女しかいない異世界に転移した僕は、異種族美女たちに求められて孕ませ中出ししまくります

銀鏡。

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第四部 吸血鬼の異種族

第77章 第九の姫 ☆

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その部屋に入ったのは、ただの好奇心だった。

塔の奥深く、誰もいないと思っていた扉。
きしむ音とともに開いた先は、時間が止まったような空間だった。

 薄暗い光の中、白い足が床を撫でていた。裸足。静かな鈴の音が微かに耳をくすぐる。

彼女は、いた。

墨のような長衣をまとい、黒髪を曳き、静かに座していた。背には、大きな吸血鬼の翼。
それは畳まれていても、存在を強く主張していた。

薄く震えて、まるで呼吸しているかのように。


「……誰?」

 僕がそう問うと、彼女は顔を上げた。瞳は翡翠のように澄んでいて、でもどこか空ろだった。

「拙は……エヴァリア。ヴァルラーナの第九の姫……に、あたる者」

声が、やけに静かだった。空気を震わせないほどの微音。
でも、その一言が僕の体の奥に響いた。

「僕は、海斗。……呼ばれてきた、異世界の男だ」

「知っておる……拙の中の“静けさ”が、そなたを感じ取っていた」

 彼女は立ち上がると、長衣の裾がするりと床をすべる。
その動作だけで、どこか体温が奪われていくようだった。

「……そなた、声を持つな?」

「持ってる、けど……どうして?」

「拙は、“声”が苦手。……でも、そなたの声は、少し……気になる」

 その瞬間、彼女の翼が音もなくふわりと広がった。
羽根の先が僕の頬をかすめた瞬間、微かに甘い匂いが鼻腔をくすぐる。

息を呑んだ。彼女はそれを見逃さなかった。

「……ふふ、声が出る」

 口元に浮かぶ、初めての微笑。それはほんのわずかな綻びだったけれど、確かに“感情”だった。
僕はその笑みに、息を詰まらせた。

「もっと……拙に声を聞かせよ。……“静寂”が……乱れるほどに」


 翼の影が、僕の頬を撫でた。
やわらかくて、温かい――でも、触れた瞬間、彼女の体がびくりと震えるのがわかった。

「……ごめん、痛かった?」

「痛くなど……。ただ、拙の翼は……少しばかり、敏いだけ」

エヴァリアは首を傾げて微笑む。静かなまま、けれど確かに潤んだ瞳で僕を見上げた。

「そなた、セレスティアの姉上と……交わったのであろう?」

 突然の言葉に、僕は言葉を詰まらせる。

「……うん。知ってるんだ」

「姉上は……とても、喜んでいた。拙には見えぬ“陽”のような笑みを、浮かべていた」

そのとき、彼女の指先が僕の胸にそっと触れた。薄布越しに感じる体温。
細くて、白い指。けれど、確かな意志がその先に宿っていた。

「拙は、心を読むのではない。ただ……“波紋”のようなものが見えるのじゃ。姉上の身に……新たな命の鼓動が芽吹いたことも、すぐにわかった」

 静かな声のまま、彼女は言った。

「それは、呪いでも罪でもない。……我らにとって、それは“祝福”」

彼女の翼が、大きく広がった。布と空気を震わせながら、僕を覆うように。

「拙も……祝福を望む」

「エヴァリア……」

名前を呼ぶと、彼女の目がほんの少し見開かれた。そして、そっと頬に手を添えられる。

「声を……もう一度。拙だけに聞かせてくれぬか」

 囁きのような声。それは願いとも、命令とも違う。
ただ、真っ直ぐで、あまりに純粋な欲求だった。

僕はそっと、彼女の手に自分の指を重ねる。

「……わかった。君のためなら、何度でも」

 エヴァリアは、また小さく笑った。
そのまま、僕の胸元に頬を寄せて――翼が、ぴたりと背に絡む。
彼女の背から伸びる翼は、繊細な絹のように僕を包んでいた。

エヴァリアの内側に触れると……

「……ッ、ん、やはり、そこは……ッ」

彼女の声は甘く崩れた。
自分でも抑えきれない声が零れたことに驚いたのか、彼女はわずかに身を引き、恥じらいを浮かべた目で僕を見る。

「……そなた、罪深いの」

「ごめん、でも……君が感じてくれるのが、嬉しいんだ」

 僕は正直にそう言った。
彼女の翼は、愛撫を送るたびに震え、熱を帯びていく。繋がった身体の奥から、彼女の熱がじんわりと伝わってくる。

「そなたが……刻んでくれるたび、拙の中に……なにかが宿ってゆく気がするぞ……」

彼女は自ら腰を動かす。
柔らかい吐息とともに、彼女の指先が僕の背を掴む。

 僕もまた腰を動かし、エヴァの奥を激しく突く。
淫らな声を聞きながら犯し続けると、やがて彼女の翼と中が大きく開いた。

そこに、僕は勢いよく射精した。

「あ……あぁ……っ!」

喘ぎと共に、張りつめていた気が一気に弾けた。
彼女の体が震え、僕の名を震える声で呼ぶ。

「……か、かいと……そなたの命が……拙の中で、芽吹いておる……」

抱きしめ合ったまま、しばし静寂がふたりを包んだ。

 そして、彼女が顔を上げる。
赤みの残る頬、微かに潤んだ瞳。その中に――誇り高き光があった。

「これで、拙も……“祝福”された。そなたの種で……本当の女に、なれたのじゃな」

彼女はそっと唇を引き、自らの牙を見せた。
白くて、細い牙を。
そして背の翼をゆっくりと広げ、僕の顔に寄せる。

「ふふ、なんと愛おしい……出来ることなら、ここでそなたに拙の印を刻みたい。だが、あいにく姉上に止められているから、それはできぬ……」

 エヴァリアは僕に寄り添い、抱きしめてきた。
中でも、外でも。

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