61 / 90
第三部 氷の異種族
第62章 スフィアとヴァレリア ☆
しおりを挟む
唇が離れるたび、スフィアは小さく息を漏らす。その吐息すら、どこか甘く、蕩けるようだった。
「……ん、っ、ああ……だめ、頭が……ぼんやりして……」
いつもは冷静であろう彼女が、目を潤ませて僕にしがみつく。氷の巫女としての理性は、すでに彼女の中で崩れかけていた。
身体は、熱を知ってしまった。それも、人間の男の──僕だけの熱を。
薄布の下に手を差し入れると、彼女の肌は驚くほど滑らかで、そして驚くほど熱かった。太ももがぴくりと震え、彼女は口元を押さえて声を漏らす。
「だめ……そんなところ、触れられたら……私、壊れちゃう……」
その“壊れちゃう”という言葉の奥に、どこか期待にも似た震えがある。彼女は恐れているのではない。本能が、奥で疼いているのだ。
僕はその太ももをじっくりと撫で、膝の裏へ指を這わせ、そしてゆっくりと下着をずらす。氷の種族である彼女の奥が、熱を帯びてとろけ始めていることに、僕は息を呑んだ。
「……あ……こんな……私、熱い……どうして、こんな……っ」
恥じらいに頬を赤らめ、腰を捩らせるスフィア。僕は彼女の太ももの間に体を沈め、柔らかく舌を這わせた。彼女の身体が跳ねる。
「や……だめ、それ、だめぇ……っ、そんなっ、舌……動かさないでぇ……っ!」
だがその言葉とは裏腹に、スフィアは僕の髪をぎゅっと握って引き寄せ、息を詰める。何度も、甘くて切ない声を漏らしながら、少しずつ少しずつ──氷の巫女の「氷」が、完全に溶けていく。
「……お願い、もう……私を、溶かして……全部、あなたの熱で……奥の奥まで……」
彼女は自ら脚を開き、僕を誘う。
誇り高い氷の巫女が、たった一人の男を受け入れるために、すべてを捧げようとしている。
僕は彼女の腰を抱き、そっと入り口にちんこをあてがった。
そして──その扉を、ゆっくりと開いた。
静寂の中、わずかに湿った吐息と肌が触れ合う音だけが響く。
薄明かりの向こう、天幕の隅に立つひとつの影があった──ヴァレリアだ。
彼女はその琥珀の瞳で、じっとこちらを見ていた。何も言わず、ただ、見つめている。
「……っ、見られてる……」
スフィアが耳元で囁く。震える声だけれど、拒む気配はない。
むしろその視線に気づいた瞬間、彼女の身体はさらに熱を増したようだった。
「構わない……今、君だけを感じてるから」
僕は彼女の奥にゆっくりと沈み込む。
その瞬間、スフィアの背が弓なりに跳ね、指先がシーツを握りしめる。
「あ、あぁっ……だ、め、深い……っ」
彼女は息を詰め、そして少しだけ横目にヴァレリアの存在を確認する。
その瞳は、羞恥と昂ぶりに濡れていた。
氷の巫女が、見られながら熱に身を委ねている。その背徳的な情景に、僕自身もさらに昂ぶる。
ゆっくりと腰を動かすたびに、スフィアは声を漏らし、敏感に震える。
「ヴァレリア……っ、見ないで……でも、見て……私、あなたの見てる前で……こんな、に……っ」
視線の先のヴァレリアは、無言のまま。だがその頬はほんのり赤く染まり、唇がわずかに震えていた。
氷の巫女と人間の男の交わりを、まるで何か神聖な儀式でも見るように──あるいは、どこか嫉妬にも似た感情を胸に秘めながら──見守っていた。
僕はスフィアの手を握り、さらに深く一体になる。
「……ん、ああっ……壊れちゃう、私……あなたで、いっぱいになって……熱くて……どうにかなりそう……っ」
絡み合う指、重なり合う吐息、濡れる肌。
僕らの熱は、もう誰にも止められない。
見られていることで、より燃え上がるように。
スフィアが僕を見上げ、涙を浮かべながらも微笑む。
「……こんな私、見られても……もう、恥ずかしくない……だって、あなたが……私を……愛してくれてるから……」
そして僕は彼女を抱きしめ、最奥へと達した。
激しく求め合った果てに、スフィアの身体がびくりと跳ねた。甘い悲鳴のような吐息が夜の空気に溶けていく。
「あ……あぁっ……!」
僕もまた、彼女の奥で果てた。
震える彼女を腕の中で抱きしめながら、しばし言葉を失う。
天幕の中は、しっとりとした静寂に包まれていた。
スフィアの肌にはうっすらと汗が滲み、紅潮した頬に、満たされた安堵の笑みが浮かんでいる。
「……すごく、幸せ……こんなの、初めて……」
彼女は僕の胸元に頬を寄せ、目を閉じた。そのまま眠ってしまいそうなほど、安らかに。
だが、その沈黙の中に、もう一つの気配があった。
足音ひとつ立てずに、ヴァレリアが近づいてきていた。スフィアの余韻を壊さぬよう、まるで神殿の儀式に臨む巫女のような静けさで。
スフィアはうっすらと目を開け、彼女に気づく。
「……ヴァレリア……見てたでしょう、全部……」
ヴァレリアは、ゆっくりと天幕の傍らに膝をつく。琥珀色の瞳がスフィアを、そして僕を交互に見つめていた。
「……ええ、見ていたわ。貴女の心が、氷ではなく、炎に染まっていくのを……とても、綺麗だった」
その声には、どこか熱を孕んだ響きがあった。冷静沈着な彼女らしからぬ、かすかな揺らぎ。
スフィアは目を細め、そっと手を伸ばす。
ヴァレリアの頬に触れようとした、その瞬間……
「私にも……その熱を分けてもらえないかしら」
囁くような声だった。だが、それは明確な意思だった。
氷の女王の口から、欲望に似た言葉が、はっきりと紡がれた。
スフィアが目を見開き、驚きに息をのむ。
そして、そっと微笑んだ。
「……いいのよ。私だけじゃ、足りないもの……この人の温もり、二人で分け合えば……」
ヴァレリアは、ゆっくりと手を伸ばし、僕の頬に触れた。白い指先が震えている──けれど、それは迷いではなく、抑えきれない衝動だった。
「……ん、っ、ああ……だめ、頭が……ぼんやりして……」
いつもは冷静であろう彼女が、目を潤ませて僕にしがみつく。氷の巫女としての理性は、すでに彼女の中で崩れかけていた。
身体は、熱を知ってしまった。それも、人間の男の──僕だけの熱を。
薄布の下に手を差し入れると、彼女の肌は驚くほど滑らかで、そして驚くほど熱かった。太ももがぴくりと震え、彼女は口元を押さえて声を漏らす。
「だめ……そんなところ、触れられたら……私、壊れちゃう……」
その“壊れちゃう”という言葉の奥に、どこか期待にも似た震えがある。彼女は恐れているのではない。本能が、奥で疼いているのだ。
僕はその太ももをじっくりと撫で、膝の裏へ指を這わせ、そしてゆっくりと下着をずらす。氷の種族である彼女の奥が、熱を帯びてとろけ始めていることに、僕は息を呑んだ。
「……あ……こんな……私、熱い……どうして、こんな……っ」
恥じらいに頬を赤らめ、腰を捩らせるスフィア。僕は彼女の太ももの間に体を沈め、柔らかく舌を這わせた。彼女の身体が跳ねる。
「や……だめ、それ、だめぇ……っ、そんなっ、舌……動かさないでぇ……っ!」
だがその言葉とは裏腹に、スフィアは僕の髪をぎゅっと握って引き寄せ、息を詰める。何度も、甘くて切ない声を漏らしながら、少しずつ少しずつ──氷の巫女の「氷」が、完全に溶けていく。
「……お願い、もう……私を、溶かして……全部、あなたの熱で……奥の奥まで……」
彼女は自ら脚を開き、僕を誘う。
誇り高い氷の巫女が、たった一人の男を受け入れるために、すべてを捧げようとしている。
僕は彼女の腰を抱き、そっと入り口にちんこをあてがった。
そして──その扉を、ゆっくりと開いた。
静寂の中、わずかに湿った吐息と肌が触れ合う音だけが響く。
薄明かりの向こう、天幕の隅に立つひとつの影があった──ヴァレリアだ。
彼女はその琥珀の瞳で、じっとこちらを見ていた。何も言わず、ただ、見つめている。
「……っ、見られてる……」
スフィアが耳元で囁く。震える声だけれど、拒む気配はない。
むしろその視線に気づいた瞬間、彼女の身体はさらに熱を増したようだった。
「構わない……今、君だけを感じてるから」
僕は彼女の奥にゆっくりと沈み込む。
その瞬間、スフィアの背が弓なりに跳ね、指先がシーツを握りしめる。
「あ、あぁっ……だ、め、深い……っ」
彼女は息を詰め、そして少しだけ横目にヴァレリアの存在を確認する。
その瞳は、羞恥と昂ぶりに濡れていた。
氷の巫女が、見られながら熱に身を委ねている。その背徳的な情景に、僕自身もさらに昂ぶる。
ゆっくりと腰を動かすたびに、スフィアは声を漏らし、敏感に震える。
「ヴァレリア……っ、見ないで……でも、見て……私、あなたの見てる前で……こんな、に……っ」
視線の先のヴァレリアは、無言のまま。だがその頬はほんのり赤く染まり、唇がわずかに震えていた。
氷の巫女と人間の男の交わりを、まるで何か神聖な儀式でも見るように──あるいは、どこか嫉妬にも似た感情を胸に秘めながら──見守っていた。
僕はスフィアの手を握り、さらに深く一体になる。
「……ん、ああっ……壊れちゃう、私……あなたで、いっぱいになって……熱くて……どうにかなりそう……っ」
絡み合う指、重なり合う吐息、濡れる肌。
僕らの熱は、もう誰にも止められない。
見られていることで、より燃え上がるように。
スフィアが僕を見上げ、涙を浮かべながらも微笑む。
「……こんな私、見られても……もう、恥ずかしくない……だって、あなたが……私を……愛してくれてるから……」
そして僕は彼女を抱きしめ、最奥へと達した。
激しく求め合った果てに、スフィアの身体がびくりと跳ねた。甘い悲鳴のような吐息が夜の空気に溶けていく。
「あ……あぁっ……!」
僕もまた、彼女の奥で果てた。
震える彼女を腕の中で抱きしめながら、しばし言葉を失う。
天幕の中は、しっとりとした静寂に包まれていた。
スフィアの肌にはうっすらと汗が滲み、紅潮した頬に、満たされた安堵の笑みが浮かんでいる。
「……すごく、幸せ……こんなの、初めて……」
彼女は僕の胸元に頬を寄せ、目を閉じた。そのまま眠ってしまいそうなほど、安らかに。
だが、その沈黙の中に、もう一つの気配があった。
足音ひとつ立てずに、ヴァレリアが近づいてきていた。スフィアの余韻を壊さぬよう、まるで神殿の儀式に臨む巫女のような静けさで。
スフィアはうっすらと目を開け、彼女に気づく。
「……ヴァレリア……見てたでしょう、全部……」
ヴァレリアは、ゆっくりと天幕の傍らに膝をつく。琥珀色の瞳がスフィアを、そして僕を交互に見つめていた。
「……ええ、見ていたわ。貴女の心が、氷ではなく、炎に染まっていくのを……とても、綺麗だった」
その声には、どこか熱を孕んだ響きがあった。冷静沈着な彼女らしからぬ、かすかな揺らぎ。
スフィアは目を細め、そっと手を伸ばす。
ヴァレリアの頬に触れようとした、その瞬間……
「私にも……その熱を分けてもらえないかしら」
囁くような声だった。だが、それは明確な意思だった。
氷の女王の口から、欲望に似た言葉が、はっきりと紡がれた。
スフィアが目を見開き、驚きに息をのむ。
そして、そっと微笑んだ。
「……いいのよ。私だけじゃ、足りないもの……この人の温もり、二人で分け合えば……」
ヴァレリアは、ゆっくりと手を伸ばし、僕の頬に触れた。白い指先が震えている──けれど、それは迷いではなく、抑えきれない衝動だった。
2
あなたにおすすめの小説
男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます
neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。
松田は新しい世界で会社員となり働くこととなる。
ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。
PS.2月27日から4月まで投稿頻度が減ることを許して下さい。
↓
PS.投稿を再開します。ゆっくりな投稿頻度になってしまうかもですがあたたかく見守ってください。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
異世界でただ美しく! 男女比1対5の世界で美形になる事を望んだ俺は戦力外で追い出されましたので自由に生きます!
石のやっさん
ファンタジー
主人公、理人は異世界召喚で異世界ルミナスにクラスごと召喚された。
クラスの人間が、優秀なジョブやスキルを持つなか、理人は『侍』という他に比べてかなり落ちるジョブだった為、魔族討伐メンバーから外され…追い出される事に!
だが、これは仕方が無い事だった…彼は戦う事よりも「美しくなる事」を望んでしまったからだ。
だが、ルミナスは男女比1対5の世界なので…まぁ色々起きます。
※私の書く男女比物が読みたい…そのリクエストに応えてみましたが、中編で終わる可能性は高いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる