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組織との戦い
最後の対決
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「・・・・・・」
みんなの心が、1つになって流れ込んできた気がしたんだ。
~イナンを、守ってやれよ!おまえしか、いない!~
そう言っているかのように・・・・
「それにしてもさ、また、広い城だよね?」
僕は、イナンの様子に、気づいていなかった
「・・・・・~~」
「ねぇ、イナン?さっきから、黙っちゃってるけど、大丈夫?また、調子おかしいんじゃないの?」
「・・・・健斗・・・こわい・・・・」
イナンは、急に、僕に、抱きついてきた
「ど、どうしたの?イナン....」
「・・・健斗・・・、死んでくれる?」
イナンの声じゃない。
それどころか、僕を、握りしめるように抱き締めた。
「・・・・イナン・・・苦しいよ・・・・どうしたんだ」
そして、僕の首を絞め始め、
「い・・・ナン」
「あなたは、ここで、わたしと共に、死ぬのよ。仲間のもとへいけないのよ?残念ね。」
「・・やめて!」
僕は、イナンから離れた。
「ゴホゴホ、イナン!どうしたんだよ!」
「わたしに、殺されるなんて、ほんとは、嬉しいんでしょ?」
イナンは、いつのまにか、ナイフを僕に向けて
「イナン!君は、イナンじゃないね。」
あのときの僕と同じで、誰かに操られてる?
心を誰かに・・・・
「目を覚ましてよ!イナン!」
「どうして、にげるの?あなたは、逃げられないわよ」
「イナン!どうしたんだよ!目を覚まして!僕だよ?健斗だよ?レンさんを助けに来たんでしょ?一緒に、帰るんだよね?みんなで、一緒に、帰るって、約束したよね?」
イナンは、さらに、ナイフを振り回している。
「お前が、死なないなら、わたしが、死ぬわ」
イナンは、自分に、刃を向けて、刺そうとしている!
「やめろよ、イナン!レンさんに、気持ち、伝えるんでしょ?死んだら意味がないよ?」
僕は、寸前で、それを止めて、イナンを抱き締めた。
「な、何をする!」
イナンのナイフが、僕の肩に当たって痛かった。
けど、かまわない。
イナンが戻るなら!
「イナン!聞こえる?僕の声?」
イナン、戻ってきて!
僕は、強く願った。
~イナン、僕だよ?健斗だよ?目を覚まして~
~・・・・・~
~君がもとに戻るまで、離さないよ~
僕は、イナンを、抱き締め続けた。
~・・・誰?誰なの?わたしを呼んでくれるのは~
「君を守るのが、僕の使命だ!絶対離さないよ!」
~やさしい声・・・・~
~君は、一人じゃないよ?君の声が、あのとき聞こえたから・・・・・
イナンは、涙を流した。
「君は、一人じゃないよ?僕がそばにいる!僕が、死んだって守るよ?守ってみせる!」
だから、戻ってきて!お願い!!
~この、やさしい声は・・・・やさしい手は・・・・・
「・・・・・健斗・・・?」
「イナン?」
ガッシャーン
ナイフを、落とすイナン。
「イナン、戻ってきたんだね?」
「健斗、ありがとう。健斗の声が、聞こえたよ?」
ガッシャーン
クリスタルが、割れる音がした。
「なに!」
ルキアが、持っていたクリスタルが、見事に割れた。
健斗を、操っていたのだろうか?
あのときと同じで、汚れているのか、黒い・・・・。
「どうやら、勝負は、健斗の勝ち、そして、俺たちの勝ちだな」
「あぁ、健斗は、イナンさんを守ったんだ。ボディーガードの役目を、ちゃんと果たしたんだ」
「健斗の、彼女を、思う気持ちが、届いたってことだよな」
「それだけ、二人の絆が、強かったんだ。」
「健斗、怪我してる。まさか、わたしのせいで・・・・」
「大丈夫だよ?こんなのかすり傷だよ?それよりも、いなんが、無事で、ほんと、良かった。」
「どうして、わたしを責めないの?貴方を、殺そうとしたのに。」
「イナン、言ってたよね?心と心が繋がっていれば、声が聞こえるって。どうしてさっき、イナンのもとへ、戻ったか、まだ、答えてなかったよね?」
「えっ?」
「僕が、うなされてた夢で、助けてって、言ってた女の子が、いるんだ。その女の子は、イナンに似てた。それとね、僕は、イナンのボディーガードだよ?さいごまで守るって何度もいってるでしょ?僕は、イナンを信じてるから。だから、イナンも僕のこと信じてよ」
「信じる!信じるわ」
イナンはまた、僕に抱きついてきた。
「ありがとう、健斗、貴方の声が聞こえたから戻ってこれたの」
「行こう、イナン。みんなが待ってるところへ!」
「えぇ、行きましょう」
僕とイナンの間に、もう、喧嘩はなかった。
二人がみているのは、ただ、ひとつ。
大事な仲間がいる場所へ向かうことだった。
「二人の絆にあんたは、勝てないんだ」
「彼らの言う通りだ、ルキア」
「迷いがあった、イナンの心を、取り払ったのは紛れもなく、健斗さんだった」
「ここ?イナン」
「えぇ、ここよ。やっと感じたの」
イオンと、レンの心、やっと、感じることができた・・・・・
この扉の向こうに、僕たちの大切な仲間がいる
「行くよ?イナン」
扉を開けた。
「健斗、イナンさん、無事だったんだね」
「二人とも無事で良かった。」
「健斗兄さん!おかえりー!」
みんなが、僕たちのもとへよってきた。
「イナン!!」
イオンさんは、イナンさんの手を取り、
「イナン・・・・無事で良かった・・・・・」
「イオン・・・やだ、泣かないでよ・・・・」
二人は、涙を流して再会を喜んでいる。
「まだ、終わっていない」
ルキアは、さらに、怒りをましている。
「ルキア・・・・」
二人は、ルキアをみている
「貴方たち二人さえいなければ・・・・!あんたたち二人を許さない」
割れたクリスタルに、力を込めようとしている
「やめろよ!もう、無駄だ。あんたのクリスタルは、もう、力を失っている」
「さっき、われたから、もう力を失っている。力は、使えないはずだよ?」
「いーかげん、あきらめなって。」
「健斗、お前の中に、まだ、クリスタルはあるはず」
「えっ?僕の中に?」
「6人全員のが、ほしかったけど、あんたのぶんだけでも、渡しなさいよ!」
「ど、どうやってわたすんだよ」
「何が、仲間よ。何が団結よ!何が絆よ!そんなものいらないから、渡せ!」
「と、いわれましても、こわいんですけど~」
「部下も手下もいらないわ!ほしいのは、クリスタルだけなの!だから!渡しなさいよ!」
「なんで、そんな生き方しかできないんだよ!」
「だって、クリスタルさえあれば、レンは、レンは・・・・」
「ルキア、もうやめよう。彼らの中に入ったクリスタルは、こうしてわたしのもとへ戻ってきたんだ。不思議なことに、浄化されてね」
「えっ?浄化されて?」
「貴方たちの、仲間を思う気持ち、誰かを大切に思う気持ちに、クリスタルは、反応したんだよ、きっと」
「・・・・・」
「ルキア、わたしは、もう、このようなクリスタルを、作らないよ。かえって人を、不幸にしてしまう。幸せを、奪ってしまう。」
「何よ!なによ!」
「彼らに返すとしよう。」
そして、レンさんの呪文によって、クリスタルは、ぼくたちの心へと戻されたみたいなんだ。
「・・・・・・」
僕は、僕たちは、ルキアさんのあるものをみた。
警察みたいな?人たちに、連行されるときに・・・・
光るものを・・・・
「えっ?あれは、涙?」
「健斗兄さん、気づいた?」
そう、彼女は、泣いていたんだ。
彼女も、きっと一人の女。
恋する一人の女の子。
「きっと、寂しかったんだ」
「お前、あいつに殺されかけたのに」
「どんなに思っても、届かないなんて、なんか気の毒でさ。地球人の恋に似てるなって思っちゃった」
「それって、同情?」
「違うよ」
「えっ?まさか、愛情?」
「んなわけないでしょ?わかんない人だな~」
「やさしいですね、健斗さんは。」
「い、イオンさんに言われると照れるかも。」
「健斗、言ってることおかしいぞ?でも、彼女にも現れるといいね!大切な誰か。」
「えっ?博巳兄さん、健斗の味方?」
「俺もわかるわ。さっきの彼女の涙に嘘は、感じられやんかった。」
「俺たちを、いつでも殺せたはずだ。手下を使わなくても」
「本当は、心のなかでやめたくて仕方なかった。レン、貴方が彼女の相手をしなかったから。
「えっ?わたしの・・・・せい?」
自覚をしていないようだ。
「レンのことを、閉じ込めたのは、ずっとそばにいたかったから。彼女を、止められるのは貴方しかいなかったの。」
「イナン、それって、どういうこと?」
「あなたが、操られていたとき、武司さんをみて、一度だけ怯んでた。それは、武司さんが、レンに似ていたから。それと、レンは、ルキアの元婚約者なの。」
「なるほど~」
「私たちの力がないからと一方的に断ったのもあるけど、彼女は、本気でレンのこと好きだったのね。憎しみと嫉妬が、彼女の心を占領したの」
「うわー、女の嫉妬はこえーな。」
「ルキアって人の嫉妬で、こんな巻き込まれ方するなんてな」
「でも、みんな、無事でほんと、良かった。怪我もせずにさ」
「帰りましょう、みなさん。私たちの家へ」
「事件は、解決だね!」
でも、それはイナンと・・・・、イオンさんたちとの別れを意味する・・・・
イナンにとって、僕は、ただのボディーガードにしかなれなかったのかなぁ?
そして、無事に城に戻ってきた僕たちに驚きの知らせをした、イナンと、イオンさん。
「元の世界に、帰れますか?」
「約束通り、帰る方法は見つけたよ。」
と、王様は、正也兄さんに、報告してくれた。
「みなさんに、話しておきたいことがあります」
改めてお別れの食事会で、
「もぐもぐ(なになに?)」
「武司・・・・食べてからはなそうか。」
呆れる博巳兄さん。
「実は、イオンとレンは明日、結婚します」
「へっ?」
食べるのを忘れる武司と、
「ゴクン」
驚きすぎて飲み込んでしまった僕と、
「マジ・・・・ですか?」
と、同時発言の博巳兄さんと、和彦兄さんと、
「う、うそだろ」
1テンポ驚きが遅れた昌也兄さんと、
「・・・・・・・・」
驚きすぎて言葉を発することができない樹。
6人6様の、驚き方だ。
「まさか、結婚決まってるなんて・・・・」
「聞いてないよ」
「そうだ。昌也兄さん、一緒にきてくれる?」
「ずるい!なに?」
「ごめん。昌也兄さんだけね」
「えー?昌也兄さん限定?」
「昌也兄さんには、報告することあるから」
「ふーん、そっかぁー、行ってらっしゃい!」
あっさり、諦める和彦だった。
「昌也兄さん、まだ、気づいてなかったんだ」
と、和彦がいうと、
「えっ?うそ、まじ?」
「あー、あれは気づかないよ~普通」
なんのことか、わからず博巳についていく昌也だが、
「ミミさん、無事に退院したって、知ってるよね」
「いい報告ってまさか、おまえ、ミミさんと」
「いいから、ついてきてよ」
「おまえミミさんと、密会を・・・・」
「じゃあ、俺からも質問しようかなぁー
昌也兄さんは、キキさんを、どう思ってるの?」
「えっ?」
なんか、赤くなってるし、ひとのこと言えない状況だ。
「俺、じゃなくて、おまえがー」
「キキさんだけは、やめたほうがいいと思う。うん。俺が言うのもなんだけど、お勧めしないかな。」
「なんで?俺はキキさんの方が・・・・って、なんでおまえが、そんなこと言うんだよ!こないだから、キキさんを、わかってるような発言!」
「うーん、たぶん、ショックを、受けるから、かな」
なぜだか、にっこり笑う博巳。ちょっと不気味だ。ま
「いいから!病室ついたよ?」
「な、なんだよその、よくわからん笑顔。
「こんにちは~」
ドアをノックし、挨拶する二人。
「昌也さん、博巳さん」」
「お二人元気そうで・・・・良かった、無事で。あっ、しかも、ちゃっかりて、繋いで・・・・仲良いんですね」
二人は、にっこり笑って、その手を離そうとしなかった。
「ミミさんには、もう、決めた人、いるんだよね?」
博巳が、ミミさんに、言う。
「っていうか、うちの博巳が、なんか、変なこと言いませんでした?・・・えっ?決めた人がいる?」
「はい。」
「・・・・決めた人って?」
なぜか、ドキドキしている昌也兄さん。
「よかったね、ミミさん、恋がかなって。僕は君たちがうまくいくって、信じてたよ」
「えっ?なに?博己、何いってるんだよ」
「ミミの、恋人は、このわたし、キキよ。」
「えっ?うそ?レズなんですか?」
「あんた、俺が男って、気がつかなかったんだ。」
「えっ?キキさんが、男?」
当然、パニクる昌也兄さん。
「あれ?言わなかったっけ?」
「いや、あの、誰も聞いてなかったんですけど・・・」
必死に、フォローする博己兄さん。
ガーーーン
昌也兄さんは、ハンマーで、殴られた気持ちになっているようだ。
「大丈夫ですか?」
「心配しないで。気づくの遅いの、この人だけだし・・・・」
「博己さんは、なぜ、わかったんだ?おれが、男って、いつ気づいたの?」
「・・・じつは、ミミさんへの発言と、あと、たまたまあなたが、堂々と着替えてる姿をみてしまって・・・・・見ないつもりでいたんですけど・・・・ごめんなさい・」・・
でも、それでわかったんだ。
ミミさんの好きな人が、キキさんだと言うことと、そして、二人は、強い絆で結ばれていたって。心と心が繋がっていたからこそ、ミミさんが元に戻ったってこと。
「博己さん、ありがとう。そして、昌也さんも、ありがとう。あなたたちのお陰で、ミミと幸せになれそうです」
「それは、よかったね、お幸せに」
博己は、しっかりと二人を祝福しているのに対して
「き、キキさんが、男・・・・おれは、男に・・・・・・」
魂が抜けたように、放心状態の昌也兄さんだった。
「ねー?博己兄さん、昌也兄さん、なんかあったの?」
和彦が、放心状態の、昌也兄さんをみて、心配している。
「あ~、ちょっとショックで、うちひしがれてるだけだから、放っておいてあげて」
そう、あとで、聞いたら驚いた。
まさか、キキさんがって。
でも、昌也兄さんほどは、驚かず、祝福できたんだ。
刻々と、近づいていくイナンたちとの別れ・・・・・・
でも、みんなは、気を使ったのか、僕とイナンを二人きりにしてくれたんだ。
みんなの心が、1つになって流れ込んできた気がしたんだ。
~イナンを、守ってやれよ!おまえしか、いない!~
そう言っているかのように・・・・
「それにしてもさ、また、広い城だよね?」
僕は、イナンの様子に、気づいていなかった
「・・・・・~~」
「ねぇ、イナン?さっきから、黙っちゃってるけど、大丈夫?また、調子おかしいんじゃないの?」
「・・・・健斗・・・こわい・・・・」
イナンは、急に、僕に、抱きついてきた
「ど、どうしたの?イナン....」
「・・・健斗・・・、死んでくれる?」
イナンの声じゃない。
それどころか、僕を、握りしめるように抱き締めた。
「・・・・イナン・・・苦しいよ・・・・どうしたんだ」
そして、僕の首を絞め始め、
「い・・・ナン」
「あなたは、ここで、わたしと共に、死ぬのよ。仲間のもとへいけないのよ?残念ね。」
「・・やめて!」
僕は、イナンから離れた。
「ゴホゴホ、イナン!どうしたんだよ!」
「わたしに、殺されるなんて、ほんとは、嬉しいんでしょ?」
イナンは、いつのまにか、ナイフを僕に向けて
「イナン!君は、イナンじゃないね。」
あのときの僕と同じで、誰かに操られてる?
心を誰かに・・・・
「目を覚ましてよ!イナン!」
「どうして、にげるの?あなたは、逃げられないわよ」
「イナン!どうしたんだよ!目を覚まして!僕だよ?健斗だよ?レンさんを助けに来たんでしょ?一緒に、帰るんだよね?みんなで、一緒に、帰るって、約束したよね?」
イナンは、さらに、ナイフを振り回している。
「お前が、死なないなら、わたしが、死ぬわ」
イナンは、自分に、刃を向けて、刺そうとしている!
「やめろよ、イナン!レンさんに、気持ち、伝えるんでしょ?死んだら意味がないよ?」
僕は、寸前で、それを止めて、イナンを抱き締めた。
「な、何をする!」
イナンのナイフが、僕の肩に当たって痛かった。
けど、かまわない。
イナンが戻るなら!
「イナン!聞こえる?僕の声?」
イナン、戻ってきて!
僕は、強く願った。
~イナン、僕だよ?健斗だよ?目を覚まして~
~・・・・・~
~君がもとに戻るまで、離さないよ~
僕は、イナンを、抱き締め続けた。
~・・・誰?誰なの?わたしを呼んでくれるのは~
「君を守るのが、僕の使命だ!絶対離さないよ!」
~やさしい声・・・・~
~君は、一人じゃないよ?君の声が、あのとき聞こえたから・・・・・
イナンは、涙を流した。
「君は、一人じゃないよ?僕がそばにいる!僕が、死んだって守るよ?守ってみせる!」
だから、戻ってきて!お願い!!
~この、やさしい声は・・・・やさしい手は・・・・・
「・・・・・健斗・・・?」
「イナン?」
ガッシャーン
ナイフを、落とすイナン。
「イナン、戻ってきたんだね?」
「健斗、ありがとう。健斗の声が、聞こえたよ?」
ガッシャーン
クリスタルが、割れる音がした。
「なに!」
ルキアが、持っていたクリスタルが、見事に割れた。
健斗を、操っていたのだろうか?
あのときと同じで、汚れているのか、黒い・・・・。
「どうやら、勝負は、健斗の勝ち、そして、俺たちの勝ちだな」
「あぁ、健斗は、イナンさんを守ったんだ。ボディーガードの役目を、ちゃんと果たしたんだ」
「健斗の、彼女を、思う気持ちが、届いたってことだよな」
「それだけ、二人の絆が、強かったんだ。」
「健斗、怪我してる。まさか、わたしのせいで・・・・」
「大丈夫だよ?こんなのかすり傷だよ?それよりも、いなんが、無事で、ほんと、良かった。」
「どうして、わたしを責めないの?貴方を、殺そうとしたのに。」
「イナン、言ってたよね?心と心が繋がっていれば、声が聞こえるって。どうしてさっき、イナンのもとへ、戻ったか、まだ、答えてなかったよね?」
「えっ?」
「僕が、うなされてた夢で、助けてって、言ってた女の子が、いるんだ。その女の子は、イナンに似てた。それとね、僕は、イナンのボディーガードだよ?さいごまで守るって何度もいってるでしょ?僕は、イナンを信じてるから。だから、イナンも僕のこと信じてよ」
「信じる!信じるわ」
イナンはまた、僕に抱きついてきた。
「ありがとう、健斗、貴方の声が聞こえたから戻ってこれたの」
「行こう、イナン。みんなが待ってるところへ!」
「えぇ、行きましょう」
僕とイナンの間に、もう、喧嘩はなかった。
二人がみているのは、ただ、ひとつ。
大事な仲間がいる場所へ向かうことだった。
「二人の絆にあんたは、勝てないんだ」
「彼らの言う通りだ、ルキア」
「迷いがあった、イナンの心を、取り払ったのは紛れもなく、健斗さんだった」
「ここ?イナン」
「えぇ、ここよ。やっと感じたの」
イオンと、レンの心、やっと、感じることができた・・・・・
この扉の向こうに、僕たちの大切な仲間がいる
「行くよ?イナン」
扉を開けた。
「健斗、イナンさん、無事だったんだね」
「二人とも無事で良かった。」
「健斗兄さん!おかえりー!」
みんなが、僕たちのもとへよってきた。
「イナン!!」
イオンさんは、イナンさんの手を取り、
「イナン・・・・無事で良かった・・・・・」
「イオン・・・やだ、泣かないでよ・・・・」
二人は、涙を流して再会を喜んでいる。
「まだ、終わっていない」
ルキアは、さらに、怒りをましている。
「ルキア・・・・」
二人は、ルキアをみている
「貴方たち二人さえいなければ・・・・!あんたたち二人を許さない」
割れたクリスタルに、力を込めようとしている
「やめろよ!もう、無駄だ。あんたのクリスタルは、もう、力を失っている」
「さっき、われたから、もう力を失っている。力は、使えないはずだよ?」
「いーかげん、あきらめなって。」
「健斗、お前の中に、まだ、クリスタルはあるはず」
「えっ?僕の中に?」
「6人全員のが、ほしかったけど、あんたのぶんだけでも、渡しなさいよ!」
「ど、どうやってわたすんだよ」
「何が、仲間よ。何が団結よ!何が絆よ!そんなものいらないから、渡せ!」
「と、いわれましても、こわいんですけど~」
「部下も手下もいらないわ!ほしいのは、クリスタルだけなの!だから!渡しなさいよ!」
「なんで、そんな生き方しかできないんだよ!」
「だって、クリスタルさえあれば、レンは、レンは・・・・」
「ルキア、もうやめよう。彼らの中に入ったクリスタルは、こうしてわたしのもとへ戻ってきたんだ。不思議なことに、浄化されてね」
「えっ?浄化されて?」
「貴方たちの、仲間を思う気持ち、誰かを大切に思う気持ちに、クリスタルは、反応したんだよ、きっと」
「・・・・・」
「ルキア、わたしは、もう、このようなクリスタルを、作らないよ。かえって人を、不幸にしてしまう。幸せを、奪ってしまう。」
「何よ!なによ!」
「彼らに返すとしよう。」
そして、レンさんの呪文によって、クリスタルは、ぼくたちの心へと戻されたみたいなんだ。
「・・・・・・」
僕は、僕たちは、ルキアさんのあるものをみた。
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「健斗兄さん、気づいた?」
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「お前、あいつに殺されかけたのに」
「どんなに思っても、届かないなんて、なんか気の毒でさ。地球人の恋に似てるなって思っちゃった」
「それって、同情?」
「違うよ」
「えっ?まさか、愛情?」
「んなわけないでしょ?わかんない人だな~」
「やさしいですね、健斗さんは。」
「い、イオンさんに言われると照れるかも。」
「健斗、言ってることおかしいぞ?でも、彼女にも現れるといいね!大切な誰か。」
「えっ?博巳兄さん、健斗の味方?」
「俺もわかるわ。さっきの彼女の涙に嘘は、感じられやんかった。」
「俺たちを、いつでも殺せたはずだ。手下を使わなくても」
「本当は、心のなかでやめたくて仕方なかった。レン、貴方が彼女の相手をしなかったから。
「えっ?わたしの・・・・せい?」
自覚をしていないようだ。
「レンのことを、閉じ込めたのは、ずっとそばにいたかったから。彼女を、止められるのは貴方しかいなかったの。」
「イナン、それって、どういうこと?」
「あなたが、操られていたとき、武司さんをみて、一度だけ怯んでた。それは、武司さんが、レンに似ていたから。それと、レンは、ルキアの元婚約者なの。」
「なるほど~」
「私たちの力がないからと一方的に断ったのもあるけど、彼女は、本気でレンのこと好きだったのね。憎しみと嫉妬が、彼女の心を占領したの」
「うわー、女の嫉妬はこえーな。」
「ルキアって人の嫉妬で、こんな巻き込まれ方するなんてな」
「でも、みんな、無事でほんと、良かった。怪我もせずにさ」
「帰りましょう、みなさん。私たちの家へ」
「事件は、解決だね!」
でも、それはイナンと・・・・、イオンさんたちとの別れを意味する・・・・
イナンにとって、僕は、ただのボディーガードにしかなれなかったのかなぁ?
そして、無事に城に戻ってきた僕たちに驚きの知らせをした、イナンと、イオンさん。
「元の世界に、帰れますか?」
「約束通り、帰る方法は見つけたよ。」
と、王様は、正也兄さんに、報告してくれた。
「みなさんに、話しておきたいことがあります」
改めてお別れの食事会で、
「もぐもぐ(なになに?)」
「武司・・・・食べてからはなそうか。」
呆れる博巳兄さん。
「実は、イオンとレンは明日、結婚します」
「へっ?」
食べるのを忘れる武司と、
「ゴクン」
驚きすぎて飲み込んでしまった僕と、
「マジ・・・・ですか?」
と、同時発言の博巳兄さんと、和彦兄さんと、
「う、うそだろ」
1テンポ驚きが遅れた昌也兄さんと、
「・・・・・・・・」
驚きすぎて言葉を発することができない樹。
6人6様の、驚き方だ。
「まさか、結婚決まってるなんて・・・・」
「聞いてないよ」
「そうだ。昌也兄さん、一緒にきてくれる?」
「ずるい!なに?」
「ごめん。昌也兄さんだけね」
「えー?昌也兄さん限定?」
「昌也兄さんには、報告することあるから」
「ふーん、そっかぁー、行ってらっしゃい!」
あっさり、諦める和彦だった。
「昌也兄さん、まだ、気づいてなかったんだ」
と、和彦がいうと、
「えっ?うそ、まじ?」
「あー、あれは気づかないよ~普通」
なんのことか、わからず博巳についていく昌也だが、
「ミミさん、無事に退院したって、知ってるよね」
「いい報告ってまさか、おまえ、ミミさんと」
「いいから、ついてきてよ」
「おまえミミさんと、密会を・・・・」
「じゃあ、俺からも質問しようかなぁー
昌也兄さんは、キキさんを、どう思ってるの?」
「えっ?」
なんか、赤くなってるし、ひとのこと言えない状況だ。
「俺、じゃなくて、おまえがー」
「キキさんだけは、やめたほうがいいと思う。うん。俺が言うのもなんだけど、お勧めしないかな。」
「なんで?俺はキキさんの方が・・・・って、なんでおまえが、そんなこと言うんだよ!こないだから、キキさんを、わかってるような発言!」
「うーん、たぶん、ショックを、受けるから、かな」
なぜだか、にっこり笑う博巳。ちょっと不気味だ。ま
「いいから!病室ついたよ?」
「な、なんだよその、よくわからん笑顔。
「こんにちは~」
ドアをノックし、挨拶する二人。
「昌也さん、博巳さん」」
「お二人元気そうで・・・・良かった、無事で。あっ、しかも、ちゃっかりて、繋いで・・・・仲良いんですね」
二人は、にっこり笑って、その手を離そうとしなかった。
「ミミさんには、もう、決めた人、いるんだよね?」
博巳が、ミミさんに、言う。
「っていうか、うちの博巳が、なんか、変なこと言いませんでした?・・・えっ?決めた人がいる?」
「はい。」
「・・・・決めた人って?」
なぜか、ドキドキしている昌也兄さん。
「よかったね、ミミさん、恋がかなって。僕は君たちがうまくいくって、信じてたよ」
「えっ?なに?博己、何いってるんだよ」
「ミミの、恋人は、このわたし、キキよ。」
「えっ?うそ?レズなんですか?」
「あんた、俺が男って、気がつかなかったんだ。」
「えっ?キキさんが、男?」
当然、パニクる昌也兄さん。
「あれ?言わなかったっけ?」
「いや、あの、誰も聞いてなかったんですけど・・・」
必死に、フォローする博己兄さん。
ガーーーン
昌也兄さんは、ハンマーで、殴られた気持ちになっているようだ。
「大丈夫ですか?」
「心配しないで。気づくの遅いの、この人だけだし・・・・」
「博己さんは、なぜ、わかったんだ?おれが、男って、いつ気づいたの?」
「・・・じつは、ミミさんへの発言と、あと、たまたまあなたが、堂々と着替えてる姿をみてしまって・・・・・見ないつもりでいたんですけど・・・・ごめんなさい・」・・
でも、それでわかったんだ。
ミミさんの好きな人が、キキさんだと言うことと、そして、二人は、強い絆で結ばれていたって。心と心が繋がっていたからこそ、ミミさんが元に戻ったってこと。
「博己さん、ありがとう。そして、昌也さんも、ありがとう。あなたたちのお陰で、ミミと幸せになれそうです」
「それは、よかったね、お幸せに」
博己は、しっかりと二人を祝福しているのに対して
「き、キキさんが、男・・・・おれは、男に・・・・・・」
魂が抜けたように、放心状態の昌也兄さんだった。
「ねー?博己兄さん、昌也兄さん、なんかあったの?」
和彦が、放心状態の、昌也兄さんをみて、心配している。
「あ~、ちょっとショックで、うちひしがれてるだけだから、放っておいてあげて」
そう、あとで、聞いたら驚いた。
まさか、キキさんがって。
でも、昌也兄さんほどは、驚かず、祝福できたんだ。
刻々と、近づいていくイナンたちとの別れ・・・・・・
でも、みんなは、気を使ったのか、僕とイナンを二人きりにしてくれたんだ。
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