一級警備員の俺が異世界転生したら一流警備兵になったけど色々と勧誘されて鬱陶しい

司真 緋水銀

文字の大きさ
31 / 207
序章第二節 石原鳴月維、身辺警備開始

■二十八話番外編 女騎士アクア・マリンセイバー※アクア視点

しおりを挟む

~~~~~~~~~~

◇騎士『アクア・マリンセイバー』視点

 私が騎士になりたいと思ったのは十二才の時。私の家は料理店を営んでいて私もこのまま家を継いで料理人になるんだろうなって幼いながらにそう感じていた時期。

 両親は古いタイプの人間で、『女は家庭を守るべき』って幼い私にずっと言っていた。だから両親は私にずっと料理を教えてくれた。
別にそれが嫌ってわけじゃなかったんだけど……多感な時期で反抗期でもあったせいなのかわからないけど……ただ女性ってだけで、生き方を決められるのには無性にイライラした。
 けど……別の生き方なんて知らないし、夢もなかった私には……自分のその人生から抗(あらが)うキッカケが見つからなかった。
 だから、両親から言われるがまま……女としての幸せな生き方を身につけていた。

 そんな私に転機が訪れたのは、そう、まさにそんな十二才の時。

 うちの料理店に来ていた山賊の一味が料金を踏み倒そうと店で暴れだしたんだ。料理長だったお父さんもウェイターだったお母さんもそれを止めようとして、怪我をして、血まみれだった。

 幼かった私にトラウマを植えつけそうなそんな光景から救ってくれたのが……当時、王国騎士序列1位の女騎士【ジャンヌ・シャインセイバー】様。
 彼女はちょうどたまたま店に訪れて、息をするかのように山賊達を蹴散らして、お父さんとお母さんに回復技術を使って全快させて、料理を美味しいと言っていっぱい食べて、自分の分と山賊達の飲み食いした料金の分までお金を置いて帰っていった。

 たったそれだけ。でも、それだけで充分すぎるほど。
 私が騎士を目指す理由になるには充分すぎる出来事だった。

--------------

 両親の反対を押し切って、私は騎士を目指した。古い考えだった両親ではあったけど、山賊の一件でジャンヌ様に救われてからは騎士を目指す事について強くは言えなかったようだ。
 私は今までしてこなかった、考えもしなかった、戦闘の修行を死ぬくらいにやった。あの人みたいに強くなりたくて。
 騎士に必要な色々な資格や検定を取るために寝る間も惜しんで勉強もした。あの人みたいに、誰かを守りたくて。

--------------

 それから四年。
 数々の属性検定や資格技術を取得した私は満を持して、『騎士試験』に挑んだ。自信はあった、魔王時代だった事もあって色々な種族の魔物も討伐した。一人で倒せるようにもなった。
 あの人にはまだまだ全然届かないけど、今じゃ山賊だって一人で蹴散らせるようになった。もう、私はただの女の子じゃないんだから。

 そんな気持ちで挑んだ騎士試験の結果は、不合格だった。

 理由は、『女』だから。
 騎士の採用には騎士の【適職】の才以上の持ち主ではないと駄目だと言われた。女で騎士の【適職】の持ち主は極稀であるらしい。
 修練を積めば、男性ならば後天的に騎士適性が発現する事もあるらしいが……女性がいくら鍛えても…後天的に騎士適性が発現する事はほぼ皆無だと、知らされた。根本的な体の作りや戦闘センスが男と女ではまるで違う、と。
 ジャンヌ様は生まれつき……騎士の【天職】の持ち主だったらしく……だから女性騎士になれたのだった。当時、女性騎士は世界中でも指で数える程しかいなかった。
 騎士は技術もさる事ながら……『力』……純粋なる腕力、体力も兼ね備えていなければならない、と。それが、男と女ではまるで違う、と。

 失意の中、試験官が放った言葉は、慰めであったのか、嘲笑であったのかわからない。だけどそれは今でも私の中に……傷として残っている。

 『戦場に出るのは男の仕事、女は家を守っていればいい』


 私は悔しくて、一晩中泣き腫らした。

------------------------------------------

 それでも私は諦めきれなかった。
 それから私は、自分でもおかしくなる程……狂気に染まる程、それまでしてきた修練が子供のお遊びかと思えるくらい鍛練に励んだ。
何回も死にかけた。
 その甲斐あってか……決死で挑んだ二年後の騎士試験。見事に合格をして、騎士見習いになる事ができた。

 私は歓喜した。ようやく、女性としての私が認められたんだと。ようやく、あの人の足元に追いつく事ができたんだ、と。
 その時はそう思った。

 けど、それは私の勘違いだった。

 私が受けた騎士試験は前回よりも、今までのどの騎士試験よりも……基準が甘かったと、後で知らされた。
 理由は、新たな魔王の誕生と……騎士や兵士の人材不足。

 そう、私は……お情けで、人手が足りないから騎士になれたんだ。
 まるで……猫の手でも借りるように。ある程度の基準値があれば女性だろうと騎士になれる時代がやってきたからだったんだ。

 私には、相変わらず、騎士の才能は発現していなかった。

~~~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~
~~~~~~


「………それからも私は言われ続けた、『女にしては強い方だ』『適性がない割には頑張っている』『しかしやはり戦場には出せない、敵に捕らえられ慰み者にされれば機密情報を簡単に渡す恐れがある、女だから』とかね」
「………」
「だから私は心を押し殺すしかなかった、恐れを与え、慈悲をなくし、『冷笑騎士』なんて呼ばれる程、冷たく演技もした。そうすれば……男だ女だなんて言っている連中を黙らせる事ができるんじゃないかって」
「………」
「もちろん鍛練も欠かさなかった、そうして私は序列12位まで登り詰めた……あなたは馬鹿にするだろうけど……そうした結果が今のこの私なの、それを笑うのは許さない」
「………」
「……けど……私のこの演技を直ぐに見抜いたのはあなたが初めてよ。騎士になってこの演技を始めてから……皆私から遠ざかるか、怖がるか、変に信奉するかだけだったもん。だから話したの、わかったら手を離して」
「………………」

「ZZZZZZ」

「って何寝てるのよ!? 私の手を引いて走りながら何て器用な事してるのあなた!」
「zzz話終わったか?」
「っ! ええ! 終わったわよ! つまらない話で悪かったな! やはり話すのではなかった!」
「落ち着け、男言葉とごっちゃになってるぞ」
「貴様のせいでしょ!」
「あまりにも阿呆(あほう)らしくて聞いてられなかった、お前、今のその姿を自分に見せられるのか?」
「……っ?! はぁ!? 意味がわからないわよっ!」

「かつて助けられた自分はお前みたいな騎士に救われたのか、と聞いてるんだ」
「!!」

~~~~~~~~~~~~~

「……あ、あの……ありがとうございましたっ! あの……貴女は……」
「ふふ、気にする事ないわよ。弱き民を助けるのが私の使命だもの。私は騎士【ジャンヌ・シャインセイバー】よ。可愛いお嬢さん、料理、頂けるかしら?」
「は、はいっ!」

~~~~~~~~~~~~~

「目的と手段が入れ替わってるんだよお前は。『守る』っていうのは命だけを指すものじゃないぞ」


 ………………そうだった。
 私は………認められたくて……騎士になったんじゃない。女でも騎士になれるって、立派にやれるんだって認めさせたくて……騎士になったんじゃない。
 ただ、あの人みたいに誰かを守りたくて。弱い人を助けたくて。そう思って、騎士を目指したんだ。
 
 そして『あの人』ーー【ジャンヌ】様は私をただ守っただけじゃない。
 その後もずっと私の事を気にかけてくれた、私に安心を与えてくれた。こんな強い騎士がいるこの国を誇りに思った。
 
 かつてジャンヌ様に助けられた私は、今の私に助けられていたら騎士を目指していただろうか?
 ……きっと無理ね、こんな冷たい眼をした騎士に人々を『守る』ことなんかできやしない。
 私はこれまで、騎士として、ただ『命』を守っていただけだ。

 人々に【寄り添うこと】【安心を与えること】、それこそが『守る』ということ。
 それこそが、私の目指した騎士だったのに。
 なんでそんな当たり前の事を………ずっと忘れてたんだろう私は………

「………私は…………何をしてたんだろ……守るべき民を怖がらせて……周りを見下して……あの人は…ジャンヌ様は……絶対そんな事しなかったのに……私は……」
「別に今からでも遅くないだろ、気づいたんなら『今』お前は何をする?」

 そう。男だったらとか、女だとか、そんな事関係ないんだ。今、魔物は村を襲撃しようとしていて、今、村人は居場所をなくそうとしている。
 この村は私の領地、村人達はあの日の私。そして今の私は……あの時の……ジャンヌ様と同じなんだ。弱き民を助ける、騎士なんだ。

 だったら、今から私は……。


「……もちろん、民と、民の居場所を守り抜くわ。だって私は……『騎士』なんだから! 手伝って! 警備兵!」
「警備兵志望だ、わかった。面倒だが手伝おう、笑った詫びだ」
「……え?」
「お前は勘違いしている、お前が十二位まで上がれたのはただお前が努力した結果だ。男みたいな振る舞いだとかは全く関係ない、お前が頑張ったから、それだけだ」
「……っ」
「悪かったな、十二位を馬鹿にして。凄いなお前、良く頑張ったな」

 ……っ! 何なのこの人……このタイミングで……泣いちゃうじゃないっ……。
 不思議な人……すぐに私の演技を見抜いちゃうし……この人の前だと素直に女としての自分が出せちゃう……何でだろ?


「そーいうやつは好きだ」

 ~~~~っ!!?
 すっ……好きって!? 何っ!? 急に!?  
 い、今まで騎士になるためにとか……認められるためとか……そーいう事しか考えてこなかったから……っ、恋愛なんてしたことないからっ、わからないんだけど……こ、これって告白ってこと!?

 もう男だとか女だとか……気にしないようにしようって思ったばっかりなのに! これじゃあ女として生きるしかないじゃない!
 ど、どうしよう……告白ってどう返事したら……!

「だからお前を十二位騎士と呼ぶのはもう止めよう。お前はこれから『だもん』騎士だ。リアルにだもんなんて使う女初めて見た。よろしくな『だもん』騎士」

 私は恥ずかしさで顔が真っ赤になった。









しおりを挟む
感想 34

あなたにおすすめの小説

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~

津ヶ谷
ファンタジー
 綾瀬樹、都内の私立高校に通う高校二年生だった。 ある日、樹は交通事故で命を落としてしまう。  目覚めた樹の前に現れたのは神を名乗る人物だった。 その神により、チートな力を与えられた樹は異世界へと転生することになる。  その世界での樹の功績は認められ、ほんの数ヶ月で最強賢者として名前が広がりつつあった。  そこで、褒美として、王都に拠点となる屋敷をもらい、執事とメイドを派遣してもらうことになるのだが、このメイドも実は元世界最強だったのだ。  これは、世界最強賢者の樹と世界最強メイドのアリアの異世界英雄譚。

クラスの陰キャボッチは現代最強の陰陽師!?~長らく継承者のいなかった神器を継承出来た僕はお姉ちゃんを治すために陰陽師界の頂点を目指していたら

リヒト
ファンタジー
 現代日本。人々が平和な日常を享受するその世界の裏側では、常に陰陽師と人類の敵である妖魔による激しい戦いが繰り広げられていた。  そんな世界において、クラスで友達のいない冴えない陰キャの少年である有馬優斗は、その陰陽師としての絶大な才能を持っていた。陰陽師としてのセンスはもちろん。特別な神具を振るう適性まであり、彼は現代最強の陰陽師に成れるだけの才能を有していた。  その少年が願うのはただ一つ。病気で寝たきりのお姉ちゃんを回復させること。  お姉ちゃんを病気から救うのに必要なのは陰陽師の中でも本当にトップにならなくては扱えない特別な道具を使うこと。    ならば、有馬優斗は望む。己が最強になることを。    お姉ちゃんの為に最強を目指す有馬優斗の周りには気づけば、何故か各名門の陰陽師家のご令嬢の姿があって……っ!?

生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。

水定ゆう
ファンタジー
 村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。  異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。  そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。  生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!  ※とりあえず、一時完結いたしました。  今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。  その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。

勇者パーティーを追放されたので、張り切ってスローライフをしたら魔王に世界が滅ぼされてました

まりあんぬさま
ファンタジー
かつて、世界を救う希望と称えられた“勇者パーティー”。 その中で地味に、黙々と補助・回復・結界を張り続けていたおっさん――バニッシュ=クラウゼン(38歳)は、ある日、突然追放を言い渡された。 理由は「お荷物」「地味すぎる」「若返くないから」。 ……笑えない。 人付き合いに疲れ果てたバニッシュは、「もう人とは関わらん」と北西の“魔の森”に引きこもり、誰も入って来られない結界を張って一人スローライフを開始……したはずだった。 だがその結界、なぜか“迷える者”だけは入れてしまう仕様だった!? 気づけば―― 記憶喪失の魔王の娘 迫害された獣人一家 古代魔法を使うエルフの美少女 天然ドジな女神 理想を追いすぎて仲間を失った情熱ドワーフ などなど、“迷える者たち”がどんどん集まってくる異種族スローライフ村が爆誕! ところが世界では、バニッシュの支援を失った勇者たちがボロボロに…… 魔王軍の侵攻は止まらず、世界滅亡のカウントダウンが始まっていた。 「もう面倒ごとはごめんだ。でも、目の前の誰かを見捨てるのも――もっとごめんだ」 これは、追放された“地味なおっさん”が、 異種族たちとスローライフしながら、 世界を救ってしまう(予定)のお話である。

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる

静内燕
ファンタジー
【カクヨムコン最終選考進出】 【複数サイトでランキング入り】 追放された主人公フライがその能力を覚醒させ、成り上がりっていく物語 主人公フライ。 仲間たちがスキルを開花させ、パーティーがSランクまで昇華していく中、彼が与えられたスキルは「精霊王」という伝説上の生き物にしか対象にできない使用用途が限られた外れスキルだった。 フライはダンジョンの案内役や、料理、周囲の加護、荷物持ちなど、あらゆる雑用を喜んでこなしていた。 外れスキルの自分でも、仲間達の役に立てるからと。 しかしその奮闘ぶりは、恵まれたスキルを持つ仲間たちからは認められず、毎日のように不当な扱いを受ける日々。 そしてとうとうダンジョンの中でパーティーからの追放を宣告されてしまう。 「お前みたいなゴミの変わりはいくらでもいる」 最後のクエストのダンジョンの主は、今までと比較にならないほど強く、歯が立たない敵だった。 仲間たちは我先に逃亡、残ったのはフライ一人だけ。 そこでダンジョンの主は告げる、あなたのスキルを待っていた。と──。 そして不遇だったスキルがようやく開花し、最強の冒険者へとのし上がっていく。 一方、裏方で支えていたフライがいなくなったパーティーたちが没落していく物語。 イラスト 卯月凪沙様より

処理中です...