ご主人様の意のままに(冒頭試し読み)

まゆり

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「うっ……ああっ……やああっ……いっ……イくっ……んあっ……あぁあああっ……」
 一瞬にしてイってしまい、全身がガクガクと痙攣する。それでもすべてのローターからは淡々と執拗な刺激が送られてきて、数秒のうちに再び痺れるような絶頂感に翻弄され、腰を震わせてしまう。
「ひとりで楽しんでないでご奉仕しなさい」
「……は、はい、ご主人様」
 ベッドの端まで這い、肩で身体を支えながら、セイジのスラックスのホックを外し、ファスナーを降ろす。ボクサーショーツをずり下げると、硬く勃起したペニスが勢いよく飛び出してくる。喰らいつくように口の中に収めて舌を絡みつかせると、再び絶頂感に襲われ、首をがくんと仰け反らせてしまう。その拍子にペニスが口から飛び出してしまう。
 ひゅんと空を切る音がして、ベルトが振り下ろされ、お尻に痛みが走る。
「気持ちよがってないで、ちゃんと咥えなさい」
「はい、ご主人様……うっ…うああっ……」
 感じるところを、すべてローターの振動で刺激され、もういつイっているか、身体のどこでイっているのかものかわからないくらいに、身体のあちこちがでたらめに跳ね上がり、思考も途切れ途切れになる。セイジのペニスを再び口に含むと、間髪を入れずに後頭部を押さえられ、喉奥まで突き刺される。
「うっ……ぐぅ……」
 えずきそうになって咳き込み、苦痛と快楽に脳をかき乱される。そのまま軽く咳き込む要領で喉を締めながら、セイジに喉奥を蹂躙され、自我が溶けてなくなっていく。玩具に責め苛まれる美結もまたセイジの玩具でしかない。
 途轍もない快楽に翻弄されながらも、美結自身が無機物になったようにセイジのペニスに舌を這わせ、卑猥な音を立てて吸い上げる。セイジのペニスが、一回り大きく膨れ上がり、美結は扱く速度を上げる。
「出すよ……うっ……」
 ドクドクと脈を打ちながら吐精するペニスに吸いつき、尿道を舌で扱き上げ、精液を飲み下した。
「ご主人様……うくぅ……もう無理です。止めて……」
 振動が止まると同時に、肉体の限界がきて、美結は深い闇に落ちた。

 気がつくと、美結はベッドの中にいた。ほの暗い部屋には、乳白色のライトスタンドの明かりだけが灯されていて、カタカタとキーボードを叩く微かな音が聞こえている。ローターは取り外され、粘液でべとべとになっていた恥部はきれいに拭かれている。
「セイジさん……」
 バスローブ姿のセイジがPCに向かっている。
「やあ美紅ちゃん、起きた?」
「ごめんなさい。私……」
「仕事残ってるから、そろそろ帰る」
 ひとりになりたくなくて、セイジを呼んだのに。でも忙しいのに無理して出てきてくれたのだろう。
「ごめんなさい。忙しいのに」
「いや、美紅ちゃんみたいな子に誘われて断れるわけないだろ。昔の知り合いに美紅ちゃんに似た子がいてね」
「元カノですか?」
「いや、旧い知り合いのパートナーだった紗衣子さえこさんっていう、なんか放っておけない人だった」
「守ってあげたいタイプだったんですね。一度でいいからそう言われてみたいです」
 何の努力もしなくても、庇護ひご欲を刺激するというだけで、男を惹きつけるタイプの女がいるのだ。愛されるために必死の努力をして、尽くしても、すぐに愛想をつかされてしまう美結にはないものを持っているのだろう。
「いやむしろまったく逆で、とんでもなく気の強いM女だった。でも今はもう……小学生のお母さん、かな」
 美結はため息をひとつついた。幸せは、追えば追うほど逃げていく。でも、M女であっても、ちゃんと幸せを掴める女性だっているのだ。
「……あやかりたいですね、本当に」
「ところで……急だったから手持ちがなくて……美紅ちゃんの銀行口座、教えてくれる?」
 なんとなく、うやむやにしてあったけど、お金をもらうつもりはなかった。部屋まで用意して、デートをドタキャンされたのは目に見えているのに。
「あの……今日はいいです。プライベートってことで」
「まあそう言うなって。思い切り楽しませてもらったから……それに……何かあったんだろ、彼氏と。わざわざ俺のためにこんなにおしゃれして、部屋まで用意してくれるわけないって思ったけど、頼りにしてもらえてちょっと嬉しかった。また何かあったら呼んで」
「え? あの……呼ぶのはセイジさんの方では?」
「まあそうだけど……美紅ちゃんはなんか放っておけないから」
 それは紗衣子さんという人に似ているからですか、と聞こうとしたけど、やめた。
「ありがとうございます」
 美結は、そう言うと、ベッドから起き上がった。ガーターとストッキングだけの姿が恥ずかしくて、浴室に入ってバスローブを羽織る。バッグの中からスマホを取り出して銀行口座の詳細をセイジに送信した。本名を知られてしまうと思って一瞬躊躇したけれど、セイジなら大丈夫だろう。
「……振り込んどいた」
「ありがとうございます」
「じゃあまたね、美紅ちゃん」
 セイジは身支度を整えると、ホテルの部屋を出ていった。


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