夢の果て

ゆう

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第2話

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「まさか、俺が捕まえられるとはな」
「さて、どうしてここにきたのか、後、俺をどこへ連れて行くつもりだったのか。それらを教えてもらおうじゃないか」
「悪いが、それは言えないな」
「おい、待て」
 人を捕らえるのが初めてだったこともあり、縛りが緩かったのだろう。男は自らの能力で胸を一突きにした。俺がもっと自由を奪えていればこんなことにはならなかっただろうに。
 
 男の死体の近くには招待状と書かれた紙が落ちていた。
『能力者様
 この度は能力に目覚められたこと誠に嬉しく思います。そこで貴方様の能力を見たいと思いこのような招待状を送らさせていただきました。夢の楽園で楽しみに待っております。
              ドリー』
 ドリーというやつが今回の異常現象を引き起こした、張本人なのだろうか。それに放送でも言っていた、夢の楽園とは何のことなんだろう。
「無事でよかったよ」
「森山、頭痛は治ったのか」
「ひとまず治ったみたい、それよりあれ」
「ああ、自殺しちまった。それほど言いたくないことがあったんだろう」
「人を二人殺したとはいえ、非常に残念だ」
死ぬことはなかったのに、なんて今更言っても遅いか。
「これからどうするつもり」
「夢の楽園ってとこを探すよ。きっとそこに今回の元凶がいる」
「じゃあ僕もついて行くよ」
「どんな旅になるかわからないぞ」
「わかってるさ。それでも僕だって能力者だ。今回のことを突き止めるために協力ぐらいできる」
「ありがとう。心強いよ。これからよろしく森山」
「ああこちらこそ月影くん」


 
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