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第二章 命名研究機関との戦い
第五十五話 屈辱の理由【R18】
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「やぁっ!はぁっ!!寄るな!!」
ブォンッ!ブンッ!!ブォン!
「まっ……まてっ!どうしたんだよリーフ!!」
操られでもしているのか、リーフは双剣を俺に向けて振り回した。
しかし、一番初め…森で対峙した時より明らかに動きに精細を欠いている。
「はぁっ……はぁっ……」
ズキンッ…
~~~~~~~
「やぁっ……はぁっ!や、やめっ……!」
グチュッグチュッグチュッグチュッ!
「その割には挿入る前に嬉しそうに笑ってたじゃねーか!ああ!?」
両腕を鎖により宙に吊るされ、壁に背をもたれて足を掴まれているリーフに抵抗する術はなかった。
オークの猛る肉棒は初めてそれを受け入れたリーフの膣内に構う事なく乱暴に掻き回した。
「痛くねぇどころかぶっトんじまいそーだろ!?俺の能力にかかったやつは初めてでもヨがり狂う!最初が俺でよかったなオイ!」
まさしくその通りだった、初めて侵入を許したその砦はそれを阻むどころか痛みすら残さないそのモノを喜んで受け入れた。
「あっ!あっ!あっ!あっ!だ、だめっ!もうイクっ!あぁっ!!」
膣内が肉棒を抱き締めるようにきつく締まる。
リーフは天を精一杯仰ぎ、何度も痙攣した。
「おいおい一人でイってんじゃねーよ、俺ぁまだまだこれからだぜっ!?」
ズポッ…
ガチャンッ
オークはもう反撃する事はないだろう、と確信しリーフの手枷を外した。
そして壁に手をつかせ四つん這いにし、再び挿入する。
「うぁぁぁっ!ま、まって!もうイったからっ!」
グチュッグチュッグチュッグチュッ!!
「ぁぁあああっ!!だめぇっ!おかしくっ!なっちゃっ…!」
オークはリーフの懇願になど耳を貸す気はなく、一心不乱に腰を振った。
グチュッグチュッグチュッグチュッ!!
「やっべぇ!とろとろすぎてもう出そうだ!おらっ!出すぞ!」
「あっ!あっ!まって!外にっ!ぁぁあああっ!!」
オークの動きはリーフに被さるような体勢のまま、止まる。
初体験だったリーフではあったが、それが何を意味するのかはお腹の中に何かが注ぎ込まれるような…形容しがたい、えもいわれぬ感覚で理解できた。
「あっ……あ……あ……」
ズポッ…
どろっ……
ビュルッビュルッビュッ…
既に力無く、お尻だけを突きだし床に痙攣しながらうずくまるリーフの太ももには自身の膣内から溢れ出る白い液体がつたう。
お尻の上には存分にリーフの中に欲望を吐き出してもまだ足りないと主張せんばかりに滾る肉の棒が大きさを変えず、リーフの背中に液体を飛ばしながら鎮座していた。
「ふぅ……へへ、これが俺の一番効果のある媚薬だ…注ぎこまれたらどんな女だろうがもう俺の言いなりだぜ」
そんなオークの台詞を免罪符にするわけではなかったが、リーフはもう我慢の限界をとうに越えてしまっていた。
一人例外はいるが……誰にであろうと屈する事の無かったその気位が初めて折れる瞬間だった。
しかし、普通であれば既に廃人になるであろう程の快楽を気心一つで抵抗してきた彼女を責められる人間などいるはずもない。
「おら、舐めろ」
何をするわけでもなく、オークはそのままの体勢で腰に手を当て、リーフに向けて艶光る肉棒を突き出す。
「は…はい…」
未だ痙攣は止まらなかったが、リーフは要望に素直に応じる。
ペロッ…
黒光りする肉棒が肌白い手に包まれ、ピンク色の舌により舐めとられ更に光を増したような気がした。
「ふむっ…んむっ、んっ」
指示される事なく、それを口いっぱいに頬張り前後にジュルジュルと音を立て前後させる。
それをする事も初めてではあったが奉仕は知識として備わっていた。
これが男の味なのか、自身の愛液の味なのかはわからなかった。
時間にして二分程奉仕は続き、静かな牢獄には唾液と甘い息遣いだけが響きわたる。
「おら、出すぞっ」
リーフの口の中で二度目の射精は行われた。
「んむっ!?んんっ!ん…んっ…」
抑えつけられていたわけではなかったが、リーフは口を離さなかった。
それは単なる好奇心なのか、それとも快楽を楽しみたかったからなのか、この行為に心酔し始めていたからなのか…その心情は本人にしか知る由もない。
「さぁ、まだまだこれからだ、楽しもうぜ」ニヤ…
再び休む間もなくオークは挿入する。
グチュッグチュッグチュッグチュッ……
--------------
----------
-------
◇
【リーフレイン視点】
「あっ…あっ…あっ」
どれくらいの時間が経ったであろうか、最早時間の経過など体感でも計りようもない。
痙攣の止まらない私は床に寝そべり、しばしの余韻の刻に浸っていた。
何回あの男の欲望を受け止めたかはわからないその膣からは、もう受け入れられない程の白い液体が床にも溜まっていた。
(何をしているんだろうな…私は…)
オークは満足したのかはわからないが傍らで休んでいる。
きっとこれで終わりなんて事はない、たかだかまだ数回交わっただけだ。
私は助けが来るまでその性欲の捌け口になるのだろう。
別にそれは構わない、先程も考えていた事だがこんな事は戦場ではよくある事だ。
盗賊やオークによる性的被害にあった女性はたくさん見てきた、同僚の戦士や騎士が被害に合った事もある。
いつか下手をうてば私がこんな目に合う事もあるだろう、それは常々隣におき享受しよう…そう考えていた。
命さえ失わなければそれでいい。
私はこの最強の称号と名を喪うわけにはいかないんだ。
妹…アイスメリアのために。
(…だが、何だこの様は)
戦闘では最近負け続き、囚われて仲間には迷惑をかけ、あまつさえ性欲の捌け口にされ、しかもその快楽に溺れている。
挙げ句自身で無意識のうちに上に乗り腰まで振り続ける始末。
(何をしてるんだ私は)
今だって剣はそばにあり、もう縛られている手枷もない。
それなのに、身体は動こうとしない。
汚されるのを待っている私がいる。
「物欲しそうに見やがって、へへ、さぁ、再開だ。今度は気を失うまでヤり続けてやるよ」
「は…はい…」
ゾクゾクッッ……
言葉だけで快感が身体を駆け巡る、そして自身の意思で股を開いた。
(何をっ……何を何を何を何を何をっしてるんだ私はっ!!)
快楽を求める自分と少しでも反抗しようとする自分。
本当の私はどこにいるのか…。
心で葛藤し続ける私には身体とは相反し、私自身も知らぬ間に精神に多大なるストレスを与えていた。
グチュッグチュッグチュッグチュッ!!
「あぁぁぁぁあああっ!!もっとっ!激しくしてっ!!」
カチャッ…
激しく突かれながら、手には知らぬ間に剣を握る。
「ぁぁあああっ!!イクイクイクいっちゃうぅぅっ!!」
ザクッ
「かっ……はっ?な……何を……」
気づけばオークの頭を剣で貫いていた。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ」
自身でも自分の行動がわからなかった、色々な思いが頭を交錯する。
「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
ザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッ!
叫びながら何度もオークを斬りつけた。
巨体は斬り刻まれ、最早見る影もない。
自分と繋がったまま、オークは既に絶命していた。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ…………あれ……?……私は……」
そして、その光景を最後に意識と記憶を失ったのだ。
~~~~~~~~
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……」
目を瞑り瞑想する。
私は男に汚された、それ自体はいい。
しかし、私を私たらめるその気位も心も…完全に折れて男との行為に陶酔してしまった。
それだけがたまらなく悔しかった。
私は、その事実を隠すために、都合の悪い記憶を無くすために、都合良く記憶を失ったのだ。
「はぁ……はぁ………………?」
誰に隠すために?自分自身に?
それもあるかもしれない、だが…私にはその事実を隠したい相手がいたか?
妹か?……確かにそれもある。
周りの友人にか?……そうかもしれない。
だがしっくりこない。
私には意中の男性も恋仲の男性もいないはずだ……しかし、それが一番しっくりくるような気がする……
その誰かにこんな汚れた私を見てほしくないから?
……そうだ、私はそれで……
その時、何かが私に覆い被さった。
--------------
◇
気絶していた一行の中で一番早く目を覚ましたエレメント。
「……んにゃ……ここは………………………………っ!?」
起き抜けに彼女が見たものは、想像し難い光景だった。
救けようとしていた友人のエルフの姿。
そして、それに被さった血だらけのナナシの姿だった。
「……………」
ナナシは言葉を発する事なく、ただ黙ってリーフに覆い被さる。
それは覆い被さるのではなく、腕を使わず抱き締めているようにも見えた。
「き、貴様っ……何故っ……ただ黙って剣を受けていたっ……」
そう、ナナシは錯乱状態にあったリーフの剣撃を途中からかわしもせず…全てを体一つで受けきっていた。
「…………助けてやれなくてごめん、怖かっただろ……」
ドクンッ…
「……あ」
「……リーフ……君がどれだけ…苦痛を味わったのかは…わからない……だから……好きなだけ剣を振ってくれ……これは……助けてやれなかった……俺への…罰だ……」
------------------------------------------
ドクンッ…
違う
見れば知らぬ間に振っていた剣は男に致命傷を与えており、至るところから大量の出血をしている。
……何故だ?
こんな剣撃……簡単にかわせるだろうし……何より体に傷がつくはずがない。
前は剣が身体を貫く前に折れたのだから……
前?
ドクンッ!
「怖がらせたくないから……抱き締められなくてごめん…本当は力いっぱい抱き締めたいんだけど…………こんな時でも……俺は優柔不断だな…」
「あ……あ……」
違う違う違う
私はこの人を知っている
何故?
体はいつでも再生できるはずなのに……何故しないのだ?
再生?
そう、氷の花で美しく傷を再生する。
妹の名に込められた力……
そうだ、妹が引き会わせてくれたこの人。
ドクンッ!
「大丈夫………体力だけは目一杯上げてるから……死にはしないよ……」
違う違う違う違う違う違う違う違うっ!
何故私はあんな男とこの人を重ね合わせたのだろう
まるで違うじゃないか
何故私はあんな男に抱かれてしまったのだろう
何故っ……
「おかえり…リーフ…もう大丈夫だから……君を怖がらせるものはもうないよ……」
違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違うんだ!
そうじゃないんだ、私は……
私の都合で、汚れてしまった身体と心を
貴方に見せたくなかっただけなんだ
貴方に腕を回してもらえる資格すらないんだ
自然と大粒の涙が頬をつたった。
それは後悔であり悔しさ。
一時の快楽に身を委ね…大切なものを一時的にでも見失った自身への嫌悪感。
色々なものが混ざり合って流れたものだった。
ぽたっ……ぽた……ぽたっ……
「…うっ……ぅぅぅっ……ごめっ…ごめんなさいぃっ…だんなさまぁっ…………汚れた私をっ……見ないでくださぃぃっ……」
「…大丈夫…君は汚れてなんかない…出会った時からずっと……綺麗で美しいままだよ」
そして旦那様はきつく、強く私を抱きしめた。
ごめんなさい、旦那様。
私に貴方に抱かれる資格はないけれど
少しだけ……ほんの少しだけでいいですから。
この涙が止まるまで…
今だけは…このままでいさせてください。
ブォンッ!ブンッ!!ブォン!
「まっ……まてっ!どうしたんだよリーフ!!」
操られでもしているのか、リーフは双剣を俺に向けて振り回した。
しかし、一番初め…森で対峙した時より明らかに動きに精細を欠いている。
「はぁっ……はぁっ……」
ズキンッ…
~~~~~~~
「やぁっ……はぁっ!や、やめっ……!」
グチュッグチュッグチュッグチュッ!
「その割には挿入る前に嬉しそうに笑ってたじゃねーか!ああ!?」
両腕を鎖により宙に吊るされ、壁に背をもたれて足を掴まれているリーフに抵抗する術はなかった。
オークの猛る肉棒は初めてそれを受け入れたリーフの膣内に構う事なく乱暴に掻き回した。
「痛くねぇどころかぶっトんじまいそーだろ!?俺の能力にかかったやつは初めてでもヨがり狂う!最初が俺でよかったなオイ!」
まさしくその通りだった、初めて侵入を許したその砦はそれを阻むどころか痛みすら残さないそのモノを喜んで受け入れた。
「あっ!あっ!あっ!あっ!だ、だめっ!もうイクっ!あぁっ!!」
膣内が肉棒を抱き締めるようにきつく締まる。
リーフは天を精一杯仰ぎ、何度も痙攣した。
「おいおい一人でイってんじゃねーよ、俺ぁまだまだこれからだぜっ!?」
ズポッ…
ガチャンッ
オークはもう反撃する事はないだろう、と確信しリーフの手枷を外した。
そして壁に手をつかせ四つん這いにし、再び挿入する。
「うぁぁぁっ!ま、まって!もうイったからっ!」
グチュッグチュッグチュッグチュッ!!
「ぁぁあああっ!!だめぇっ!おかしくっ!なっちゃっ…!」
オークはリーフの懇願になど耳を貸す気はなく、一心不乱に腰を振った。
グチュッグチュッグチュッグチュッ!!
「やっべぇ!とろとろすぎてもう出そうだ!おらっ!出すぞ!」
「あっ!あっ!まって!外にっ!ぁぁあああっ!!」
オークの動きはリーフに被さるような体勢のまま、止まる。
初体験だったリーフではあったが、それが何を意味するのかはお腹の中に何かが注ぎ込まれるような…形容しがたい、えもいわれぬ感覚で理解できた。
「あっ……あ……あ……」
ズポッ…
どろっ……
ビュルッビュルッビュッ…
既に力無く、お尻だけを突きだし床に痙攣しながらうずくまるリーフの太ももには自身の膣内から溢れ出る白い液体がつたう。
お尻の上には存分にリーフの中に欲望を吐き出してもまだ足りないと主張せんばかりに滾る肉の棒が大きさを変えず、リーフの背中に液体を飛ばしながら鎮座していた。
「ふぅ……へへ、これが俺の一番効果のある媚薬だ…注ぎこまれたらどんな女だろうがもう俺の言いなりだぜ」
そんなオークの台詞を免罪符にするわけではなかったが、リーフはもう我慢の限界をとうに越えてしまっていた。
一人例外はいるが……誰にであろうと屈する事の無かったその気位が初めて折れる瞬間だった。
しかし、普通であれば既に廃人になるであろう程の快楽を気心一つで抵抗してきた彼女を責められる人間などいるはずもない。
「おら、舐めろ」
何をするわけでもなく、オークはそのままの体勢で腰に手を当て、リーフに向けて艶光る肉棒を突き出す。
「は…はい…」
未だ痙攣は止まらなかったが、リーフは要望に素直に応じる。
ペロッ…
黒光りする肉棒が肌白い手に包まれ、ピンク色の舌により舐めとられ更に光を増したような気がした。
「ふむっ…んむっ、んっ」
指示される事なく、それを口いっぱいに頬張り前後にジュルジュルと音を立て前後させる。
それをする事も初めてではあったが奉仕は知識として備わっていた。
これが男の味なのか、自身の愛液の味なのかはわからなかった。
時間にして二分程奉仕は続き、静かな牢獄には唾液と甘い息遣いだけが響きわたる。
「おら、出すぞっ」
リーフの口の中で二度目の射精は行われた。
「んむっ!?んんっ!ん…んっ…」
抑えつけられていたわけではなかったが、リーフは口を離さなかった。
それは単なる好奇心なのか、それとも快楽を楽しみたかったからなのか、この行為に心酔し始めていたからなのか…その心情は本人にしか知る由もない。
「さぁ、まだまだこれからだ、楽しもうぜ」ニヤ…
再び休む間もなくオークは挿入する。
グチュッグチュッグチュッグチュッ……
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◇
【リーフレイン視点】
「あっ…あっ…あっ」
どれくらいの時間が経ったであろうか、最早時間の経過など体感でも計りようもない。
痙攣の止まらない私は床に寝そべり、しばしの余韻の刻に浸っていた。
何回あの男の欲望を受け止めたかはわからないその膣からは、もう受け入れられない程の白い液体が床にも溜まっていた。
(何をしているんだろうな…私は…)
オークは満足したのかはわからないが傍らで休んでいる。
きっとこれで終わりなんて事はない、たかだかまだ数回交わっただけだ。
私は助けが来るまでその性欲の捌け口になるのだろう。
別にそれは構わない、先程も考えていた事だがこんな事は戦場ではよくある事だ。
盗賊やオークによる性的被害にあった女性はたくさん見てきた、同僚の戦士や騎士が被害に合った事もある。
いつか下手をうてば私がこんな目に合う事もあるだろう、それは常々隣におき享受しよう…そう考えていた。
命さえ失わなければそれでいい。
私はこの最強の称号と名を喪うわけにはいかないんだ。
妹…アイスメリアのために。
(…だが、何だこの様は)
戦闘では最近負け続き、囚われて仲間には迷惑をかけ、あまつさえ性欲の捌け口にされ、しかもその快楽に溺れている。
挙げ句自身で無意識のうちに上に乗り腰まで振り続ける始末。
(何をしてるんだ私は)
今だって剣はそばにあり、もう縛られている手枷もない。
それなのに、身体は動こうとしない。
汚されるのを待っている私がいる。
「物欲しそうに見やがって、へへ、さぁ、再開だ。今度は気を失うまでヤり続けてやるよ」
「は…はい…」
ゾクゾクッッ……
言葉だけで快感が身体を駆け巡る、そして自身の意思で股を開いた。
(何をっ……何を何を何を何を何をっしてるんだ私はっ!!)
快楽を求める自分と少しでも反抗しようとする自分。
本当の私はどこにいるのか…。
心で葛藤し続ける私には身体とは相反し、私自身も知らぬ間に精神に多大なるストレスを与えていた。
グチュッグチュッグチュッグチュッ!!
「あぁぁぁぁあああっ!!もっとっ!激しくしてっ!!」
カチャッ…
激しく突かれながら、手には知らぬ間に剣を握る。
「ぁぁあああっ!!イクイクイクいっちゃうぅぅっ!!」
ザクッ
「かっ……はっ?な……何を……」
気づけばオークの頭を剣で貫いていた。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ」
自身でも自分の行動がわからなかった、色々な思いが頭を交錯する。
「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
ザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッ!
叫びながら何度もオークを斬りつけた。
巨体は斬り刻まれ、最早見る影もない。
自分と繋がったまま、オークは既に絶命していた。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ…………あれ……?……私は……」
そして、その光景を最後に意識と記憶を失ったのだ。
~~~~~~~~
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……」
目を瞑り瞑想する。
私は男に汚された、それ自体はいい。
しかし、私を私たらめるその気位も心も…完全に折れて男との行為に陶酔してしまった。
それだけがたまらなく悔しかった。
私は、その事実を隠すために、都合の悪い記憶を無くすために、都合良く記憶を失ったのだ。
「はぁ……はぁ………………?」
誰に隠すために?自分自身に?
それもあるかもしれない、だが…私にはその事実を隠したい相手がいたか?
妹か?……確かにそれもある。
周りの友人にか?……そうかもしれない。
だがしっくりこない。
私には意中の男性も恋仲の男性もいないはずだ……しかし、それが一番しっくりくるような気がする……
その誰かにこんな汚れた私を見てほしくないから?
……そうだ、私はそれで……
その時、何かが私に覆い被さった。
--------------
◇
気絶していた一行の中で一番早く目を覚ましたエレメント。
「……んにゃ……ここは………………………………っ!?」
起き抜けに彼女が見たものは、想像し難い光景だった。
救けようとしていた友人のエルフの姿。
そして、それに被さった血だらけのナナシの姿だった。
「……………」
ナナシは言葉を発する事なく、ただ黙ってリーフに覆い被さる。
それは覆い被さるのではなく、腕を使わず抱き締めているようにも見えた。
「き、貴様っ……何故っ……ただ黙って剣を受けていたっ……」
そう、ナナシは錯乱状態にあったリーフの剣撃を途中からかわしもせず…全てを体一つで受けきっていた。
「…………助けてやれなくてごめん、怖かっただろ……」
ドクンッ…
「……あ」
「……リーフ……君がどれだけ…苦痛を味わったのかは…わからない……だから……好きなだけ剣を振ってくれ……これは……助けてやれなかった……俺への…罰だ……」
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ドクンッ…
違う
見れば知らぬ間に振っていた剣は男に致命傷を与えており、至るところから大量の出血をしている。
……何故だ?
こんな剣撃……簡単にかわせるだろうし……何より体に傷がつくはずがない。
前は剣が身体を貫く前に折れたのだから……
前?
ドクンッ!
「怖がらせたくないから……抱き締められなくてごめん…本当は力いっぱい抱き締めたいんだけど…………こんな時でも……俺は優柔不断だな…」
「あ……あ……」
違う違う違う
私はこの人を知っている
何故?
体はいつでも再生できるはずなのに……何故しないのだ?
再生?
そう、氷の花で美しく傷を再生する。
妹の名に込められた力……
そうだ、妹が引き会わせてくれたこの人。
ドクンッ!
「大丈夫………体力だけは目一杯上げてるから……死にはしないよ……」
違う違う違う違う違う違う違う違うっ!
何故私はあんな男とこの人を重ね合わせたのだろう
まるで違うじゃないか
何故私はあんな男に抱かれてしまったのだろう
何故っ……
「おかえり…リーフ…もう大丈夫だから……君を怖がらせるものはもうないよ……」
違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違うんだ!
そうじゃないんだ、私は……
私の都合で、汚れてしまった身体と心を
貴方に見せたくなかっただけなんだ
貴方に腕を回してもらえる資格すらないんだ
自然と大粒の涙が頬をつたった。
それは後悔であり悔しさ。
一時の快楽に身を委ね…大切なものを一時的にでも見失った自身への嫌悪感。
色々なものが混ざり合って流れたものだった。
ぽたっ……ぽた……ぽたっ……
「…うっ……ぅぅぅっ……ごめっ…ごめんなさいぃっ…だんなさまぁっ…………汚れた私をっ……見ないでくださぃぃっ……」
「…大丈夫…君は汚れてなんかない…出会った時からずっと……綺麗で美しいままだよ」
そして旦那様はきつく、強く私を抱きしめた。
ごめんなさい、旦那様。
私に貴方に抱かれる資格はないけれど
少しだけ……ほんの少しだけでいいですから。
この涙が止まるまで…
今だけは…このままでいさせてください。
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