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ダイエットの女神舞い降りる!

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 私はデブ・・・、私はデブ・・・。
人生は残酷だ、それがわかったところでどうしろというのか・・・

「リリー様、大丈夫です!ダイエットはデブを自覚するところからです!
 リリー様はデブを自覚されました!これからですよ!」

涙目になったリリーを見てアナが叫ぶ

「ダイエット?私に痩せろと?」
「そうです!このままでは悔しいではありませんか!」

そう言われてリリーの脳裏に昨日の屈辱が思い浮かぶ
蔑むようなマイケルの目、勝ち誇ったようなアマンダの顔、そりゃそうだという周囲の声
ふつふつと怒りがこみあげてくる

リリーはこぶしを握り叫んだ

「私やるわ!痩せてやる!痩せてあいつら全員見返してやる!」

それを聞いたアナは目を輝かせてリリーの手を握った

「リリー様、リリー様にならできます!私たちも精一杯サポートさせて頂きます!」



そうして、リリーのダイエットは開始した
あらかじめ、ダイエットに集中するため学院には休学届を出しておいた。
父に相談すると、初めは驚いた顔をしたが、
「好きにしなさい」
と言ってくれた。
心なしか父は少し嬉しそうにも見えた
マイケルとの婚約は正式に破棄されたらしい
陛下には凄く謝られた

いままでお肉中心だった食事は野菜中心に
シェフに伝えると喜んで協力してくれた
一日2時間ランニングを
家中の使用人たちが走るリリーを応援にかけつけた
さらには、いままで無頓着だった美容にも気を使った
皆が協力してくれ、特に美容好きのアナには助けられた

くじけそうな毎日だった
夢にまでステーキがでてくる
だが実際に口にできるのはサラダのみだ

そんな時は、あの日を思い出した
あの屈辱を思い出せば、どんな困難も乗り越えられた

「大丈夫、私にはできる」

努力努力の日々はついに半年間におよんでいた

「アナ、このドレス素敵じゃない?」
「リリー様ならなんでも似合いますよ、スリムですもの」
「ふふ、ありがとう」

実に30キロのダイエットに成功したリリーがそこにはいた


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