7 / 7
第一章
試し斬り
しおりを挟む
「今日は『軌跡のダンジョン』の30階層に行くわ」
ミリーにそう告げる。
「分かりました。前回のようなことは無いように」
「それ絶対自分じゃどうにも出来ねぇだろ…」
「特に25階層からは転移罠が出るので。人は死んだら金を生まなくなるんですから…」
「結局金かよ!」
「人なんて、信用できないから……」
「…………」
「さっさと行って稼いできなさい!」
「はーい…」
やはりまだ、心の整理を付けられないのだろう。俺だって、一緒だ。あんなことが起きたのだから。
「………気を取り直して行くか」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「ふざけんなっ!」
「で、でも」
「仕方ねぇだろ!!」
「だからってモンパレ引き連れてこっち来んな!」
「「2人じゃ無理なんだよぉ!!」」
そう、俺は今、絶賛モンスターパレードに巻き込まれている。15階層とはいえ、その数は多い。およそ200体ほどだろうか?2人組のパーティーが引き連れて来たのだ。とはいえ、押し付けられたわけではなく、一緒に倒さない?というお誘いを受けたのだが……
「他を当たってくれ!」
「「もう断られた後だよ!」」
「チッ、しゃあねぇ」
「「やってくれるのか?」」
「やるしかねぇだろ!俺の横を抜けてくれ!お前らの実力じゃあ邪魔になるだけだ!」
「あ、あぁ!」
「分かった!」
2人が俺の横を抜ける。さて…
「1回死んどけクソども!」
この通路は一本道で、10人くらいの人が横一列で並んでいてもまだ隙間があるくらい広いだろう。逃げたあいつらはボロボロだったし、俺が仕留め切った方が良いだろう。となると…
「横薙ぎだな」
元々ここには試し斬りで来たし、ちょうど良い的が手に入ったと思っておこう。
「ヌンッ!!」
『二王太刀』を横に振り回す。あいつらに会う前に鑑定したときは、大剣術(3)と、刀術(2)という、頼りないスキルだったが……
「もうこのモンパレだけで6回死んだんだよな…」
1回目は、逃げようとしたが、一本道で起きているので、逃げようにも逃げられなかったのだ。
2回目は、土壁で道を塞いだが、すぐ壊された。
3回目は、3人で迎え撃ったが、2人の実力不足を認識。
4回目は、1人で迎え撃ったが、実力が足りなかった。
5回目も、1人で迎え撃ったが、まだ実力が足りなかった。
で、6回目。
『孤陽』を敵に向け、横薙ぎ、横薙ぎ、横薙ぎ。抜けた敵にファイアーボール。で、横薙ぎ、横薙ぎ、横薙ぎ………
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「これでっ…最後だ!」
最後の一体は突きで倒す。本っ当に疲れた。
「「ありがとうございます!」」
ん?ああ、ちゃんと生きていたか。というか、ここに留まり続けるのも中々勇気が要るんじゃないだろうか?逃げてもおかしくないと思っていたのだが。
「別に構わねぇよ。じゃあな。30階層に行くつもりだから」
そう言って歩き出す。
「本当に助かった…!」
後ろを見ないまま手を挙げ、そのまま去っていく。一回こういうのやってみたかったんだよな~~!
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「25階層のボス撃破!っしゃい!」
(疲れたし、階段で休憩するか)
そう思って階段まで行こうとすると…
「転移罠だと!!!」
足元が光り出す。そのまま、光に呑まれ、その場から消えた。
ミリーにそう告げる。
「分かりました。前回のようなことは無いように」
「それ絶対自分じゃどうにも出来ねぇだろ…」
「特に25階層からは転移罠が出るので。人は死んだら金を生まなくなるんですから…」
「結局金かよ!」
「人なんて、信用できないから……」
「…………」
「さっさと行って稼いできなさい!」
「はーい…」
やはりまだ、心の整理を付けられないのだろう。俺だって、一緒だ。あんなことが起きたのだから。
「………気を取り直して行くか」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「ふざけんなっ!」
「で、でも」
「仕方ねぇだろ!!」
「だからってモンパレ引き連れてこっち来んな!」
「「2人じゃ無理なんだよぉ!!」」
そう、俺は今、絶賛モンスターパレードに巻き込まれている。15階層とはいえ、その数は多い。およそ200体ほどだろうか?2人組のパーティーが引き連れて来たのだ。とはいえ、押し付けられたわけではなく、一緒に倒さない?というお誘いを受けたのだが……
「他を当たってくれ!」
「「もう断られた後だよ!」」
「チッ、しゃあねぇ」
「「やってくれるのか?」」
「やるしかねぇだろ!俺の横を抜けてくれ!お前らの実力じゃあ邪魔になるだけだ!」
「あ、あぁ!」
「分かった!」
2人が俺の横を抜ける。さて…
「1回死んどけクソども!」
この通路は一本道で、10人くらいの人が横一列で並んでいてもまだ隙間があるくらい広いだろう。逃げたあいつらはボロボロだったし、俺が仕留め切った方が良いだろう。となると…
「横薙ぎだな」
元々ここには試し斬りで来たし、ちょうど良い的が手に入ったと思っておこう。
「ヌンッ!!」
『二王太刀』を横に振り回す。あいつらに会う前に鑑定したときは、大剣術(3)と、刀術(2)という、頼りないスキルだったが……
「もうこのモンパレだけで6回死んだんだよな…」
1回目は、逃げようとしたが、一本道で起きているので、逃げようにも逃げられなかったのだ。
2回目は、土壁で道を塞いだが、すぐ壊された。
3回目は、3人で迎え撃ったが、2人の実力不足を認識。
4回目は、1人で迎え撃ったが、実力が足りなかった。
5回目も、1人で迎え撃ったが、まだ実力が足りなかった。
で、6回目。
『孤陽』を敵に向け、横薙ぎ、横薙ぎ、横薙ぎ。抜けた敵にファイアーボール。で、横薙ぎ、横薙ぎ、横薙ぎ………
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「これでっ…最後だ!」
最後の一体は突きで倒す。本っ当に疲れた。
「「ありがとうございます!」」
ん?ああ、ちゃんと生きていたか。というか、ここに留まり続けるのも中々勇気が要るんじゃないだろうか?逃げてもおかしくないと思っていたのだが。
「別に構わねぇよ。じゃあな。30階層に行くつもりだから」
そう言って歩き出す。
「本当に助かった…!」
後ろを見ないまま手を挙げ、そのまま去っていく。一回こういうのやってみたかったんだよな~~!
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「25階層のボス撃破!っしゃい!」
(疲れたし、階段で休憩するか)
そう思って階段まで行こうとすると…
「転移罠だと!!!」
足元が光り出す。そのまま、光に呑まれ、その場から消えた。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる