バンコクトライアングル――恋の逃避行――

まゆり

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15(最終話)

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「おひいさま、ご学友との北海道旅行はいかがでしたでしょうか?」
「まあまあ」

 独身最後の旅行なので、SPはつけずに出してもらった。
 バンコクまで尾けられたかと思ったけれど、チャオプラヤー河で溺れてからは、あの黒服の男を見かけることはなかった。

「お婿さまの候補者の資料を持って参りました」
「そんなの興味ない」

 ずっと逃げ続けていたけど、もうおしまいだ。
 今度こそ本当に結婚させられるのだ。

「大変素晴らしい方でいらっしゃいます。文化人類学のご研究をされていて、趣味はご旅行、お名前は中条勝也さまとおっしゃる……」
 
「!」

 じいやから、ファイルをひったくった。

 緊張したなかちゃんの顔写真。
 写真の裏で笑いをこらえてるみたいな。
 ちょくしょう、罠だったのか。
 くそじじいめ。

 それでも、なかちゃんとまた会えるというだけで、あまりに嬉しくて、あたしは、
「このくそ自慰野郎」
 と言って、じいやに膝蹴りを食らわした。

                (了)
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