たくげぶ!

みなはらつかさ

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第三十八話 あこがれのMTG!

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「こん~。くつろいで~」

 エアコンの冷房で弛緩しきったリーダーが、一番早くやってきた歌留奈を客間で迎える。

 「焼豚」Tシャツを着て。

「なんだかんだで、気に入ったのね、ソレ」

「なんかねー。頭悪くて好き」

 やがて、みんなもやってくるが……。

「おま、そのTシャツ卑怯!」

 爆笑するにこ。

「ふっふっふ~。今のボクは、卑怯千万ですよ~」

「オー? かっこいいじゃないですか。どうして卑怯ですか?」

 ノヴァルナ、今日は「烏賊」と書かれた変Tを着ている。

「くっ……ノヴァ子もいいセンスだね……!」

 笑いをこらえるリーダー。

「いや、みんな来たなら本題に入ろう。今日は、お父さんからMTGのカードを借りました~!」

 「おお~!」と声を上げる一同。

「万一があるといけないから、コモン低レアとランドだけだけどね。お高いカード、万とかで取引されるから」

「ひょえー。きいろのとーちゃん、どんだけ突っ込んだんだ?」

「さあ? 怖くて聞いたこと無いな」

 スリーブに入ったカードを、取り出すきいろ。

「本来は自分でデッキ山札組むのが楽しいんだけど、まずはルール説明のために、出来合いので見本戦やるね」

 きいろのルール説明が始まるが、文章で書くと複雑なので、軽く解説する。。

 カードの多くは、タップという、カードを横倒しにする行為で、攻撃や特殊能力を発動する。

 これを、ターン始めに再び立てることで、体勢を立て直す。

 カードは一度に何枚でも出せるが、マナという、ランド土地カードから得られるエネルギーが必要となる。

 二十あるライフがゼロになるか、山札がゼロになると負け。

「……というわけで、やってみよー!」

「おー!」

 各自に、ランダムにデッキセットが配られていく。そして、じゃんけん。

「アタシからかー……。えーと? アンタップ、アップキープ、ドロー。で、ランドってのを出せばいいわけか。このゴブリン置いてターンエンド」

 こんな感じでゲームは進んでいき……。

「カタン先輩に攻撃です!」

 るう、意外と好戦的。というか、コモンだらけなので、皆「ウイニー」と呼ばれる速攻デッキだらけなのだが。

「勝ったー!」

 一日の長あってか、乱戦を制したのはきいろ。

「やっぱ、経験値がモノいうな」

「みんなも、初めてにしては上手かったよ! さ、今度はお楽しみ、自分でデッキ作ってみよー!」

 わちゃわちゃとデッキを作り始める一同。

「この、青いのでやってみます」

「私は、白緑かな」

「うははー! やっぱ女は赤単よー!」

 にぎやかである。

 そして対戦。

「え、青単難しい……」

 戸惑うるう。

「慣れれば強いんだけどねー。呪文打ち消しは見極めが大事だから」

「きーちゃんに攻撃!」

「ちょ、ボク集中砲火されてない!?」

「経験者だからな。仕方ないな」

 にこにも攻撃を受け、きいろ轟沈。

「じゃー、霊界からみんなの様子を見守るとしますか。ふむふむ」

 各自の後ろに順繰りに回り、ただうなずくリーダー。マナーとして、口出しも、表情を変えることもしない。

「オー! 勝ちました!」

「おめでとー!」

 一同から拍手を受けるノヴァルナ。マナが溜まりやすい多人数戦なので、重め・・のデッキにしたのが勝利に繋がったようだ。

 そして、数戦。誰もが勝ったり、負けたりした。相変わらずきいろは、最警戒されて瞬殺されていたが。

「面白いねー、MTG!」

「でしょ? ボク、こういうシステマチックなの大好き!」

 歌留奈と微笑み合う。

「またやりたいですね!」

「うん。そのときは、お父さんにカード借りるね……っていうか、ここにあるカードは好きにしていいって言われたから、いつでもできるよ」

「ワオ!」

 ノヴァルナ、上機嫌。

「そろそろ夕方だねー。じゃ、みんなお疲れー」

「あら、もうそんな時間? 夢中になっちゃった」

「これはハマるわ。万飛ぶっての、理解」

 うんうんとうなずく、にこたち。

「じゃ、玄関まで見送るね」

「ほーい、またなー」

「お疲れ様でした」

 去っていく一同を見守るきいろ。明日もきっと、いい日だ! そう思うのであった。
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