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第3節 女子高生(おっさん)の日常といともたやすく行われるアオハル

おまけ.女子高生(おっさん)の教育〈すれ違いコント〉

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「師匠、師匠は……その……勿論経験済み……なんですよね?」

 キラちゃんにアイドルとしての生き方を教育しようとすると突如質問をされる。本当に突然の主語の無いその文脈と意図は不明だが……照れていて尚且つ申し訳なさそうなキラちゃんの表情からなんとなく推察する。
 恐らく、俺(おっさん)の性経験の有無を指しているのだろう。確かに人心掌握の術を伝授しようとしている師匠(おっさん)に性経験があるかどうかは重要かもしれない、童貞のおっさんにモテるコツを聞いたところで説得力は皆無に等しいからだ。

 少し前の俺であれば、『ももも勿論あるよどどどど童貞ちゃうわ』と慌てふためいたところであろう。だが、銭湯で女子大生のお姉さん達と多人数プレイで卒業し(注※していません)、更につい先日ヒメと濃厚プレイを経験したおっさんはもはやプレイボーイといっても差し支えない(注※現在も童貞のままです)。
 しかしここは大人の男として、師匠として、少し含みを持たせた感じで余裕に答えた。

「ん~、これは内緒だけどね……初体験は年上の人達とお風呂で……だったかなぁ……」
「は……初めてなのに複数で!? す……すごい……その……やっぱり痛かったですか?」
「? いや、全然? 都内の大学生の人達だったけど凄く優しくしてくれたから……気持ち良かったよ?」
「す……進みすぎですよ師匠……じゃあ大人のキスとかも……?」
「うん、勿論。最近ではキス友 (めらぎ)から舌とか挿れられるし……」
「キッ……キス友っ!!? なんですかその新しい友達の形っ!!? 聞いたことありませんよっ!?」

 キラちゃんはキス友を知らないようだ。昨今の女子高生ならそのくらい普通だとネットでみたような気がするが……やはりこの娘は純情のようだ。(注※この時代にまだその用語はありません)

「それにある子からは身体中いろいろと開発されちゃってさ……この前なんか二人で裸になって……」
「も、もうわかりましたからっ……! でも……一見清楚そうな師匠がもうそんなことまで経験してるなんて……なるほど! これが『ギャップ』ってやつですね!? 確かにすごく興奮しますね……わかった気がします! というか……それ絶対人に言っちゃダメなやつですからね!? あたしも誰にも言いませんから師匠も言いふらしちゃダメですよっ!!」
「え……? なんで……?」
「なんでって……師匠は自分がどれ程の影響力を持ってるか自覚してください……それ聞いたらたぶん師匠を信奉してる男達とか死にますよ?」

(……おっさんが『脱・童貞』を果たした事で男達が死ぬ……? こんなおっさんですら童貞を捨ててるのにってことか……? 確かに俺も中年が美女と歩いてるのを見ると羨ましすぎて死にたくなるもんな……)

「うん……わかった。みんなに(童貞の星として)希望を与えなきゃいけないもんね」
「その通りですよ。あたしだって……少しショックなんですから……」
「なんでキラちゃんがショックを受けるの? まさか(おっさんの)童貞を貰いたかったとか!?」
「……え? ど……童貞ってなんですか?」
「えっ?」
「えっ?」

 
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