たくげぶ!

みなはらつかさ

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第十五話 夏祭り!

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「やー……遊んじゃったねえ……」

「結局、なあ……」

 ほぼ手つかずの課題プリントを前に、ため息をつく一同。

「休憩に、ゲーム始めちゃダメだね、私たち」

「ですねえ……」

 再度ため息。

「明日こそ、マジでやろう! ゲーム禁止!」

「りょうかーい!」

 きいろの掛け声に、応える三人。

 そして翌日。

「おーわーったー!」

 机に突っ伏す、我らがリーダー。課題を全部終えたわけではないが、当面のノルマはこなした感じだ。

「社会、教えてくれてありがとねえ、かるかん~」

「どういたしまして~」

「きいろこそ、理科と数学教えてくれてサンキュな~」

「わたしも、先輩方に教えてもらって、助かりました~」

 気合を入れて勉強したもので、一同机に突っ伏している。ゲームをする元気もないようだ。

「明日さ、Oオー神社のお祭り行かない?」

 少し元気を取り戻し、ざらめ煎餅を頬張るきいろ。頭脳労働の後には、糖分が効く。

「あー、そういえば、時期だね~。行こ行こ」

「アタシ、お小遣い足りっかな。やっぱ、チョコバナナと焼きとうもろこし食いてえよなー」

「わたしは、りんご飴が恋しいです~」

 三人も、遊びの計画に、少し元気が出てきたようだ。

「じゃ、明日O神社にお昼ねー」

「おー!」

 少々ヘロヘロながらも、拳を突き上げる一同であった。


 ◆ ◆ ◆


「おまたせー! ちょっと、着付けに手間取っちゃって」

「おお、浴衣じゃーん。気合入ってるぅ~」

 きいろが、両手で歌留奈を指差す。

「指、差さない。行きましょ」

 境内を練り歩く一同。

「お、くじだ。特等はスイッチだって」

「やめとけ、やめとけ。こういうの、当たらねー様になってっから」

 興味津々なきいろに、にこが、小声で耳打ちする。

「そっかー。あ、射的ならそーいうのないでしょ!?」

 きいろの視界に、セキセイインコのぬいぐるみを飾った射的屋が目に入る。

「まー、そーだけど」

「ボク、これやる!」

 きいろは、セキセイインコ好きだ。今より三年前に、虹の橋を渡ってしまったが、家族で飼っていたことがあった。

 小鳥というものは、飼ってみるとその良さがわかるもので、きいろはペットロスの傷が癒えたら、また飼いたいと思っている。

 そして、肝心の射的はというと……。

「う~、もー一回!」

「予算だいじょぶ? かなり使い込んでるように見えるけど」

「勝負事は、熱くなると負けるぜ~」

 二人の指摘に、少し頭が冷える。

「う~……。悔しいけど、これぐらいにしておく。焼きそば、食べたいし」

「次は、食べ物屋台ですね!」

 まずは、りんご飴屋。

「うふふ~。お祭りならではのものですよね!」

 るう、お日様笑顔。

「次、チョコバナナか焼きとうもろこし行こうぜ~」

 めいめい、お目当ての食べ物を手にする。

「お祭りといったら、たこ焼きだよね~」

「えー、焼きそばでしょ?」

 むむむと少し睨み合い。

「一口交換!」

 と、笑顔でたこ焼きと焼きそばを、シェアする歌留奈ときいろ。

「仲がよろしいことで。るうちゃん、アタシらも一口シェアせん?」

「はひ!? は、はい……!」

 赤くなって、食べかけのりんご飴を差し出す、るう。

「あま~。じゃ、チョコバナナ一口どーぞ」

「いただきます……」

 きゃー! 大須先輩と間接キス! などと、ドキドキするるうと、それに気づかないお相手であった。

 あとは散策に費やし、人気ひとけからエネルギーをもらう一同。しかし、それも尽き。

「ふー、歩き疲れちゃった。そろそろ帰らない?」

「そだねー。私、下駄だからちょっと足が痛いし。二人は?」

「さんせー」

 というわけで、楽しいお祭巡りは、お開きとなった。

「明日はゲームする?」

「だな! 課題もだいぶ片したし」

「エクスプも作らなきゃですよね」

 Oh! という表情になるきいろ。

「すこーんと忘れてた!」

「しっかりしてよ、システム担当。百万、取るんでしょ」

「よーし、またバリバリ作っちゃうよー!」

 拳を突き上げる、我らがリーダー。それぞれの家に帰るため、バス停に向かうのであった。
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