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第三十二話 強い! 絶対に強い!

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「私はセクンダディ・クシエル! 炎の鞭で君たちを焼き滅ぼそう!」

 マニッシュなショートカットスレンダーな六枚羽根の女天使が名乗りを上げる。なんというか、男装はしてないけど非常にヅカ・・っぽい印象だ。ミニスカ状態のキトンから伸びる細い足が非常にエロい。敵じゃなかったら、かなり好みだ。果たしてどこまで伸びるのか分からない、伸縮自在の炎の鞭を振り回す。

「同じくセクンダディ・アナフィエル! クシエルともども、あなたたちを焼き滅ぼします!」

 こちらはフェミニンなウェービーロングヘア六枚羽根天使。クシエルとはコンビなようで、お揃いの炎の鞭を振り回している。

「セクンダディのドゥビエルです……。ごめんなさい! 皆殺しにしちゃいますねっ!」

 最後のお団子ヘアの幼女六枚羽根天使は、鉤爪の生えた巨大な熊のぬいぐるみを傀儡のように操り、モレク、ケモシと取っ組み合いをさせている。それは最早、怪獣大戦争といった有様である。

 セクンダディをついに三人同時に送り込んできたか。なんというか敵も味方も女だらけで、一大キャットファイト会場と化している。しかし、敵が女だろうがやることは変わらない。

「コキュートスを流るる死の江流よ! 全てを凍てつかせるその無情を以て、我が敵を砕け!」

 一瞬にしてセクンダディの三人と近くに居た天使たちが凍りつき、粉々に砕け散る。呪文一発で相手は死ぬという、至ってシンプルな効果だ。

 我ながら、自分の強さに呆れすら感じる。この力は本当にどこから来ているのだろうか。

 あとは、いつもの押せ押せモードである。ヴェイヴァルは近い。
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