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ぷにぷにしたモノを揉みしだいてみる

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 少年が少女のものを訪れると、少女はすでに準備を始めていた。

「んっ……ふぅ……」

 手がなめらかに動く。
 そのたびに弾力のある塊が、不規則に形を変える。

「あ、あの……」
「あ、来たのね」

 おずおずと少年が声をかけると、少女は少年に気付く。
 頬が火照っていることを隠すことなく、手を動かし続ける。

「ふぅ……ふぅ……んんっ……はぁ」

 一息ついて、改めて少女は少年に話しかける。

「前回は痛い思いをさせちゃったからね。今日は痛くないことを教えてあげようと思うの」
「痛くないこと?」
「そう。とっても気持ちいいことよ」

 少女は手をどけて、先ほどまで手の中で形を変えていたものを見せる。

「これを揉むのよ」

 少女は手本を見せるように、軽く手を動かす。
 それは簡単に形を変えながらも、すぐに元の形に戻ろうとする。
 直接触れなくても、柔らかさと弾力があることが、少年には判った。

「ほら、触ってみて」
「ちょ、ちょくせつですか?」
「もちろんよ。生で触らないと、感触がよくわからないでしょう」

 少女は少年を迎え入れるように、自分で揉んでいたものをさらけ出す。
 まったく隠す様子がないことに、少年の方が恥ずかしくなる。
 しかし、待っていても少年が手を伸ばしてこないことに、少女はもどかしくなる。

「ほら、ここよ」
「わわっ」

 少女が少年の手を取って、塊に導く。
 少年の手にしっとりとしたモノが触れる。
 少年は動揺するが、それで終わりではなかった。
 少女は少年の手の上から、指を波打たせるように動かす。

「どう?」
「す、すごいです」

 経験したことのない感触に、少年が感動を覚える。
 いつの間にか少女の手は動きを止めていたが、少年の手は動き続ける。

「同じところばかりじゃダメよ。まんべんなく揉んで」

 その言葉に、少年は自分の意志で手を動かしていることに気付く。
 夢中になって揉んでいたことに顔が熱くなるが、今さら手を離すことはできない。
 少年は少女に言われるがままに、手を動かす。
 包み込むように塊に手のひらを這わせ、弾力に逆らいながら指をうずめる。

「んっ……上手よ。すみずみまでね」
「は、はい」

 谷間をなぞるように指を這わせて、塊に挟まれながら指先をもぐらせていく。

「いいわ……もっと、こねるように揉みしだいて……」

 繊細な指使いから、大胆な指使いへ。
 少女の声に導かれながら、少年の動きが変化していく。

「もっと強くしてもいいわよ。形が変わるくらい激しく揉んで!」

 少年の変化とともに、少女の声にも熱がこもっていく。
 それを繰り返しながら、二人は互いに高まっていく。

「どうですか?」
「その調子よ! そのまま続けて!」

 もはや、少女の言葉はアドバイスではない。
 ただの懇願だ。
 それに応えるために、少年もただ揉み続ける。
 手のひらが熱くなり、指が疲れていてもかまわない。
 少年は少女が満足するまで、手を動かし続ける。

「もっと! もっとよ!」

 少年の指の感覚が無くなり始めた頃、ようやく少女は満足した。

 ♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀

 少年の指の感覚が戻ってきた頃、少女が少年に話しかける。

「ふふっ、夢中になって揉んでいたわね。どうだった?」
「ぷにぷにしていて、吸い付くようで、とっても気持ちよかったです」
「そう、よかった。私も気持ちよかったわよ」

 少年が恥ずかしそうに答えると、少女は満足そうに同意する。

「けっこう大変だったんじゃない? 疲れたでしょう?」
「はい。でも、触っていると気持ちよくて、やめられませんでした」
「気に入ってもらえたようで、嬉しいわ」

 少年の感想に、少女は嬉しそうに微笑む。

「でも、場所によって揉み心地が違うんですね。ボク、初めて知りました」
「また、揉ませてあげるからね」
「何度でも揉みたいです」

 少年と少女が楽しそうに語り合う。

「……」

 これから二回目を始めそうなくらい、話が盛り上がる。

「…………」

 しかし、二回目が始まることは無かった。

「あれ? 今日はツッコミはなし?」
「見ていて、わかっていますから」

 少女が副部長に声をかけ、副部長が答える。

「今日は唐揚げを作っていて、味を染み込ませるために、揉んでいたんですよね」
「ええ。彼にムネを揉んでもらっていたの」
「ムネ肉と言ってください!」

 少年と少女の前には、山盛りの唐揚げが置かれていた。

「彼が頑張って揉んでくれたから、とっても柔らかくなったのよ。大きくはならなかったけどね」
「大きく?」
「部長! やっぱり、わざと言っているでしょう!」

 少女の言葉に、少年は首を傾げ、副部長はツッコミを入れる。
 対照的な二人の様子を眺めながら、少女は唐揚げにかじりつく。

「んっ……ジュッとしちゃった」

 あふれる汁を舌で味わい、少女が満足そうに微笑んだ。
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