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第3節 女子高生(おっさん)の日常といともたやすく行われるアオハル

ボーナスステージ.女子高生(おっさん)と女子達Ⅵ②

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〈バスルーム〉

「は~……あったまるね~……」

 黄金比という言葉をご存知だろうか?
 絵画や彫刻、美術品、歴史的な建造物などに取り入れられた……人が最も美しく感じる比率だ。
 ミロのビーナス、ピラミッド、パルテノン神殿、マドンナの顔など……おおよそ『美』を表すものにはこの比率が用いられているらしい。
 目の前の、濡れた肢体に、それが在る──と思わず俳句にしてしまう美しい女子高生の裸、『歴史的な裸』がここにはあった。こんなのもう黄金比としか説明がつかない見惚れる身体つきをした17才の女子高生と、37歳のおっさんが一緒に風呂に入っている。
 この一文だけで、これがどれだけイカれる光景かわかるだろう。

「アシュナちゃんの身体って……やっぱり何回見ても見蕩れちゃう……なんだっけ……『おーごんひりつ』っていうんだっけ……? 凄いげーじゅつてきだよ~……」

 考えまでもがシンクロしていた。
 こんなのもう人類補完計画が実は発動されていて、俺とヒマリは既に融合しているんじゃないか──と錯覚を起こす。
 火照る二人、邪魔するもののない空間、熱い空気。
 サウナでトリップするトランス状態になり、まるで高熱の時に見る夢の中のような感覚を味わう。
 
「あのね~アシュナちゃん……えいっ」
「……ふぇっ!?」

 すると、ととのい中のおっさんにヒマリは突然抱きついてきた。
 大きく柔らかいものに大きく柔らかいものが重なり、胸のあたりが窮屈になるも、そんなのは最早どうでも良かった。

「えへへ~……アシュナちゃんアシュナちゃん……一回思いっきり甘えてみたかったんだ~……アシュナちゃんたまに大人の男の人って感じがするから~……」

 エモい、いや、エロい。
 こんなのチムドンドンして一晩で法隆寺建てられちゃう──と混乱する俺。
 端から見れば、女子高生同士のじゃれ合い……百合。
 しかし、おっさん視点で見れば……真っ当な男と女のラブゲーム。
 そんなおっさんが暴走モードに突入するのを一体誰が裁けようか……もう神様だってきっと赦してくれるはず。

「ヒマリ……っ」

 応えるように、抱きしめ返した。
 一瞬ピクッとスベスベの身体を反応させたヒマリだったが、すぐに身をおっさんへ委ねてくれた。

 そこからの二人に、もう会話はいらなかった──

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〈ヒマリの部屋〉

「──えへへ~、アシュナちゃんアシュナちゃん♪」

  色んな意味で、めっちゃ艶々(つやつや)しくなって部屋に戻る。時刻は既に各局のTVがニュース報道で1日を締め括(くく)る時間帯。
  おっさんと同じく、女の子から少しだけ女性への階段を登り始めてずっと腕に絡まってくるヒマリと共に遅めの夜食を取る。
  何気なくTVをつけると……やはりどこもニュース報道にて埋めつくされていた。

「………え?」
「どうしたのアシュナちゃ…………あっ……これ………アシュナちゃん……!?」

  本当に何気なくつけた……エンタメ情報を少し取り入れたニュース番組に、『衝撃! 美少女すぎる女子高生小説家【波澄アシュナ】』とセンスの欠片もないテロップと共に俺が映っていた。



 第4節 【巻き起こる様々な試練と それをいともたやすく乗り越える女子高生(おっさん)と日常】へ続く──
 
 
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