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第2節 女子高生(おっさん)の日常といともたやすく行われるデビュー

27.女子高生(おっさん)の悩み

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 季節は冬ーー高校一年目の生活は二学期も終盤へ差し掛かり、もうすぐ冬休みへと突入する。社会人となり、おっさんになってからもあり得なかった長い休暇に俺は心踊らせる。

「アシュナー、ご飯できたわよー」

 朝、目を覚ますと同時に一階から母さんの声が届く。俺は軽く返事をして、髪をポニーテールにして冬服の制服に着替える。おっさんの自分が女子高生にさせたい格好NO1ーー淡いブラウンのカーディガンを羽織り萌え袖にしてのミニスカートに膝下までの紺色ソックス。

 女子高生の彼女ができたらしてもらいたかったという気持ち悪い欲望を自分自身で叶えることができて何よりというわけだ。

 鏡で格好を整える、どの角度から見ても超絶美少女。タイムリープしてからはこの可愛さと美貌で様々な出来事をいともたやすくクリアしてきた。
 クラスの陽キャ達と仲良くなり、生徒会長のお嬢様と親密になり、電車通学も快適となり、編集者のおじさんと他校の妹的存在と仲良くなり、学年主任を手懐け、DQN達を退けた。どれも男の俺のままだったら出来なかったに違いない。美少女万歳、人生になんの障害もない。

「……」

 けど、そんな俺にも悩みがあった。美少女になってから決して尽きない苦悩。
 誰にも相談できずに抱えているそれは……『自分にムラムラ』するという切実な問題だ。

 タイムリープした9月から12月までの3ヶ月、当然、散々と自分の身体を眺めてきた。それでも未だに自分の身体に興奮するのはいかんともし難い大問題。
 それに加え、お嬢様とキスしたり、ヒナヒナ達と一緒に着替えたりとムラムラするシチュエーションが多大に増えた事もこの悩みを増長させている。

 心と身体がまるで別人、それはおっさんにとって、生殺しに等しい拷問である。

「せめてこの欲望を発散できれば……」

 男の体であれば、それは簡単だ。
 だが、女の身体になった以上ーー童貞のおっさんにそれは難しい。どこを触ればいいかよくわからないし、こんな綺麗な身体に触れるのもどこか憚(はばか)られる、というか怖い。いざとなると尻込みしてしまうのが童貞というものなのだ。

「はぁ……おチ●チンが欲しいなぁ……」

 スカートに手を入れ、今は無き息子に想いを馳せポツリと呟く。そこでようやく異変に気づく、部屋の扉が開いていていつの間にか妹のマナが覗いていたのだ。

「ご……ごめんねっ……お姉ちゃん……中々降りてこなかったからっ……お、終わったらきてねっ!」

バタンッ

「………」

 顔を真っ赤にして逃げた妹を見て、更に興奮した。
 
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