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王城からの帰り道、いつものように騒がしく賑わっている街中を歩き、家の方へと向かっていた。
その道中で「英雄のマルコムじゃねぇか」「よく頑張ったな」といった労いの言葉や賞賛を声をかけてくれる者がたくさんいた。私は声をかけてくれた者たちに会釈をしながら進んでいった。
しばらくそのように会釈をしながら歩いていると、後ろからいきなり肩を組んでくるやつがいた。とても馴染みのある顔だ。青い瞳を輝かせ私を見上げるようににっこりと笑っている。
「マック一体何のようだ」
よく見ると顔は赤くほてっていた。酒でも飲んでいたのだろう。昼間から呑気なものだ。
「これは、これは。あの英雄のマルコムさんじゃないですか。こんなところで何をしておられるのですか」
酔っ払っているのか、それとも平常運転だろうか。どちらにせよ相手をするのは面倒だ。
「マック、何か用か」
面倒ではあるが放っては置けないので改めて聞き直した。
「いやいや、お前、王様のとこ行ってたんだろ。だから褒美でももらったんじゃないかと思ってよ。それを使って飲みに行こうぜと誘いにきたわけよ」
よくもまあ、人のもらったもので飲みに行こうなどと言えたものだ。それにそもそも褒美をもらう約束はしたが、まだもらってはいない。それを伝えてこの場を去るか。
「さ、トニーさんとこに行こうぜ」
マックは私を引っ張り酒場に向かって歩き出した。こうなっては説得の方が面倒か。
「わかった飲みに行くから。離してくれ」
「その返事を待ってたんだよ」
結局マックは私を離しはしなかった。いくら、離せ、と言ってもマックは聞かずに引っ張られるようにいきつけの酒場へとやってきた。店の中は街中なんて比ではないほどの賑わいだった。仕事終わりかそもそも仕事なんてなかったか知らないが、四、五十くらいのオヤジたちが酒を飲みながら馬鹿騒ぎしていた。
「お、空いてる、空いてる」
声を弾ませながらマックはいつも私たちが座るカウンターの席へと向かったので私もそれについて行くようにカウンター席へと向かった。
私がマックの隣の席に腰を下ろしたと同時に奥の方から、ここの酒場の主人であり、私たちの友であるトニーさんが出てきた。
「おう、誰かと思えば英雄じゃないか、それと、またお前かさっきも飲んでたじゃねぇか」
やはりマックは先ほども飲んでいたようだ。
「いいだろ。飲む飲まないは俺の自由だ。いくらこの酒場の主人でも金を払われたら俺が酒を飲むのは止められないぜ」
なんか、マックが屁理屈を言っていたが、トニーさんはそれに一切反応せずこちらを向いて私たちの向かい側で座った。
「久しぶりだな」
「そうだな、ここ二週間くらい来てないか。久しぶりトニーさん」
二週間合わなかっただけで久しぶりになるのか、と自分でも少し驚くくらい頻繁にあっているんだなと思った。
「とりあえず酒でいいか」
「ああ、それでいい」
「おい、酔っ払い。お前もいるのか」
「いらないならここには来てねぇよ」
「へいへい」
トニーさんは酒を入れに奥へと入っていった。
酒が来るまでの間マックと話でもしようと思い、マックの方を見ると、マックは私ではない方の隣の客と話をしていた。こうなっては私は少しの間暇になってしまう。マックほど社交的じゃない私は見ず知らずの人と楽しく会話ができる自信はない。そうなると、ぼけっとしているしかない。
最近は疲れることが多かったからこうしているのも悪くないかもしれない。
その道中で「英雄のマルコムじゃねぇか」「よく頑張ったな」といった労いの言葉や賞賛を声をかけてくれる者がたくさんいた。私は声をかけてくれた者たちに会釈をしながら進んでいった。
しばらくそのように会釈をしながら歩いていると、後ろからいきなり肩を組んでくるやつがいた。とても馴染みのある顔だ。青い瞳を輝かせ私を見上げるようににっこりと笑っている。
「マック一体何のようだ」
よく見ると顔は赤くほてっていた。酒でも飲んでいたのだろう。昼間から呑気なものだ。
「これは、これは。あの英雄のマルコムさんじゃないですか。こんなところで何をしておられるのですか」
酔っ払っているのか、それとも平常運転だろうか。どちらにせよ相手をするのは面倒だ。
「マック、何か用か」
面倒ではあるが放っては置けないので改めて聞き直した。
「いやいや、お前、王様のとこ行ってたんだろ。だから褒美でももらったんじゃないかと思ってよ。それを使って飲みに行こうぜと誘いにきたわけよ」
よくもまあ、人のもらったもので飲みに行こうなどと言えたものだ。それにそもそも褒美をもらう約束はしたが、まだもらってはいない。それを伝えてこの場を去るか。
「さ、トニーさんとこに行こうぜ」
マックは私を引っ張り酒場に向かって歩き出した。こうなっては説得の方が面倒か。
「わかった飲みに行くから。離してくれ」
「その返事を待ってたんだよ」
結局マックは私を離しはしなかった。いくら、離せ、と言ってもマックは聞かずに引っ張られるようにいきつけの酒場へとやってきた。店の中は街中なんて比ではないほどの賑わいだった。仕事終わりかそもそも仕事なんてなかったか知らないが、四、五十くらいのオヤジたちが酒を飲みながら馬鹿騒ぎしていた。
「お、空いてる、空いてる」
声を弾ませながらマックはいつも私たちが座るカウンターの席へと向かったので私もそれについて行くようにカウンター席へと向かった。
私がマックの隣の席に腰を下ろしたと同時に奥の方から、ここの酒場の主人であり、私たちの友であるトニーさんが出てきた。
「おう、誰かと思えば英雄じゃないか、それと、またお前かさっきも飲んでたじゃねぇか」
やはりマックは先ほども飲んでいたようだ。
「いいだろ。飲む飲まないは俺の自由だ。いくらこの酒場の主人でも金を払われたら俺が酒を飲むのは止められないぜ」
なんか、マックが屁理屈を言っていたが、トニーさんはそれに一切反応せずこちらを向いて私たちの向かい側で座った。
「久しぶりだな」
「そうだな、ここ二週間くらい来てないか。久しぶりトニーさん」
二週間合わなかっただけで久しぶりになるのか、と自分でも少し驚くくらい頻繁にあっているんだなと思った。
「とりあえず酒でいいか」
「ああ、それでいい」
「おい、酔っ払い。お前もいるのか」
「いらないならここには来てねぇよ」
「へいへい」
トニーさんは酒を入れに奥へと入っていった。
酒が来るまでの間マックと話でもしようと思い、マックの方を見ると、マックは私ではない方の隣の客と話をしていた。こうなっては私は少しの間暇になってしまう。マックほど社交的じゃない私は見ず知らずの人と楽しく会話ができる自信はない。そうなると、ぼけっとしているしかない。
最近は疲れることが多かったからこうしているのも悪くないかもしれない。
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