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二章第二節 一流警備兵イシハラナツイ、〈続〉借金返済の旅
■番外編.魔女のつぶやき
しおりを挟む-イシハラが領域を出て数時間後-
〈フルト・フランク遺跡群内部 『魔女の領域(アフィンフィールド)』〉
「…………ガラパゴス携帯……ぶつぶつ……スマホ……大SNS時代……ぶつぶつ……一言つぶやいて自分の情報を世界中に発信する!? 正気!? 何もかもをさらけ出すというの!? 何て平和な世界……ぶつぶつ……ネットワークを構築……なるほど、それなら属性技術で再現できる……丁度良い………覚えたてついでにわたしも呟いてみよう……」
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・わたしはガラケー、スマホ、PCを同時操作しながら属性技術【光】で電脳空間をアフィンフィールドに展開した! そして【ウイッター】というアプリを作り、つぶやいてみた!
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「……できたけどなにか違う……ぶつぶつ……これじゃあただの日記……地球人の最先端の感覚でつぶやくならこんな感じで……」
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・ちょっと聞いて! 今日地球にあるネットワーク技術を全て理解して擬似的に同じものを異世界にも創ったんだけど簡単すぎて臍(へそ)でお茶沸かしてたら水飢饉に陥ってる村を救っちゃって英雄扱いされたんだけどへそで沸かしたお茶飲んでる村人見てさすがに申し訳なさと恥ずかしさと心強さをいつも感じてる!
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「ぶつぶつ……これが地球人の最先端の感覚……なんか嘘っぽい……というか嘘だけど……こんなの発信してどうなるというの……最先端にはついていけない……でも行動記録にはちょうどいい……追々理解しながらなにかに使おう……魔女の知恵を以てしても覚えきれない事が沢山あるなんて……地球は恐ろしい……ぶつぶつ……」
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・わたしは地球の娯楽文化を大まかに理解した!
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「……ぶつぶつ……いつかお兄さんの記憶も読み取ってこのつぶやきで補足してあげよう……そしてお兄さんの異世界での記録を実録書として出版する……うひひひ……わたしは魔女にして作家となり……印税収入で悠々自適に生活する……うひひひ……楽しそう……」
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・わたしに俗物的な野望ができた!
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「そのためにはお兄さんになんとしても地球に帰る方法を見つけてもらわないと……ぶつぶつ……新魔王軍がその障害にならなければいいんだけど……まぁお兄さんなら大丈夫そう……わたしはこの高い建物……なんだっけ……お兄さんの住んでいた日本の首都にある……エッフェル塔? それは海外だっけ? まぁ高い建物から見守ってるから……だって外出たくないし……」
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・わたしは出来上がった街並みを見下ろした! まさに未来都市! コンクリートジャングルが眼下に広がっている!
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ワイワイ……ガヤガヤ……
「うひひひ……魔女の手にかかれば建築技法、測量技法、加工技法を全て修得するなんてわけない。これで本で読んだ日本の首都トーキョーは再現した。雰囲気を出すために人混みの喧騒を再現してBGMで流す。人はいないけど………目を閉じればまるで大都会にいるよう……都会の荒波に呑まれる魔女……うひひひ……いい……雰囲気でる……」
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・わたしは悦に浸った!
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「だけどまだまだやる事はある、今度はAI技術を理解する。そして……『擬似イシハラお兄さん』の機械人形を造る。そうすれば毎日楽しい……退屈せずに済む……うひひひ」
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・わたしはひと休みすることにした!
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「……それにしても……なんか懐かしい感覚がする……凄く嫌な感覚……まさか……『あいつ』が動き出した……? アフィンフィールドにまで伝わってくるなんて『あいつ』しかいない…………【炎獄の魔女】……だとしたらお兄さんもちょっと危ないかも………………仕方ない………一肌脱いであげる……外には出ないけど……使い魔を送ってあげよう」
【氷空の魔女 技術 『使い魔召喚』】
「『気高き氷を統べる孤高の狼、魔女の名に於いてその神々たる姿を顕現し我が刃となりて永久凍土を創らん……出でよフェンリル』」
し~ん………
「………?」
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・わたしが召喚の儀を行っても辺りには大都会トーキョーの喧騒が音を立てているだけだった!
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「ぶつぶつ……出てこない……あいつどこ行ったの……最後に会ったのは30年くらい前だったっけ……そういえばその時になんか言って書き置き残していった気が……えーと…………これこれ……」
『ここにいると貴様のようなダメ人間になりそうなので契約解除します。 フェンリル』
「………………………」
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・わたしは書き置きを見なかった事にして祈りを捧げた!
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「お兄さん……わたしはなにもできないけどここから旅の無事を祈ってる……どうか無事に帰ってきて………」
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