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第二十五話 あの世につながる電話ボックス
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その電話ボックスには、ある条件で電話をかけるとあの世とつながってしまうという噂があった。
噂を実際にやって確かめようとしたのがTさんである。
夜中の2時22分。なぜその時間なのかはわからない。
ともかくその時間に電話ボックスから電話をかけると、どこにかけてもノイズが返ってくるという。
そこで電話を切ると、その電話ボックスに折り返すかのように電話がかかってくるのだ。
その電話はあの世とつながっており、死んだ人と話ができるということだった。
「特に話したい人がいるわけではありませんでしたが、何かのネタになるかと思って」
Tさんは夜中に友人と共にその電話ボックスにやってきた。
ちょうど雨が降っておりコンディションとしてはよくなかったが、来てしまったものは仕方がない。やるだけやって帰ることにした。
「僕が電話をして、友人にその様子を撮影してもらってました」
記録のために友人がスマホのカメラを構える。
どちらが電話をかけるかは、先に決まっていた。電話ボックスの中に入るTさん。
「じゃあ、しっかり撮っといてな」
雨の中、傘も差さずに友人が電話ボックスの外で待っている。できれば早く撮影も含めて終えたかった。
2時22分。今だ。Tさんは電話機に100円を入れ、実家の電話番号にかけた。
しばらく無音が続く。
やがて受話器から音が聞こえ始めた。
ガー、ガピー、ガー……
ノイズ音だ。もし実家に通じていたらさぞ迷惑な電話であることだろうが、ノイズになったということは、噂の通りにできたのだろう。
Tさんは受話器を降ろして電話を切った。
その直後。
プルルルッ、プルルルッ……
音が鳴ったが、電話ボックスの公衆電話ではない。
Tさんのスマホに着信している。
予想外の展開に慌てながらTさんはポケットからスマホを取り出す。
『非通知設定』の文字。
Tさんは友人の方を見るが、スマホで撮影のポーズをしたままだ。
電話に出るか、出ないか。
一瞬の迷いの後、Tさんはスマホへの電話に出た。
「も、もしもし」
「……」
プツッ。
相手が無言のまま、電話が切られた。
「え、何だったんだ」
Tさんには何が何だかわからない。
電話ボックスから出ようとすると、すでに撮影を終えた友人がTさんの後ろの方を指さしている。
その顔は目を見開き、恐怖に歪んでいた。
Tさんが後ろを振り向く。
黒い人の形をした影が、電話機の横で蠢いていた。
「わっ!」
慌ててTさんは電話ボックスを出る。
友人の横をすり抜けるように脱兎のごとく逃げた。
走って走って、明かりが見えるところまで来た。
少し呼吸を落ち着けてから、友人のことが気になり電話ボックスの方に戻る。
戻る途中でこちらに向かってきた友人と合流できた。
「あれは本当に、何だったのかわかりません。あと、電話ボックスの電話機には折り返しの電話がなかったのもなぜなのか」
疑問が残ったが、このあとで1つ明らかになったこともある。
Tさんのスマホにかかってきた非通知の着信。これは友人の手によるものだった。
スマホのカメラで撮影しているように見せながら、実は自分のスマホでTさんに非通知で電話していたのである。
「演出だそうですがあの影については予想外で、あいつも驚いていました」
この電話ボックスの噂は、変わることなく今も残っている。
噂を実際にやって確かめようとしたのがTさんである。
夜中の2時22分。なぜその時間なのかはわからない。
ともかくその時間に電話ボックスから電話をかけると、どこにかけてもノイズが返ってくるという。
そこで電話を切ると、その電話ボックスに折り返すかのように電話がかかってくるのだ。
その電話はあの世とつながっており、死んだ人と話ができるということだった。
「特に話したい人がいるわけではありませんでしたが、何かのネタになるかと思って」
Tさんは夜中に友人と共にその電話ボックスにやってきた。
ちょうど雨が降っておりコンディションとしてはよくなかったが、来てしまったものは仕方がない。やるだけやって帰ることにした。
「僕が電話をして、友人にその様子を撮影してもらってました」
記録のために友人がスマホのカメラを構える。
どちらが電話をかけるかは、先に決まっていた。電話ボックスの中に入るTさん。
「じゃあ、しっかり撮っといてな」
雨の中、傘も差さずに友人が電話ボックスの外で待っている。できれば早く撮影も含めて終えたかった。
2時22分。今だ。Tさんは電話機に100円を入れ、実家の電話番号にかけた。
しばらく無音が続く。
やがて受話器から音が聞こえ始めた。
ガー、ガピー、ガー……
ノイズ音だ。もし実家に通じていたらさぞ迷惑な電話であることだろうが、ノイズになったということは、噂の通りにできたのだろう。
Tさんは受話器を降ろして電話を切った。
その直後。
プルルルッ、プルルルッ……
音が鳴ったが、電話ボックスの公衆電話ではない。
Tさんのスマホに着信している。
予想外の展開に慌てながらTさんはポケットからスマホを取り出す。
『非通知設定』の文字。
Tさんは友人の方を見るが、スマホで撮影のポーズをしたままだ。
電話に出るか、出ないか。
一瞬の迷いの後、Tさんはスマホへの電話に出た。
「も、もしもし」
「……」
プツッ。
相手が無言のまま、電話が切られた。
「え、何だったんだ」
Tさんには何が何だかわからない。
電話ボックスから出ようとすると、すでに撮影を終えた友人がTさんの後ろの方を指さしている。
その顔は目を見開き、恐怖に歪んでいた。
Tさんが後ろを振り向く。
黒い人の形をした影が、電話機の横で蠢いていた。
「わっ!」
慌ててTさんは電話ボックスを出る。
友人の横をすり抜けるように脱兎のごとく逃げた。
走って走って、明かりが見えるところまで来た。
少し呼吸を落ち着けてから、友人のことが気になり電話ボックスの方に戻る。
戻る途中でこちらに向かってきた友人と合流できた。
「あれは本当に、何だったのかわかりません。あと、電話ボックスの電話機には折り返しの電話がなかったのもなぜなのか」
疑問が残ったが、このあとで1つ明らかになったこともある。
Tさんのスマホにかかってきた非通知の着信。これは友人の手によるものだった。
スマホのカメラで撮影しているように見せながら、実は自分のスマホでTさんに非通知で電話していたのである。
「演出だそうですがあの影については予想外で、あいつも驚いていました」
この電話ボックスの噂は、変わることなく今も残っている。
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