、和彦兄さんは、カメラを構えてるし、大活躍だったんだ。
そして、別れの船が、港までやって来た
「・・・・・・」
1人寂しそうな顔をする樹に・・・・
「どうした、樹」
「なんでも、ないよ。」
そう答えたが、
「アミさん、いないね」
結婚式にも、そして、船を見送る参加者のなかにいなかった。
イナンと、イオンさんの、友人なら呼ばれていてもおかしくはない。
「やっぱり、フラれたんやないの?」
なぜか、関西弁で聞く、和彦兄さん。
「アミは、こないよ。というか、これないんや」
さっきより、悲しそうな顔になる。
「あんなこと、言っちゃったもんな~」
寂しさを、堪えようとしているようにも見える。
「・・・・・」
「なぁ、健斗、最後ぐらいイナンちゃんに、なんか言ったら?もう、これで、ほんとに、別れなんだぞ?」
和彦は、もう、イナンのことは諦めたのか、健斗に、言う。
「あ、ありがと、げ、元気で」
ササっと、和彦兄さんの後ろに隠れた
「そっけないやつだな~」
と、武司。
「おまえ、子供か?イタヅラが、ばれた子供か?」
「おまえ、さては、イナンちゃんとなんか、あったな?」
「な、ないよ」
「みなさん、お元気で」
そろそろ、出発だから、船に乗り込む僕たち。
「お元気でー!」
「ありがとう!」
「さようなら!」
口々に、別れの言葉を言う。
ぼくは、まともになにも言えずに隠れていた。
「バイバイ、健斗」
「・・・・・・」
「やっぱり、なにかあったんだね、健斗。」
「わかりやすすぎだぞ、おい」
と、昌也兄さんと、博巳兄さん。
「俺は知ってるで?イナンさんと、健斗兄さんが、キ・・・」
キスしようとしていたと、言おうとして、口を塞がれ、
「き?キってなに?」
「樹!!なんで、知ってるんだよ」
「なに?樹、イナンさんと、健斗が、何してたんだよ」
「な、なんでもないよ?」
にっこりと笑ってごまかす健斗兄さん。
「あのな、和彦兄さん・・・・」
「樹?あとで、どうなるか、わかってる?」
にこやかな、健斗兄さんの、目が怖い。
「えっと・・・いややっぱり、なにもみてませんでしたー!」
「あ!逃げた!」
樹に逃げられたけど、助かった
「いーよな、ラブラブだった人は」
「なに?昌也兄さん、まだ、引きずってるの?」
「べ、べつに、そういうわけじゃ(図星)」
「これは、絶対、いじけてるわ。うひゃひゃ、面白すぎだわ」
「博己には、なかったのかよ。心を引き付けることとか・・・」
「ミミさんと、キキさんは、只の仲じゃないとは、思っていたよ?まさか、キキさんのあんな姿を見ちゃって、でも、キキさんは、命がけで彼女を、守ろうとして・・・、結果、俺はミミさんに、怪我をさせてしまったけれど。だからこそ、ミミさんの純粋な恋が、叶ってよかったなって、素直に喜べるんだ。」
「そ、そうだよな~」
ますます、落ち込んでしまった昌也兄さんだった。
「あれ?」
「・・・・余計落ち込んじゃったね」
そんなやりとりが、続くなか
「みんな、もうすぐ、地球につくよ!」
「戻ってきたんだな、俺たち」
「やったぁー!!」
「一番喜んで、旅に出た健斗が、帰ってきて一番喜んでるよ(笑)」
「ほんと、帰ってこれないかと思ったよな」
家に帰る車のなかで僕たちは、
「そうだ。健斗、改めて聞くけど、そろそろ白状しろよな~?イナンさんとなにがあったか」
「最後まで二人でいてずるいぞ!お前だけ」
「仲良くなっちゃってさ」
「えーっと、だから、それは~」
「キスしとった」
さらっと、答える樹。
「樹!!言うなって言ったじゃん!」
「へぇ~、キスねぇ」
「ち、違うよぉ~」
(樹のやつぅ!あとで、こらしめてやる)
「やることは、やったんだ」
運転しながら、昌也兄さんが、答える。
「だから、なんていうか、」
「にかいめだったんだってさ」
「ははは、健斗、暴露されてるじゃん」
「・・・・・・」
もう、どうでもよくなってきた。
近所の人に知られるよりはいいけどさぁ~
「でも、残念だね。そこまで、したのに、一緒にいられないなんてさ。」
「だから、言ったじゃん。好きになるなよ?って。」
「仕方ないよ。世界が違う人なんだしさ。」
「でも、それ(ペンダントを指しながら)ちゃっかり、もらったんだって?」
「うん!僕の一生の宝物なんだ!」
「でさぁー、ものすご~~く、はなし、変えるるけども」
樹を見て
「そういう、樹は~どうなったのかな~?あの、女の子と。指輪、二つしちゃってるし。なんか、いみ、あるのかなぁ~?」
「そうだよ!樹」
「見送りのときも、姿、見なかったね。謝れなかったの?」
博己が、聞いた
「じゃなくて、フラれたんじゃないの?だって、彼と仲良くしてたぜ?」
「・・・・あれから、会ってないの?」
みんなから、いろいろ言われて、樹は、口を開いた。
このときの、樹の顔は、かなり、悲しそうな顔をしていた。
「その、彼女は、もう、いないんや」
「いない?いないって、どういうことだよ。」
昌也も、思わず話にはいる
「・・・・・・」
「樹?」
「・・・彼女は、亡くなったんや」
「えっ?うそ・・・・」
「えっ?ほんとに?」
真実を知ったみんなは、ビックリしている。
「うそ・・・・」
「うそやないわ。組織に狙われてた俺を、庇って撃たれた」
「じゃあ、その指輪は、もうひとつは、彼女の?」
「・・・そうや。あのとき、俺が、買ってあげた指輪や。」
樹の指には、二つ指輪がはめられている。
あのときは、買わされたって言っていたのに・・・・
「本当は、ずっと隠そうと思っていたんや。」
「・・・それじゃあ、あの夜、おまえが、いきたくないって言ったのは・・・・」
「・・・・そうや、あの日、彼女は、死んだんや。」
あの、流れてきた辛い気持ちは、切ない気持ちは・・・・樹の心だったんだ。
「樹、もしかして、俺たちが、彼女のようになってほしくなかったから、あんなこといったのか?」
昌也は、運転しながら、樹に聞いた。
「・・・そうや。大事な兄さんたちやから・・・・」
「なんで、本当のこと言わなかったんだよ!おれ、お前のこと・・・・殴っちゃったじゃないか!!」
「ごめん、みんな・・・」
「・・・人のなくなる姿を、目の当たりにしたんだ。武司、もういいだろ?許してやれるよな?」
「当たり前じゃん・・・ってか、樹ごめん。お前の心、知らなかったから・・・・」
「いいんだ。武司兄さん」
「樹は、よく耐えた。よく、頑張った!彼女のぶんも頑張ろうよ!」
「その指輪、大切にしなきゃね!」
「思い出すと、つらいけど、彼女は、最後にこういってるように思ったんや。見送るみんなの後ろに、確かにアミはいたんや。」
「~笑ってて、笑ってればいいことあるから~」
「そっか、そうだったんだ」
「彼女が、守ってくれた命、大事にしなきゃね。」
「そうそう、俺たちは、彼女のぶんまで、生きようよ!」
「ありがとう、みんな」
「よっしゃー!昌也兄さん、みんな、このまま、遊びに行こうぜ!」
「いや、それは・・・・」
みんなは、疲れているみたいだ
「あのなぁ、和彦、俺たち、ものすごく疲れてるんだ。とりあえず、帰ろうか」
「えー、帰るの?」
「帰るんですー、。
「当たり前じゃん。おれ、かえったら、すぐ寝るわ」と、樹。
「健斗は、きてくれる?」
「いや、僕も疲れたから、ひとりで、どうぞ?」
「博己兄さーん」
「ごめん、和彦、僕と昌也兄さんは、このあと明日の仕込みがあるんだ」
「えー、みんな、冷たい~」
これで、僕たちの、短かったような長かった旅は終わった。
心の宝箱にしまっておこう。
また、開くときが来るかもしれない
クリスタルが、なくても、僕たちの心は繋がっているって、わかるんだ。
楽しいとき、辛いとき、苦しいときもいつも一緒にいて、いつまでも、乗り越えていきたいって思えたんだ。
毎日みんなの心を感じながら、仕事に、うち込んでる!
今日も頑張るぞ!
終わり
「・・・・・・」
「健斗ってば、さっきから、黙っちゃって」
「き、きれいな海だねー。相変わらず」
「・・・そうね、とても、澄んでるわ。」
「・・・・」
それから、イナンと、僕は、15分くらい、黙っていた。
「なんか、変なの」
「変って、なんだよ!わるかったな!ぼくは、みんなとちがって、声高いし、子供っぽいし、どうせ、男らしくないし・・・・・」
「健斗?」
「でも、ぼくは、案外この声、気に入ってるし、好きだっていってくれる人は、たくさんいるし・・・・」
「なに、ひとりで、しゃべってるの?変って言ったのは、こうして平気でいられるってことよ?イオンとレンが結婚しちゃって、平気でいられるのは、健斗のおかげなのかなって」
「・・・・えっ?僕の?」
「健斗が、そばにいてくれたから。」
「そりゃあ、良かった。ボディーガード、勤めた甲斐あったよ。」
「・・・きれいな心の持ち主は、この海のように、澄んでいる・・・・この、海のように、透き通って見えるのよって、わたしと、イオンの二人にも、そんな心のきれいなまっすぐな人と幸せになってほしいって、お母様の口癖だったらしいわ。」
「・・・イナンのお母さん・・・・、そういえば、会ってないね」
「母は、私たちを生んですぐ、亡くなったらしいの。いまのは、わたしたちがお腹にいるときの話よ。父様は、男手ひとつで私たちを育ててくれた。もちろん、執事たちのちからは、借りているけれど・・・・、国を守ってくれたし、人々も、王様として守ってくれてる。そんな父様を、わたしは、尊敬してる」
「そっか、そんな事情あったんだ。話してくれて、ありがとう。」
「・・・健斗に、抱き締められたとき・・・、まるで母親に抱き締められてるような気持ちになったの」
「えっ?母親?」
「母親が、いたら、こんな感じなのかなって ・・・・」
「そ、そっか、そうだよね?」
(ぼくは、ドキドキしていたのに?)
「ありがとう、健斗。あなたが、私を救ってくれたの。だから、忘れない。」
「・・・・僕も、忘れないよ。」
イナンは、僕にもたれてきた。
「ど、どうしたの?」
「・・・少しだけ、こうしてて、いい?」
「う、うん。いいよ。」
ぼくは、再びイナンを抱き締めていた。
「・・・いいよな~、健斗は、ラブラブでさぁー」
「・・・昌也兄さん、どうしたの。今度は、ひがんでる?」
「別に」
「・・・・ねぇ、健斗。」
「ん?」
「・・・キスは、どうしてするのかな」
「え?えーっとそれは・・・・・」
まさか、まさか。
「・・・ったく、なにやってんだ、あの二人。」
「いーんじゃない?仲良くなったんだしさ」
博己兄さんと、昌也兄さんは、僕とイナンの様子を、影から見ていた。
そのころ、
「・・・・樹さん・・・・」
イオンさんは、どうしても、樹に渡したいものが、あったようで
「イオンさん・・・・、お世話になりました。」
「アミからの、ラブレター・・・・」
「えっ。ラブレター?」
その、手紙をもらうと、早速読み始める樹。
というか、本当に、異世界とは思えない。
それは、アミさんからの、最初で、最後のラブレター・・・・・
「~樹、ありがとう。一緒にいてくれて。わたしのわがまま、聞いてくれてありがとう~。」
「アミは、あなたといることで、残りの人生を、すごそうと思った。
「~樹と、過ごせて幸せだった~さよなら、わたしの、大好きな人・・・・~」
「あなたが、この国の人じゃないから、本当は、アミの方から、さよならをしようとしたのね」
~本当は、お別れをいいに来た~
アミを冷たく帰したときに、そう呟いていた。
~わたしは、長くないから、ひとつだけ、樹に約束してほしいの。いまの、大切な人たちと、大切なお兄さんたちと・・・・一緒に生き続けて・・・幸せを、たくさんの人に、届けてね。あなたなら、素敵な役者になれるとわたしは、信じてるよ~
・・・・あほやな、俺は。いまになって、気づくなんて・・・・俺の方が、アミに救われていたのに・・・・
アミ、ありがとう。大切な気持ち、気づかせてくれて・・・・
そのころ、
「いーよな、健斗は、イナンちゃんとうまくいっちゃうし。」
博己兄さんと、昌也兄さんのところに、和彦が、合流していた。
「なんだか、しっかり、抱き締めあっちゃってるね。やるじゃん、あいつ。」
と、博己兄さんは、にこにこしてる。
「結局、イオンさんも、結婚しちゃうし、イナンさんは、健斗と、うまくいっちゃうし。」
「・・・結局、和彦は、どっちに、気があったの?」
「・・・・どっちも、狙っていたのに・・・・」
「どっちも、狙っていたのか?」
昌也兄さんと、博己兄さんは、同時に思った。
「でも、まぁ、いい思い出だな」
「ここまで好きになっちゃったら、帰るのせつなくなるよね」
さらに、合流した、武司。
「あっ!昌也兄さん、復活してるじゃん」
「ほんと、いい思い出だなー、よし!写真に納めちゃおう!そして、記事でも書いて・・・・」
「ダメだ!」
「えっ?なんで!いいじゃん!シェアハウスに暮らす6人の不思議な旅!って、題名でさー!売れそうじゃん」
「こんなこと、誰も信じねぇよ」
「そうかなぁ~?うれそうなんだけどなー」
「なに?なんの話?」
いつのまにか、健斗が、話に入ってきている。
「憎いねー、イナンさんと、何話してたんだよ」
「えっ?えーっと」
「健斗、そこは聞き流そうよ」
「何はともあれ、明日が最後だ。」
「・・・そうだね」
「いろいろありすぎて何日たってるかわからないや。」
「本当だ。今日は、何月何日?って、つっこみたくなるね」
「明日は、イオンさんと、レンさん、二人にふさわしい、結婚式にしてあげようよ」
「そうだな。」
僕たち6人と、イナン、イオン、レンさんと過ごす、最後の1日をむかえようとしていた。
結婚式当日
「今日は、いい天気~」
けど、ずっと天気良かったな、そういえば。
「雨男の、和彦兄さんいるのに、雨が降らないなんてな」
「え~。俺のせい?」
「あーあ、今度は、和彦が、うちひしがれてる。」
「ほんまのことやもんな
無口な、樹も納得して答えた。
「そんなことないですよ。あなたたちの、心も澄んでいるから、神様が味方してくれたんですよ」
イナンの優しい言葉に、
「ありがとう、イナンちゃん!俺は、やっぱりイナンちゃんのこと好きだわー」
と、愛の告白・・・・
「・・・・・」
「バーカ!健斗、分かりやすく黙るなよ!」
「えっ?」
(しまった、はめられた)
「?」
「いいんですか?結婚式に、僕たちが参加しちゃって」
「もちろん、大歓迎です。みなさん、ぜひ、最後に参加してください」
もう、二度と会えないことを思うと、なんだかせつなくなる。
ぼくは、イナンに、呼ばれていた。
「ねぇ、イナン、いいの?結婚式の準備とかしなきゃ。なんならさ、ぼく、なにか、デザインするよ?あっ、そんな必要ないか」
「いいの。まだ、時間あるし、ちょっと休憩」
「ははっ、なんだよ、休憩って。自分のお姉さんでしょ?」
「健斗は、なんで、彼らを、お兄さんとして受け入れてるの?」
「うーん、なんでかな。一緒にいると楽しいし、家族といるみたいで楽しいし、あとね、シェアハウスのオーナーさんがね、いたんだけど、僕たちがはいってすぐ、亡くなってしまって。」
「えっ?そうなの?」
「ちゃんと、話してなかったね。その人が、いつも、言ってたから。血が繋がらなくても、家族でいようって。だから、俺たちは、家族でいようって、決めたんだ。」
「そうなんだ。じゃあ、健斗に、プレゼントあげるよ」
「えっ?なんで?なんの、プレゼント?」
「彼らと家族でいられますように....」
そう言って、イナンはペンダントを、僕の首にかけた。
「えっ?これ・・・・」
「そのペンダント、健斗に、あげる。」
「レンさんにもらった、大切なものだろ?もらえるわけないじゃん」
「貰ったなんて嘘よ。イオンと同じものがほしかったの。ただ、それだけ」
それは、レンさんに、イオンさんが、もらっていたから悔しくて・・・・とも、きこえた。
「そのペンダントを見て思い出してよ。私たちと、過ごした数日間を」
「・・・・うん・・・・」
ドキドキして、これ以上は、何も言えなくなる。
「そういえば、昨日の返事、まだ、聞いてないなぁー。健斗ってば、ずっと黙ったままだし。あっ、それと、もうひとつ聞きたいことがあったんだけど」
「えっ?」
「私が、湖で倒れたとき、わたしのこと、どうやって助けたの?」
ドキッ
「どうして、赤くなったりしたの?」
「そ、それいまさら聞く?
(言えないよぉー、言えるわけないじゃん)
「なによ。教えてくれてもいいじゃない」
「か、勘弁してよ、ほんとに」
「ふーん、じゃあわたしの質問には、答えられないって訳だ。」
「えーっと・・・・」
(どんな質問だっけ)
「キスは、どうしてするの?」
「ほら、もう、式始まるよ?急がなきゃ!」
ぼくは、ごまかした。
「ほら、いくよ」
「ほんとに、奥手と言うか、鈍感というか・・・・」
「・・・・・」
「ねぇ、健斗、こっち向いて」
「えっ?」
ぼくは、振り向いた瞬間、唇を奪われていた。
「・・・・え~っと、これは・・・・」
「こういうときは、目をつむるんじゃないの?」
「そ、そうなんだけど、いまのは、不意打ち過ぎて、忘れたというか・・・・なんというか・・・ってか、なんで?」
「・・・さぁ、なんでかな」
「か、からかわないでよ。そういうの、傷つくよ。男でも・・・・」
「それが、答えだよ」
「えっ?意味わかんないんですけど」
「知ってたよ?健斗が、必死に
わたしを、助けようとしてくれたって」
「し、知ってた?あ、あれは、人口呼吸だからね?ご、誤解しないでね」
「へぇー、そうなんだ。残念」
「そ、そうだよ」
あー、どうか、今の会話(&キス)を、誰も聞いてませんように。
「ざーんねんやな。見てしもたわ」
その、独り言が、なぜか聞こえていたかのように、にやりとする樹だった。
きみ、そんなキャラだったっけ?
「見てしもたわ。キスから、ぜんぶ。しかも、2回目ね。ラブラブやな」
ってか、なぜ、また、関西弁?
そして、いよいよ、イオンさんと、レンさんの結婚式が始まった。
地球と、変わらない。
ほんとに、異国なのか?
2次元なのか?
「おめでとう!!」
クラッカーを、ならし、盛り上げる。
「イオン、幸せになるよね?」
「うん、大丈夫だよ、きっと」
「ありがとう、みなさん。」
イオンさんは、にっこりいい笑顔だ。
僕たちは、みんなにお祝いの歌を届けた。
「最後の、プレゼントです。」
「地球で、結婚式によく歌う歌を歌います!こんなお祝いしかできないけど、」
「短い間でしたが、お世話になりました」
「このご縁、絶対わすれません。」
「僕たちから、愛を込めて・・・・・」
歌ってる最中で、涙がでてきた。
そしたら、みんなも泣きながら、歌ってた。
そして、笑ってた。
「ありがとう。いい歌だね」
「心に響く歌でした。」
じつは、武司は、ダンスを踊ったし、樹は、ピアノを弾いていたし、和彦兄さんは、カメラを構えてるし、大活躍だったんだ。
そして、別れの船が、港までやって来た
「・・・・・・」
1人寂しそうな顔をする樹に・・・・
「どうした、樹」
「なんでも、ないよ。」
そう答えたが、
「アミさん、いないね」
結婚式にも、そして、船を見送る参加者のなかにいなかった。
イナンと、イオンさんの、友人なら呼ばれていてもおかしくはない。
「やっぱり、フラれたんやないの?」
なぜか、関西弁で聞く、和彦兄さん。
「アミは、こないよ。というか、これないんや」
さっきより、悲しそうな顔になる。
「あんなこと、言っちゃったもんな~」
寂しさを、堪えようとしているようにも見える。
「・・・・・」
「なぁ、健斗、最後ぐらいイナンちゃんに、なんか言ったら?もう、これで、ほんとに、別れなんだぞ?」
和彦は、もう、イナンのことは諦めたのか、健斗に、言う。
「あ、ありがと、げ、元気で」
ササっと、和彦兄さんの後ろに隠れた
「そっけないやつだな~」
と、武司。
「おまえ、子供か?イタヅラが、ばれた子供か?」
「おまえ、さては、イナンちゃんとなんか、あったな?」
「な、ないよ」
「みなさん、お元気で」
そろそろ、出発だから、船に乗り込む僕たち。
「お元気でー!」
「ありがとう!」
「さようなら!」
口々に、別れの言葉を言う。
ぼくは、まともになにも言えずに隠れていた。
「バイバイ、健斗」
「・・・・・・」
「やっぱり、なにかあったんだね、健斗。」
「わかりやすすぎだぞ、おい」
と、昌也兄さんと、博巳兄さん。
「俺は知ってるで?イナンさんと、健斗兄さんが、キ・・・」
キスしようとしていたと、言おうとして、口を塞がれ、
「き?キってなに?」
「樹!!なんで、知ってるんだよ」
「なに?樹、イナンさんと、健斗が、何してたんだよ」
「な、なんでもないよ?」
にっこりと笑ってごまかす健斗兄さん。
「あのな、和彦兄さん・・・・」
「樹?あとで、どうなるか、わかってる?」
にこやかな、健斗兄さんの、目が怖い。
「えっと・・・いややっぱり、なにもみてませんでしたー!」
「あ!逃げた!」
樹に逃げられたけど、助かった
「いーよな、ラブラブだった人は」
「なに?昌也兄さん、まだ、引きずってるの?」
「べ、べつに、そういうわけじゃ(図星)」
「これは、絶対、いじけてるわ。うひゃひゃ、面白すぎだわ」
「博己には、なかったのかよ。心を引き付けることとか・・・」
「ミミさんと、キキさんは、只の仲じゃないとは、思っていたよ?まさか、キキさんのあんな姿を見ちゃって、でも、キキさんは、命がけで彼女を、守ろうとして・・・、結果、俺はミミさんに、怪我をさせてしまったけれど。だからこそ、ミミさんの純粋な恋が、叶ってよかったなって、素直に喜べるんだ。」
「そ、そうだよな~」
ますます、落ち込んでしまった昌也兄さんだった。
「あれ?」
「・・・・余計落ち込んじゃったね」
そんなやりとりが、続くなか
「みんな、もうすぐ、地球につくよ!」
「戻ってきたんだな、俺たち」
「やったぁー!!」
「一番喜んで、旅に出た健斗が、帰ってきて一番喜んでるよ(笑)」
「ほんと、帰ってこれないかと思ったよな」
家に帰る車のなかで僕たちは、
「そうだ。健斗、改めて聞くけど、そろそろ白状しろよな~?イナンさんとなにがあったか」
「最後まで二人でいてずるいぞ!お前だけ」
「仲良くなっちゃってさ」
「えーっと、だから、それは~」
「キスしとった」
さらっと、答える樹。
「樹!!言うなって言ったじゃん!」
「へぇ~、キスねぇ」
「ち、違うよぉ~」
(樹のやつぅ!あとで、こらしめてやる)
「やることは、やったんだ」
運転しながら、昌也兄さんが、答える。
「だから、なんていうか、」
「にかいめだったんだってさ」
「ははは、健斗、暴露されてるじゃん」
「・・・・・・」
もう、どうでもよくなってきた。
近所の人に知られるよりはいいけどさぁ~
「でも、残念だね。そこまで、したのに、一緒にいられないなんてさ。」
「だから、言ったじゃん。好きになるなよ?って。」
「仕方ないよ。世界が違う人なんだしさ。」
「でも、それ(ペンダントを指しながら)ちゃっかり、もらったんだって?」
「うん!僕の一生の宝物なんだ!」
「でさぁー、ものすご~~く、はなし、変えるるけども」
樹を見て
「そういう、樹は~どうなったのかな~?あの、女の子と。指輪、二つしちゃってるし。なんか、いみ、あるのかなぁ~?」
「そうだよ!樹」
「見送りのときも、姿、見なかったね。謝れなかったの?」
博己が、聞いた
「じゃなくて、フラれたんじゃないの?だって、彼と仲良くしてたぜ?」
「・・・・あれから、会ってないの?」
みんなから、いろいろ言われて、樹は、口を開いた。
このときの、樹の顔は、かなり、悲しそうな顔をしていた。
「その、彼女は、もう、いないんや」
「いない?いないって、どういうことだよ。」
昌也も、思わず話にはいる
「・・・・・・」
「樹?」
「・・・彼女は、亡くなったんや」
「えっ?うそ・・・・」
「えっ?ほんとに?」
真実を知ったみんなは、ビックリしている。
「うそ・・・・」
「うそやないわ。組織に狙われてた俺を、庇って撃たれた」
「じゃあ、その指輪は、もうひとつは、彼女の?」
「・・・そうや。あのとき、俺が、買ってあげた指輪や。」
樹の指には、二つ指輪がはめられている。
あのときは、買わされたって言っていたのに・・・・
「本当は、ずっと隠そうと思っていたんや。」
「・・・それじゃあ、あの夜、おまえが、いきたくないって言ったのは・・・・」
「・・・・そうや、あの日、彼女は、死んだんや。」
あの、流れてきた辛い気持ちは、切ない気持ちは・・・・樹の心だったんだ。
「樹、もしかして、俺たちが、彼女のようになってほしくなかったから、あんなこといったのか?」
昌也は、運転しながら、樹に聞いた。
「・・・そうや。大事な兄さんたちやから・・・・」
「なんで、本当のこと言わなかったんだよ!おれ、お前のこと・・・・殴っちゃったじゃないか!!」
「ごめん、みんな・・・」
「・・・人のなくなる姿を、目の当たりにしたんだ。武司、もういいだろ?許してやれるよな?」
「当たり前じゃん・・・ってか、樹ごめん。お前の心、知らなかったから・・・・」
「いいんだ。武司兄さん」
「樹は、よく耐えた。よく、頑張った!彼女のぶんも頑張ろうよ!」
「その指輪、大切にしなきゃね!」
「思い出すと、つらいけど、彼女は、最後にこういってるように思ったんや。見送るみんなの後ろに、確かにアミはいたんや。」
「~笑ってて、笑ってればいいことあるから~」
「そっか、そうだったんだ」
「彼女が、守ってくれた命、大事にしなきゃね。」
「そうそう、俺たちは、彼女のぶんまで、生きようよ!」
「ありがとう、みんな」
「よっしゃー!昌也兄さん、みんな、このまま、遊びに行こうぜ!」
「いや、それは・・・・」
みんなは、疲れているみたいだ
「あのなぁ、和彦、俺たち、ものすごく疲れてるんだ。とりあえず、帰ろうか」
「えー、帰るの?」
「帰るんですー、。
「当たり前じゃん。おれ、かえったら、すぐ寝るわ」と、樹。
「健斗は、きてくれる?」
「いや、僕も疲れたから、ひとりで、どうぞ?」
「博己兄さーん」
「ごめん、和彦、僕と昌也兄さんは、このあと明日の仕込みがあるんだ」
「えー、みんな、冷たい~」
これで、僕たちの、短かったような長かった旅は終わった。
心の宝箱にしまっておこう。
また、開くときが来るかもしれない
クリスタルが、なくても、僕たちの心は繋がっているって、わかるんだ。
楽しいとき、辛いとき、苦しいときもいつも一緒にいて、いつまでも、乗り越えていきたいって思えたんだ。
毎日みんなの心を感じながら、仕事に、うち込んでる!
今日も頑張るぞ!
終わり
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