カンブリアン・アクアリウム

みなはらつかさ

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第十話 女子飲み会・後編

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「おおう、油揚げというからなにかと思ったが、厚揚げじゃないか」

「福井じゃ、厚揚げイコール油揚げらしいですよ。お味噌汁に入ってるようなのは、薄揚げっていうんだそうです」

「へえ」

 さっそく、油揚げを食むらいあ。

「む! 確かに美味いな!」

「ですよね!」

 まりんも、白岳仙と油揚げを、ちびちびやる。

「おまたせしましたー! レバー、ぼんじり、黒龍です!」

「いただきまーす。うん、焼き鳥も美味しいわね」

 奏は、黒龍をきゅーっといく。

「おまたせしましたー! つくね、ねぎま、保津です!」

「きたきた! ……んー! 美味しー!」

 ご満悦なあくあ。

「いいなあ、みんなもう来て」

「すみませんね! おまたせしました! 油揚げとぬか漬けと鳴り瓢です!」

「まってました! ……ん! 美味しい!」

 ほくほく笑顔で、いただく里愛。

「ぬか漬け! その手があったか! すみません。わたしもぬか漬けと、黒龍のおかわりを」

「っしたー!」

「よく、そんなに飲めるな」

「わたし、強いのよ」

 呆れ顔のらいあに、笑顔で応える奏。

 飲み会なんて、久しぶりだから忘れてたが、強かったかなあ? と、おぼろげに思い出す。

 奏以外のメンバーは程々に抑え、談笑を楽しむ。

「おまたせしましたー! ぬか漬けと、黒龍です!」

「ありがとうございまーす。くぅ~っ、効くーっ!」

 (やれやれ、新人二人をいじってた割には、自分が一番呑兵衛じゃないか)と、呆れるらいあであった。


 ◆ ◆ ◆


「っしたー!」

 店主に頭を下げられ、店を去る五人。

「美味しかったわね~」

「ですよね! ほんと、気に入っちゃいました!」

「わたしも、贔屓にしよーっと」

 ほわほわと、酔いの残るトークを繰り広げる、里愛、まりん、奏。

「車とか、気をつけようね」

 心配で、皆……特に奏に、注意を促す里愛。

「はーい」

 上機嫌で応える奏。本当に大丈夫かなと、本気で心配になるのであった。


 ◆ ◆ ◆


 特にトラブルもなく、寮に戻ってきた一同。

「はーっ! 楽しかった! 明日は、何しよーかなーっと!」

 明日の計画を、あれこれ考えるあくあ。

「おい、そんなとこで寝たら、風邪引くぞ!」

 ソファですやすや休む奏を、揺するらいあ。

「すまん、誰か手伝ってくれ。ベッドまで運ぶ」

「じゃあ、私が」

 里愛と二人がかりで、搬送する。

「奈良先輩、あんな一面があるんだなあ」

 目を、白黒させるまりん。

「この世に、完璧超人なんていないさー。それよりまりん、明日どっかでかけない?」

「どっかって、どこに?」

「それを訊いてるんだけどな」

 流しでコップに水を汲み、飲み干すあくあ。

 ああ、こないだキッチンいじるなって言われたのに……と、止める間もなかった。まあ、流しだけなら大丈夫かな?

「ふーっ! お酒飲んだ後の水は、美味しいねえ!」

 コップを洗い、もとに戻す。

「まりんから希望がないなら、服でも見に行かない?」

「服かー。いいねー」

 せっかく入ったお給料。飲み以外でも、ちょっと贅沢に使いたい。あんな激務に耐えたんだものね!

「何の話?」

 横合いから、声が聞こえたので振り向くと、里愛が立っていた。

「あ、波部先輩。奈良先輩、大丈夫ですか?」

「うん。ちゃんと、お布団に入れてきた。らいあが、様子見てる。服がどうとか、聞こえたけど」

「明日、あくあちゃんと、服を見に行こうって話してまして」

 笑顔で答える。

「へー。私たちも、服、見に行こうかなあ。ねー、らいあー」

 再び、奏とらいあの相部屋に戻る里愛。

「じゃ、明日は二人で、ブティック行こう」

「だね」

 明日も五人で、という選択肢もなくはないが、二十歳と二十五歳では、似合う服の傾向が変わってくる。

 別々に行動した方が、いいだろうという判断。

 その後、一眠りして起きた奏は、らいあにお説教され、平身低頭モード。

 らいあも気が済んだので、五人で食卓を囲み、夕飯のエビフライ定食を美味しくいただく。

 やはり、ブティックは、新人コンビと先輩トリオ、別々に行こうという話になった。

 その後は入浴してさっぱりし、消灯時間まで、めいめいの趣味に、打ち込むのであった。
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